…しかし一部の連邦宇宙軍の部隊は連邦政府のこの決定に対し弱腰外交だと非難、反発し、地球連邦軍からの離脱を表明。ジオン本国に対し徹底抗戦を訴え戦争は継続される事となってしまうのであった…。
宇宙世紀0080年。後に「ジオン独立戦争」と呼ばれたこの戦いは「双方の戦争継続困難による痛み分け」という結果に終わり、ジオン公国と地球連邦政府との間に「休戦協定」が締結。世界は一時の平和が訪れる事となった。
…しかし一部の連邦宇宙軍の部隊は連邦政府のこの決定に対し弱腰外交だと非難、反発し、地球連邦軍からの離脱を表明。ジオン本国に対し徹底抗戦を訴え戦争は継続される事となってしまうのであった…。
…これは、「歴史 のはるか彼方からたくされた願い」の一つ…。
〜0084年、10月。ジオン軍宇宙拠点「ルナツー」空域〜
ジオン兵「こちらカール1。定時連絡、異常なし」
ジオン通信兵「了解、引き続きパトロールを頼みます」
ジオン兵「あいよ。…たく、この辺りはジオンの勢力圏だから敵なんて来ないはずなのにさぁ…。哨戒任務とか言うけど、毎日ゴミを見るのが日課になっちまってるよ。退屈だなまったく…」
ザク偵察型に乗ったパイロットは通信を終えた後にモニターを確認すると辺りはサラミスやマゼランにムサイなどの艦船のデブリが漂っており、自身の哨戒任務を皮肉りながら愚痴を呟いている。
ジオン兵「いっそ連邦が攻めてきたりすれば、にぎやかになるんだろうけどねぇ。ハハハ」
ルナツー司令官(通信)「…聞こえているぞカール1?。なんならノーマルスーツのまま哨戒任務をさせてもいいんだぞ?」
ジオン兵「やっべぇ!?。失礼しました司令官殿!、真面目に哨戒任務をやりまーす!!」
司令官(通信)「気をつけろよ。…今は連邦とは休戦状態とはいえ、何が起こるか分からんからな…」
〜ルナツー司令部〜
司令官「あの独立戦争からもう4年も経ったのか…。しかし連邦の宇宙軍…まぁ「残党共」は4年経ってもなお戦いをやめようとはしない。奴らは…戦いを求めているというのか…?」
副司令官「そうですね、司令官。…84年時点で確認できる数ある連邦宇宙軍の残党の中でもっとも多くの軍事力を保有しているのが連邦特務隊「「ファーストペンギン部隊」」と「連邦宇宙軍特別遊撃艦隊」。そしてもっとも過激なのが「反ジオン同盟」。…この3つの派閥であり、我々ジオン公国軍は討伐のために部隊を派遣してはおりますが、奴らのゲリラ的攻撃によりいずれも有効打を与えることができずにいる状況となっております」
司令官「元の国力は「30倍以上」もあるのだ、休戦に合意しない者たちが出てくる事は想定していたが…。それにしても多いな?」
副司令「もはやこれは「残党」と呼べるものではありませんよ。しかも特別遊撃艦隊は情報によると「核兵器」も保有しているとか…。下手に刺激してサイド3に核兵器を撃たれでもしたら…」
司令官「だが放っておいてはいけない連中でもある。やつらは…「南極条約」など守るつもりはないだろうからな。末端の連中はそんなものだよ…」
司令官はこう言いながら偵察型ザクから送られてくる情報に目を通しており、副司令も呆れたような顔をしながらモニターを眺め続けていく。
ジオン兵「…ん?。なんだあの部隊は…?。そこの部隊、応答しろ。繋がらないだと…?。
司令部、こちらアンタレス2。ムサイとチベが数隻この空域に近づいてきているんだが、こちらから呼びかけても応答がないんだ。そっちで声をかけてくれないか?」
ジオン通信兵「了解しました。…ムサイ、チベ。聞こえるか?。貴官らの所属と目的を言え。…やはり反応ありません」
アンタレス2「なに考えてやがる…?」
ザクマシンガンを装備した偵察型ザクに乗ったアンタレス2はジオンで使われている周波数で呼びかけているが一向に返事が返ってこない事に苛立ちながらムサイの方に近づいており、少しするとムサイの周辺にいたザクが3機、偵察型の方に向かって近づいてきている。
ジオン兵「おいお前ら!、どこの部隊だ!?。俺や司令部が呼びかけているのに、なぜ応答しなかったんだ?」
ジオン兵?「…あぁすまない。「機械の故障」でね。ノイズが走って聞き取りづらかったんだ。今ははっきり聞こえるよ」
アンタレス2「そうかい。整備不良ってやつか…」
薄紫色のザクに乗った兵士は機械の故障だと返事を返しており、アンタレス2はやや不機嫌そうな顔をしながらもとりあえずは納得していく。
アンタレス2「…しかしお前の喋り方、なんか変だな?。独立戦争の頃に連邦の捕虜が喋っているのを聞いたけど、なんか…そいつらみたいな喋り方だよ」
ジオン兵?「へぇ?。…かなり訓練したんだけどやっぱり難しいなぁ。…お前らジオンの言葉はさぁ」
アンタレス2「はっ?。どういう意味だ?」
ジオン兵?「こういう意味だよ、…この「ジオン野郎」が」
アンタレス2「なっ!?。司令部!、こいつらは…」
アンタレス2がこう言おうとした瞬間に所属不明のザクのバズーカによってコクピットを撃たれてから爆発していき、ライフルを持ったザクのパイロットは舌打ちをした後にどこかに通信を始めていく。
ジオン兵?「こちらファントム1。「挨拶」は済んだ。そちらも挨拶してくれ」
???「了解。…砲撃開始!!」
ルナツー通信兵「ムサイとチベがビームを撃ってきました!!」
司令官「なにッ!!?」
