イカれたパイロットが逝く艦隊これくしょん   作:狼煙HN2

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 この世界ではドイツで核による焦土化作戦が太平洋戦線に集中したかったアメリカとイギリスにより行われた為に、ドイツは今も人が住めない地域がある。
 大尉が日本に帰国したのもナチスドイツ政権が消滅したからである。


第六話

 

 日本軍の深海悽艦硫黄島基地攻撃作戦に俺たちが介入することが決まって早くも3週間がだった。

 

 俺たちが今何をしているかと言えば、、、

 

「開発開発開発開発開発開発開発開発開発開発開発開発開発開発開発開発開発開発開発開発開発」

 

 その、ひたすらに戦力の強化だ

 

「習熟訓練だ!飛ばせ!」

「「オオーッ」」

 

「、、、やはり建造はしないのか?人手、、、艦娘が足りない気がするが、、、」

「武蔵、他の鎮守府が全部建造してしまったからやりようが無いんですよ、、、」

「でも姉様、、、なんだかコレは違う気が、、、」

 

「「ビシッ」」 (整列する陸戦隊と大発)

「まぁまぁ御三方、我々陸戦隊は基本的に陸攻から降下して目標に突入しますが、必要な数の陸攻を揃えるとなると、、、大尉殿が倒れてしまうのであくまで補助として一部隊を輸送してもらうだけですから」

 

「それはそれとして、妖精さんってこんなに流暢に話せましたっけ?」

「信濃、考えてはダメです」

「、、、私たちも訓練に行くとしよう、、、」

 

 なにぶん敵の戦力は桁違い、突破口というか作戦はあるが、最低でも制空権を握るだけの航空戦力が必要だ。

 

 当日が近づくにつれて妖精たちもなんだか昔の同期みたいに訓練に明け暮れて、何時ものおちゃらけた雰囲気が無くなっているのが奇妙だが、、、まぁ良いだろ、、、被害はないし。

 


 

「提督、作戦を説明致します」

 

「ああ頼む」

 

(やっぱり変ですよ姉様!なんであんな風に妖精さんが話してるんですか!)

(私にもわからん、、、)

(諦めなさい信濃、、、誰も分からないですよアレ、、、 )

 

「まず先手として日本海軍が硫黄島近海に進軍、敵主力艦隊を誘い出します」

 

「誘い出すというか俺らが横から割り込むというかだがな」

 

「第二段階として、我々の紫電改、烈風改、流星改、疾風、そして提督を中心とする制空隊が先陣を切り硫黄島基地上空の制空権を奪取します」

 

「新型兵器を多数使って通信を遮断し高高度から敵機を減らして強行突破するぞ」

 

「第三段階として、待機していた攻撃機、爆撃機、噴進弾を搭載した戦闘機が基地に駐機している敵機や対空砲、沿岸砲を破壊します」

 

「この為にかなりの数の陸攻やら噴進式景雲やら震電を開発したんだ、活躍は期待しているぞ」

 

「第四段階では、対空砲の沈黙が確認され次第、陸戦隊が陸攻や大発を使って硫黄島に上陸し敵地上部隊を撃滅します」

 

「この間航空隊は一部日本海軍艦隊への援護に向かう事になったぞ、後で名簿を確認しといてくれ」

 

「また、大和型3隻は敵艦を見つけ次第撃破し、順次島に接近して対地攻撃を敢行、万が一ですが泊地悽鬼などが出現した場合はその火力を持って撃沈してください」

 

「、、、了解致しました」

「了解だ、蹴散らしてくるぞ!」

「ふふふ、久方振りの出番ですね」

 

「ちなみに、もし撃墜や撃破されても二式大艇(実機サイズ)が待機しているから安心しろよ」

 

「では作戦の説明を終わり、各員出撃準備を開始してください」

 

「「了解!」」

 


 

 ー日本海軍司令室ー

 

 私は提督である、所属は呉鎮守府。

 

 明日実行する硫黄島基地攻撃作戦、その指令を下すメンツの内の一人でもある。

 

 指揮を取るのは私の他に四人、舞鶴と横須賀の鎮守府に勤める提督たち、そして海軍の重役たちだ。

 

 決して我々の間柄は悪くない、だが今は意見が割れて怒号が飛び交う現状である。

 

