波動砲艦隊はこれより艦隊の指揮に入る 作:前衛武装航宙艦アマテラス
神州丸が計画したガングートによる偽装作戦は失敗に終わった。しかし、保安部は神州丸の確保に失敗。響の救出も出来ず逃してしまうことになった。だがその後、あきつ丸の報告により神州丸達の潜伏先が判明。これにより峯岸達は響の救出作戦を開始する事になった。
ーーーー執務室
藤井
「峯岸さん、それで潜伏先は分かったんですか?」
峯岸
「ええ、あきつ丸の調査で即に特定済みです。昔、使われていた第105警備基地。そこに陣取っている様です。」
第105警備基地。ここは昔、東京湾に警備をすり抜けて入り込んで来るであろう深海棲艦を探知し撃破、そして周辺地域に警戒情報を発信する為に作られた基地である。小高い丘に作られ、見晴らしが良い立地に建っている事が特徴だ。だが現在は人員の減少、兵器の進歩により廃墟と化している。
藤井
「でしたら今直ぐにでも救出作戦を開始しましょう!」
峯岸
「そうしたいのですが.....」
ガングート
「なんだ?こうしている間にも酷い目に遭っているかも知れぬのだぞ?何か今直ぐにでも問題でもあると言うのか?」
峯岸の言葉にガングートは何が問題なのだ?とキレ気味で問いただす。ガングートとしては今直ぐにでもでも響を助け出したいのだろう。
長門
「峯岸よ、我々は仮にも艦娘だぞ?人間如きの銃なんぞで傷はつかん。」
執務室に集まった長門も峯岸の言葉を詰まらせる意味が分からないと言うかのように言う。それもそうだろう。もし仮に神州丸の様な艦娘が他にも居たとしても数えるぐらいしか居ないのだ。
峯岸
「それが......偵察に出た偵察機から深海棲艦の姿が確認出来るとの報告が.....」
藤井
「なんだと!?」
長門
「どう言う事だ⁉︎仮にも陸軍だろう?それが何故、深海棲艦なんかと!」
長門が怒るのもその筈、共に戦ってきた味方が敵である深海棲艦と居るのだから。半ば裏切られた気持ちなのだろう。
峯岸
「確認出来るだけでも戦艦級が複数隻居るのは確実です。」
藤井
「......陸軍は何か言っているのですか?」
峯岸
「陸軍は深海棲艦との関係を否定、神州丸の行動も組織とは関係が無く、神州丸による凶行だと。」
藤井
「何が凶行だ!どうせ、上層部が仕組んだ事なんだろう!」
藤井提督は今までに無い程の怒りを見せる。長門同様、裏切られたと言う気持ちが大きいのかも知れない。
藤井
「すいません。取り乱してしまいました。」
峯岸
「いえ、そうなって当然でしょう。ですがこれで当分は相手も大胆には動いてこないでしょうね。」
藤井
「それもそうですね。大淀、周辺地域の避難状況は?」
大淀
「即に、第6艦隊所属の偵察機、ヴァンパイアからの報告で陸上自衛隊及び艦娘による周辺住民の避難を開始しています。半数以上が避難を完了している模様です。」
藤井
「分かった。では我々は救出作戦に専念するとしましょう。」
峯岸
「ですが今回の救出作戦は難航しそうですね。」
藤井
「えぇ...」
峯岸が言うのもその筈、神州丸達が第105警備基地は小高い丘に位置し見晴らしも良い。そうなると撃ち下ろされる可能性が出て来る。だからと言ってコスモシーガルの様な航空機を使って空から行こうにも近づけば深海棲艦の攻撃で撃墜される可能性が出て来る。
藤井
「うーん、やはり深海棲艦をどうにかしないと駄目ですよね....」
長門
「あれはどうだ?我々の様な艦娘では射撃精度が仇となって響を巻き込む可能性が出て来る。だからこそ高精度なD級を使うのはどうだ?」
峯岸
「おいおいおい、幾ら高精度だからと言っても威力を覚えているか?陽電子砲なんぞ撃とうものなら響ごと貫く可能性もあるんだぞ?」
長門
「ならば三式弾は?」
峯岸
「それも高貫通過ぎる。」
長門が言う様に遥か未来の高精度砲ならば狙い撃ち出来るのだろうが威力が威力な為、響にまで被害が及ぶかも知れない。だからと言って艦娘では精度面の問題が出て来る。
峯岸
「やはり航空作戦を強行するしか無いのか.....」
藤井
「ですがそれならば被害覚悟でないといけないのでは?」
峯岸
「......」
峯岸としても自身の部下が危険に晒されると言うのは直ぐにでも許可出来るものではない。
長門
「今こそあれじゃないか?艦娘を使った空挺降下じゃ無いか?」
峯岸
