波動砲艦隊はこれより艦隊の指揮に入る   作:前衛武装航宙艦アマテラス

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どうも皆さん!今回はアンケート通りあきつ丸の事を書きました!ただ喋り方が難しかったので多めに見ていただけると幸いです。

そして今回は異形艦やα等の事が多く書いてありますのでお楽しみに。


成れの果て

ある日、軍服を身にまとった一人の男が、静かな廊下を歩いていた。

 

男が向かう先は、奥へ進むにつれて薄暗くなり、どこか不気味な雰囲気を漂わせる場所だった。

 

その目的地は、中央情報局資料室。

 

男は、とある人物に頼まれ、この場所を訪れていた。

 

「もう少し、この雰囲気を何とかしてくれんかな……」

 

小さく愚痴をこぼしながら歩みを進めると、やがて資料室の前へとたどり着いた。

 

「第3課、立川少佐、入ります!」

 

そう言って扉を開ける。

 

部屋の中には、帽子で目元を隠したまま椅子にもたれ掛かる人物がいた。

 

周囲には分厚い本が山のように積まれ、壁に掛けられたホワイトボードには写真や資料、文字が隙間なく貼られ、書き込まれている。

 

「んっ……どうかしたのでありますか?」

 

気配に気付いたのか、その人物はゆっくりと身体を起こし、大きく背伸びをした。

 

目の下には濃い隈ができており、かなり疲労が溜まっているようだった。

 

「あきつ丸殿、失礼ですが、少し休まれてはいかがですか? このままでは体を壊してしまいますよ。」

 

「大丈夫であります。少なくとも、あなた方人間よりは丈夫ですからね。それで、何か進展でもありましたか?」

 

「はい。先日発生した横須賀鎮守府倉庫爆破事件、ならびに響拉致事件に関与した陸軍関係者の一斉摘発に成功しました。」

 

「そうでしたか。ご苦労であります。」

 

「ありがとうございます。これで陸軍内の反艦娘派……峯岸艦長や第六艦隊を敵視する勢力も、多少は大人しくなるでしょう。」

 

「そうですな。」

 

あきつ丸は静かに頷く。

 

「とはいえ、またすぐに組織を立て直してくる筈、引き付き警戒せねば....」

 

「ええ。その度に地道に潰していくしかありませんね。」

 

「ところで立川少尉、頼んでおいた物は持ってきましたか?」

 

「はい。これまで確認された異形艦に関する資料と、『α』についての資料です。」

 

「ご苦労さまであります。」

 

「本当に大変だったんですからね。『α』に関する資料なんて、入手できるものが限られていましたし。」

 

「そうでしたか。それなら、今度何かご褒美を用意しなければなりませんね……。」

 

そう言うと、あきつ丸はにやりと笑みを浮かべた。

 

「ご、ご褒美……ですか?」

 

「ええ。それは――居酒屋巡りであります! もちろん、このあきつ丸のおごりですよ!」

 

「……ですよね。」

 

あきつ丸は大の酒好きだった。何かあるたびに酒を飲み、酔い潰れては部下に迷惑をかけることもしばしば。そのため部下たちから禁酒令まで出されたが、隙を見つけては飲みに行くため、今では誰も止められなくなっていた。

 

「嫌でありますか?」

 

「いえ、嫌というわけではありません。ただ、誰かに迷惑をかけることになるかもしれませんから、お供しますよ。」

 

「何ですか、その言い方! 私だって、さすがに限度くらいはわきまえていますよ!」

 

「……結構怪しいですが。それと、資料とは別にこちらもどうぞ。」

 

「何をくれるんですか?」

 

「モ◯エナです。どうせ今夜も徹夜するおつもりでしょう?」

 

「気が利きますね。ありがたく頂戴しますよ。」

 

そう言うと、あきつ丸はさっそくモ◯エナのを開け、一口飲んだ。

 

「やっぱり徹夜明けの体にはモ◯エナが1番であります!」

 

「それは良かったです。ところで、調査の進捗はいかがですか?」

 

「それが、さっぱりであります。調査は難航していますよ。ただ、異形艦については、やはり『α』とは別世界の存在である可能性が極めて高いでしょう。」

 

「やはりそうですか。」

 