ルナツー通信兵「ムサイとチベの砲撃によりドックが一つやられました!!スクランブルに時間がかかります!!」
???「頃合いだな。「ステルス」解除」
ルナツー通信兵「司令官!、艦サイズの熱源が急に出てきました!数は4隻!、サラミス級2隻とコロンブス級が1隻!後の1隻は…データにありませんッ!!」
司令官「今までエンジンを切って潜伏していたのか…。それともミノフスキー粒子に関するものか…?。あれは…ムサイ…?。いや、似ているところもあるがあの船は宇宙軍の新型船なのか?。サラミスにコロンブスは独立戦争の頃からのものだとして、やつら…どこであんな大きなものを建造したのだ…?」
通信兵は4隻の船がまるで「転移してきたかのように」急に反応が出てきた事に驚いており、司令官は見たことのない船が混じっていることに対し、どこで見つからずに造れたのか疑問に抱いている。
宇宙軍将校「ふむ、我が連邦宇宙軍で新造された重巡洋艦…「アレキサンドリア級」、「クスノキマサシゲ」…。中々よい働きだな「ナシハラ艦長」」
ナシハラ「いえ…私は何もしておりませんよ「大佐」。私はあなたの指示に従っただけですのでね」
連邦軍佐官の制服の上から茶色のダスターコートを着た見た目は三十代の大佐がナシハラと呼ばれた艦長に話しかけるとナシハラは真顔でこう返しており、大佐はハハハと笑ってからすぐに真顔に戻してから返事を返そうとしている。
大佐「ハハハハ。…世の中には「指示された事すらまともに出来ない奴」もいるのでね。こうして人に仕事を任せられるのはいいことだよ。まぁ愚痴はおいておくとしよう。…通信を繋げてくれるかね?。周波数は…既に我が艦隊の鹵獲ムサイ達が傍受している」
ナシハラ「かしこまりました、大佐」
大佐「…ルナツーを不法占拠する者達に告げる。私は連邦宇宙軍特別遊撃艦隊司令官、「アルフレッド・ダールトン大佐」である。改めて通告する。我々はルナツーに対し…「大量破壊兵器」による攻撃を行う事を宣言する。
しかし我々は無駄な殺生を行う意思は「現時点では」ない。貴官らが武装解除しルナツーから退居することを約束すれば、破壊兵器による攻撃は中止する事としよう」
司令官「なっ!?。大量破壊兵器だと!?。まさか…核兵器か…!?。貴様…自分が何を言っているのか分かっているのか…!?」
ダールトン「生憎だが私は冗談を言うつもりはない。…むしろ我々の同胞達を核で焼き、毒ガスでコロニーの住民達のほとんどの命を奪い、それを地上に落とした貴官らの所業と比べたら、ある程度の「譲歩」はしているつもりなのだがねぇ。本当なら今すぐにでも使いたいのだが、それだと貴官らと同じ事をしてしまう。そこは…納得はしなくても理解はしてくれたまえ」
司令官「…もう終わった事をまだ言うのか貴様達は!?。その事は南極条約以前の話だ!!それにあれは「海兵隊の独断」で、我々は「それを命じてはいなかった」んだ!!」
ナシハラ「なるほど…「そう教えられた」のか…。…大佐?」
ダールトン「今…「終わった事」…と言ったのかね?。ではなぜ…私達は「戦っている」のだ…?」
ダールトンは司令官の言葉を聞いてから唇を噛みしめており、噛む力が強いからなのか血液が流れてから辺りに漂い始めてしまっている。
ダールトン「ふん、もう終わった事か。「官軍」からしてみればそれでもよいか。…だがそれは今は置いておこう。先程も言った通り事を荒立てるつもりはないのでね。貴官らがここを明け渡してくれるのなら、君達の本国への安全な帰還を約束しよう。…今から6時間の猶予を与える、貴官らの賢明な判断を期待するよ。それでは…時間になるまで私はお茶を飲ませてもらうとしよう…」
司令官「本国からの増援は来ないのか…!?」
通信兵「応答ありません!、なんとか繋がるように努力してはいるのですが…」
司令官「ジャミングか…?。しかしドックを一つだけ潰したのは出撃を遅らせるのと同時に、「即座に対応できる」という警告も兼ねているのか。「180km以上」もあるこのルナツーはドックが一つ壊されるだけで大変な事になるからな。あのダールトンとかいう奴にその部隊…明らかに場慣れしている。独立戦争を生き抜き徹底抗戦を訴えた者たちの中でも、エリート中のエリートか…。破壊されていない場所に部隊を移動させろ!」
ナシハラ「…彼らは要求を飲みますかね大佐?」
ダールトン「おそらく要求は飲まないだろうなぁ。しかし…それでもいい。本国 (サイド3)に対する「警告 (メッセージ)」にはなる。…「私達の戦いはまだ終わってはいない」という…な。大人しく壊れていない場所から逃げ出してもいいし、我々に楯突いて惨めに倒されるもよし。まぁ我々はじっくりと待とうではないか。それでは艦長、「麦茶」を持ってきてくれないかね?」
ナシハラ「かしこまりました、大佐…」
〜6時間後〜
ナシハラ「…時間です、大佐」
ダールトン「そうか。…貴官らの返答を聞かせてもらおう。どうするかね?」
ルナツー司令官(通信)「そんなハッタリなど通じはしない。我々をなめるな」
ダールトン「そうか。残念だよ、無傷で帰れるチャンスを用意したというのにな。
…各員に通達、「裁きの炎」で奴らに鉄槌を下せ!!」
ルナツー司令官「来るぞ!、迎撃態勢!!」
遊撃艦隊隊員「はは、ただのザクだと思うなよ!こっちはビームライフルを持ってんだよぉ!!」
ジオン兵「ザクがビームを使っているだとぉ!?。ギャアッ!!」
