ドーモ。ヴィランスレイヤーです。これはニンジャが来てヴィランを討つ物語。 作:白白明け
投稿頻度が安定せず、申し訳ありませんm(_ _)m
成せば成るの精神でガンバルので、今後も皆様の暇つぶしになれば幸いです!
森林区画。森を覆う粘り着くような煙の中を悠然と歩く人影があった。その顔はプロテクトギアめいたガスマスクに覆われている為、うかがい知ることはできない。シュコー、シュコー、おお、見よ。少年の身体から漏れ出す綿飴めいた気体。これは実際毒ガスである。
「また1人、落ちたね」マスタードの出すガスは普通のガスではない。彼はガスの中を動く者を“ゆらぎ”として把握することができるのだ!
膝をつき崩れ落ちる“ゆらぎ”を感じて、マスタードは溜息を吐く。既に決断的毒ガス・アンブッシュによって、生徒と思われる十数名が落ちている。ガスの中を動き回る“ゆらぎ”もあるが、少数だ。その少数もガスを吸い込み意識を失った者たちの救助に動いている。広範囲に散布したガスによって、マスタードは戦況を把握していた。
「失望させないでくれよ。名門校」このままガスの散布を続ければ、雄英側はジリー・プアー、徐々に不利だ。
それはマスタードの望むことではない。「・・・」ピクリと動く。マスタードは足を止めた。
自分の方に向かってくる“ゆらぎ”を感じ取ったのだ。「まっすぐこっちに向かってるのが、3・・・2人かな?うん。切り抜ける奴はいるよね。そうじゃなきゃ、困るんだ」
マスタードは懐から、ピストルを取り出した。ニューナンブM60。警察に正式採用されているピストルだ。
「・・・ィィィイイヤアアアアア‼」煙の中からアンブッシュ!鋼鉄めいた男の拳がマスタードに迫るッ!BLAM!銃声!マスタードの正確無比な射撃が、襲撃者の額を無慈悲に捕らえる!ナムサン!
襲撃者の額には銃痕が・・・ないッ⁉「ああ、いたね。堅くなる奴」
襲撃者は無傷。ギロリとマスタードを睨んだ。
しかし、マスタードに動揺はない。ピストルを向けながら、挨拶。「どーも。マスタードです」「どーもォ。鉄哲徹鐵です」
鉄哲徹鐵は銃弾を受けた額を擦る。個性『スティール』により傷はない。しかし、「危なかったぜェ」と内心で冷や汗をかく。鉄哲徹鐵の口元を覆うガスマスク。このガスマスクが撃たれていたら、勝敗は一発で決まっていただろう。周囲に立ちこめる毒ガス。この危険性を、鉄哲徹鐵は認識していた。
「学ランのチビ・・・。
「硬化とはいえ突進とか勘弁してよ」BLAM!マスタードの正確無比な射撃が、ガスマスクを狙う!鉄哲徹鐵はクロスガード!突き進む!「名門校でしょ?」BLAM!「高学歴でしょ?」BLAM!「考えてくんない?」BLAM!連続射撃ッ!しかし、鉄哲徹鐵は尚も進むッ!
その行動は実際正しい!ガスマスクのフィルターにも限度があり、ガス濃度が濃いほど機能する時間は短くなる。つまり―――火より早く攻めよ!
「イヤーッ!」鉄哲徹鐵とマスタードの距離は既に畳1畳分。鉄哲徹鐵は拳を振り上げた!
マスタードは懐から新たに取り出したニューナンブM60で連続射撃ッ!BLAM!BLAM!BLAM!鉄哲徹鐵が僅かに怯んだ隙を突いて距離を取る。互いの距離は畳3畳分。
ジリジリと距離を詰めたい鉄哲徹鐵に、マスタードは言葉を投げかけた。「体育祭見たよ。結構活躍していたよね」「・・・アァ?」「チヤホヤされて、嬉しかった?」「なにが言いてェんだァ?」「雄英って名門校に入った君にインタビューさ」
「忌むべきブルジョワ的退廃行為の活動機関に属する感想を聞きたいんだ」
鉄哲徹鐵は内心で「なんだコイツ」と思った。あるいは口に出していたかも知れない。しかし、マスタードは意に介さずに続けた。「そのガスマスク。どうしたの?普通、持ち歩かないよね?たぶん、誰かの個性。体育祭で大砲とか作っていた子かな。すごい強個性だ」
マスタードの言うとおり、鉄哲徹鐵が着けているガスマスクは道中で会ったA組生徒、八百万百の個性『創造』で作ったモノだ。鉄哲徹鐵は救助を八百万百と他の生徒に任せて、ガスの出所であるマスタードを討つ為に此所まで来た。
「ズルいよね?」マスタードは言った。「産まれ持った個性で人生が決まる。それって異常だよ」「オマエ、イカれてんのかァ?」「会話しようよ。問題意識。大事でしょ?」
マスタードは両手のピストルを降ろした。鉄哲徹鐵は困惑する。しかし、彼も拳を降ろすしかない。
その
「舐めているのはどっちだよ」BLAM!「グワーッ!」鉄哲徹鐵の背後から銃声!背中を銃弾が直撃!
