夢過ぎ去りし跡の世界で転生者が生き抜くクトゥルフ神話   作:カーキtrpg

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シェアワールド ソーサルカンパニーについての戯言。+小話

はじめに――

 

 

 この話は、GURPSで遊ぶためのソーサルカンパニーという世界設定その他各種について、私が舞台として使うにあたり、どのように解釈しアレンジしたかを説明するための話になります。

 

 そもそもソーサルカンパニーとは、「ガープス魔法大全に対応する、魔法使いによる、魔法全開のファンタジーRPG」だと著者である諸星崇氏は定義しています。

 そのため、ソーサルカンパニー世界の文明水準は「剣と魔法が同居する、産業革命以前のオーソドックスな中世西洋風ファンタジー」とされています。

 氏の考えでは、ソーサルカンパニー世界のTLはおそらく「3」なのでしょう。

 私も著者の設定を尊重し、キャラクターシートにはTL3と記述することにいたしました。

 

 ……ですが、どう考えても作中の描写はTL3の枠に収まっていません。

 作中の記述では、「現代社会にある電化製品、例えば冷蔵庫や自動車が方具という形で普及している。一般家庭の隅々までというレベルではないが、公共設備としては十分に整備されている。」とあります。

 これだけでも、魔法によって人々が実際の中世とは比較にならないほど便利で豊かな生活を送っていることが想像できます。

 

 実際、リプレイ本では魔導師は社会で活躍している、魔法文化は社会や生活を豊かにしている、といった趣旨の文が散見しています。

 王都であるイースリーは近代的な建物が並ぶ区画整理の行き届いた近代都市と明言されているうえ、都市の中心部には数十階建ての高層建築が林立しているとのことですから、その社会的基盤は相当なものなのが伺えます。

 

 さて、ここで話を「公共設備としては十分に整備されている」自動車について考えましょう。

 

 まず、自動車……アイテム名は魔動車というこの品物は、もうTL3の中世ですなんていえない代物となっている。

なにせこの魔動車は、ハッキリと「魔力で動く機関を内蔵した四輪車です」と明言されているのだ。

 

 ……魔力で動く機関を内蔵である。

 四輪をくっつけた箱の自動車モドキのトロッコではなく、れっきとした機械と魔法の融合体であるとしか思えません。

 まず間違いなく、ガソリンや電気の代わりに呪文やマガを使っているだけで、中身はエンジンやモーターを搭載した高度機械としか考えられない。

 少なくとも私にはそう読み取れました。

 

 おそらくソーサルカンパニーの世界はTL5か6とすべき水準の世界でしょう。

 純粋な科学技術も産業革命期の水準に追い付いているとしか思えない。

 描写されていないだけで、実は裏で鉄道が走っていたと言われても私は驚かない。

 

 ですので、私の中では作中の生活はヴィクトリア朝イギリスと江戸幕府後期の江戸の都合がいいところを合わせた感じで考えることにいたしました。

 どちらも、資料にアクセスしやすく参考にしやすいから選びました。

 

 ――では、ここで逆転の発想をしよう。

 ソーサルカンパニーの純粋な科学技術や魔法技術はTL5以上とします。

 ここは私の解釈の仕方ではこれ以上、下方向には動かせないでしょう。

 ですので他の部分でTL3にするべくつじつまを合わせます。

 

 というわけで、リベール王国の王家にはデバフをかけます。

 というか、ソーサルカンパニーの世界の国家全体にデバフをかけます。

 

 この世界の国は地方への影響力が無きに等しく、領主貴族という名の豪族が闊歩する世界にしてしまうのだ。

 これで国の中央集権化なんて夢物語な状況になる。

 TLは技術の発達度合いを表す数値とされていますが、こういった社会的な制度も技術に含まれているっぽいので、ここで帳尻を合わせる。

 

 よし、これで帳尻はあったな! ……とはならないんだなこれが。

 

 ここまで高度化した技術や社会にまで発展させ、それを維持するには富と権力の集中は不可欠。

 間違っても、戦国初期の地方国人がでかい顔できるような政治状況では駄目である。

 仮になにか解決法があってダメダメな国内状況でも高度化した技術や社会、それを管理する複雑な官僚制度を維持できるとしても、そこまで膨れ上がった勢力なら周りを併呑して結局は中央集権化した、少なくとも絶対王政化の近世国家にはなってしまうだろう。

 

 ……よし、逆転の発想パート2だ。

 技術や社会の発展や維持は魔導師の力によって余裕でできるとしよう。

 それに加えて、産業革命期の技術を持った国家でも豪族たちがでかい顔できるほど、彼らを強化すればいいのだ。

 

 と、いうわけで、領主貴族は皆が魔導師とします。

 魔導師なら、産業革命期の軍隊でも敵わないほど魔法を強化すれば、まあなんとかなる。

 そんな強力な魔導師が天下を取らない理由なんていくらでもこじつけられるしな。

 

 「物質的に満たされているから世俗の権力なんて見向きもしない」「新しい呪文の開発に夢中だ」「田舎の王様として気楽に過ごしたい」「そもそも地元の政務ですら煩わしいのにそれ以上などごめんこうむる」……地方に引っ込んでいる理由なんて、いくらでも出せる、こじつけまくりましょう。