ダールトンの命令によりムサイ級とチベ級からザク部隊が展開されると同時に砲撃を開始していき、遊撃艦隊のザク部隊は砲撃を回避しながら試作ビームライフルを連射してからルナツーの防衛に出たザク部隊を次々と撃破しており、ビームの弾幕を避けたザクも左手に持っているヒートホークで容赦なく溶断されてしまう。
ナシハラ「我が艦隊のムサイとチベの「強化ザク」部隊が敵と交戦に入りました!識別が同じな為、敵が混乱しているうえにパイロットの質ではこちらが勝ってはおりますが…。このまま見学なされますかな?」
ダールトン「そうか。このまま見ておくのも悪くはないが、サイド3や他から増援が来ても困るからな。
…では艦長、私も前に出るとしよう。指揮は君に任せる」
ナシハラ「お気をつけてください、ダールトン大佐」
ダールトン「無論、そのつもりだよ」
ナシハラ「整備スタッフに通達!、ダールトン大佐が「新型」で出撃なされるぞ!気合を入れていけぇ!!」
ダールトン「さて…この機体の性能を見せてもらうぞ。…行け!、「RX-14Sゲルググ」ッ!!」
ダールトンはノーマルスーツを着ずにそのままの格好でコクピットに入りモビルスーツのエンジンに灯をいれると自身のモニターが強化ザクやジオンのザクとは違いまるで「硝子張りのように全周囲が見える状態」へと変わっていき、そのままクスノキマサシゲのカタパルトから勢いよく射出されていく。
ジオン兵A「あ…あれはなんだ!?、連邦の新型なのか!?」
ジオン兵B「こけおどしだあんなの!、撃ちまくれッ!!」
ダールトン「なんだ!、「殺気が私に向けられた」のか!?」
ジオン兵の1人はクスノキマサシゲから出撃した「V字アンテナでトリコロールカラーのゴーグル型の顔をしているゲルググと呼ばれた機体」を見てから驚きの声をあげており、ルナツーのザク部隊がダールトンの駆るゲルググに対してマシンガンやバズーカによる射撃を開始していくが、ダールトンは「相手が銃口を向けた瞬間」に既に回避運動を行っており、ザク部隊の攻撃はかすりもしない状態になってしまっている。
ジオン「おいなんだあの動きは!?。まるで…「シャア大佐」の「あの機体」みたいじゃないか…!?」
ダールトン「はは。赤い彗星の使っていた機体の名は「RX78-2 ガンダム」だったかな?。あれは元々は、こちらが使うはずだった機体だったのだがね。
しかし…我々連邦宇宙軍 にはガンダムはもう必要ないものだ。この機体…「ガンダムと同性能」と言われているゲルググがこの手にあるので…ねぇッ!!」
ジオン兵A「なっ!?。消えた…!?。どこに…ギャッ!!」
ジオン兵B「速すぎる!?。何が起きてるんだよ!?」
ダールトンは腰に備え付けられたラックからナギナタのような装備を取り出すと両端からビームを展開して瞬間移動と錯覚するような動きでザクの背後から両断していき、他のザクもマシンガンやバズーカを使っていくがかすりもせずに次々とナギナタによって斬り伏せられてしまう。
ジオン兵「この野郎!!」
ダールトン「!!」
ジオン兵「振り向かずにライフルを!?。と、父さ…!!」
ダールトン「なんだ?。父さん…と言ったのか?。あのパイロットは…。気のせいだ。…そう思いたい」
ザクの一機がゲルググの背後からヒートホークを振り落とそうとしていくがダールトンは後ろを振り向かずにビームライフルをザクに向けて発射してからコクピットに直撃しており、ザクはそのまま爆発により破壊されていく。
司令官「…あの機体はなんだね?。連邦があんなものを作っていたというのか…?」
副司令「噂ですけど…我が軍の「新型主力機開発計画」の中にあれと似た機体があるそうです。名前は確か…「YMS-14ゲルググ」…だったような…。その開発計画そのものはシャア大佐が奪取したモビルスーツのせいで、「開発中止」になったそうですが…」
ルナツー司令官「「表向きには」…という事だ。「ジオニック」なら連邦共に開発データを売り飛ばすことなど平気でやりかねん。現に今…その機体らしきものがこうして戦っているからな。しかもあのパイロットの異常な動き…おそらくは「ニュータイプ」…。
…奴相手だとザク部隊では被害が増えるだけだ。「MA部隊」を出せ!、核攻撃される前に奴らの船を沈めるのだッ!!」
遊撃艦隊兵A「ようやくルナツーに取り付いたぞ!、相変わらずソロモンと比べてデカすぎるなここは!とにかくこれでおしまいだぜ!!、早くコイツをルナツーに設置するんだ!!」
遊撃艦隊兵B「わかったよ。なぁ…聞いていいかな?。これって俺達と[[rb:ジオン > こいつら]]…どっちが「残酷」なんだ?。ナシハラ中佐にいざって時はこれを使えって言われたけどさ…」
遊撃艦隊兵A「とうとう言っちゃったよ…。気にしないようにしてたのにさ…」
遊撃艦隊兵C「これはアレだよ。悪いことは駄目だ。なぜなら…「何倍も自分に返ってくる」から。要するに「先にコロニー落としをしたあいつらの方が残酷」って訳だ。だから遠慮せずぶっ放そうぜ。…コイツらは、「そうされても文句は言えない」んだからよぉ」
ルナツーに取りついた強化ザクのパイロットの1人はどっちが残酷なのかと呟いており、それを聞いたパイロットは「小型の弾頭のようなもの」を取り出しながら文句は言えないと返事を返していく。
遊撃艦隊兵A「そうだな…やってやるんだ!、この「小型核弾頭」でな。コイツを爆発させれば…「サイド2のように」…」
