波動砲艦隊はこれより艦隊の指揮に入る   作:前衛武装航宙艦アマテラス

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どうも皆さん!今回は戦闘回となります。さて、以前現れたのは文明は一体何処の文明なのでしょうか?それではどうぞ!


全艦戦闘配置!

「人間……?」

 

艦長が呟いた、その直後だった。

 

「艦長! 残骸のデータ照合が完了しました!残骸はヤマト型二番艦『武蔵』およびその護衛艦隊のものと一致! 行方不明となっていた調査艦隊です!」

 

「……やはりそうか。となると、この宙域で武蔵を撃破したのは奴らということになるな。どうやら奴らは話し合いをしに来たわけではなさそうだ。」

 

艦長は即座に決断を下す。

 

「全艦に通達。正体不明艦を敵性目標と認定せよ!」

 

「敵艦増速! 急速に近づく!」

 

オペレーターが叫ぶ。

 

さらに別のオペレーターが報告を重ねる。

 

「新たな反応を探知! 前方より24隻、先行する不明艦と同型と思われます!

 

「どうやら、意地でも返してくれない様だ。全艦戦闘配置!」

 

「敵艦より高エネルギー反応!」

 

次の瞬間。

 

人型の不明艦から、真紅に輝く光線が放たれた。

 

それは一直線に調査艦隊へ襲い掛かる。

 

そして先頭を航行していた護衛艦へ直撃。

 

しかし――。

 

艦体を包む波動防壁が光線を受け止める。

 

激しい閃光が走るものの、艦に損傷は見られなかった。

 

「被害なし! 波動防壁健在!」

 

「お返しだ!全艦撃ち方始めッ!」

 

命令が各艦へ伝達される。

 

こうして――。

 

ラボラトリー・アクエリアス率いる外惑星調査艦隊と、謎の人型艦隊との戦闘が幕を開けたのであった。

 

ラボラトリー・アクエリアス率いる調査艦隊は、A級1隻、D級15隻、護衛艦5隻の計21隻。

 

対する正体不明艦隊は27隻。

 

単純な隻数では敵が上回っていた。

 

しかし、こちらも決して劣勢ではない。

 

地球連邦が誇る「波動砲艦隊構想」に基づいて建造された最新鋭艦隊である。

 

たかが6隻の差など、すぐに覆せる――。

 

誰もがそう考えていた。

 

「敵艦5隻撃沈!」

 

「よし、このまま押し込め!」

 

開戦から数分。その頃には誰もが異変に気付き始めていた。

 

レーダーに映る比較的小型の敵艦は、収束圧縮型衝撃波砲塔の毎秒一発速射力によって、文字どおり溶けるように撃沈していく。

 

しかし、大型艦艦ともなるとそれは覆される。

 

D級やA級の攻撃が、どれもが直撃しているにもかかわらず、大型艦はまるで何事もなかったかのように進撃を続けてくる。

 

「そんな馬鹿な……」

 

護衛艦の火力では歯が立たないのは理解できる。

 

だが、D級やA級は違う。

 

それらはガトランティスのカラクルム級すら正面から撃破できる火力を備えた艦だ。

 

それほどの攻撃力が、一切通用しない。

 

しかも、命中の瞬間。

 

敵艦の表面に、一瞬だけ淡い光の膜が展開されるのが確認された。

 

砲撃を受け止めているのは装甲ではない。

 

何らかの防御フィールド。

 

そう考えるのが自然だった。

 

艦長は険しい表情のまま呟く。

 

「小型艦や中型艦は対処できる……。だが大型艦には攻撃がまるで通用しない。人型というだけでも理解を超えているというのに、一体どんな技術を持っているんだ……」

 

その時だった。

 

「レーダー探知!」

 

オペレーターが叫ぶ。

 

「敵艦より多数の飛行物体を確認! 艦載機と思われます!」

 

「何だと?」

 

艦長の表情がさらに険しくなる。

 

「まだ戦力を隠していたのか……」

 

即座に命令を下す。

 

「航空隊発艦! 敵艦載機の迎撃に当たれ!」

 

号令と同時に、ラボラトリー・アクエリアス艦底部の格納庫ハッチが展開される。

 

ヤマトがイスカンダルから帰還した後の改装によって、発艦ハッチは二基に増設されていた。

 

A級空母型ほどの搭載数や展開能力こそ持たないものの、発艦速度は大幅に向上している。

 

命令からわずか数十秒。

 

