機動戦士ガンダム SilenceWar ~U.C.0093 Madness AXIS Breaker~ 作:にわ@タイトル単位作品作成者
U.C.0093 3月12日
同時刻 ~アクシズ針路上~
二機は、同時に加速した。
次の一合。
互いに、それだけを見据えて。
コメットブレイカーの再装填開始から3分が経過した、
――その瞬間だった。
世界が、
再び――白に塗り潰される。
ユウも予想しないタイミングで放たれたそれは、
二度の照射と違う。
光は力を抑え込んだまま、迷いなく放たれた。
出力――60%。
オービタル・リーダーのコクピットでは、
警告表示が、感情もなくモニターに張り付いていた。
足りるかどうかではない。
――終わらせると、決めた撃ち方だった。
――ッ!?
横合いを通る圧倒的な閃光が、
――ジェガンとサザビーの視界を埋め尽くす。
照射。
だが、今までとは違う。
荒々しい。
それでも――狙いは、一切ぶれていない。
二機は、反射的に距離を取った。
衝突はない。
だが、視線は同じ方向を向いていた。
そこにあったはずのものを、
確かめるために。
モニターに、
表示されているはずの巨体が――存在しない。
見えていないのではない。
そこに、無い。
否定する理由が、何もない。
「…………」
シャアは、
言葉を失った。
視界の先に――
アクシズが、無かった。
破壊ではない。
欠損でもない。
ただ、
宇宙が広がっている。
あるべき天体が、
完全に消え失せていた。
「……バカな……」
赤い彗星の声から、
初めて力が抜けた。
理解が、追いつかない。
否――
理解することを、拒んでいた。
失意に染まるシャアの傍ら、
オービタル・リーダーのコクピットで、
パイロットが叫びかけた。
「やった……!
やっ…!」
……だが、
歓声は最後まで続かなかった。
異音。
悲鳴のような、
金属の軋み。
「……ッ!?」
次の瞬間――
コメットブレイカーが、
限界を越えた。
本来なら、
一射ごとに整備を前提とする設計だった。
二射目までは、
人の手で引き上げられた限界だった。
そして――
それを越えた三射目は、
――完全に想定の外にあった。
5基の融合炉…。
それを抑え込んでいた全てが――
一気に、崩壊する。
白ではない。
赤でもない。
純粋な――爆発。
宇宙空間に、
巨大な火球が咲いた。
「……っ!!」
アムロは、
その光景を――見てしまった。
サザビーと、
まもなく交戦距離に入るはずの位置。
逃げ場はない。
視線を逸らす暇もない。
(……あれは……)
言葉にならなかった。
ただ、
理解だけが残る。
――最大の功労者が、
消えた。
戦場に、
静寂が落ちた。
ロンド・ベルの誰もが、
その爆発を見ていた。
歓喜の直後に訪れた、
喪失。
達成の裏に残された、
虚無。
勝ったはずなのに、
胸を満たすものは何もない。
サザビーの中で、
シャアは動かなかった。
戦意は、
完全に削がれていた。
「…………」
やがて、
機体を反転させる。
撤退。
誰も、
追うことは出来なかった。
宇宙には、
ただ――静けさだけが残った。
と言うわけでシャアとアムロは生存しました。
公式としては生かしておきたくなかったからアクシズショックを起こしたわけですが…。
この世界では二人の衝突もアクシズショックも起こしません。
技術がシャアの問題提起を問題文ごと削除します。