遊撃艦隊兵B「「俺の故郷のサイド1」も同じように壊されたんだ。コイツらも故郷を燃やされた俺達と同じ目に合わせてやる…!!」
遊撃艦隊兵C「…おい!、なんか出てくるぞ…!?。コイツは…ウワァ〜!!?」
遊撃艦隊兵D「なっ…!なににやられ…なんてこった…。大佐!、ルナツーからモビルアーマーが出てきます!あれは…「ビグ・ザム」ですッ!!普通のビームでは「フィールド」で弾かれてしまいます!!」
ダールトン「やはりな、あるとは思ってはいたが…。私が奴らを抑える。貴官らはモビルスーツ部隊の牽制を頼む。…犠牲になった彼らのようになりたくなければな」
遊撃艦隊兵D「了解しました!」
ナシハラ(通信)「ダールトン大佐!、武器を射出します!こちらをお使いください!!」
ダールトン「これは…「対MA用200mmレールキャノン」に「ハンマー」か…。使わせてもらうとしよう」
ビグ・ザムパイロットA「コイツ!、単機で突撃しやがったのか!?。ならばお望み通りアメ玉みてぇに溶かしてやるよッ!!」
ダールトンはクスノキマサシゲから射出されたコンテナの中にあるレールキャノンと鎖付きのハンマーを受け取るとルナツーから出撃したビグ・ザム3機に対して単独で吶喊を始めており、それを見たビグ・ザムのパイロットの一人はボタンを押してから攻撃を始めようとしている。
ダールトン「なんだ?、アメ玉だと?。…大型メガ粒子砲か!!各機!、私の指示する場所から離れろ!!」
遊撃艦隊チベ艦長「り…了解!!」
ダールトンに指示されたチベの艦長は全速力で離れており、その瞬間ビグ・ザムからダールトンに向けて大型のメガ粒子砲が放出されていきチベは何とか流れ弾による直撃を免れていく。
ダールトン「あれは小さな的であるモビルスーツ相手に使うものではないぞ。焦っているな。…ならば避けるのは容易い」
ビグ・ザムパイロットA「ふざけんなこの野郎ッ!?」
ダールトン「若いな…まだ。動きが直線的だ」
ビグ・ザムは動き回るゲルググに対し拡散メガ粒子砲を発射していくが難なく回避しているのを見てから苛立っていき、ダールトンは敵の動きを見ながら冷静にどう対応するかを考えている。
ダールトン「しかし…なぜ敵の声が聞こえる?。なぜ敵の殺気が分かる?。…そうか。2年前…「あの光」を見てから勘が鋭くなったと思ったが、もしやこれがニュータイプ…という力の一部というわけか?。眉唾だと思っていたが…なるほど、やりづらいな。声が聞こえるというのは…。だが…これは戦争なのだよ」
ビグ・ザムパイロットA「もう一度…吹き飛ばしてやる…!!」
ダールトン「…すまんな」
ビグ・ザムパイロット「なんだ!?。暴発するのか!?。た、助けて!、ママ!、パパ!嫌だ誰か助けてよッ!!」
ダールトンは静かにこう言うとレールキャノンを展開してからビグ・ザムの砲塔に向けて電磁加速された炸裂弾を射出していき、砲塔の中に入った炸裂弾は中で爆発するとその爆発が次々に誘爆してからやがてビグ・ザムを巻き込む程の大爆発へと発展していき、それを見たダールトンは複雑な顔を浮かべてしまっている。
ダールトン「…ビグ・ザムはあと二機か…。さてと…彼らはまだ戦うつもりか…」
ビグ・ザムパイロットB「よくもアイツを殺したな!?。アイツは明日で誕生日だったんだぞッ!?」
ダールトン「誕…生日?。と言ったのか?。誰のだ…?。
だがね、失ったのは君達だけじゃない。……地上に落ちたコロニーの中には…「私の叔父と叔母」がいたんだ。…いたんだよ」
ダールトンはビグ・ザムの攻撃を回避しながら「聞こえた声」に対してこう呟いているが何かを思い出しながらハンマーに持ち替えていき、素早い動きで距離を詰めながらハンマーを振り回し始めていく。
ダールトン「特に名前はないが…こう言わせてもらうよ。…「ゲルググ・ハンマー」…!!」
ビグ・ザムパイロットB「うわッ!!?。だけどまだ…えっ」
ダールトン「………」
ビグ・ザムの真上まできたダールトンは鎖付きハンマー…ゲルググ・ハンマーを振り落とすとビグ・ザムのモノアイ部分にハンマーが深々とめり込んでいくが破壊するには至っておらずビグ・ザムはそのまま攻撃しようと準備した瞬間、ダールトンはめり込んだ部分にレールキャノンをゼロ距離射撃で連射し続けていくとやがてコクピット部分に炸裂弾が到達してからビグ・ザムはコクピット内部から破壊されて原型をとどめたまま沈黙していく。
???「…大佐一人でビグ・ザムを3機も相手にしているのか…。艦長、俺も大佐の援護に入るぞ。なんとかこの船をルナツーまで近づけさせてくれ」
クスノキマサシゲの後方で待機しているコロンブス輸送艦に乗っている見た目は二十代の男性がダールトンがハンマーを振り落とすとこを見ながら艦長にこう伝えており、艦長はニコリと笑みを浮かべながら口を開いていく。
コロンブス艦長「了解。…さぁ野郎共!、突撃を開始しろ!!「コロンブス突撃艦」!、フルセールッ!!」
ジオン兵「なっ!?、輸送艦が突っ込んで来やがったぞ!?。と…止められねぇッ!!」
コロンブス艦長「あいにくこの船は特急電車だ!、止まりはしないぞぉ!!。さっさとそこをどきやがれザク共ぉ!!」