 

 ついでに虚空からモンスターが発生している設定を付けたします。

 この設定によるモンスターの横行によって広域の物流や交通ネットワークが分断されるため、国家の中央集権化はいよいよ不可能な話となる。

 一方で、都市や村落は強力な魔法による結界によって守られているとすれば、その結界を維持する魔導師たちの立場はより確固たるものとなる。

 

 こういった事情で、本作における魔導師は強くしています。

 まあかなりのこじつけでTLを3にしているので無理があるのですが、そこは目をつむっていただきたい。

 

 他にもこまごまとした考察はありますが長くなるので割愛。

 ぶっちゃけると、ソーサルカンパニーのTLは6に半分足を突っ込んでいるでしょう。

 ですが取り合えず、私は上記の考えをもとにソーサルカンパニーの世界を考えて作っています。

 

 

村とはなにか?――

 

 

 ソーサルカンパニーの世界における村とは、地方における農村共同体であり、国としては土地管理と地方支配を管理するための最小の行政単位となります。

 しかしそのほとんどは地方の小領主の荘園であり、王家にとってみればなんら利を生み出さない存在だとみなされています。

 通常、家々が互いに接近して建ち並ぶ集村の形態をとり、周囲には野盗や魔物の襲撃に備えて石壁や櫓などの防護施設が築かれているでしょう。

 

 村には通常千数百人から三千人程度の住民を抱えています。

 この住民たちは職人やその他の専門家が自分たちの生活を支えるのに十分な仕事を見つけるには十分な数です。

 これほどの人口が存在するため、鍛冶屋や大工といった基本的な生産者だけでなく、小売店や飲食店、各種サービス業から、武具や貴金属を扱う高度な専門職に至るまで、村の中で経済生態系が成立しています。

 

 こうした数千人規模の人口に対し、村が保有する平均的な耕作地面積はおよそ百数十から数百エーカー程度にとどまります。

 歴史的・物理的観点から言えば圧倒的な農地不足に陥る規模でありますが、この世界では領主層(魔導師)の行使する農耕魔法によって解消されてるのです。

 肥沃化・成長促進・病害虫駆除・天候制御といった魔法的介入により、一エーカーあたりの収量は莫大なものとなっており、限られた土地から極めて高い食料生産効率が実現できたのです。

 

 また、各村は資源確保のために数十から百数十エーカーほどの森林を維持しています。

 材木などの産業が重視される村ではもっと広大な森林を作っている場合もあります。

 これらの耕作地および森林は基本的に荘園領主の所有物であり、農民は領主の管理下で生産に従事しています。

 

 村の地下には領主一族しか立ち入れない地下空間があるのが一般的です。

 地質によって事情は変わりますが、少なくとも地下千数百メートル以下には巨大な地下空間を作り上げています。

 

 魔道工法を駆使して作られた地下要塞というべきその空間には、魔道工房に加え、ゴーレムを使用して耕作する畑作と余った魔力や日頃の村人を動員して集める魔力(疲労点)を貯める魔力タンクというべき物があり、その実体は高度な魔道基幹プラントとして機能しているのです。

 スミス村では、地下に直径三百二十メートル・天井高二十メートルの巨大地下円形ドームを保持しています。

 

 各村の統治・運用の構造は国柄によって大きく異なり、特にリベール王国とヴェンティスカ帝国では正反対な性格をしている。

 

 リベール王国ではこの領主直営地を分割して農民に貸し出して、その地代収入と税金を得る形態が主流です。

 貴族の多くは体面と見栄のため、多く人を使い、雇うことが庶民には出来ないステータスとみなすため省人化には否定的です。

 非効率な経営ではありますが、多くの平民はこういった貴族が用意した雇用によって職を得ています。

 庶民文化が花開き、農村と言えども活気がある社会です。

 

 ヴェンティスカ帝国では大農場経営者が農地を強固に「囲い込み」、直接収益化を図る直営地の存在感が大きいです。(中央集権化の進んだヴェンティスカ帝国では魔導師は領主層からは完全に姿を消しています。魔導師は血社にその多くが流れ、資本家としての面が強い存在となっており帝国の国力を低下させる要因となっております)

 効率化の名のもとに徹底的な省人化が図られており経営の観点から見れば王国よりも栄えているといえます。

 そのため、農民の多くは職を失い、残った農民も賃金労働者としての色が強い状態です。

 農村はその地主の経営場となり、農民の多くは都市や町に移住していきました。

 

 

 

 

 

 

 

作中人物が持ち出してくる武器について――

 

 

 本作に登場する火器類は、基本的に日露戦争前後の年代のものをイメージしています。

 この世界では剣や槍といった白兵武器もまだまだ現役ですが、それらは白兵技能を相当に鍛え上げた一部の兵士や専門家が携行するものであって一般人が護身や戦闘で持ち出すのであれば、まず銃火器が選択されます。

 

 近代的な火器がここまで普及していながら、なぜ未だに前時代的な白兵武器が生き残っているのか?

