光のおらん 〜全裸くノ一ピカピカ退魔録〜   作:ろくさん

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第二十八話

城の最上階へと続く巨大な黄金の扉は、蘭の放つ純白の浄化光線によって、その蝶番ごと内側から爆ぜるように吹き飛んだ。轟音と共に砕け散った扉の破片が、冷たい床を滑り、火花を散らす。蘭は肩を激しく上下させ、額に滲む脂汗を拭う余裕もなく、その奥に広がる異様な空間へと足を踏み入れた。

 

玉座の間。そこは、これまでの淫らな回廊や卑俗な罠が可愛らしく思えるほど、圧倒的な不浄と絶望に満ちた場所だった。

 

天井が見えないほどに高いその空間は、生き物のように周期的に脈動する肉壁で埋め尽くされている。壁の隙間からは、かつて欲望に呑み込まれた犠牲者たちの衣服を執拗に編み込んで作られたような、不気味なタペストリーが幾重にも垂れ下がっていた。それらは意思を持っているかのように、城内に淀む不気味な気流に揺れ、湿った音を立てている。中央に鎮座するのは、あらゆる光を飲み込むブラックホールを凝縮したような、漆黒の玉座であった。そこに、彼は座っていた。

 

「よくぞ辿り着いた、光賀の末裔よ。そして、愚かなる観測者の少年よ」

 

玉座に深く腰掛けた影、エロ大王の声が、地鳴りのように重く響いた。その声には、聞いた者の理性をドロドロに溶かし、股間の奥を直接揺さぶるような、呪わしくも卑猥な魔力が宿っている。

 

蘭は反射的に内股になり、足の指先を丸めて床を掴んだ。影山烈の特殊オイルによって十倍に引き上げられた彼女の肉体の感度は、玉座の間に充満する濃密な発情フェロモンを、まるで全身を熱い舌で執拗に舐め回されるような、生々しい感覚へと変換していた。一歩歩くごとに、太ももの内側が擦れ、そこから生じる微かな摩擦さえもが、望まぬ熱となって背筋を駆け上がる。呼吸を吸い込むだけで、肺の奥が甘く痺れ、思考が混濁しそうになる。

 

「エロ大王! 貴方が、この街を、学園をめちゃくちゃにしたんだね。みんなを裸にして笑って、桜ちゃんまであんなに恥ずかしい目に遭わせて。もう、絶対に、絶対に許さないんだから」

 

蘭は震える声を張り上げた。彼女の股間と胸元からは、資料室で得た自惚れ、すなわち私は美しすぎるから光っているのだという確信に近いエネルギーが、純白の閃光となって激しく明滅している。その光こそが、彼女にとって唯一の武器であり、乙女としての尊厳を守る最後の防壁であった。

 

「許さぬ、か。ククク。お前が纏うその光は、神がかけた原初の規制。だが、私は知っている。それはお前たちが抱く羞恥心がなければ維持できぬ、脆い均衡の上に成り立つ奇跡に過ぎないということをな」

 

エロ大王がゆっくりと玉座から立ち上がった。その姿は煩悩獣のような獣じみたものではなく、漆黒の霧を纏った、見る者の欲望によって姿を変える巨大な人型であった。大王が纏うマントの端からは、これまでに欲望に飲まれた男たちの絶望と快楽の呻きが、重なり合って溢れ出している。

 

「私はかつて、羞恥という概念すら持たず、ただ本能のままに世界を欲望の色で塗りつぶそうとした、無恥の神の残滓。規制などという姑息な光で、私の渇きを止められると思うな。その光、私の闇で塗りつぶしてくれよう」

 

大王が右手をゆっくりと掲げると、その掌から粘り気のある、形容しがたい漆黒の物質が溢れ出した。それは光を一切反射せず、ただそこにあるだけで周囲の空間を腐食させるような、不浄な闇の塊だった。

 

「私の光は、美しすぎるから出ているんだもん! 汚らわしい貴方の闇なんて、一瞬で焼き払ってあげる」

 

蘭は地を蹴った。しなやかな肢体を躍動させ、最短距離で大王の懐へと飛び込む。彼女が空中で身を翻し、股間から最大出力の浄化光線を叩きつけようとした、その瞬間だった。

 

「無駄だ。規制の闇(海苔)よ、その光を喰らえ」

 

大王の放った漆黒の物質、規制の闇(海苔)が、蘭の放った純白の輝きと正面から衝突した。だが、それは火花を散らすのではなく、粘着質を持った闇が蘭の光に吸い付くようにして、その輝きを物理的に覆い隠していった。

 

「えっ、やだ、光が、重い。な、何これ。剥がそうとしても、手にくっついて、いやあああぁっ」

 