艦載機部隊は次々と宇宙へ飛び立った。

 

そして間もなく、アクエリアス航空隊と敵艦載機は正面から激突しかし乱戦状態になった。

 

その間にも調査艦隊は徐々に敵を押し込んでいく。いくら大型艦とはいえ、隻数は少ない。このままいけば勝てる――そう思っていた時、レーダー上に新たな艦影が映る。

 

「艦長、敵艦隊後方より大型艦3隻が接近!」

 

「たかが3隻で何ができる。このまま押し込み続けろ!」

 

そう言った瞬間、その敵艦の一隻が発砲する。

 

すると、その砲撃は前方にいた護衛艦グリーブスに命中した。

 

「⁉︎ 護衛艦グリーブス、波動防壁消失!」

 

「何⁉︎」

 

そう報告が上がった瞬間、護衛艦グリーブスは船体を貫かれ、爆沈した。

 

「護衛艦グリーブス轟沈!」

 

「くそっ! あの威力……奴が武蔵の調査艦隊をやった奴か!」

 

この威力からしてこの敵艦は旗艦級だろう。

 

敵艦隊は護衛艦グリーブスを撃沈した瞬間、反撃へと転じる。

 

砲撃はさらに苛烈さを増し、グリーブス轟沈の動揺からか、艦隊の隊形が崩れ始める。

 

「怯むな! 撃ち返せ!」

 

だが、この敵艦も例外なく、大型艦同様にこちらの砲撃をシャットアウトしてしまう。

 

その間にも調査艦隊は徐々に戦力を削られ始め、各艦から次々と通信が飛び交う。

 

〈護衛艦ニコラス被弾! 戦列を離れる!〉

 

〈アボードがやられた!〉

 

〈D級ホーエン、機関部に被弾! 航行不能!〉

 

〈ホーエンがこっちへ流れてくるぞ! 回避!〉

 

〈クソッ! クーパーがホーエンに巻き込まれた!〉

 

〈バイエルン被弾! されど戦闘に支障なし!〉

 

そうして徐々に戦力を削られていく調査艦隊。

 

このままでは確実に負ける。

 

拡散波動砲で戦局を打開できるか?

 

いや、波動砲の充填中を狙われれば、こちらが先に撃沈される。

 

どうすればいい……。

 

艦長が必死に打開策を考えていた、その時だった。

 

「敵旗艦級よりエネルギー反応!」

 

オペレーターの悲鳴にも似た報告がブリッジに響く。

 

「何⁉︎」

 

艦長は即座にメインパネルへ視線を向けた。

 

すると敵旗艦の艦首付近では、三つの粒子の塊のようなものが互いに引き寄せられ、一つの巨大なエネルギー体へと収束し始めていた。

 

その光は時間が経つにつれてさらに輝きを増していく。

 

「……まずい」

 

誰もが本能的に悟った。

 

あの攻撃を受ければ、波動防壁など意味を成さない。

 

艦隊は一撃で壊滅する。

 

武蔵率いる調査艦隊も、あるいはあの一撃によって葬られたのではないか。

 

そんな考えが艦長の脳裏をよぎる。

 

しかし、考えている時間はない。

 

「重力シスプレット、オープン!」

 

艦長は即座に命令を下した。

 

「撃てッ!」

 

艦首から青白い光を放つ弾体が射出される。

 

それは艦隊前方で停止すると、瞬く間に巨大な重力フィールドを形成した。

 

その間にも敵旗艦のエネルギーは増大していく。

 

ここで調査艦隊は賭けに出る。

 

「拡散波動砲、発射用意!」

 

ブリッジの空気が一変する。

 

「し、しかし! 波動砲充填中に重力フィールドが突破された場合、本艦隊は無防備になります!」

 

副長が思わず声を上げる。

 

だが艦長は首を横に振った。

 

「ここで撃たねば、我々に勝機はない!」

 

その言葉には揺るぎない覚悟が込められていた。

 

「勝負はこの一撃だ。」

 

「エネルギー弁閉鎖! エネルギー充填開始!」

 

号令とともに、アクエリアスの波動砲口内が黄色く輝き始める。

 

その光は徐々に青白い輝きへと変わり、膨大なエネルギーが収束していく。

 

「充填率70……80……90……100……」

 

オペレーターがカウントを始めた、その時だった。

 

別のオペレーターが悲鳴にも似た声で報告する。

 