 その最大の理由は「対魔導師」を想定しているからです。

 

 《矢よけ》がもうどうしようもない性能なので刀剣を引っ張り出さざる得ないんです。

 とはいっても飛び道具が強力すぎるため、《矢よけ》のような遠距離攻撃に対する対策が存在しないと「遠くから一方的に撃ち殺して終わり」という大味な戦闘になってしまうため不可欠な存在ではあります。

 

 ただし、本気で対魔導師の戦闘を想定するのは軍人か、よほど気合の入った(あるいは命知らずな)犯罪者くらいなものです。

 一般的な戦闘であれば、基本的には銃を使えば事足ります。

 

 一応、変わり種として《矢よけ》を貫通するために誘導性能を持たせた特別製の弓矢なども存在するのですが、これは費用対効果が悪いので軍の特殊部隊などでもない限り持ち出すことはないでしょう。(強力なモンスターなどは呪文などを使うこともあるため、一部の傭兵などは赤字覚悟で常備していることもある)

 

 最初の話で主人公たちに出番もなく鎮圧された野盗たちの主な技能が白兵専門で、剣を使っていたのは対魔導師を考えていたからです。

 彼らはただの犯罪者ではなく、リベール王国に対する攻撃を目標にしていたある種の工作員の一面があるので対魔導師を考えないわけにはいかなかったのです。

 普通の犯罪者や一般人であれば、おとなしく銃を使います。

 

 無煙火薬のボルトアクションライフルや機関銃なども流通していますが、それらは旧式の物に比べて高価なので軍隊以外の民間では一部の者以外には広まっていません。

 一部のマニア向けや使い捨てのゴーレムに持たせる用の安価な銃として黒色火薬の銃もいまだに息ながら得ています。

 

 こういった銃器は無許可での売買及び携行が許されています、LCは特記がなければ4と考えてください。

 これは一種の自力救済が許されているからです。

 郊外に足を運ぶだけでモンスターに出くわす可能性があり、多種多様な方具によって武装した犯罪者すら出歩いている世界なので無武装で出歩くのは自殺行為です。

 

 ただし、街中でむき出しで持ち歩くのは「行儀の悪い」姿となるでしょう。(それでも構わずに持ち歩く奴はいくらでもいるでしょうが)

 

 ソーサルカンパニーの銃は点火装置に雷管を使用しているとは限りません。

 技術としては確立されていますが、多くは魔法を利用した形式をとっています。

 大抵は、撃針の代わりに電石と呼ばれる火薬を直接発火させることができる魔法加工物を装着しているでしょう。

 

 連続引き(Fast-Firing)

 大半のセミオート銃やダブルアクション・リボルバーに記載されている連射3は、射手が1秒間に3回を超えて発射しないことを前提としています。

 実際には、トリガーを最大2倍の速さで引くことが可能ですが……多くの場合、命中に悪影響を及ぼします。

 

 トリガーを素早く引くことで、〈銃器〉に-4のペナルティを受ける代わりに、連射を最大6まで引き上げることができます。

 連続引きテクニックを修得することで、このペナルティを回避できます。

 連射5では反動が+2増加し、連射6では+4増加します。

 連射5以上であっても、実際にはフルオート火器ではない武器で複数射撃を行うことはできませんが、制圧射撃を行うことは可能です。

 

 連射1のシングルアクション・リボルバーは、両手で保持することでペナルティなしに連射2で射撃できます。

 連続引きを行なうことで、〈銃器〉に-2のペナルティを受ける代わりに、連射を最大4までさらに引き上げることができます。

 両手サミングテクニックにより、このペナルティを回避することが可能です。

 

 連続引き 至難(Fast-Firing)

 技能なし値:〈銃器〉-4

 前提条件:〈銃器〉、前提技能の値を超えられない。

 

 連射2または3の武器で連続引きを行う際にかかる、〈銃器〉のペナルティ-4を回避できるテクニックです。

 

 両手サミング 至難

技能なし値:〈銃器/ピストル〉-2

前提条件:〈銃器/ピストル〉、前提技能の値を超えられない。

 

 両手で保持したシングルアクション・リボルバーで連続引きを行う際にかかる、〈銃器/ピストル〉のペナルティ-2を回避できるテクニックです。

 

 

 

 銃器を扱うにさいしては片手射撃を標準としています、必要体力に特記がついていないならそれは片手で扱っていることを示します!

 TL6以前での現代的な両手射撃は一部の専門兵士やガンマンが習得しているだけの技術です。

 TL6以降では一般的になっていきます。

 

 ソーサルカンパニーの世界では軍人や貴族、傭兵などなら習得していて構いません。

 

 キャラクターが片手持ちの火器を両手で構えているなら、「支えられている」として扱い、その銃の必要体力を0.8倍(端数切り上げ)にしてください。

 また、扱いやすさを1段階緩和して、シングルアクション・リボルバーなら連射が2に増加します。

 両手撃ちではファニングやサミングは行えません。

 

 ファニング

 片手でトリガーを引きっぱなしにし、もう片方の手で撃鉄を繰り返し叩いて起こし、素早く離して発射する技術です。

 狙い行動とは併用できません。

 

 ファニングを使用するなら、〈銃器/ピストル〉-4の攻撃ロールが必要で、ファニングテクニックを使えば、技能への-4のペナルティを回避できます。

 このテクニックを使わない場合、ほとんどの射手は大きな音を立てるだけで、せいぜい手に痣ができる程度です。

 

 基本スキル値-4のペナルティを受けるファニング射撃によって、連射は2に向上します。

 射手は連射を最大5まで上げることができますが、連射が+1されるごとにスキル値が-2低下し、これは補正できません。

 連射が5になると、反動が2上昇します

 

 ファニング 難

 技能なし値:〈銃器/ピストル〉-4

 前提条件:〈銃器/ピストル〉。前提技能の値を超えられない。

 

 このテクニックを使うと、片手に持った連射1のシングルアクションリボルバーをファニングする際に発生する、〈銃器/ピストル〉技能への基本ペナルティ-4を回避できます。

 

 サミング

 片手でトリガーを引きっぱなしにし、同じ手の親指でハンマーをフルコックまで引いて離す技術です。

 熟練した射手は、この方法でシングルアクションリボルバーを2丁同時に発射できます!

