転生したら弓聖になった件   作:アキ1113

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 今回はタイトルの通り、オークロードとの戦いに入っていきます。

 それでは、どうぞご覧ください。



第18話 オークロード

 

 「あれがオークロード……」

 

 オークロードを発見した僕たちは、その上空辺りまで飛んで来ていた。すると……

 

 「ん?」

 

 遠くから何かが猛スピードで飛んでくる音が聞こえてきたのだ。それと同時に……

 

 『告。こちらに接近中の生体反応を確認』

 

 観測者さんも、こっちに何かが近づいていることを報告してきたのだ。それは僕たちの近くを通り過ぎると、ベニマルたちとオーク軍の間に音を立てて降り立った。煙が晴れると、そこには白いシルクハットにペストマスクをつけた魔人らしき存在がいたのだ。

 

 「どういうことだ!?このゲルミュッド様の計画を台無しにしやがって!!」

 

 観測者さん、ゲルミュッドって、もしかしなくても――――

 

 《解。リグルドの長男に名付けをし、オーガの里にも訪れた魔人です》 

 

 そう、それだ。そのゲルミュッドはというと……

 

 「もう少しで俺の手足となって動く、新しい魔王が誕生したというのにーーっ!!」

 

 何やら怒りを露わにしながら、喚き散らしていたのだ……それよりも、新しい魔王って……?

 

 「新しい、魔王……?」

 

 「そうだ!そのために名付けをしまくった!種をまきまくったんだ!最強の駒を生み出すためにな!!」

 

 なるほどね……だからリグルドの長男に名付けをしたり、オーガの里に来て当時のベニマルたちに名付けをしようとしていたのか……けど、どうやらそれだけではなく――――

 

 「おぉ!これはゲルミュッド様!」

 

 「あれが、ガビル様の名付け親の……?」

 

 ガビルさんまでもが、ゲルミュッドに名付けられた1人だったようだ。

 

 「どうしてここに―――!もしかして、吾輩たちのことを助けに―――」

 

 名付け親の登場に、ガビルさんは自分たちを助けに来てくれたと思ったようだが……

 

 「役立たずのノロマが!!」

 

 『え?』

 

 「貴様はさっさとオークロードの糧となれ!」

 

 「は!?」

 

 そんなわけもなく、ゲルミュッドはガビルをオークロードに食べさせる気でいた。

 

 「俺の役に立って死ねるのだ!光栄に思え……!」

 

 そして……

 

 「やれ!オークロード!」

 

 オークロードにガビルさんを殺させようとした……が、

 

 「……」

 

 「……どうした?」

 

 「魔王に進化とハ、どういうことカ?」

 

 オークロードは動かず、ゲルミュッドの計画について訊いていたのだ……どうやらオークロードも、ゲルミュッドの目的を聞かされていない様子だった。

 

 「ちっ……本当に愚鈍な奴よ。貴様が魔王オークディザスターとなり、このジュラの森を支配するのだ!それこそが私と、あの御方の望みだ!!」

 

 「あの御方……?」

 

 あの御方……今の言葉から推測するに、ゲルミュッドの上にはこの件の黒幕らしき存在がいるらしい。

 

 「ちっ!時間がない―――手出しは厳禁だが、俺がやるしかないか……!」

 

 「ガビル様!」

 

 「お逃げくだされ!」

 

「死ね!死者之行進演舞(デスマーチダンス)!!」

 

 ゲルミュッドはそう言うと、沢山の赤い魔力の塊をガビルさんたちに向かって放った。それはそのまま、ガビルさんたちに当たると思われ――――

 

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 

 「死ね!死者之行進演舞!!」

 

 ガビルたちに向かって放たれた攻撃だったが、結論から言うとそれは当たることはなかった。何故かというと……

 

 「何っ!?」

 

 「……」

 

 それは全て、カノンの風魔法によって撃ち落とされたからだ。その攻撃を撃ち落としたカノンは、黙り込んだままガビルたちを守るようにゲルミュッドの前に降り立った。

 

 「あ、貴方様は……!?」

 

 「だ、誰だ貴様は!?俺の邪魔をしやがって……!」

 

 ゲルミュッドはすぐさまさっきの攻撃をカノンに放とうとしたが……

 

 「なっ!?」

 

 それは全て黒風で防がれていた。そして、その直後――――

 

 「――――は?」

 

 瞬きする間もなく、ゲルミュッドの右腕が地面に落ちていたのだ……カノンの方を見るとその右手には刀が握られており、どうやら黒風の刃を刀に纏わせて飛ばすことで、右腕を斬ったようだ。今の攻撃、俺にはギリギリ見えたけど、俺とハクロウ以外の他のみんなは、カノンが何をしたのかが分からない様子でいた……カノンは欠かさずハクロウとの稽古を続けている……このまま成長していけば、確実に強くなっていくだろう。

 

 「ぎ、ぎゃあああああああああ!?」

 

 右腕を斬られたゲルミュッドは、斬られた部分を抑えながら、後ろに後ずさっていく。

 