コロンブス突撃艦の艦長はこう叫ぶと対空レーザー砲と連邦軍の61式戦車に搭載されていた連装式155mm滑腔砲を改造したものを展開して撃ちながら突撃を開始しており、ジオン兵の一人は輸送艦であるはずのコロンブスが武装して高速でルナツーに突っ込んでいくのを見てから驚きの声を出してしまい、迎撃していたザクの何機かが対空レーザーや連装砲の砲撃、そして最大船速のコロンブスの突撃に巻き込まれて吹き飛ばされてしまっている。
ビグ・ザムパイロットC「アイツもやられた…!!。この「悪魔」がぁ!?。よくも…よくもよくもよくもぉ!!?」
ダールトン「悪魔…か。だが流石に…あと一機を相手にするのはキツいな。どう出る…?」
ビグ・ザムパイロットC「テメェのおふざけも…ここで終わりだぁ!!」
コロンブス艦長「タクシーのお代は後で頂きますよ「少佐」!!それではお気をつけてッ!!総員!、衝撃に備えろぉ!!」
ダールトン「ん!?、上から攻撃!?。誰が来た!?」
ビグ・ザムパイロットC「なんだ!?。実弾か!?」
ダールトンは突撃艦から出撃した機体の90mmの実弾による攻撃を事前に察知してからとっさに回避運動をとり、ビグ・ザムのパイロットはその攻撃がどこから来たのかを確認しようとしている。
???「大佐!、ただいま到着いたしました!!」
ダールトン「間にあったか!、「カウフマン少佐」!!」
カウフマン「はい!、「ミック・カウフマン」。「RX-15 ギャン」…行くぜぇ!!」
ダールトンは右手に90mm機関砲が内蔵された盾に左手にハイパーバズーカを持ち、頭部に溶接用マスクのようなバイザーがつけられたトリコロールカラーの機体…ギャンを見てからこう叫んでいき、ギャンはそのまま拡散ビームを放つビグ・ザムに向かってバズーカと盾による銃撃をして牽制しながら突撃を始めていく。
ビグ・ザムパイロットC「また知らない機体かよ…!!いや…ギャンに似ている気もするが…なんで残党如きがこんな機体を使っているんだよ!!?」
カウフマン「ちぃ!、実弾を持ってきたけど、やっぱりビグ・ザムは硬いな…!!だったらコイツはどうだぁ!?」
ビグ・ザムパイロットC「はっ!、ビームは効かねぇんだよぉ!!」
カウフマン「あいにくコイツのビームはソードしかなくてなぁ!「ハイパー・ビームソード」…最大出力ッ!!」
ビグ・ザムパイロットC「お…おい…!?、なんだそりゃ!!?。フィールドが…突破されるぅ!?」
ビグ・ザムのパイロットは撃ち切ったバズーカを捨てて左手に持ったビームソードのビームがおよそ10メートル程の長さになったのを見てから驚きの声をあげており、ギャンのビームソードはそのままビグ・ザムのフィールドを強引に突破しながらビグ・ザムの装甲を溶断しようとしている。
カウフマン「げっ!?、ジェネレーターが悲鳴をあげている!?。オーバヒートする前に斬れなかったのかよッ!!?」
コロンブス艦長「あちゃあ…ビグ・ザムに突撃すべきだったなぁ…」
ギャンがビグ・ザムを一刀両断しようとした瞬間、ダールトンのゲルググと同じ規格の全天周囲モニターが警告音を発しており、カウフマンはビームの出力を上げすぎて機体が暴走寸前になっているのを見てからビームを急停止しながら青ざめた顔になっている。
ビグ・ザムパイロットC「なんだ!?、オーバヒートか!?。だが…こっちも「モビルアーマー用AIアシスト機能」とジェネレーターがやられっちまった…!自爆もできんか…ちくしょう…脱出だ…!!」
カウフマン「大佐!、ビグ・ザムからパイロットが出てきます!どうしますか!?」
ダールトン「…今は自身の心配をすべきだ。ジェネレーターは大丈夫かね?」
カウフマン「なんとか…動きはしますが、やはりビグ・ザム相手に無理やりビームで突破するのは失敗だったか…」
ダールトン「だが悪くはなかったぞ少佐。…それにこのビグ・ザムやもう一機は直せるな。ありがたく修理してから…遊撃艦隊で使わせてもらうとしよう…」
司令官「ビグ・ザム部隊が…たった二機のモビルスーツにやられたのか!?」
副司令「パイロットの一人はなんとか脱出できたようですな。しかしこれは…新型機といい、突撃してきた輸送艦といい…あまりにも規格外だ…」
司令官「くぅ…残り戦力は…!?」
通信兵「展開している部隊は敵のザク部隊とムサイとチベに足止めされて時間がかかります!!、もう少しでサイド7にパトロールに出ていた部隊が到着するようですが…」
司令官「くぅ…なんとしてでも間に合わせろ…!!」
カウフマン「…どうやらサイド7に行ってたパトロール艦隊が到着するようですね。私が乗ってきたコロンブス突撃艦で迎撃しましょうか?」
ダールトン「いや、ここまで来るのに弾や推進剤を消耗しただろうから私に任せてくれ。確か…ビグ・ザムにやられた部隊が使おうとしたものがあったな?」
カウフマン「あれですか?。流石にあれはもう吹き飛ばされたんじゃ…」
ダールトン「いや。それはかろうじてまだ残っている。…分かるんだ」
カウフマン「…わかりました。私もついていきたかったのですが…お気をつけて…」
ダールトン「あぁ…。…探し物はそこか…。これは…レールキャノンで撃てるか…?」
ダールトンはこう言うとビグ・ザムに倒された部隊が使おうとした物を探しており、少しすると宙に浮いていた弾頭を自分の勘で見つけてそれを拾うとレールキャノンに装填してから増援の方へ機体を全速力で飛ばしていく。
通信兵「司令官!パトロール艦隊が到着しました!」
司令官「よし!、これなら…」