 

 サミングを行うには、銃(ピストル)-2の攻撃ロールが必要です。

 サミングのテクニック(252ページ)は、-2のペナルティを回避できます。

 成功すれば、射手は連射2で発射できます。

 失敗すれば、そのターンは発射できません。

 

 サミング 難

 技能なし値:〈銃器/ピストル〉-2

 前提条件:〈銃器/ピストル〉。前提技能の値を超えられない。

 

 このテクニックを使うと、リボルバーをサミングする際の銃(拳銃)スキルへの-2のペナルティを回避できます。

 

 

 

 遠距離連続攻撃(Ranged Rapid Strike)

 連続攻撃は通常、近接攻撃に制限されていますが、GMはオプションとして、連射2以上の火器を使用する者であれば誰でも、通常のペナルティ-6を受けて遠距離連続攻撃を行うことを許可してもかまいません。

 

 この-6を消去するには、クイックショットテクニックを修得します。

 2回の攻撃は複数射撃の第1段落にある目標の制限に従うことを条件に、複数の目標を撃つことができます。

 遠距離連続攻撃と二刀流を組み合わせることはできません。

 

 クイックショット 並(Quick-Shot)

技能なし値:〈銃器〉-6

前提条件:〈銃器〉、前提技能の値を超えられない。

 

 連射2以上の銃器を使用し、1秒間に2つの目標を射撃する際にかかるペナルティ-6を回避できるテクニックです。

 

 

 

 以下のものはルールブックに掲載されているような一般的な銃器ではなく、High-Tecで紹介された特定の歴史的銃器についてのデータを使って作成したものです。

 こういった細かいところが好きなので一部載せましたが、大した違いは無いので余程のこだわりがないのなら、TL5、6のリボルバーやオートマチック・ピストル、ライフル・マスケット、レバーアクション・カービン、ポンプアクション・ショットガン、普通にこのへんの既存銃器データを使いましょう。

 

 単位はヤードポンド法をそのまま持ってきてます、ただし1ヤードは1メートルです。

 

 

 

武器名 武器威力 正 射程 重量連射 弾数 必扱 反 価格
汎用拳銃 2d+2pi+ 2110/1,200 4.7/0.151 5(8i) 10-4 2 $80
騎兵拳銃 3d-2pi+ 2120/1,300 3/0.31 6(3i) 11-2 4 $100
流行拳銃 2dpi+ 2140/1,500 2.5/0.33 6(3i) 10-2 3 $150
半自動拳銃  2dpi+ 2150/1,600 2.8/0.53 7+1(3) 10-2 3  $200/$15
散弾銃  1d+1pi 3 40/800 8.6/0.62×9 5+1(2i) 11†-6 1/5 $200
ライフル 6dpi 5900/3,700 7.2/0.32 5+1(2i) 9†-5 3 $250
速射砲 4d×2pi+(2) 4800/4,400 169/1.11 1(3) 23M-8 2 $3000

 

 

 汎用拳銃

 リベール王国では格安に手に入る世代遅れの黒色火薬リボルバー。

 正式名称は「リベール式一号大型回転拳銃」。

 少なくとも、何かの事情で村や都市を離れて遠出するような人物は対モンスターを考えてこの手の安い自衛用銃器を持っていてしかるべきです。

 

 モデルはコルトM1847ウォーカー。

  M1848ドラグーンタイプは、威力2d+1pi+、射程100/1,100、重量4.2/0.14、扱いやすさ-3、価格$60にしてください。

 

 騎兵拳銃

 リベール王国軍で、平民騎兵向け装備として調達されている銃身7.5インチの金属薬莢式黒色火薬リボルバーです。

 軍内では「すでに旧式化しており早急に更新すべき」と叫ばれていますが、平民騎兵への関心の薄さも手伝って更新作業は遅々として進んでいません。

 民間では汎用拳銃よりもこちらが人気です。

 

 銃身4.75インチのモデルは2d+1pi+、重量2.6。

 銃身3インチのタイプは2dpi+、正1、重量2.5。

 正式名称は「リベール式三号騎馬用回転手銃」。

 

 モデルはコルトSAA .45ロングコルト弾。

 他の口径も当然存在します。

 .45S&W弾は、威力2d-1pi+、必10、反3。

 .44-40ウィンチェスター弾は、威力2d+2pi+。

 

