呪術廻戦in水神   作:白黒ととか

18 / 30
第◼️幕 領域展開『無量空処』feat.ドブカス2

 

無人島に残された巨大なクレーター。

 

その中心で、地面に対し垂直に突き刺さった銀色の物体――禪院直哉。

 

摩擦熱で赤熱し、シューシューと煙を上げるその「人間杭」を前に、五条悟と水都梨那は腕を組んで見下ろしていました。

 

「……で、どうするんだいこれ」

 

水都が呆れたように呟きます。

彼女の隣には、シャボン玉のような泡に包まれたタツノコ姿の式神『シュヴァルマラン婦人』がプカプカと浮いています。

 

「引っこ抜くにしても、熱すぎて触れないよ。まるで焼き石だ」

「僕の『無下限』なら触れるけどさぁ」

 

五条はしゃがみ込み、地面から生えている直哉の足(ピチピチスーツのせいで足の指の形までくっきりしている)をツンツンと突っつきました。

 

「下手に引っ張ると、首から下がちぎれて『頭(槍)』だけ地面に残っちゃいそうなんだよね。このスーツツルツルして滑って掴めないし」

 

すると、地中深くからくぐもった声が響いてきました。

 

『……早よ……せえ……』

「おや、喋った。生命力だけはゴキブリ並みだね」

 

水都は優雅に『諭示裁定カーディナル』を振ると、地面に突き刺さる直哉に向けて切っ先を向けました。

 

「仕方ない。まずは冷却だ。――行け、ジェントルマン・アッシャー、クラバレッタさん!」

 

彼女の号令と共に、マンマルタコ姿の紳士と、重厚なヤドカリ姿の式神が現れます。

 

「水をかけたまえ! ただし、急激に冷やすと彼が割れるかもしれないから、優しくね!」

 

 

ジュウウウウウウッ!!!!

 

 

サロンメンバーたちが放った水流が直哉のスーツにかかった瞬間、凄まじい水蒸気が爆発しました。

サウナのロウリュどころの騒ぎではありません。

 

『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛熱っ!! いや冷たッ!! どっちやねんボケェ!!』

 

地中から絶叫が聞こえますが、二人は無視しました。

 

「よし、温度は下がった。次は引き抜きだ」

 

五条が立ち上がり、準備運動のように肩を回します。

 

「梨那、君の水で穴の中に『潤滑油』代わりに水を流し込んで。僕が術式でスポンと抜くから」

「了解だ。……まったく、特級術師の初仕事が『地面に刺さった変態の介護』とはね」

 

水都が指を鳴らすと、直哉が刺さっている穴の隙間へ大量の水が注ぎ込まれます。

泥水が溢れ出し、直哉の身体が少し浮き上がった――その瞬間。

 

「術式順転・『蒼』」

 

五条が指先に呪力を込め、直哉の頭上(つまり足の裏側)に「吸い込み」反応を作りました。

掃除機に吸われるゴミのような勢いで、禪院直哉が空高く射出されます。

 

 

スポポーーーンッ!!

 

 

小気味よい音と共に、銀色の流星が空を舞いました。

彼は空中で器用に回転すると、スタッ、と地面に着地します。

 

「……ふぅ」

 

そこには、泥まみれになりながらも、頭の上の槍を得意げに光らせる直哉の姿がありました。

特殊繊維のスーツは傷一つついておらず、その異常な耐久性を証明しています。

 

「手間かけさせたな。……せやけど見たか? 今の僕の硬度」

 

直哉は髪(スーツの中に収納されているためツルツルだが)をかき上げる仕草をし、ニヤリと笑いました。

 

「地面と喧嘩して無傷。これが『特級』の装甲や」

 

「……」

「……」

 

五条と水都は顔を見合わせ、同時にため息をつきました。

 

「帰ろうか、梨那。彼をここに置いて」

「賛成だ、悟。この島ごと封印してしまおう」

「待てや!! 置いてくな!! 僕、泳げへんねんぞ!!」

 

結局、五条が襟首(スーツ)を掴んでぶら下げる形で、三人は高専へと帰還しました。

その姿はまるで、宇宙人にキャトルミューティレーションされる銀色の獲物のようだったと、後に補助監督の伊地知は語っています。

渋谷事変後の禪院家に関してどっちにするか迷ったので

  • 直哉:「僕はマグロやない特級や」ルート
  • 直哉:「人の心が無いんか?自分」ルート
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。