ダールトン「さてと…宣言通り大量破壊兵器を使わせてもらうとしよう。…「汝、一切の望みを捨てよ」」
ジオン兵「なんだ!?モニターと…ジェネレーターがう…うげっ」
ダールトンは独り言のようにこう呟くと装填した弾頭をパトロール艦隊の中心に向けて射出しその弾頭が中心で爆発するのと同時に近くに展開していたザクやムサイがモニターとジェネレーターが停止すると焦げ臭いニオイと共になぜか艦船やザクがまるで「風船のように」膨らんでから一斉に大爆発を起こしており、停止してなかった他の部隊も次々とその爆発に巻きこまれて誘爆してから半数以上が跡形もなく吹き飛んでしまっている。
カウフマン「本当に撃ったな…。機密保持としてモビルスーツ部隊には核兵器として伝えていた、超小型の「蒸発兵器」…。「気化爆弾」は本来なら宇宙では使えないはずだが、あれは規格が違うというわけか…」
通信兵「パトロール艦隊!、半数以上ロスト!!これは通常兵器ではありませんッ!!、あの新型機がレールキャノンで何かを直接射出して撃ち込みやがったんだ!!」
司令官「なにが起きたのだ…!?。一発で…たったの一発でパトロール艦隊が吹き飛ばされたのか…!?。あれは核兵器なのか!?」
副司令「いえ…おそらくは「沸騰」させたのでしょうな。宇宙空間でモビルスーツや艦船をあんな短時間で沸騰させて膨らむほどの熱量…「TNT換算」した場合、「戦術級の核兵器に匹敵する威力」だ…」
司令官「くぅ…奴は大量破壊兵器とは言ったが、核兵器とは一言も言っていなかったな。それならルール上威力は核兵器と同じでも「核兵器ではないから条約にも引っかからない」というのが奴らの理屈か…。モラルは…捨てているとしてもな…。
しかしあんな小型サイズでもあれだけの威力を出せるというのか…!?」
副司令「もっと大型のものが存在する可能性は十分にありますな…。展開させている敵のザクやムサイなどがこれを悟らせない為の囮だとしたら…」
ルナツー司令官「ここに籠城してもいづれはあれを撃ち込まれてボンッ!!というわけか…。だから奴はこれを使わせない為に警告したということか。これは…完全に私のミスだ。…遺憾ながら、ルナツーを放棄する。増援が望めない以上、無駄に消耗させるわけにはいかない。
貴様達は先にいけ。私の船が[[rb:殿 > しんがり]]を務めさせていただく…」
通信兵「ですが…!!」
司令官「急げ!、独立戦争を生きぬいたその命を…これ以上無駄にするな…!!」
副司令「司令官…。ですが私はここに残ります。私達はあなたと共にここまでこれてよかったと思っております。司令官、また…「向こう」でお会いしましょう…。司令官の船を守るぞ!戦える者は私についてこい!!」
ジオン兵達「はい!!」
遊撃艦隊隊員「…大佐!、ムサイとチベがルナツーから発進しております!あれは…撤退するみたいですね。あの…デカい船は…」
ダールトン「あれは…「グワジン級」…か?。通信で出てきた司令官の船か?。本来なら「ザビ家の人間かそれに近い将校しか与えられない」はずだが、意外な奴がこんなへき地にいたものだ。まぁ確かに指揮能力は悪くはなかったが…お家騒動に巻き込まれたのかな?」
ナシハラ(通信)「いかがなされますかなダールトン大佐?。あのグワジンを追撃なされますかな?」
ダールトンはグレーに塗装された大型の戦艦…グワジン級が出てきたのを見てからこう呟いており、ナシハラは追撃するかとたずねてきている。
ダールトン「放っておけ。…「去るものは追わず、向かって来るものは叩きのめす」。我々は逃げる者をわざわざ追う必要はない。たとえ「どんなに憎くても」…な。
…それよりも明確な敵意を持って向かってくるやつらを叩きのめせばいい。あれは…指揮官用のザクとモビルスーツ部隊そしてムサイが数隻か。グワジンを逃がす為に残るわけだな。慕われているな、あの司令官は…。各員、残敵を掃討せよ。容赦はするな。加減などすれば、それこそ…彼らの覚悟を侮辱するものだからな」
遊撃艦隊隊員「了解しました!!、この指揮官ザク…強いぞ!奴やムサイに火力を集中しろ!!」
副司令「まさか久しぶりに私がモビルスーツに乗るとはな…だがもう帰れはしないだろう。ならば一人でも多く…亡霊共を道連れにしてやるッ!!我々の真の主…「ジオン・ズム・ダイクン」に…栄光あれぇぇぇぇぇ〜ッ!!!!」
ジオン兵「ジーク!、ジオンッ!!ダイクン万歳ッ!!」
司令官「くぅ…この屈辱は…お前達の無念は忘れはしないぞ…!!ダイクン様…デギン公王陛下…申しわけございません…」
カウフマン「ダイクンだと?。こいつらザビ家の犬じゃないのか?。…泣ける話だな。こいつらが仕えていたダイクンの血筋はもういないってのに…」
ダールトン「「表向きには」…な。………勝敗は決した。「本部」に暗号通信を伝えろ。…「ルナツーの借りを返した」とな」
ナシハラ(通信)「はい…ダールトン大佐…」
副司令の乗ったS型ザクはヒートホークを持って司令官の乗るグワジンを守る為に部下と共に遊撃艦隊の強化ザク部隊に突撃を開始していき、ビームによる攻撃を受けながらも次々と強化ザクを倒していき、その後は部下達と共に遊撃艦隊のムサイとチベによる砲撃をうけ撃墜。最期までグワジンを守りきったのであった。
…この日、ジオン軍拠点ルナツー守備隊は完全に特別遊撃艦隊により敗走、制圧され、ジオンは来たるべき地球降下の足がかりを失う事となった。