「異形艦は『α』以前から出現し、武装などの類似点が少ない。そして、撃破後に回収された残骸を調査すると、艦娘との共通点が非常に多い。このことからも、異形艦は『α』とは別物であり、元は艦娘だったと考えて間違いないでしょう。まっ峯岸さんが来たおかげでαは地球連邦防衛軍の物と言う事が分かったので一気に捗りましたけどね。」

 

「それは以前から言われていましたね。あれほどの欠損があるのなら、一度沈んだ別世界の艦娘だったと考えるのが妥当と言ったところでしょうね。」

 

「いえ、一度沈んだという考え方は違うかもしれませんよ。」

 

「えっ?」

 

「確かに、異形艦は出現するたびに身体の一部が欠損している個体が多く、そして峯岸艦長たちが別世界からこちらへ来た事実を考えても、異形艦が別世界の存在であることは、ほぼ確実でしょう。」

 

「ですが、欠損しているのに沈んでいないとは、どういうことですか?」

 

「少し前に、異形艦の残骸調査へ立ち会ったのですよ。その時、調査員から興味深い証言を聞き、写真も撮って来たのですよ。」

 

そう言うと、あきつ丸は当時の調査報告書と数枚の写真を机に並べた。

 

「……何ですか、これは。」

 

写真に写る欠損部には、至る所に縫合したような痕跡が残されていた。さらに、駆逐艦と思われる個体には、本来なら戦艦級にしか搭載されないはずの巨大な主砲が無理やり取り付けられている。

 

どう見ても、何者かが意図的に改造を施したとしか思えなかった。

 

そして欠損部も、撃沈されたというよりは、鋭利な刃物で切断されたかのように滑らかだった。

 

「そして、その時に解剖を担当した科学者が何と言ったと思いますか?」

 

「……。」

 

「『これは戦闘による損傷ではない。誰かによって手を加えられた、手術痕と考えて間違いないだろう。』――そう言っていたのですよ。」

 

「で、ですが……それが本当だとしても、どうやってあの巨体になるんですか?手術などで手を加えようにも元が艦娘なら、あれほど巨大な艦娘なんて存在しないはずです!」

 

立川が言うには沈んだ事により怨念などから深海棲艦に似た力を得る事によってあの巨体になったのではと考察して居た様だ。

 

「その答えは、今日ちょうど向かう場所で分かりますよ。立川少尉も一緒に来るといいであります。きっと、興味深いものが見られるでしょう。」

 

「興味深いもの……ですか?」

 

「ええ。それは着いてからのお楽しみですよ。それはそうと『α』の事は大体は絞る事が出来ましたよ。」

 

「そうなんですか?」

 

「ええ。峯岸さんたちの証言から判断する限り、『α』も別世界の存在と考えるのが自然でしょう。それも、あれが艦娘であるというのなら、なおさらです。」

 

αもまた、異形艦と同様に峯岸たちの世界には存在しなかったことから、別世界の存在である可能性が極めて高いと考えられていた。

 

「ですが、別の文明が造ったという可能性はないんですか?」

 

「その可能性は、ほぼ無いでしょう。こちらをご覧ください。」

 

あきつ丸は一冊の資料と数枚の写真を机に並べた。

 

そこにはαについて、これまで判明した情報がびっしりとまとめられている。

 

「写真を見れば分かるように、αの船体には『COSMO NAVY』と記されています。つまり所属は地球連邦防衛軍。しかし、そのような艦は峯岸さん達の世界の地球連邦防衛軍には存在していません。このことからも、別世界の艦である可能性が極めて高いと言えるでしょう。」

 

「確かに……。ですが、極秘裏に建造されていた艦という可能性はありませんか?」

 

「その点についても峯岸さんに確認しましたが、その可能性はないとのことでした。そして、それを裏付けるのがこの資料です。」

 

「その資料というのは?」

 

「峯岸さんから預かった、地球連邦防衛軍の機密資料です。内容については話せませんが、この資料を見る限り、そのような計画や艦の存在は確認できませんでした。

 

それに、ガトランティス戦役で艦艇不足に陥っていた状況で、そのような切り札を温存する理由もありませんからね。」

 

「機密資料って……あんな頑固そうな人から、どうやって手に入れたんですか?」

 

「こちらも、それ相応の情報を提供しましたよ。もっとも、万が一私が内容を漏らせば、波動砲で消し飛ばされるでしょうけどね。」

 

「こ、怖っ……。」

 

「つまり、αは少なくとも2204年以降に建造された艦である可能性が高いということです。そして、それは武装からも推測できます。次のページをご覧ください。」

 