 流行拳銃

 リベール王国軍の正式装備の無煙火薬リボルバー。

 モデルはS&W.44ハンドエジェクターの.44スペシャル弾

 正式名称は「新式一号将校用手銃」。

 最新式の拳銃で、イースリー・スペシャルと呼ばれ流行したためこれを装備する者も多いがまだまだ普及しきってはいない。

 .44-40ウィンチェスター弾は、威力2d+1pi+と.45ロングコルト弾、威力3d-2pi+に対応したモデル、それと.455ウェブリー弾、威力1d+2pi+に対応したモデルもあります。

 

 

 半自動拳銃

 イースリーの最先端技術が結集した、全金属製の最新型オートマチック・ピストル。

 今までのハンドガンと比べて圧倒的な連射性能を誇ります。

 モデルはコルト・ガバメント.45ACP。

 正式名称は「イースリー造兵廠一号自動拳銃」。

 

 散弾銃

 近接戦闘や狩猟、防衛用として広く使われるポンプアクション・ショットガンです。

 モンスター相手にスラグ弾が良く使われます、威力5dpi++、正4、射程100/1200となります。

 モデルはウィンチェスターM1897。

 

 ライフル

 モデルはウィンチェスターM1894, .30-30ウィンチェスター弾。

 傭兵、猟師、行商人、果ては農家の主人まで「誰もが一度は手に取る」と言われる大流行中のレバーアクション・ライフル。

 このライフルの射程と貫通力は、遠距離から襲いかかってくる飛行モンスターや俊敏な野獣の接近を阻むのに最適です。

 

 もとはモンスターの危険にさらされる隊商の護衛向けに開発された小銃です。

 この手のレバーアクション・ライフルは民間人の間でこそ大流行していますが、軍隊ではより最新式の、ボルトアクション・ライフルが標準採用されています。

 正式名称は「イースリー式護衛用標準連発銃」。

 

 この世界では尖頭弾頭の使用可否は問題にはなりませんでした……なぜなら、ほとんどのカートリッジに雷管が組み込まれていないからです!

 

 速射砲

 モデルはホッチキス37mm速射砲、短砲身型、LC3。

 表の弾薬は堅鉄弾使用。

 榴弾なら2dpi+ + 1d+1[1d] cr ex 射程600/4000

 散弾なら2d-1pi 連射1×20 射程100/400

 

 本来は要塞の側防用火砲なのですが、流用して民間向けに大型モンスター対策として販売されています。

 

 多くは各村の自警団によって購入・運用されていますが、このようなガチの軍事兵器ですらも簡単な登録と許可だけで所持できてしまうほどにこの世界のモンスターは全人類の悩みの種なのです。

 

 貴重品や大量の貨物を輸送する際、民間人は襲撃に備えるため大掛かりな隊商を組んで移動します。

 その際、この手の小口径砲が極めて重要な防衛火力を担います。

 民間物流の多くは未だ馬車移動ですが、馬車上からでも簡易的に運用できるこの種の砲は、モンスターが蔓延る荒野で流通網を維持するための生命線と言っても過言ではありません。

 

 当然、隊商側はモンスターの襲撃を前提としたガチガチの厳戒態勢で移動します。

 護衛専門の車両すら組織して強固なコンボイを形成しています。

 その護衛車両の多くは魔動車に装甲と火器を装備した、いわゆるガントラックです。

 ですが、中には専用馬車にガトリングガンや速射砲を強引に積み込んだ無骨な旧式車車両も未だ現役で走っています。

 

 

 

魔導師の技能――

 

 

 マイヤーたち原作キャラの能力は皆さんがご存じのとおりですが、彼らの能力では私が改変した世界観では通用しません。

 そのため、彼らの能力は変更します、マイヤーたちも成長したってことで。

 ソーサルカンパニーではPCの総計CPは100で始まるのですが、200に変更します。

 

 それと、万能技能の導入を決意しました。

 通常の技能・呪文を取っていくことになると、キャラクターシートが膨大となり、私が把握しきれないからです。

 以下にのせます。

 

 〈魔導師領主!〉知力

 この技能はファンタジー世界において、自らの領地に魔法的恩恵をもたらし統治する在地領主に求められるすべての仕事をカバーするためのものです。

 これはソーサルカンパニー世界の在地領主にとくに似合った万能技能です。

 

 この万能技能は、領地の維持管理、内政、行政、そして領民を集めて行われる日々の儀礼魔法や豊作祈願に至るまで、魔導師領主に求められるあらゆる仕事を包括します。

 

技能

 

 この技能は、領地経営や民政に関わる一般的な技能の代用となるほか、その土地の状況に適合した各種呪文へのペナルティなしでアクセスすることを許可します。

 具体的な修得呪文を事前に個々選択する必要はありません。

 GMと相談の上、「その魔導師が達成すべき成果」にふさわしい呪文をその場で自由に行使・描写・創作できます。

 

 一瞬で植物が成長しきるのでもよし、土壌が完璧になり豊作を生み出すのでもよし、杖を振ったら農作物が空から降ってくるのでもよし、想像は無限です!

 

 すべての村に植物や天候の魔法を使える魔導師貴族がいます。(いなければお話にならない!)

 ソーサルカンパニーの村には少なくとも町と呼べる規模の農民が集約して存在します。

 まず間違いなく……千人の健康な成人人口が存在するはずです! 彼らはおそらく、魔導師のために朝の1〜2分を儀式に捧げることを厭わないでしょう。(豊作をもたらすためでもあるのですから喜んで参加するはずです!)

