呪術廻戦in水神   作:白黒ととか

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第4幕 エピローグ

モニター室の空気は、凍りつくのを通り越して、熱狂と戦慄の坩堝(るつぼ)と化していた。

 

映し出されているのは、神話の再現。

現代最強の術師・五条悟と、神の如き力を行使する少女・水都梨那。

二人がかりでの、呪いの王に対する一方的な蹂躙劇。

 

「……おいおい、マジかよ」

 

日下部篤也が、信じられないものを見る目でモニターに齧り付いていた。

彼の額には玉のような汗が浮かび、手元のタバコはとっくにフィルターまで燃え尽きている。

 

「あの領域……本当に味方の強化かよ?」

「味方の強化……ですか?」

 

三輪霞が震える声で尋ねる。

日下部は乾いた笑いを漏らしながら解説した。

 

「ああ、五条の血を強制的に削り取って、それを燃料に五条と式神の火力を底上げしてやがるんだ。……だが、五条は反転術式で即座に回復する。減った端から回復し、その回復した分をまた削って火力に変える」

「永久機関……ですね」

 

乙骨憂太が呟いた。

その表情には、純粋な驚愕が張り付いている。

特級術師である彼だからこそ、理解できてしまうのだ。

あの少女、水都梨那が解放した呪力の総量が、自分すらも遥かに凌駕する次元にあることを。

 

(入学した頃の僕の呪力量を10とするなら、今の彼女は60……いや、それ以上だ。底が見えない。あれが『水神』……)

 

「熱(アツ)いじゃねえか!!」

 

沈黙を破ったのは、秤金次だった。

 

彼は目を輝かせ、興奮を抑えきれない様子で拳を握りしめる。

 

「命をチップにベットして、最強の火力を叩き出す! しかも演出(ステ-ジング)はド派手なオペラときた! あの姉ちゃん、分かってんねぇ! これぞ『熱(フィーバー)』だろ!!」

「……チッ。水を差されたと思ったが」

 

鹿紫雲一が、腕を組んで不満げに鼻を鳴らす。

だが、その瞳は画面の中の水都――『原始胎海』を統べる神の姿から離れられないでいた。

 

「あれほどの出力を見せつけられちゃあな。俺が出る幕はねぇよ。……認めざるを得ん。あれは『別格』だ」

 

戦闘狂である彼をして、介入を諦めさせるほどの圧倒的な格の差。

モニターの中では、式神たちが宿儺をボールのように殴り飛ばし、五条悟が楽しそうに追撃を入れている。

 

そして、水都による「術式の開示」。

 

『原始胎海』の性質――受肉体に対する猛毒性が明かされた瞬間、虎杖悠仁が身を乗り出した。

 

「魂を……引き剥がす!?」

「そうか……! あれなら!」

 

虎杖の顔に希望の光が差す。

宿儺を殺せば、受肉している伏黒恵も死ぬ。

 

それがこれまでの絶望的な前提だった。

だが、水都の『浸魂胎忌(しんこんたいき)』は違う。

不純物である宿儺だけを洗い流し、本来の持ち主である伏黒を救うことができる。

 

「頼む……! 頼む、伏黒を助けてくれ!!」

 

虎杖の祈りに呼応するように、画面の中で五条の黒閃が炸裂し、水都の巨大な水の刃が振り下ろされた。

宿儺の魂が吐き出され、消滅していく。

その光景を見届けた瞬間、家入硝子が深く、長く息を吐き出した。

 

「……はあ。あのバカ(五条)、本当に死ぬかと思ったけど……また教え子(後輩)に救われたな」

 

彼女の目元には、隠しきれない安堵の色が浮かんでいた。

五条が真っ二つにされた瞬間、誰もが最悪の結末を覚悟したのだから。

 

「勝った……今度こそ勝ったんだよな!?」

 

パンダが叫ぶ。

画面には、廃墟の中で倒れる伏黒恵と、それを抱き起こす五条。

そして、勝利のポーズを決めた直後に糸が切れたように倒れ込み、五条に支えられる水都の姿。

 

「……ああ。アイツらの勝ちだ」

 

日下部が呟くように言った。

 

モニター室は、しばしの静寂の後、爆発的な歓声に包まれた。

誰もが知る最強と、遅れてきた神による、奇跡の逆転劇。

その結末に、観客たちは惜しみない喝采を送るのだった。

渋谷事変後の禪院家に関してどっちにするか迷ったので

  • 直哉:「僕はマグロやない特級や」ルート
  • 直哉:「人の心が無いんか?自分」ルート
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