立川がページをめくると、そこにはαをさまざまな角度から撮影した写真が貼られていた。

 

その多くは武装を中心に撮影されたものだった。

 

「これは峯岸さんたちにも協力していただき、武装を分析・推定した資料です。そして解析の結果、驚くべき可能性が浮かび上がりました。

 

――αは、アンドロメダ級を上回る艦である可能性があります。」

 

「えっ……?」

 

「まず主砲です。この写真を見る限り、四連装圧縮型衝撃波砲塔が前部に二基、後部に二基、さらに艦底部に一基。合計五基確認できまよね。

 

峯岸さんたちの分析では、この主砲は既存のアンドロメダ級よりも大口径である可能性が高いそうです。そもそも四連装という時点で、既存艦には存在しない異例の構成らしいですがね。

 

さらに、副砲と思われる砲塔が三基。こちらもアンドロメダ級と同等の口径と推定されています。そのほかにも多数のミサイル発射管を備えていることが確認されています。」

 

あきつ丸は写真の各所を指し示しながら説明を続ける。

 

「これらの武装配置を考慮すると、艦の全長はアンドロメダ級の444mを大きく上回る可能性があります。」

 

「そ、それが本当だとしたら……。そんな化け物、どうやって倒せるっていうんですか……。それに、アンドロメダ級を超えるということは……。」

 

「おっ、察しがつきましたか?」

 

あきつ丸は静かに頷いた。

 

「そう。この艦は、別の世界で地球連邦防衛軍の総旗艦であった可能性すらあるということです。」

 

その一言で、部屋の空気は一変した。

 

もしその推測が正しいのなら、兵装だけではない。搭載されているシステムや各種技術も、既存艦とは比較にならないほど進歩している可能性が高い。

 

現在は出現頻度が低いからこそ世界は辛うじて均衡を保っている。しかし、もし今後さらに多数のαが現れれば、人類に勝機はない。

 

世界は、わずかな時間で滅亡へ追い込まれるだろう。

 

その想像に至った立川の表情から、みるみる血の気が引いていく。

 

その様子に気づいたあきつ丸は、少しだけ表情を和らげた。

 

「もっとも、峯岸さん達は現在も対抗策を模索しています。勝算はあるそうですので、その点はご安心しを……と言いたいところですが。」

 

「……まだ、何かあるんですか?」

 

「もしこの艦が『波動砲艦隊構想』の中で建造された艦だとすれば、波動砲を搭載していることはほぼ確実でしょう。それも、アンドロメダ級を上回る出力のものを備えている可能性もね。そして……。」

 

「えっ? まだ何かあるんですか……。もう聞きたくないんですが……。」

 

次々と衝撃的な事実を告げられ、立川は頭痛でもしてきたのか額に手を当てる。

 

「もう勘弁してくれ」と言わんばかりの表情を浮かべていたが、あきつ丸は構わず話を続けた。

 

「これが一番厄介と言っていいでしょう。十勝さんの証言から、αは『次元潜航能力』を有している可能性があります。」

 

「次元潜航?」

 

「簡単に言えば、次元の狭間へ潜水艦のように潜れる能力です。つまり、潜航中はこちらから一切攻撃できません。」

 

「何ですか、そのチートじみた性能は……。まあ、今さら驚くことでもありませんけど。」

 

「ただ、この次元潜航という能力には、一つ気になる点がありましてね。」

 

「気になる点?」

 

「もしこの能力が本物なら、峯岸さんたちのシステムでは次元潜航中のαを探知できる可能性が高いそうなんです。」

 

「だったら、攻撃できるんじゃないですか?」

 

「普通はそう思いますよね?ところが、そう簡単な話ではないんですよ。」

 

「何が違うんですか?」

 

「αとの交戦記録を調べていたところ、一つ興味深い記録を見つけました。佐世保基地所属、第十一戦隊の護衛艦隊がαと交戦した際の報告書です。」

 

「ああ……シーレーン奪還作戦の時の記録ですか?」

 

「大正解であります!」

 

あきつ丸は満足そうに頷く。

 

「その戦闘では、突如出現したαが艦娘を攻撃し、第十一戦隊の護衛艦隊が直ちに反撃、まあ、一切効かないんですけどね。」

 

その時、不意に部屋の扉がノックされた。

 

「入って構わないでありますよ。」

 

「失礼します。お久しぶりです。」

 

