検死官イェルグは三十代半ばの男で、教会に籍を置きながら、よく煙草を吸う。
死体を前にするときだけ、彼は饒舌になり、そうでないときは必要以上のことを語らない。
彼は正義を語らず、祈りもしない。
ただ、死が何かに利用される前に、それを確かめる仕事を続けている。
死体を前にするときだけ、彼は饒舌になり、そうでないときは必要以上のことを語らない。
彼は正義を語らず、祈りもしない。
ただ、死が何かに利用される前に、それを確かめる仕事を続けている。
- 前日譚
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川と境界
- 傷が語るもの (改)
- 皮膚のないもの
- 煙の臭い (改)
- 留めるための草
- 協力者 (改)
- 吐瀉 (改)
- 淡水
- 枯れ兆し
- 向こう岸
- 投擲体
- 祈祷隊
- 余波
- 境界体
- 余白
- 宿
-
煤と義務
- 働きすぎる家 (改)
- 夜に働くもの (改)
- 小さな手が残したもの (改)
- 見られた手は、去る (改)
- 善き家に棲むもの (改)
-
家族の中の異物
- 違和感のある子供 (改)
- 検死 (改)
- 語られない真実 (改)
- 祈りの居場所 (改)
-
殴られなかった夜
- 守るという名前 (改)
- 森の家 (改)
- 名を与えるということ (改)
- 返さない選択 (改)
- 森に棲む話 (改)
-
探すものの灯
- 失われた名前 (改)
- 導かれる足取り (改)
- 善意の痕跡 (改)
- 先に迷ったもの (改)
- 最初の死体 (改)
- 祈られる側 (改)
- 消えた後の輪郭 (改)
- 人が、境界になった (改)
- 灯は、数えられない (改)
- 沼は、語らない (改)
-
手放せなかった名残
- 名を失う前の夜 (改)
- 優しい森 (改)
- 固執 (改)
- 悪意のない羨望 (改)
- 記念と、無駄になった祈念 (改)
-
越えなかった灯
- 教会からの圧 (改)
- 湖は、まだ静かだった (改)
- 聞こえたもの、聞こえなかったもの (改)
- 水が、声を覚える話 (改)
- 名前は、水より先に届く (改)
- 切らないという選択の重さ (改)
- 触れてはいけない水に、触れる (改)
- 記録に残らない声 (改)
- 母が、選ばなかった道 (改)
- 残されたもののための記録 (改)
- 探さない灯
-
幕間
- 煙が消えるまで (改)
- 越えない夜 (改)
-
救われなかったものたち
- 橋の中央で (改)
- 通らなかったもの
- 処理の痕
- 境界に立つ仕事
- 赤い帽子
- 討伐命令
- 倒せる理由
- 橋の上で
- 処理完了
- 立ち止まるな
-
数えなかったものたち
- 数が合わない (改)
- 産婆の家
- 巣の存在
- 名を持たないもの
- 討伐不可 (改)
- 検死官の限界 (改)
- 壊せるもの、壊せないもの
- 選択
- なかったことにする (改)
- 名前を与えない
-
沈黙より先に、声があった
- 話せる怪異
- 返事をしてはいけない (改)
- 優しい声の事故
- 呼び名の多いもの
- 返事 (改)
- 討伐命令 (改)
- 沈黙
- 討伐
- 後処理
-
息をしているあいだ
- 昼飯の時間 (改)
- 洗うという作業
- 地図の端 (改)
- 市場は今日も回っている
- 今日は、静かだな
-
鳴るはずだった音
- 反復音響現象
- 残響域
- 鳴らなかった名前
- 反響の由来
- 返らない声
- 残響の来歴
- 呼び水
- 山が返す声
- 返事の重さ
- 残った人
- 同時刻:ルーネ
- その後:何も変わらない日
- 正しいという歪
- 同じ家族、同じ家
- 同僚の視線
- 踏み越え線
- 何も言われない
- 変わらない、と言われる
- 記録と、始まり
- 残った人たち
- 残してしまったもの
- 事故
- 責められたかった
- 羽化
- 手を出せなかった
- 師の沈黙、弟子の声
- 背中を預ける
-
留める仕事、数える仕事
- 薄くなる村
- 数え直し
- 留める仕事
- 判断する仕事
- 呼び戻す
- 内側にしまわれた村
- 杯を交わす
- 【内部資料】
-
未来につながる仕事
- 昇進の日
- 机の前の怪異
- 教えるという仕事(前編)
- 教えるという仕事(後編)