 「お、お前!よくも俺の腕を――――」

 

 「お前は新しい魔王を生み出すとかいう下らないことのために、この森に暮らす魔物たち……さらにはオークまでも利用した」

 

 「そ、それが何だ!それよりもいいのか?俺の邪魔をすればあの方が黙っていな――――ぎゃあぁあああああああ!!?」

 

 「……」

 

 カノンは静かに怒りを露わにし、さらにゲルミュッドの左脚を斬り落とし、ゆっくりと確実にゲルミュッドへと迫っていく……こんなに怒ったカノン、初めて見た気がする。だが、その怒りはオークたちを利用したことにも向けられており、カノンらしい優しさも垣間見える理由だった……それに『あの方』か……どうやらそれが黒幕、みたいだな……。

 

 「お、オークロード!俺を助けろ!」

 

 ゲルミュッドは這いずりながらも、後ろにいるオークロードに助けを求めたが……

 

 「もういいよ……死んで」

 

 その前にカノンは刀を鞘に納めると、構えを取り……

 

 「た、助けてくれ、ゲル――――」

 

 「……」

 

 抜刀すると同時に、黒風の刃でゲルミュッドの首を斬り落としたのだ。

 

 《告。個体名ゲルミュッドの生命活動が停止しました》

 

 あぁ、見れば分かる……ゲルミュッドを倒したカノンは、血振りをしてからオークロードの方に目を向けた。すると……

 

 『!?』

 

 突然オークロードが、ゲルミュッドの亡骸を喰い始めたのだ。 

 

 《告。個体名ゲルドの魔素量が増大。魔王種への進化を開始します》

 

 その言葉とともに、オークロードが黒い竜巻のように包まれると……

 

 《成功しました。個体名ゲルドは、豚頭魔王(オークディザスター)へと進化完了しました》

 

 オークロード――――ゲルドは、オークディザスターへと進化を遂げた……。

 

 「オークディザスター……放置するわけにはいかないよな」

 

 「俺はオークディザスター!この世の全てを喰らい尽くす者なり!名をゲルド……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 魔王ゲルドである!!

 

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 

 「オークディザスター……」

 

 僕が倒したゲルミュッドの死体を食べて、オークロードはオークディザスターへと進化を遂げた。すると……

 

 「シオン」

 

 「はっ!承知しております」

 

 ベニマルのこの一言に対し、シオンは分かっていたかのようにオークディザスター――――ゲルドに向かって駆け出していく。

 

 「お、おい?」

 

 「ベニマル?」

 

 「ここは俺達にお任せを」

 

 リムルと僕は戸惑ったものの、ここはベニマルたちを信じて任せることにした。

 

 「オークごときが魔王だと?思い上がるな!!」 

 

 シオンは愛刀の剛力丸を上から振り下ろすが、それはゲルドに防がれてしまった……が、

 

 「ふっ!!」

 

 その隙を突いて、先生がその首を斬り落としたのだ。 

 

 「やったか……?」

 

 「!……いや――――」

 

 ゲルドは落ちた首を左手で持っており、首元から黄色のスライムのようなものが伸びてきたかと思えば、そのまま落ちた首を繋げてしまった。

 

 「とんでもない回復能力だな……」

 

 そう呟いたリムル。すると……

 

 「操糸妖縛陣」

 

 ソウエイが糸で繭を作り出し、ゲルドを閉じ込めたのだ。

 

 「やれ!ベニマル!」

 

 「これでもくらってな!!」

 

 その声に反応し、ベニマルは黒炎獄を放つ。さらに……

 

 「ワォオオオオオオオオオオオオン!!」

 

 ランガがそこに黒雷嵐で追撃を加えたのだ。

 

 「魔素切れか?」

 

 「面目ありません……」

 

 「俺の影に潜ってろ」

 

 「はっ!」

 

 ランガがリムルの影に潜った後、攻撃による煙が晴れたのだが……

 

 「これが、痛みか……!」

 

 ゲルドはそう言いながら、負った傷を再生させていた。すると……

 

 「王よ……この身、御身と共に」

 

 「……」

 

 ゲルドは配下のオークを喰らうと、スキルによる効果なのか完全に回復していた。

 

 「足りぬ……もっとだ!もっと大量に、喰わせろ!!」

 

 回復したゲルドは、ゲルミュッドが使っていたような赤い魔弾を僕らの上に飛ばし、そのままそれを分裂させて攻撃しようとしたが……

 

 「ほいっ!」

 

 それをリムルが全て捕食者で喰らうことで防いだのだ。

 

 「リムル様」

 

 「大丈夫だ、任せろ。カノンは援護を頼んだ」

 

 「了解」

 

 リムルはゆっくりとした足取りで、ゲルドの前へと歩いて行き……

 

 「出番だぞ大賢者……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 お前に託す!さっさと敵を打ち倒せ!!」 

 

 不敵な笑みを浮かべながら、そう言うのだった……。

 

 

 

 

 




 読んでくださり、ありがとうございます。

 次回で、オークロードとの戦いを決着させたいと思っております。
 
 それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いします。

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