そう言って部屋へ入ってきたのは、アマテラスの副長・立石だった。

 

「おお、立石さん。峯岸さんはご一緒ではないのですか?」

 

「峯岸艦長は現在、ウラジオストクへの守備隊派遣の指揮を執っており、不在です。」

 

「そうでしたか。せっかく面白いものをお見せしようと思ってお呼びしたのですが。」

 

「申し訳ありません。」

 

「いえ、謝る必要はありませんよ。しかし、立石さんがこちらへ来られたのは?」

 

「峯岸艦長から、『あきつ丸が例の件を第三者に漏らしていないか確認してこい』と言われまして。様子を見に来ました。それと、例の”面白いもの”の件も、代わりに対応するよう頼まれています。」

 

そう言うと立石は、隣に立つ立川へ視線を向けた。

 

「そんなに警戒しなくても大丈夫でありますよ。立川少尉は信頼できる人物です。」

 

「それなら安心ですが……。ただ、あまり外部へ漏らさないでくださいね。峯岸艦長に怒られるのは私なので。」

 

「分かっているでありますよ。」

 

立石は「本当でしょうね?」と言いたげな疑いの目を向ける。

 

もっとも、相手は中央情報局の隊長を務める人物だ。信用するしかないだろう。

 

「それで、あきつ丸さん。αについてはどこまで説明されたのですか?」

 

「第十一戦隊との戦闘記録までですよ。」

 

「ということは、『次元潜航ではない可能性』の話はまだですね。」

 

「そのとおりです。今から話そうと思っていたところですよ。」

 

「えっ? 次元潜航じゃないんですか?」

 

二人のやり取りを聞いていた立川は思わず声を上げた。

 

すると立石が説明を始める。

 

「αは護衛艦隊との戦闘後、突如として戦場から姿を消しました。」

 

「それが次元潜航では?」

 

「私たちも最初はそう考えました。しかし護衛艦は直ちに次元ソナーで周囲を捜索しましたが、反応はありませんでした。他の艦も同様に捜索しましたが、結果は同じ。機器の故障でもありません。」

 

「つまり……神隠しに遭ったように消えたと?」

 

「そのとおりです。何らかの方法で姿を消したことは間違いありません。しかし、そのような技術は我々も峯岸艦長たちも確認したことがありません。」

 

立石は一度言葉を切り、静かに続ける。

 

「そして、これまでに判明した情報を総合した結果、一つの仮説にたどり着きました。」

 

「……。」

 

「αがいた世界の地球は、何者かに占領され、その後、地球連邦防衛軍の艦艇は鹵獲・改造されたのではないか――という仮説です。」

 

「地球連邦防衛軍の艦が……鹵獲された?」

 

立川は思わず息をのんだ。

 

第六艦隊の戦闘力は常識外れだ。

 

惑星すら破壊できる波動砲を備え、これまで敵を圧倒し続けてきた艦隊。

 

そんな艦隊が敗北し、地球までも占領されたという話は、とても信じられるものではなかった。

 

しかし同時に、それほどの艦隊を打ち破る文明が存在するのだとすれば、その脅威は想像を絶する。

 

「もちろん、これはあくまで推測です。本当かどうかは分かりません。ですから、この話は他言無用でお願いします。」

 

「……分かりました。」

 

その時だった。

 

「少し失礼します。」

 

立石は通信端末へ目を向けると部屋を出ていった。

 

数分後、再び部屋へ戻ってくる。

 

「何かあったんですか?」

 

「先ほど連絡が入りました。どうやらウラジオストクの件は一段落したようで、峯岸艦長もこちらへ向かわれるそうです。」

 

「それは良かったであります。ちょうど峯岸さんにもお見せしたいものがありましたからね。」

 

すると、それまで黙っていた立川がゆっくりと口を開いた。

 

「……一つ、お聞きしてもいいですか?」

 

「どうぞ。」

 

「もし、本当にαが鹵獲された未来の地球連邦防衛軍の艦だとしたら……他にも同じような艦がいるはずですよね?」

 

部屋の空気が静まり返る。

 

「一隻だけでも、あれほどの脅威です。もし同じ艦が何隻もこの世界へ現れたら……どうするんですか?」

 

その疑問は誰もが一度は考えたことだった。

 

地球が占領されているのなら、鹵獲された艦はαだけではない可能性が高い。

 