蘭の悲鳴が玉座の間に反響した。彼女の股間と胸元を、絶対的な安心感と共に守り続けてきた謎の光が、大王の操る闇によって、物理的にベリベリと音を立てて剥ぎ取られていく。それはまるで、自らの皮膚の一部を無理やり剥がされるような、精神的な激痛を伴う略奪であった。

 

蘭は空中で姿勢を崩し、無様に床へと叩きつけられた。純白の粒子が真っ黒な闇に飲み込まれ、彼女のアイデンティティそのものであった規制が、一片残らず霧散していく。そして、最後の輝きが消え去った瞬間、そこには何も残らなかった。

 

「……あ……っ……」

 

蘭の思考は、絶望のあまり停止した。

 

そこには、神の規制も、制服の残骸も、何一つ存在しない。烈が開発した特殊オイルによって、室内の淫らな照明をテカテカと反射し、湿った光沢を放つ、一糸纏わぬ完全なる全裸の少女が、魔王の目前に放り出されていた。

 

「ひ……ひゃあああああぁぁぁぁぁぁっ」

 

蘭は反射的に膝を突き、自らの両腕で必死に胸を隠し、太ももを折れんばかりに閉じ合わせた。だが、かつては味方であったはずの十倍の感度が、今や彼女を地獄へと突き落とす最悪の枷となっていた。

 

冷たいタイルの感触が、直接、剥き出しのお尻や足の裏から伝わり、神経を逆撫でする。玉座の間を這うように流れる淫霧のねっとりとした空気の動き、さらには自分自身の震える指先が柔肌に触れる微かな振動。それらすべてが、これまでにない生々しさと密度を持って、剥き出しの神経に直接突き刺さる。隠すものの何一つないという事実は、少女としての彼女から戦う意志のすべてを奪い去った。

 

「やだ、見ないで。誰か、誰か隠して。恥ずかしい、死んじゃう、本当に死んじゃうよぉ」

 

蘭は床に額を擦り付け、震える声で懇願した。

 

誇り高きくノ一の姿はどこにもない。そこにあるのは、ただ辱めに身悶えし、自身の身体を抱きしめて震える、無防備で儚い、一人の裸の少女であった。彼女の白い背中には、恐怖と羞恥で鳥肌が立ち、腰の曲線は絶望に耐えかねて艶めかしく波打っている。股間の奥からは、恐怖と共に、抗い難い生理的な熱が溢れ出し、彼女の理性をさらに白く染めていった。

 

「ククク。美しすぎるがゆえの光だと自惚れていたな。だが、光を失えば、お前はただの、欲望の餌食となる肉に過ぎぬ。さあ、絶望しろ。その絶望こそが、世界を永遠の淫獄へと変える触媒となるのだ」

 

エロ大王が、蘭を見下ろしながら不敵に笑った。そして、彼の股間付近の闇が、ドクンドクンと不気味に、そして威圧的に脈動を始めた。

 

「見よ。これこそが、無恥の神の権現なり」

 

大王の股間から、ムクムクと禍々しい突起がせり出してきた。それは規制の闇(海苔)によって覆われ、その全貌は窺い知れないものの、圧倒的な質量と威圧感を持って、床で蹲る蘭の目の前に突きつけられた。その突起が脈動するたびに、周囲の空気はより一層濃密な、理性を腐食させる香りへと変わっていく。

 

「あ……あぁ……っ……」

 

蘭は腰を抜かし、後ずさることさえできない。自分に向けられた、その不浄な象徴から放たれる圧倒的な熱量。それが自らの純潔を蹂躙しようとしている恐怖に、彼女はただ、自身の秘所を隠す腕に力を込めることしかできなかった。

 

だが、その絶望的な光景を、一人の少年が物陰から、震える手で世界中に配信し続けていた。

 

「蘭……。君のその、光を失った、究極の絶望。今、全世界の人間が、君のその震える背中を、その曝け出された真実を見つめているよ」

 

影山烈。彼は恐怖に顔を歪め、大王の放つ威圧感に膝を震わせながらも、その瞳には狂気的なまでの情熱が宿っていた。彼は自身の眼鏡を指で押し上げ、最新鋭のデバイスを魔王と蘭に向け続ける。

 

「ふん、観測者か。せいぜい見るがいい。お前たちの女神が、これからどのような汚辱に染まるかをな。世界が彼女を見つめれば見つめるほど、彼女の羞恥は深まり、私の糧となるのだ」

 

烈の配信画面には、瞬く間に数億、数十億という視聴者がアクセスし、コメント欄はかつてない速度で流れ始めた。

 