〜0084年、11月。宇宙軍特別遊撃艦隊新拠点、ルナツー司令部〜
カウフマン「ナシハラ中佐。周辺空域のパトロールに出るようですが、敵が潜んでいるかもしれないから注意してください」
ナシハラ(通信)「あぁ気をつけるよカウフマン君。まぁ「アオイ副隊長」の部隊もいるから心配はないだろうがね」
カウフマン「ハハハ。そうでしたなナシハラ中佐。それではまた…」
ダールトン「やぁカウフマン。唐突だがこれは…なんだと思うかね?」
カウフマン「それは…すごい、「V作戦」…そのデータの一部がこのルナツーに存在していたとは…」
ダールトン「あの逃げる間に消す事はできなかったか、あるいは偽情報やウイルスか…。もしそうでなければ、これはいい手土産になりそうだな…」
カウフマン「ふん。奴らもこれを使ってあの機体を量産してるようですからね。「gMS-01」…だったか?。それがルナツーにいなかったのは不幸中の幸いか…。ですがこれで…我々も[[rb:奪取されたモビルスーツ > ガンダム]]を量産することができる…」
ダールトン「そうだな。…しかし我々はジオン系の機体を引き続き使わせてもらうぞ。私見ではあるが私のゲルググがガンダムと同格の性能という話…ウソではないみたいだからな。おそらゲルググ を「連邦の新型主力機」として量産するほうが現実的かもしれんな…。カウフマン少佐の機体も中々いい機体なのだろう?」
カウフマン「私は…「ジオンは嫌い」ではありますが…ジオンの機体は確かに優秀ですね。…「EMS-04 ヅダ」も悪くはありませんが、RX-15ギャンは私の動きに完全についてこれましたからね…」
ダールトン「ふふふ…。君の機体が連邦でも量産される可能性もあるかもしれないな。そしたら君の給料も増えるはずだ」
カウフマン「いい話を聞けましたよ大佐。…ところで自分達は「どこから給料が出ている」のでありますか?。連邦政府…ではないのでしょう?」
ダールトン「……我々が「この機体を使うと喜ぶ者達」が「善意で」融資、提供してくれるみたいでね。まぁ…「スポンサー」というやつだな。
それに民間で非合法ではあるが、「モビルスーツで模擬戦をするお遊びの配信」がコロニーの間で広まっているらしいから、そういうところにも賞金の出どころであるスポンサーとして資金を出しているのかもしれんな」
カウフマン「まったく…モビルスーツは子供のおもちゃではないのに…。我々大人がもっとしっかりしなくては…」
ダールトン「嫌な時代だな。まったく…」
カウフマン「そうですね…。…あれは…かなりデカい船だ。アレは…「バーミンガム級」…。その改良型でありますかな大佐?」
ダールトン「そのようだなカウフマン。あの艦は再建する連邦宇宙軍のフラグシップとなるものだ。
…どうやらバーミンガム級に「モビルスーツ搭載能力を付加したもの」…らしいが、いずれは「ペガサス級強襲揚陸艦」に搭載されていた「ミノフスキー・クラフト」も搭載させると言っていたな。まさに「移動要塞」だよ。これもスポンサー様のご意向という訳か…」
伝令「報告いたします。ダールトン大佐、カウフマン少佐。「ペイズリー中将」がお二人をお呼びでございます」
ダールトン「やはりバーミンガムで来たか…。さてと…どう出るかな…」
カウフマン「中将自ら…。了解した。大佐と俺はすぐに向かう」
カウフマンとダールトンはそう言うとルナツーの艦船ドックへと向かい、少しすると見た目は60代後半で杖をついた将校が2人を見るとゆっくりとした足どりで近づいてきており、2人はその人物に対して敬礼していく。
将校「最近はゴルフをするのも飽きてきたなぁ。他に趣味を探さないといけないようだなぁ…」
ダールトン「お久しぶりであります、「ロベルト・ペイズリー中将」…。こうしてお会いするのはジャブローの時以来でしょうか…」
ペイズリー「あぁ…そうだったかなぁ?。最近は物忘れがひどくてなぁ…。お前ら…どこに行ってたんだぁ?」
カウフマン「中将?。あなたがこちらにお見えになられたのは、連邦政府や軍から離脱した逆賊である我々の処遇をどうするかを伝えるためではないのですか?」
ペイズリー「はて?、カウフマン少佐…。…私は「ジオンがルナツーで内乱を起こして部隊が壊滅した」という情報「しか」聞いていなかったのだが、貴官らは…何か「知っている」のかね?」
ダールトン「…失礼いたしました。我々が来たときには既に…」
ペイズリー「そういう事だ大佐。ジオンのモビルスーツや戦艦「しかいなかった」からな。サラミスやマゼランにコロンブスや君の乗っていたクスノキマサシゲは、「たまたま近くにいただけ」…。「そういう事」にしてくれても構わんよ。…まぁ少ないだろうが取っててくれたまえ。おい、ケースを持ってこい」
伝令「かしこまりました。これは…中将からの「お気持ち」であります。お受け取りください」
ダールトン「…感謝いたします、中将」
カウフマン「ありがとうございます。…[[rb:古狸 > ふるだぬき]]が、これは「口止め料」ってことかよ…」
ダールトン「カウフマン、…これが「政治」というものだよ」
ダールトンとカウフマンはペイズリーが用意したもの…「大量の金塊が入ったケース」を「お気持ち」として渡されていき、カウフマンは小さな声で忌々しそうに呟くとダールトンはなだめるように返事を返していく。