 〈魔導師領主!〉はその人口を維持し、有効に活用するための儀礼魔法もカバーします。

 

 少なくとも日常的におこなわれていると思われる活動に対する呪文及び儀礼魔法に判定を試すべきではありません!

 それはダイスを振るまでもなく、成功するべきことなのです!

 

追加利点

 

 万能技能点を1点消費するごとに、魔法の行使や儀式に関連する失敗・ファンブルの判定結果を成功へ変更できます。

 この万能技能を持っていることを知った農民からの反応判定や影響判定へのボーナス。

 

 〈魔導騎士!〉知力

 魔導師が戦場において一騎当千の戦士として活動するための戦闘用万能技能です。

 この技能の所持者は英雄ユニット以外の重要でないNPC(以後、下っ端と呼ぶ)に無条件で勝利できます。

 騎士とは言いますが、伝統的な剣と槍の人ではなく必要ならピストルを持ちライフルも振り回します。

 

 もし、下っ端が大勢集結して団体となるなら、それはトループとなります。

 その場合は特殊な戦闘、軍戦闘となります。

 トループとは、個人の戦闘能力ではなく、戦術級の最小戦力単位となります。

 〈魔導騎士!〉のキャラクターは単騎でトループとなる英雄となります。

 

 トループの価値を換算する際に〈魔導騎士!〉に払ったCP分のトループを獲得できます。

 これは、そのキャラクターの能力に加えたものになり払ったCP分に固定されるわけではありません。

 

 個人戦闘における魔導騎士のデータは以下のものにそのキャラクターの能力を加えたものになります。

 これは魔導騎士の魔法的素質による能力向上のものであり、既存の呪文、方具、武器防具とは競合しなく、リソースを消費しません。

 

 体力+5、敏捷力+1、生命力+5、防護点/12L(力場状)

 無効化/代謝性の危険(魔法) 痛みに強い 戦闘即応 非常に健康

 

 《矢よけ》《飛行》の呪文の効果をリソースの消費なく常に発揮されます、これは維持しているとはみなされません。

 

 〈魔導騎士!〉はその舞台での携行武器が与えるダメージに等しい、非実体に影響の増強を持った射程500/1000、正確さ3、連射1、弾数無限、反動1の長射程攻撃を使えます。

 ソーサルカンパニーではイースリー式護衛用標準連発銃がもっとも普及している携行武器とみなしてください、つまりは武器威力6dpiとなります。

 

 

 技能

 

 この万能技能は下記の物以外にも下っ端を蹴散らす際に演出としてあらゆる技能・呪文に置換できます。

 

 敏捷力基準 〈白兵武器〉〈ランス〉〈銃器〉〈準備〉〈盾〉〈騎乗/竜及び相応しいものすべて〉〈身体感覚〉〈特殊攻撃〉

 知力基準 〈指揮〉〈戦術〉〈動物使役〉〈自然知識〉〈秘伝〉、関連する武器・鎧を認識・整備するための〈武具屋〉〈目利き〉〈地域知識〉〈礼儀作法〉〈時事知識〉

 意志力基準 〈瞑想〉

 

 追加利点

 

 武器を使用する際の体力ボーナス

 万能技能による特典・テクニックの拡張

 

 

 

なぜTL3と表記するのにTL5以降の技術を登場させるのか――

 

 

 最後に、身も蓋もないお話となります。

 なぜ私は色々と解釈を重ねてまで産業革命期以降の技術を世界観に採用しようとしているのか……決してスチームパンクな世界観を描きたいからでも、近代的なファンタジー世界を書きたいからでもありません。(どちらとも大好物ではあるのですが……)

 

 それはこの小説の主人公が原因でもあります、主人公である佐伯田は現代日本からの転生者です。

 つまりかれはTL8の技術にアクセスできるのですが……はい、ぶっちゃけます。

 佐伯田が「異世界NAISEIチート」できないようにしたかったのです、私は。

 

 少なくとも、「アイデアさえあればスッとできてしまう」「多少は手間暇がかかるが概念さえ知ってしまえば作れる」「素人の浅知恵では本来は到底手の届かない技術だが、魔法が絡むなら話が違う」といった、佐伯田が手を出せそうな技術は完全につぶしたかったのです。

 

 お手軽簡単に異世界NAISEIチートが出来るなら佐伯田はやっちゃう性格ですけど、そういった展開は作り飽きたので……。(そもそも作者がニコニコ視聴中にクトゥルフものにGURPSの呪文を加えたGURPS販促小説を書くことを閃いた理由の半分は、転生者IN架空戦記ものではない小説を書きたくなったからです)

 

 

 

さいごに――

 ソーサルカンパニーの世界における経済は、未だに農業を基盤として成り立っています。

 人々の大半は民俗伝統や古い慣習が根強く残る田舎の村落で生活しています。

 

 しかし、高度な魔法技術によって支えられた農業技術のおかげで、この世界は中世風の見た目に反して莫大な人口を養うことが可能です。

 そして、この肥大化した人口が都市部へと流出することで、二次産業、三産業の急激な勃興をもたらしました。

 