「お、おい……蘭ちゃんの光が……消えた……?」

 

「嘘だろ。あの光、本当に剥がされちまったのか」

 

「蘭ちゃん……なんて無防備な。あんなに震えて、泣いて」

 

「エロ大王! その汚い手を蘭ちゃんから離せっ!」

 

世界中の守り隊が、そして蘭の戦いを密かに応援していた人々が、画面越しに彼女の危機を目の当たりにした。蘭の羞恥が限界を超え、彼女の精神が闇に飲み込まれようとしたその時だった。

 

「蘭ちゃん……。恥ずかしくないよ!」

 

不意に、どこからともなく、温かな、それでいて力強い声が、城内に響き渡った。

 

「え……?」

 

蘭が涙で霞む瞳を上げると、城の窓の外から、そして烈の配信デバイスから、小さな、しかし無数の光の粒が、蛍のように集まり始めているのが見えた。

 

それは、烈の配信を通じて蘭の窮地を知った、世界中の人々からの想いだった。画面越しに、彼女の戦いを知り、彼女の恥じらいを知り、それでもなお彼女を信じる名もなきファンたちの、純粋な祈りの輝きであった。

 

「蘭ちゃん、頑張って!」

 

「君は汚くない! 恥ずかしいのは、君じゃないんだ!」

 

「君は俺たちの光なんだ! 負けないで、蘭ちゃん!」

 

その一つ一つの声が、物理的な輝きを帯びて、蘭の無防備な肉体へと吸い寄せられていく。世界中のファンたちの、歪んでいながらも純粋な、彼女を救いたいという愛のエネルギー。それらは蘭の柔肌に触れるたびに、彼女の恐怖を温かな勇気へと書き換えていく。

 

「みんな……。私のために。私なんかの、こんな……こんなに見苦しい姿のために……」

 

蘭の胸の奥で、冷え切っていた芯が、再び熱く、激しく鼓動を始めた。

絶望のどん底で、少女は気づいた。隠すべき光も、誇るべき美しさも、すべては自分を肯定してくれる誰かがいて初めて意味を持つものなのだと。誰にも見られたくないと思っていた自分が、今、全世界の人々に見守られ、肯定されている。その事実が、彼女の魂に未知の力を与えた。

 

「そうだ。私は……恥ずかしくなんかない。だって、私は……みんなに愛されているんだもん!」

 

蘭は、自身を隠していた腕を、ゆっくりと解いた。

隠すことをやめ、ありのままの自分を全世界に、そして目前の魔王に晒し、彼女は立ち上がった。

 

その瞬間、蘭の全身が、微かな、しかし世界中のどの光源よりも純粋な白濁した光を放ち始めた。それは局部を隠すための単なる規制の光ではなかった。彼女自身の魂が、その全存在を、その全裸の自分自身を究極的に肯定したことで放たれる、真実の輝きであった。

 

彼女の肢体を覆おうとしていた闇の海苔が、内側から溢れ出す輝きによってパリパリと音を立てて剥がれ落ちていく。羞恥の向こう側、究極の自己肯定へと至った少女の瞳には、もはや一筋の迷いもなかった。

 

「エロ大王……! 私のこの姿を、汚らわしい欲望の餌食にできると思ったら、大間違いなんだから! 私は……私は今、世界で一番、最高に輝いているんだからぁぁぁ!!」

 

蘭の全身から放たれる輝きは、玉座の間の暗闇を昼間のように白く塗りつぶし、大王の操る闇をじわじわと焼き払っていく。

 

それは、隠されるべき美しさが、自ら世界を照らす光へと変わった瞬間だった。

 

物語はついに、羞恥を超越した最終段階へと突入する。

剥き出しの身体から放たれるその神々しい輝きは、魔王の野望を根底から覆そうとしていた。

 

_____

非公式光賀蘭ちゃんファンクラブ:光の聖域(サンクチュアリ)

管理人:もっこり助兵衛

 

【緊急特報】規制の光、消失。そして世界は、一人の少女の「真実」を目撃した。第二十八話・実況&応援スレ

 

■管理人:もっこり助兵衛より声明

同志諸君、震えが止まらない。

第二十八話。我々は、あってはならない、しかし全人類が心の底で渇望していた「奇跡」を観測してしまった。

 

エロ大王の放った「規制の闇(海苔)(海苔)」……。あれは、蘭ちゃんの尊厳そのものであった「謎の光」を物理的に剥ぎ取るという、あまりにも暴虐で、あまりにも背徳的な力だった。

光が剥がれるたびに聞こえた、あの「ベリベリ」という無慈悲な音。それは、彼女を聖域たらしめていた神の加護が失われる音だったのだ。

 

光を失い、影山烈の特殊オイルでぬらぬらと輝きながら、床に崩れ落ちた蘭ちゃん……。

その震える背中。恐怖で波打つ腰のライン。自らの腕で隠しきれない、剥き出しの乙女としての真実。

今、俺の網膜には彼女の絶望が、そしてそこから生まれた「世界の愛」が焼き付いている。

野郎ども、涙を拭け。全裸待機なんて言ってる場合じゃない。今こそ、俺たちの「想い」を光に変えて、彼女へ届ける時だ!