「敵旗艦より高エネルギー反応!」

 

「何⁉︎」

 

一歩遅かった。

 

敵旗艦はラボラトリー・アクエリアスへ向け、決戦兵器を放ってきた。

 

三つのエネルギーが一つに収束し、波動砲をも上回る極太の本流となって調査艦隊へ一直線に迫る。

 

「攻撃来ます!」

 

次の瞬間、敵の攻撃は重力シスプレットが展開した重力フィールドと激突した。

 

凄まじい閃光が宙域を包み込み、両者のエネルギーは激しくぶつかり合う。

 

衝突の余波だけで周囲の残骸が吹き飛び、空間そのものが震えるかのような大爆発が発生した。

 

その爆発は瞬く間に調査艦隊を飲み込み、艦隊の姿は白い閃光の中へと消えていった。

 

 

ーーーー⁇?

 

「やっと終わったか……」

 

「なかなかしぶとい相手でしたね。」

 

「ああ。武蔵といい、今の艦隊といい、さすがは地球連邦の艦だ。他文明とは一線を画す性能を持っている。」

 

「ええ。ですが、あのA級?でしたっけ?あれの重力フィールドには驚かされました。まさかあの一撃を防ぎ切るのかと思いましたよ。」

 

「さすがにそれはないだろう……いや、もしかしたらあるかもな。」

 

「やめてくださいよ。」

 

少し場の空気が和らぐ。

 

「それにしても、元は仲間だった艦隊を容赦なく撃沈することになるとは思いませんでした。」

 

「『元仲間』などと言うな。」

 

その一言で、場の空気が再び張り詰める。

 

「過去は過去だ。今は今。それだけのことだ。」

 

「……失礼しました。」

 

しばらくの沈黙の後、再び口を開く。

 

「さて、回収できるものは回収して帰還するぞ。少しでも地球連邦の技術を持ち帰れれば、今後の発展にも役立つ。」

 

「そうですね。ですが、あの攻撃で回収できるものはほとんど残っていないと思いますが……」

 

「かもしれんな。」

 

「ですが、アルデバランを改造した最新鋭艦グロデーズに、あなたまで加われば、勝てる文明などありませんよ。」

 

「地球連邦を侮るな。」

 

その言葉には、どこか確信にも似た重みがあった。

 

「奴らには『ヤマト』という切り札がある。人類の希望だ……。あいつは、いつだって奇跡を起こしてきた。」

 

「はっはい。」

 

その時だった。

 

別の艦から緊迫した通信が入る。

 

「艦隊前方より高エネルギー反応!」

 

「何だと?」

 

「反応急速増大! はっ、波動砲です!」

 

「ナニッ⁉︎」

 

 

ーーーー

 

煙の中から、無傷のアクエリアスが姿を現した。

 

あの攻撃を防ぎ切ったのだ。

 

流石はインフェルノカノーネを防ぎ切った重力シスプレットだけある。

 

「エネルギー充填120%!」

 

「さあ、油断しているところ悪いがお返しだ! 受け取れ! 拡散波動砲、発射ッ!」

 

アクエリアスを含む数隻のD級から放たれた拡散波動砲は、一直線に敵艦隊へと飛んでいく。

 

やがて敵艦隊の前方で数本の光束へと分かれ、そのまま敵艦隊を飲み込んだ。

 

敵艦隊は油断していたこともあり、回避する間もなく波動砲の直撃を受ける。

 

艦体を次々と貫かれ、爆発を起こしていった。

 

「敵艦隊の撃沈を確認! やった! やりました!」

 

「ふぅ……何とかなったか。」

 

艦長は安堵のため息をつく。

 

流石はイスカンダルの遺産だ。

 

これほど不利な戦局でさえ、一瞬で覆してしまう。

 

これを目の当たりにすれば、イスカンダルとの約束を破棄してでも波動砲を利用しようとする者たちの考えも理解できる。

 

だが、その時だった。

 

「待ってください! レーダー探知! 敵旗艦、まだ健在です!」

 

「何だと!」

 

――――???

 

「油断した……。まさか重力フィールドに身を隠し、隙を突いてくるとは……。」

 

しばらく沈黙した後、小さく呟く。

 

「……やれ。」

 

――――

 

「レーダーに新たな反応! 敵機、直上!」

 

「くそっ! 波動防壁もろくに展開できないというのに! 対空戦闘!」

 

敵機はアクエリアスの直上へ突如として出現し、そのまま襲い掛かる。

 

次元跳躍か?