「確かにそれなら的も小さいし降下出来る可能性も出て来る!」
以前、立案した空挺降下なら艦娘による迅速な展開が可能。降下さえしてしまえば近接戦に持ち込める。そうなれば精度面もある程度は無視が出来るだろう。しかし、今回は地面だ。となれば使えるのはパラシュートを使ったもので無ければスピードが落とせず地面に激突してしまう。パラシュートとなれば深海棲艦に狙い撃ちされる可能性が出て来るだろう。
藤井
「だがパラシュートともなれば狙い撃ちされる可能性が!」
長門
「提督よ、心配するな。我々は艦娘だぞ?砲弾の1発ぐらい大した事は無い。」
藤井
「だが相手は深海棲艦だぞ?それを分かっているのか!?」
長門
「だからどうした?他の案が出来ない以上、これをする他無いだろう?」
藤井
「っ!........」
艦娘の事を思う藤井提督だったが確かに長門の言う様に打つてはこれ以上、残されていなかった。そうしていると突然、扉がノックされる。
藤井
「入れ。」
そうして入ってきたのは日向だった。
日向
「話は聞かせて貰った。どうやら困っている様だな?」
峯岸
「なんだ?何か打開すると案でもあるのか?」
日向
「ああ、陸上自衛隊の戦車だ。これなら深海棲艦にも対抗できる。
藤井
「陸上自衛隊?しかし、協力を仰ごうにも何もツテが....」
日向
「ツテならある。私の父が第29戦車連隊に所属している。」
峯岸
「父?日向は建造されたんじゃ?」
藤井
「峯岸さん、艦娘には建造と人間からの志願者の2パターンがあるんですよ。その後者が日向なんです。」
日向は元は人間で深海棲艦との戦争が始まり自ら志願して艦娘になったと言う。
峯岸
「そうなんですか、しかしその第29戦車連隊は今は何処に居るんだ?」
日向
「四国だ。」
峯岸
「四国⁉︎じゃあ無理じゃ無いか!」
日向
「いや、聞いた話だとここ数日、久里浜駐屯地に74式戦車が4輌訓練で派遣された様だ。」
長門
「74式か......随分と旧式だな。」
日向
「ああ、モスボール状態だったのを最近の異形艦との戦況悪化を踏まえて引っ張り出して来たらしい。」
峯岸
「だがその旧式戦車で対抗出来るのか?」
日向
「ああ、旧式と言えど以前の深海棲艦との戦闘では戦艦級を撃破した記録がある。」
峯岸
「そうなのか。でしたら提督、これを使えば上手く行くかも知れません。」
藤井
「そうですね。よし、日向はその件を伝えて協力を仰いでくれ。」
日向
「分かった。」
こうして藤井達は陸上自衛隊への応援要請をする事になった。そして数十分が経ち....
日向
「失礼するぞ。」
峯岸
「どうだった?」
日向
「どうやら協力してくれる様だ。現在、こちらに向かっているとの話だ。」
峯岸
「それは良かった!でしたら藤井提督、作戦を立てましょう。」
藤井
「えぇ。」
陸上自衛隊の戦車が協力してくれる事になり峯岸達は作戦の幅が広がった。そうして峯岸達はようやくしっかりと作戦を立て始める事が出来た。
ーーーー数時間後
峯岸
「ではおさらいしますよ?」
峯岸達が立てた作戦はこうだ。まず初めに74式戦車4輌及び性能テストで特に射撃精度が高成績の艦娘を第105警備基地の正面に展開。深海棲艦等の注意を引く陽動作戦を開始。そして74式戦車によりある程度の数を削った後、上空より艦娘による降下作戦を実施。着地後は近接戦により周囲をクリア。その後、コスモシーガル及びUH-1により保安部及び陸上自衛隊、普通科連隊を送り込み室内をクリア。そして響を救出する。
峯岸
「この時、室内戦闘は陸上自衛隊が行い、保安部は戦闘をなるべく避け、最優先で響の救助にあたる事。神州丸はその後だ。そしてもし、憲兵や神州丸、敵意がある者が攻撃をして来た場合、その場での射殺を許可。これで良いですね?」
藤井
「ええ、そして海に逃げる場合を想定してD級及び艦娘を展開ですよね?」
峯岸
「はい、では各員は所定の位置に移動。その後、74式戦車の到着を待って、到着次第作戦を開始する。」
藤井
「質問がある者は居ないか?居ない様ですね。では解散!」
そうして遂に、神州丸達との戦闘が開かれる事となった。
今回はここまでです。以前よりも短くなりましたがお許し下さい。クオリティーもいつもに増して壊滅的ですが今回ばかりはお許し下さい。そして次回は遂に戦闘回です。ではまたお会いしましょう!