いくら身体を鋼鉄化させているとは言え、認識外からのアンブッシュは効果がある!鉄哲徹鐵が振り返る。其処にいたのは驚くべきことに2人目のマスタードだ!双子か?ブンシン・ジツか?ニンジャか⁉否、違う。2人目のマスタードは、
シュコー、シュコー。コピー・マスタードからも毒ガスが発生。周囲は一寸先も見えないほどに濃いガスに包まれた。鉄哲徹鐵のガスマスクのフィルターが、凄まじい速度で消費されていく。このままでは数分でガスマスクは機能停止に陥り、
「イヤーッ!」鉄哲徹鐵が拳を振るう!其処にマスタードはいない。「イヤーッ!」鉄哲徹鐵が拳を振るう!其処にマスタードはいない。「イヤーッ!」鉄哲徹鐵が拳を振るう!其処にマスタードはいない!
まさに"5マイル先まで霧"の様相!(注釈∶
鉄哲徹鐵は完全にマスタードの姿を見失っていた。
「イヤーッ!」・・・拳が当たるはずもなく、マスタードは勝利を確信する。「夢見させてよ。
マスタードが2丁のピストルの内、1つを鉄哲徹鐵に、もう1つを別の場所に向けて発砲。BLAM!「ンアーッ!」ガスの中から聞こえて来た女性の悲鳴。拳藤一佳の声に鉄哲徹鐵が思わず叫んだ。「拳藤ッ!」
マスタードが嘲笑う。「アッハハハハ、2対1で1人は身を隠して不意打ち狙いね⁉アハハ、浅っ、あっさいよ底が」
マスタードの言うとおり、実は鉄哲徹鐵と共に来ていた拳藤一佳は隠れ潜んでアンブッシュを狙っていたのだが、不発。拳藤一佳は肩を押さえて膝をついた。右肩に銃痕。赤い血が肌を流れる。
「このガスはさぁ、僕から出て僕が操ってる!」ガスの濃度が薄まる。マスタードがそうしたのだ。視界が僅かに晴れ、三者はお互いの存在を認識し合う。「君らの動きが“ゆらぎ”として直接僕に伝わるんだよ!つまり筒抜けなんだって!」「ザッケンナコラー!」拳藤一佳の血を見て鉄哲徹鐵がキレた。ヤクザスラングを叫びながら、マスタードに突撃ッ!コワイ!
BLAM!BLAM!BLAM!連続射撃によって鋼鉄化が徐々に解かれていた。金属疲労!BLAM!「グワーッ!」ついに鉄哲徹鐵の身体から血が流れる!クロスガードが解かれてしまった。「おしまい」BLAM!「グワーッ!」ついにガスマスクが壊された。しかしッ、見よ!鉄哲徹鐵は再び畳1枚分の距離に!「イヤーッ!」決断的アイアンフックがマスタードの顔面を打つ!「グワーッ!」しかし、「ぐにゃあ」殴ったのはコピー・マスタード、
「単細胞!」本物のマスタードは鉄哲徹鐵の後ろにいた。マスタードは鉄哲徹鐵の後頭部にピストルを押し当てて超至近距離射撃!BLAM!「グワーッ!」鉄哲徹鐵は後頭部を押さえながら地面を転がった。
「鉄哲!」拳藤一佳が叫ぶ。
マスタードは2丁のピストルを其方に向けた。「人の心配している場合?」「イヤーッ!」拳藤一佳は距離を詰めた!BLAM!迫る銃弾を前に拳藤一佳の脳裏に過る
『どうしてブリッジなのさ?』彼が多用する非効率的に見える
ある日の放課後、拳藤一佳の疑問に彼は答えた。『実際良い。つまりは歴史デス』
現代ニンジャの回避動作の根幹を為すこのブリッジ姿勢!それが古代ローマカラテによって完成され、その不動の堅牢さは、やがて人類史におけるアーチ建築の発明に繋がったという闇の真実を拳藤一佳はその時に知ったのだ!
『頭大丈夫か?』『アイエエ・・・ヒドイ』
「イヤーッ!」拳藤一佳は銃弾をブリッジ回避ッ!ニンジャ動体視力を持たない彼女にとって、実際回避できるかは賭けだったが、彼女は賭けに勝った!そして、マスタードはその動きに目を丸くする。その隙をつき、拳藤一佳は左腕を大ぶりに振るうッ!おおッ、見よ!その掌が小柄な人間なら包み込めるほどに巨大化する!個性『大拳』の発動だ!
「当たんないって」破城槌めいて振るわれる大拳をマスタードは後方ステップ回避ッ!
「当たらなくてもッ!」振るわれる大拳が強風を生むッ!吹き飛ばされるガス!
「ガスが飛ぶ⁉なんてパワー⁉」「拳銃なんか持ってさ!そりゃ喧嘩に自信がないって言ってんのと同じだよ!」「だからなにさ」「舐めてんのは、そっちって話ッ!」
薄くなったガスの中、マスタードは気がつかなかった。「イヤーッ!」「グワーッ!」鉄哲徹鐵の拳がマスタードの腹部に叩きこまれるッ!