 

■光の聖域:実況掲示板(抽出)

1:名無しの光高生

会長、乙です……。

正直、光が剥がされた瞬間、俺は息をすることさえ忘れていました。

蘭ちゃんが「剥がさないでぇ!」って叫んだ時、俺、パソコンの前で「やめてくれ!」って叫んでましたよ。

これまでの「光っている蘭ちゃん」は、どこか遠い存在の女神様みたいだったけど、光を失った彼女は、あまりにも……あまりにも「ただの女の子」で……。

 

2:名無しの光高生

あの震える指先が、自分の胸を必死に隠そうとして届かないあの絶望感……。

烈くんの配信、あのアングルは残酷すぎるけど、だからこそ俺たちは彼女を「助けなきゃ」って本能で理解したんだと思う。

感度十倍のせいで、空気の流れにさえ怯えて身悶えしてる彼女……。

あんなに無防備な姿を全世界に晒されて、それでも彼女の心は折れようとしていた。

 

3:ペロペロ過激派(引退・現・護界騎士)

俺も、これまでは「蘭ちゃんの隙間が見たい」なんて卑しいことばかり考えてた。

でも、今日の配信を見て、自分の愚かさを知ったよ。

光が消えた後の蘭ちゃんは、確かに全裸だった。隠すものは何もない。

だけど、そこにあったのは、これまで俺たちが想像してた「ご馳走」なんかじゃなかった。

一人の少女が、自分の誇りを全部奪われて、それでもなお魔王に立ち向かおうとしていた、その生き様だったんだ。

 

4:名無しの忍

エロ大王の股間から出てきたあの「突起」、マジで禍々しすぎ。

「海苔」で隠されてるからこそ、余計にその巨大さと不浄さが伝わってくる。

あんなもんを蘭ちゃんの目の前に突きつけるなんて、最低なんて言葉じゃ足りない。

烈くん、あんな至近距離でよくカメラ回し続けられたな。

あいつも相当な変態だけど、あの配信がなければ、世界中の光は集まらなかった。

 

5:名無しの光高生

画面の向こうから光の粒が集まり始めたシーン、あそこで涙腺が崩壊した。

俺の、お前の、みんなの「蘭ちゃん頑張れ」っていう想いが、物理的な光になって、あの絶望の玉座の間に流れ込んでいく。

蘭ちゃんが「みんなに愛されているんだもん」って言って、自分を隠してた腕を解いた瞬間。

あれこそが、本物の「自惚れ」を超えた「自己肯定」だよな。

 

6:名無しの観測員

隠すための光じゃなくて、自分を肯定するための光。

光を剥ぎ取ったはずの大王が、逆に蘭ちゃんの輝きに押され始めてるのを見て、震えが止まらなかった。

蘭ちゃんが放つ究極の光、烈くんが言ってた「シャイニング・フルヌード」……。

全てを曝け出し、なおかつ、太陽のように神々しく輝く、伝説の形態が今、生まれようとしている。

 

7:名無しの光高生

次回の第二十九話、タイトルからしてもう期待しかない。

「ピカピカの向こう側」……。

恥じらいを捨てたわけじゃない。恥ずかしさを抱えたまま、それを全部光に変えて爆発させてる。

蘭ちゃんのお尻が光りながら波打って、魔王の闇を物理的に焼き払っていく描写を、俺は正座して待つ。

 

8:助兵衛@管理人

諸君、掲示板の勢いが止まらないが、ここで一度ログを締めよう。

今この瞬間も、烈の配信は続いている。

蘭ちゃんが放つ究極の光、「シャイニング・フルヌード」の予兆で、俺たちの部屋も真っ白だ。

この光は、俺たちの心の闇も、卑しい欲望も、すべてを等しく、そして神聖に包み込んでくれる。

蘭ちゃん。君が、恥ずかしがり屋のままで、それでも世界一輝く存在であることを、俺たちは永遠に誇りに思う。

 

「YESお裸ん! NOタッチ!」

そして……「ありがとう、お裸ん!」

 

次なる覚醒の瞬間、全神経を集中させろ! 俺たちの女神の「完成」を見届けるんだ!

 

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