 リベール王国での直接的な農業従事者の割合は全体の40%ほどと、都市化の進展を伺える数字です。

 しかし、間接的な農産業従事者を含めるのならいまだ労働人口の60%以上を占めているのです。

 

 また、高度な魔法技術や近代的な科学技術の恩恵に日常的にアクセスできるのは上流階級の人間に限られます。

 彼らは現代社会と大差ない便利で豊かな生活を享受していますが、……とはいえ、それ以外の一般庶民に何の恩恵もないかと言えば、決してそんなことはありません。

 

 前述した通り、公共設備として整備された魔動車や生活インフラ、魔法による安価で豊富な食料の供給、そして庶民でも手に入る自衛用の型落ち銃器など、魔法と技術の恩恵は形を変えて一般層の生活の隅々にまで確実に滴り落ちています。

 

 

 

おまけ――

 

 

 最初の文に「一般家庭の隅々までというレベルではないが、公共設備としては十分に整備されている。」という部分があります。

 もしこの公共設備として整備されている冷蔵庫が《冷却》の魔化をした箱か何かと仮定しましょう。

 TL5なら氷を使った氷冷蔵庫(アイスボックス)が中産階級まで普及してるし、TL6だと機械式冷蔵庫が普通にあるのだがそこは考えないでくれ。

 《冷却》の性能だと冷凍庫になってしまうが、そこは使用者によってある程度温度も調整できるようななにかがあるんだろう。

 

 で、この《冷却》の魔化をした冷蔵庫の方具の種類なんですが、まあ、使用用途的に常動型方具で間違いないでしょう。

 ソーサルカンパニーのルールを使って《冷却》の常動型方具の値段を算出すると……なんと100M!

 これを現代日本の通貨にすれば、1Mが一万円なので百万円になる。

 

 この1M=一万円は物価で見たのか給与所得で見たのかはわからないが、どちらにしろ大した問題ではないでしょう。

 私は1$=約二百円と考えているので、100Mは5,000$になります。

 5,000$か……TL3で考えても、「一般家庭の隅々までというレベルではないが、公共設備としては十分に整備されている。」には十分な価格かな?

 

 ……十分な価格ではあるのだが、高性能な冷凍庫として普及しているならともかく冷蔵庫でこの価格では駄目だ。

 これなら氷を使った氷冷蔵庫(アイスボックス)で十分でしょう。

 

 年代や地域によるが、歴史的には現代の価値に換算すると約五万〜十万円程度で購入できるらしいので、こっちなら一般家庭でも手が届く。

 代わりに氷の調達が必須になりますが、発達している魔法文明では二束三文でいくらでも調達できるでしょう。

 氷なんて《氷作成》を使ってもいいし、それこそ《冷却》の冷凍庫で作成してもいい。

 

 まあ「産業的に生産していて、専用の魔化呪文があるのでもっと値段は下がる」と考えればいいだろう。

 

 

小話――

 

 

 俺にとって甚だ不可解なことに、この面倒なだけの作業を担当するのは自分であると周囲の満場一致で決定してしまった。

 まったくもって理解不能、解せない出来事である。

 別に大して手間がかかる作業ではないが、だからといって面白くもない作業を強いられるのは不本意極まりない。

 

 「本当にありがとう! じゃあまた明日くるね!」

 

 嵐のように押し掛け、嵐のように厄介事を放り投げたクララは笑顔を残して「英知の箱」を去っていった。

 ……で、問題はあいつが持ち込んできた代物だ。

 少し深みのある、鈍い光沢を放つダークシルバーの刀身。

 一見して数打ちの量産品とは気品が違う、尋常ではない雰囲気を纏うその剣を「誰が調査するのか」という話になり、見事にお鉢が俺へ回ってきたというわけだ。

 

 聞けば、東方の遠国から流れてきた名剣との触れ込みを貿易商から聞いて購入したらしい。

 だが、そんな大層な代物なら自分の家で解析するか、おとなしく神機局にでも頼めばいいだろうに。

 なぜわざわざ、こっちに持ってくるんだか。

 

 そして、なぜこの剣が俺に押し付けられたのか。

 理由は至極単純。

 ほかの四人が一斉に首を横に振ったからだ。

 曰く、「ざっと流して見るくらいならともかく、専門的な材質調査までいくとお手上げだ」と、口を揃えて抜かしやがったのである。

 

 こいつらは学院でいったい何を学んできたんだ?

 

 特にメイベル、お前だ。

 お前の専門分野は物体系だろうが。

 ここで名乗りを上げなかったら、一体いつ働くつもりなんだお前は。

 

 腹の中でくそったれな同僚たちへ毒づきながら、俺は一人黙々と解析作業を終わらせることになった。

 

 「結果はどうだったんだ?」

 

 作業が終わり、小さく息を吐いたタイミングでマイヤーがひょっこりと俺の作業場に顔を出した。

 マイヤーはどこまでも他人事な顔で見てくる。

 

 「主成分はチタン、バナジウム、クロム……あとはアルミニウムにスズ、他各種。――この剣はβ相を常温安定化させた、β型チタン合金製だな」

 「?????」

 「……俗に言うワンダーメタル(奇跡の金属)の一種だ」

 

 マイヤーはぽかんと口を開け、数秒遅れて手を叩いた。

 