 

いや、今は考えている暇はない。

 

艦長は即座に対空戦闘を指示した。

 

――――カイザー

 

D級戦艦カイザーでも即座に対空戦闘の指示が下されていた。

 

既存の対空火器に加え、主砲も射撃管制システムと連動し、凄まじい弾幕を形成する。

 

ヤマトほど高角砲の数は多くない。

 

だが、主砲の圧倒的な速射性能がそれを補っていた。

 

敵機は次々と撃墜されていく。

 

だが……。

 

「数機が弾幕を突破!」

 

「たかが数機だ! 叩き落とせ!」

 

弾幕をかいくぐった数機の敵機は、そのまま調査艦隊へ向かって突撃する。

 

そして艦艇の至近距離まで接近すると、懸架していたミサイルを一斉に発射した。

 

「敵ミサイル接近!」

 

「撃ち落とせ!」

 

「近すぎます! 間に合いません!」

 

「総員、衝撃に備えろ!」

 

ミサイルは接近すると、赤く光っていた弾体が青緑色へと変化し、そのままカイザーへ命中した。

 

しかし――爆発しない。

 

「何だ……? 爆発しない?」

 

そう思ったのも束の間だった。

 

ミサイルは船体に食い込むように弾頭後部が前進し、それと同時に青白く発光する。

 

次の瞬間、艦内から凄まじい爆発が発生した。

 

――――アクエリアス

 

「カイザー被弾!」

 

「無事か⁉︎」

 

「はい! ですが、あの状態では……」

 

モニターに映るカイザーは、被弾箇所が大きく裂け、辛うじて航行できる状態だった。

 

しかし、その隙を敵は見逃さない。

 

反撃も回避もできないカイザーへ、次々とミサイルが撃ち込まれる。

 

立て続けに爆発が起こり、やがて艦体は大きく二つに裂けた。

 

「カイザー撃沈!」

 

だが、それだけでは終わらなかった。

 

敵機は波動防壁を展開できない艦を狙い、次々と襲い掛かる。

 

突破を許した敵機によって、各艦は次々に被弾していく。

 

「ヴィクトリア・ルイーゼ撃沈!」

 

「くそっ! プリンツ・ハインリヒ被弾! 航行不能! 戦列を離れます!」

 

「ナッサウがやられた!」

 

オペレーターから次々と入る報告に、艦長は拳を強く握り締める。

 

だが、その脅威はすぐにアクエリアスにも迫っていた。

 

「敵機接近!」

 

「近寄せるな! 叩き落とせ!」

 

アクエリアスも直ちに対空火器を総動員し迎撃を開始する。

 

無数の弾幕が宇宙空間を埋め尽くし、敵機を次々と撃墜していく。

 

しかし、それでも数機が弾幕を突破した。

 

接近した敵機は、二発のミサイルを発射する。

 

「敵ミサイル来ます!」

 

「総員、衝撃に備えろ!」

 

次の瞬間、二発のミサイルがアクエリアスへ命中した。

 

船体全体を揺るがす凄まじい衝撃。

 

続いて内部で激しい爆発が起こる。

 

「ぐっ……。」

 

艦長は体勢を立て直しながら周囲を見回す。

 

「……何とか無事か?」

 

「はい! ですが、多数のシステムに異常発生! 航行能力も大幅に低下しています!」

 

アクエリアスは沈まなかった。

 

さすがはA級と言うべきだろう。

 

しかし、その代償はあまりにも大きかった。

 

二発のミサイルだけで、多数のシステムが損傷し、航行能力にも深刻な支障をきたしていた。

 

艦長はしばらく沈黙した後、小さく呟く。

 

「……撤退だ。」

 

「えっ?」

 

副長は思わず聞き返す。

 

「このままでは艦隊が全滅する。一度撤退し、態勢を立て直す!」

 

「……くっ、了解!」

 

命令は直ちに各艦へ伝達された。

 

アクエリアスは両舷にD級戦艦を接舷させ、その援護を受けながら反転する。

 

生き残った数隻の艦艇も後に続き、傷ついた調査艦隊は戦場を後にした。

 




今回はここまでとなります。次回は本編の方に戻ろうかと思っています。では次回、お会いしましょう。それでは!

次回の小説は?

  • それはお料理対決一択でしょう!
  • 街にお出掛け!
  • 軍内部(あきつ丸等)を進めましょう!
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