拳藤一佳はニヤリと笑った。「雄英の単細胞ってのは、普通もうダメだって思うようなとこを・・・更に1歩越えてくるんだよ」
鉄哲徹鐵のアイアンパンチがついにマスタードの顔面を捕らえるッ!「イヤーッ!」「グワーッ!」マスタードはワイヤーアクションめいて後方に飛ばされたッ!プロテクトギアめいたガスマスクは破壊され、周囲に破片が飛び散る。
ガスが霧散していく中、鉄哲徹鐵が荒い呼吸を繰り返しながら言う。「ガス使いがァ、ブハッ、ガスマスクッ・・・してりゃそら、ハァハァ、壊すわな。馬鹿が・・・‼」
マスタードは自身が生成する有毒ガスヘの耐性を持たない。それを見抜いた鉄哲徹鐵の慧眼ッ!
「・・・痛い」地面に大の字で倒れながら、マスタードはある日の放課後、彼にとって決断的出来事であった路地裏でのことを思い出していた。あの日も、彼は殴られ倒れていた。今と同じように有名進学校のブルジョアに、殴り倒され、奪い取られ、尊厳を踏みにじられた。
『革命!』『暴力!』『行使!』マスタードの頭の中をスローガンが巡る。
前代未聞。かつて行われた
マスタードは一言一句、違えることなく、口ずさむ!「・・・“反体制暴力。そして、必要悪”!」
マスタードは立ち上がった。砕け散ったプロテクトギアめいたガスマスク。晒された素顔は金髪の平凡な少年。しかし、その目は革命戦士のそれだ!
勝負は決着している。それなのに立ち上がったマスタードに対して、鉄哲徹鐵は問う。「どうして、そこまでしやがるゥ。テメェらは、なにが目的だァ?」
マスタードは答えた。「“我々は、
演説を終えたマスタードはピストルを構える。
その構えはどこか・・・カラテ・・・めいている?
「ガスは晴れたァ。2対1だぞ?」鉄哲徹鐵は全身を鋼鉄化して言う。「射線がみえれば、拳銃なんて怖くないよ」拳藤一佳が大拳を握る。
マスタードは
マスタードは正面の鉄哲徹鐵へ
ガスが無くなり、息を大きく吸い込むことが出来るようになり、踏ん張りも効いている。「効かねぇ!」先ほどまでより、硬いッ!
「どうかな!イヤーッ!」「グワーッ!」鉄哲徹鐵は側頭部に衝撃を受けて転倒ッ!なにが起こったのか?
拳藤一佳は見ていた。銃弾を弾かれたマスタードは、しかし、そのまま射撃の反動を使ったバックブローを、身体を回転させながら鉄哲徹鐵の側頭部に叩きこんだのだ!ワザマエ!
マスタードの二丁拳銃の意味を聡明な読者諸君なら、既にお気づきだろう。
「イヤーッ!」BLAM!「イヤーッ!」銃撃と共に行われる打撃術!「グワーッ!」「鉄哲ッ!」拳藤一佳も参戦ッ!「イヤーッ!」BLAM!「イヤーッ!」「イヤーッ!」カラテ!「イヤーッ!」BLAM!「イヤーッ!」「イヤーッ!」2対1の戦い!「イヤーッ!」BLAM!「グワーッ!」「グワーッ!」しかし、優位に戦いを運んでいるのは驚くべきことにマスタードであった!
マスタードが拳藤一佳を狙い銃撃ッ!「イヤーッ!」BLAM!「イヤーッ!」鉄哲徹鐵がガード!「イヤーッ!」拳藤一佳は鉄哲徹鐵の肩に足をかけて跳躍ッ!上空から大拳を振り下ろすッ!破城槌めいた振り下ろしッ!まるで餅つきだッ!「イヤーッ!」マスタードが銃撃反動回避ッ!ワザマエ!そして、繰り出す反動カラテ!「イヤーッ!」「ンアーッ!」
吹き飛ばされた拳藤一佳を鉄哲徹鐵が受け止める!
マスタードは
間違いない。これは・・・暗黒武道ピストルカラテッ‼
「あの日の出会いが僕を変えた」マスタードはニューナンブM60の2丁を胸の前で交差するように構えて一呼吸置く。そして、素早くカラテ姿勢を取る!「イヤーッ!」
タツジン!これこそは暗黒武道ピストルカラテの構え!
「僕は覚悟を持って闘争の場にいる。2~3人は
「拳藤ォ。下がってろ」鉄哲徹鐵は上着を脱ぎ捨てる。鋼鉄の肉体を晒しながら、拳を鳴らした。「テメェに誰も殺させねぇ覚悟なら十分にあるぜェ」
「単細胞が」「捻くれたガキだぜェ」
さあッ、第2ラウンドだッ‼サツバツ!
暗黒武道ピストルカラテ。
字面がカッコよすぎるので、絶対に出したかった。
(*´∀`*)