 「ああっ! あれかぁ!」

 

 ――殺してやろうかこいつ。

 

 日頃から方具方具とうるさいくせに、なぜこの手の最新材料に関する知識がすっぽり抜け落ちているのか。

 方具を作るのは、ただ単に呪文が使えればいいってものではないんだぞ。

 方具技師を目指しているんなら最新の金属材料くらい頭に入れておけ。

 

 「作りは良質、細工も良いんだがな……魔化がされていないなこれは。いくら物がいいと言ってもこれじゃあ名剣なんて言えないな」

 「なんだぁ。それじゃあの神機局のお偉いさんはボラれたってことか」

 「品質でいうなら特優だ。これだけ元は良いんだ、いくらでも使いようはあるだろうよ」

 

 そもそもクララの懐なんて俺らの知ったことではない。

 特にお前だマイヤー、また懲りずに方具を買いあさったのは知っているんだぞ。

 人の財布の心配をしている場合か?

 

 「ならいいけどよ。……なあ貞久、あれ受けるのか?」

 「……面倒なだけだろ」

 「なんだよ! 受けろって、お前が有名になればオレ様の血社にもっと客が押しかけるだろ!」

 

 その客をさばくのは一体誰だと思っているんだ、ああ?

 お前に仕事をする気がないことくらい、俺は痛いほど分かってるぞ。

 

 「はあ、外で風にあたってくる」

 

 調子のいいマイヤーの雑音を背に受けながら、俺はバルコニーへ逃げ出して夜風に身を晒した。

 ポケットから、くしゃくしゃになった打診書を取り出す。

 クララが持ってきたものだが、明らかに剣のついでだったな、あれは。

 

 冷たい夜風に身を晒しながら、その書面を薄暗い月光にかざした。

 

 「『新たな魔法、技術系呪文の確立を評して叙爵』ねえ……俺に受爵なんて見る目があるんだか無いんだか……」

 

 ハッキリ言って、まるで興味がわかない。

 自分の知識や技術をひけらかすのは楽しかったが、貴族の泥沼のような生活が楽しいかと言われれば――。

 

 「窮屈なだけだよなあ……」

 

 溜め息混じりの独り言は夜風にさらわれ、冷たい夜闇の中へと消えていった。




試作(Prototype)
 「構想」判定の成功――あるいはファンブル――によって、遺伝子エンジニアは必要な詳細概念を得ます。
 次に、彼は実際の遺伝子工学作業を行わなければなりません。
 これには発明技能による2回目の判定と、適切な遺伝子研究所(p. 16)が必要です。
 また、遺伝物質も必要となります。
 人間やその他の動物の場合、これは配偶子と総称される卵子や精子を意味します。
 これらはドナーから採取されます(遺伝子エンジニアが自分自身の遺伝物質を扱いたい場合、半分は彼自身から提供されることもあります)。
 凍結生殖細胞バンクが存在する場合もあります。
 ほとんどの社会において、遺伝物質の売買、特に知性体からの取引は規制されていますが、ドナーを見つけること自体は比較的容易です。

 GMはこの「試作判定」を秘密裏で行います。

 修正:構想判定で列挙されたすべての修正項目。
〈生物工学/遺伝子工学〉、あるいは該当する場合は〈生物工学/細胞工学〉、または〈電子機器操作/医療機器〉技能が20以上の助手1人につき+1(最大+4まで)。
遺伝子エンジニアが自身のTLにおける最先端のツールや施設――完全遺伝子研究室――未満の環境でやりくりしなければならない場合、-1〜-10(GMの裁量)。

 成功した場合、彼は試作品――微生物の入った試薬管、培養に適した植物組織の一片、あるいは着床準備の整った生存可能な初期胚――を作成します。
 失敗した場合、その成果物は生存不能となり廃棄されます。
時間と資金がある限り、彼は再試行できます(p. 18参照)。
 ファンブルした場合、何らかのラボ事故が発生します。
 これは次の2つのうちいずれかを意味します。
 検査では検出されない隠れた致命的欠陥を持つ一見正常な試作品(「フランケンシュタイン」)、あるいは微生物の場合、代わりに偶発的な被曝や漏出が発生する可能性があります――ただし「研究所のバイオハザード予防措置」(p. 16)を参照してください。

 遺伝子エンジニアが欠陥のある構想(構想判定でのファンブルによる)に基づいて作業していた場合、機能する試作品を作成することは絶対にできません(これがGMが秘密裏に判定を行う理由です!)。
 しかし、試作判定でクリティカル成功を達成した場合、彼は自身のアイディアが不完全であったことに気づき、最初からやり直すことができます。

 必要時間:各試作判定にかかる時間は、発明が簡単なら1d-2日、普通なら2d日、複雑なら1dヶ月、驚嘆なら3dヶ月です。
 必要時間をプロジェクトに従事する熟練者の人数で割ります。最低時間は常に1日です。

 費用:唯一の費用は人件費、および研究所の購入費と維持費です。
 1回の試行につき推奨される費用は、作成される遺伝子構築物の小売り価格に、試行成功時に作成される胚、組織培養物、あるいは微生物の回数分(投与量)を乗じた額と等しくなります。
 通常、テストで一部が破壊されることを考慮し、一度に複数が作成されます。
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