必要ない、と言われたその先の顛末は?
某所でみた口紅を送ったゴルシとトレーナーの話を見て、ステゴならどうなるか書いてみた
「口紅?うーん、もらっても使わない、かな」
ステイゴールドのトレーナーは口紅を贈りたいと申し出たが、彼女から色良い返事はもらえなかった
「本当は、顔にあれこれ塗るのは少し苦手なんだ。ウイニングライブの間は仕方ないけどな」
「そ、そうか・・・」
しょんぼり肩を落としたトレーナーに、ステイゴールドは理由を聞いた
「あんたが藪から棒に、そんなこと言い出した理由は何だ?」
「その、口紅を送る意味って知ってる?」
「いや、知らないな」
「キスしたいとか、仲を深めたいとか。もっと大事にしたいとか、そんな感じ。あーあ、これを口実にステゴとキスしたかったのにな」
あっさり思惑を暴露するトレーナーに、ステイゴールドは爆笑で返す
「あっはっはっは!なんだそれ。しれっと下心打ち明けるとか、やっぱりあんた頭のネジ外れてんな」
「外した張本人に言われたくない」
座っていじけるトレーナーをなだめるように、肩を叩いて顔を近づける
「おい、そう拗ねるなよ。なあ、口紅なんかなくてもできるさ。ほら、目を閉じて・・・」
かがんだステイゴールドに、いきなり唇を重ねられて驚くトレーナー
「ステゴ・・・!」
「どうだ、私のキスは?」
「ヤバい、すごくいい」
「飽きるとつまらないから、今日はこれまで。じゃあな」
そう言って、あっという間に走り去るステイゴールドの姿をいつまでも見送っていた
それからもステイゴールドと会うたびにキスしているトレーナー
「ステゴ、好きだ・・・」
「私も、あんたが好きだ」
しかし、いつも瞬きするぐらいの僅かな時間でするりと逃げられてしまう
小柄な体をしっかり抱きしめてじっくり味わいたい、と焦れるがとても素早く捕まえられない
そして、さほど恥じらいの色もなく、やたらと手慣れた様子なのにもやきもきする
もしかしてステイゴールドは旅の先々で″そういう″経験も多数積んできているのではないか?
自由にするのが彼女の魅力だけれど、他の男と、と想像しただけで胸が痛い
トレーナーはようやく己が嫉妬しているのだと理解した
今日もトレーナーはステイゴールドと会っている
「最近、自分が欲深い人間だなって落ち込むよ」
「お?どうした?」
「ステゴが好きだから、キスできて嬉しかった。でもやたら手慣れてて不安になる。もしかしたら経験豊富なのかな、って」
「そいつはいわゆる焼き餅というやつか?その餅は、煮ても焼いても食えそうにないぞ」
夕闇を溶かした瞳がトレーナーを暖かく見つめる
「そうだなあ、確かに別世界のステイゴールドは″経験豊富″だったよ」
「そうか・・・」
「だけどそれは私じゃない。それはあんたも知っているだろう?」
「もちろん」
「私にとって、あんたといるのは息するように自然なことなんだ。キスするのにも恥じらったり意識しないのは、その必要がないからさ」
ここで夕闇を溶かした瞳が妖しい光を帯びる
ステイゴールドはトレーナーの耳元で囁いた
「そんなに疑うのなら、私の体に聞いてみるか?」
ステイゴールドはトレーナーを抱えて、猛然とした勢いで走り去ったのであった
タイトルが昭和テイストなのはサーセン
いずれ無自覚乙女ステゴも書いてみたい