そうなれば、今後さらに同型艦や、それ以上の艦が現れることも十分に考えられる。

 

立石は静かに頷いた。

 

「その可能性も想定し、峯岸艦長はすでに対策を進めています。ですから、現時点では心配しすぎる必要はありません。」

 

そう言ってから、少し間を置く。

 

「それに、仮に鹵獲されていたとしても、その艦隊が必ずこの世界へ現れるとは限りません。」

 

「……そうですか。」

 

立石の説明を聞いても、立川の胸の中に渦巻く不安が消えることはなかった。

 

そうしていると、あきつ丸がパンッと手を叩いた。

 

「さて、話はこのくらいにして、例の場所へ向かいましょうか!」

 

「そうですね……と言いたいところですが、あきつ丸さん。その隈、大丈夫なんですか?」

 

途中から合流した立石も、あきつ丸の目の下にできたどす黒い隈を見て驚いたようだ。

 

「大丈夫であります!いつものことですからね。それに、モ◯エナも二缶飲みましたから!」

 

「ええっ!?あのモ◯エナ、もう二缶も飲んじゃったんですか!?」

 

立川は思わず声を上げた。

 

それもそのはずだ。つい先ほど渡したばかりのモ◯エナを、もう二缶も空けたというのだから。

 

「まだ八缶ありますから大丈夫であります!」

 

「いや、そういう問題じゃ……。」

 

立川が呆れていると、立石が小声で耳打ちした。

 

「……いつか倒れませんよね?」

 

「何を言っても聞きませんからね。帰ってきたら、無理やりにでも寝かせます。」

 

「ははは……。」

 

立石は苦笑を浮かべた。

 

いつもこんな調子なのだと思うと、立川に同情すら覚えてしまう。

 

すると、その様子に気づいたあきつ丸が、いつの間にか二人の前まで歩み寄ってきた。

 

「……何か言ったでありますか?」

 

「「な、何でもありません!」」

 

「よろしい!では立川少尉、出発の準備をしてきてください。」

 

「はっ!」

 

立川が部屋を出ていくのを見届けると、立石が声の調子を落として口を開いた。

 

「あの件は、まだ話していませんよね?」

 

「ええ。αがここ最近まったく姿を現していない件でしょう? もちろん話していませんよ。もし峯岸さんの推測が正しければ……もうαは――。」

 

その瞬間、再び部屋の扉がノックされた。

 

「入って構わないであります。」

 

「失礼します。あの……今、お取り込み中でしたでしょうか?」

 

入ってきた隊員は、あきつ丸と立石の顔を交互に見ながら尋ねた。

 

「問題ありません。それで、どうしたのでありますか?」

 

「はい。オーストラリア方面で、また輸送艦隊が消息を絶ちました。現在、オーストラリア海軍とラバウル基地所属の艦隊が共同で捜索に当たっています。」

 

その報告を聞いたあきつ丸は、またかと言いたげに小さくため息をつく。

 

「そうですか。我々も今から向かう場所がありますので、これまでどおり情報収集を継続する様に。」

 

「はっ!」

 

隊員は敬礼すると、足早に部屋を後にした。

 

「その件は大丈夫なんですか?」

 

立石が尋ねる。

 

「現状では何の手掛かりも掴めていません。目立った成果もない状況でして。

 

協力を申し出ても、オーストラリア海軍は『ここは我々の担当海域だ。この件は我々だけで対処する』と言って受け入れてくれ無いのでありますよ。」

 

「そうですか……。」

 

「しかも、この事件は以前から続いているのですが、生還した艦は一隻も居ないのであります。被害は日本海軍だけではなく、海上自衛隊の護衛艦にも及んでいて数隻がやられている状況。そして、輸送艦隊が消息を絶った海域では、決まって激しい嵐が発生し、艦隊の消失とほぼ同時に嵐も消えてしまうのです。」

 

「その嵐が原因では?」

 

「さて……どうでしょうね。」

 

あきつ丸は意味深にそう答えた。

 

その時、出発準備を終えた立川が部屋へ戻ってきた。

 

「準備、完了しました。」

 

「よしっ! それでは出発であります!」

 

こうして、あきつ丸たちは”例の場所”へ向かうのだった。




最近、ハイフリ見返したけど大和型四隻の統制射撃カッコよかったよね。統制射撃したいよね。それとは別にカレル163みたいな事もしたいよね.........でもアマテラスが無双し始めちゃううううううう!

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