ペイズリー「それは良いとして…君の遊撃艦隊はこれからどうするつもりかね?。公的には君達は「反連邦組織」という事になっているからねぇ。まぁそんな建て前など大した意味はないが…」
ダールトン「…ルナツーにV作戦に関する情報が残されておりました。それを中将にお渡ししようと思っていたのです。こちらがその情報が入った「フロッピー」です。お受け取りください」
ペイズリー「はいはい。これは…良いなぁ。「コリニー」の奴が最近調子にのっていてなぁ、私はどうしようかと思っていたんだぁ」
ダールトン「と…申しますと?」
ペイズリー「コリニーの奴が子飼いの「ジャミトフ」…だったかな?。そいつと「地球至上主義者たちで構成された部隊」を作るみたいでな。ジオンと連邦政府の間に結ばれた休戦がよほど気にいらんようだ。まぁ君達もその気にいらん奴らの中に含まれているが…。
…この意味は分かるかね?。宇宙軍特別遊撃艦隊はコリニーの私兵共の「カウンターパート」として存在して欲しいんだ。「第50混成化艦隊」…いわゆる反ジオン同盟の「ビルマシュー」はやりすぎてしまうからなぁ」
ダールトン「大任ですな中将。…謹んで、お受けいたします」
ペイズリー「助かるよダールトン。そして喜べダールトン、今日から君達の艦隊は正規軍に復帰だ。これからも励んでくれぇ。…君の父上には色々と世話になったから、少しでも君達に恩返しをしてやらねばな…。
それからダールトン。唐突だが君は…自分自身がニュータイプという存在だと思った事はあるかね?」
ダールトン「自分がニュータイプ…でありますかな?。ペイズリー中将?」
ペイズリー「そうらしいな、「他者と相違なく分かりあえる」とかの専門的な事はさっぱり分からんが…。「ルナツー奪還作戦」…失礼、ある場所での戦闘記録を見させてもらったが、君の動きはまるで「先読みしている」かのような動きだった…。
それがニュータイプとしての感応なのかは私にはわからないが、普通のパイロットとは明らかに違うものなのは確かだな」
ダールトン「にわかには信じられませんな。…ですが「相手の言葉が走る」ような感覚は確かに感じました」
ペイズリー「言葉が…走る?。接触回線で聞こえたのではなく?」
ダールトン「抽象的ではありますが、「殺気」…と言えばご理解していただけますかな?」
ペイズリー「なるほど、わかったよ。…君なら「あのシステム」を使いこなせるかも知れんな。それでは私は失礼させてもらうよ。そろそろサイド6の飯も飽きて来たなぁ…。「コロニー公社の幹部」としてサイド3にでも遊びに行くとするか…」
カウフマン「ちっ、食えないジジィだ…」
ダールトン「言ってやるなカウフマン。あぁいう手合いの方が長生きできるんだからな」
カウフマンはペイズリーがその場を後にし見えなくなった瞬間に愚痴を呟いており、ダールトンはハハハと笑いながらもやや嫌味を込めながら返事を返していく。
ダールトン「だがこれで我々は大手を振って、ジオンに敵対的なコロニーに公的に駐留することができるようになった。隠していた艦隊も使うことができるぞ。
…今ある船はマゼラン級✕10。サラミス級✕20。「レパント改級」✕8。コロンブス級✕15。コロンブス突撃艦✕3。ムサイ級✕5。チベ級✕4。そしてアレキサンドリア級がクスノキマサシゲと「ブリゲーディアジェネラル・カシアス」の2隻…。ルウムの時と比べたらはるかに少ないがね…」
カウフマン「それだけの数を今まで温存できたのは普通にスゴイと思います。ですがモビルスーツの質はゲルググやギャンに「ガルバルディ」などはありますが、あとはキャノンと強化ザクしかいませんから…。ジオン系の機体ばかりで私達…本当に「連邦の部隊」なんですかね…」
ダールトン「これから強化していくのだカウフマン。この金塊の半分を…スポンサーに渡せば、気分もよくなるだろうからな。もう少し「連邦軍みたいな見た目」にしてもらうさ」
カウフマン「そのための金ってわけか…。モビルスーツ部隊隊長として精進してまいりますよ…」
遊撃艦隊隊員「大佐!、カウフマン少佐!!。今…全世界に向けて放送が…!!」
ダールトン「なに…?」
カウフマン「なんだ…?」
放送「今この宇宙 で同胞達と戦い続けるジオン公国の全ての部隊に告げる。我々は反ジオン同盟司令官、「ビルマシュー・ドルィーキン中将」である!貴様達が連邦残党と呼ぶ一派だ。
…ジオンの言うスペースノイドの独立とは自身に刃向かう者達を排除して作り出された物にすぎない事は明らかである!
あるジオンの兵はこう言った、終わった事をいつまで続けるのかと…。それは否だ、我らの戦いは…まだ終わってなどいない!
我らの第二の故郷であるスペースコロニーを核兵器や毒ガスで罪のない民間人の命を奪い、あまつさえそのコロニーを地球に落とすという蛮行をしたジオンをけして忘れはしないだろう!!目には目を…貴様達にもそれ相応の報いを受けてもらう!
改めて今ここで…我が反ジオン同盟は、ジオン公国に対し…宣戦を布告するものとするッ!!」
ダールトン「ビルマシュー中将…大きく出ましたな。彼も準備はできたという事か…。これは…動くな、時代というものが…」
司令部でこの演説を聞いたダールトンはこの放送を聞きながら静かにこう呟いていき、映像には反ジオン同盟のサラミスとマゼランの艦隊とに大量の「モビルポッド」の部隊が何処かに向かうところが映し出されていた…。