「だから敵の数も把握せずに何故無謀な攻勢に出る!小笠原諸島を落としたいのはわかるがそれより先にすべき事があるだろう!」

 

「空襲を終わらせ国民に安全を届ける事がそうは無いのか!そもそもあの島を抑えぬ限り敵は無尽蔵に沸いてくる、海域の開放なんぞ出来やしないんだぞ!」

 

「だが取り残された沖縄に住まう人々の苦痛を長引かせるなどもっての外だ!第一空襲もこの1ヶ月は無いでは無いか!」

 

「あってからでは遅いんだぞ!」

 

「なにを言うかと思えば、、、」

 

 既に決定された作戦にこの反応では満足に指揮を取れるはずがない。上がこの有様では現場はどうなるかと言えば、、、実は意外とそうでは無い。

 

 現場の艦娘や妖精、兵士たちは違う話題に夢中である。

 

 もちろん私もその話題は知っているが、、、私には到底安心できるものでも無い。

 

「本当にかの有名な軍神様なんかねぇ、、、」

「藁にでも縋り付きたくて幻覚でも見たんじゃねえか?」

「だが大破して装備が使い物にならない艦娘が敵機を全部落とすなんて、、、できるもんなのか?」

 

「扶桑、、、気持ちはわかるんやけど、、、さすがにありえんやろ、、、」

「本当よ!私達の目は狂ってなんか無いわ!信じられないなら他の子にも聞いて!みんな本当だって言うはずよ!」

「、、、確率を考えればあり得ない話ですが、、、居てくれたら間違いなく勝てるので、、、私個人としては居て欲しいですね、、、」

「霧島さん、、、でもそれじゃ私達の必要性がなく無いですか?」

「ハッ⁉︎赤城さん!?い、いつからそこに、、、」

「でも実際居て欲しいネ、、、今度はちゃんと話しをしてワタシのLOVEを受け取って欲しいネ、、、」

「お姉様まで、、、」

「、、、もし、実際に見つけてしもたらどうすりゃええんや、、、戻って来てくれるなら嬉しい、せやけど飛田大尉の最後に居たんは80年前や、私らは建造された時に知識もある程度貰えるし、、、他所の世界の記憶もある。でも大尉にはそれが無いかもせえへん。」

「、、、大尉がまた苦労するのは変わりありませんね、、、」

「それだけやない、大尉は人類史上最も多くの人間を直接殺した男や、生きていること明るみになれば世界がどう反応するか分からん」

「80年たったとは言えまだ当時を知る人はそれなりに存命の方が多いですしね、、、当時を知らなくても親を大尉によって失った世代や先祖を殺害されて恨む方も多いと聞きます」

「まだ前を向いて受け入れるには早すぎるわけやな、、、」

「でもそれじゃ大尉が余りにも、、、」

「不憫ネ、、、」

 

 

 

「なら私達が匿えば良いのでは?」

 

 

「でも何処で、、、」

「海軍全体で庇えばそれなりに時間は稼げると思うんです、その内に大尉の戸籍や身分を新しく作って軍に居て貰えば、、、」

「、、、こりゃ一度全員でまとまった考えせないかんな、、、」

 

 と言うような会話を他方で経て私の元に呉の艦娘や一部将兵が『かの方を保護して欲しい』と言ってきた。

 

 確かに軍神など凄まじい異名を持つ彼だが、艦娘たちの持つ記憶による話ではかなりの苦労人や悲惨という印象を受ける来歴や様子だった。

 

 提督としては他国からすれば特大の爆弾を隠すようなことは断じて出来ないししてはいけないのだが、、、人としての私は中々見捨てるような真似はしたくなかった。

 

 だから私はよく言えば折衷案を提示した。

 

「もし大尉殿が実在し、我々人類に味方する存在であり、日本への帰還もしくは軍への所属を望むなら呉鎮守府に連れてきて構わない」

 

「ただし、他鎮守府や大本営との連携などは行わず呉鎮守府艦隊のみで行い、大尉殿の存在を隠蔽する事」

 

 この場合成功すればいくら嫌がったとしても大尉を隠し通すか殺害し抹消するかしか無い。そしてもし大尉殿の殺害があれば呉鎮守府艦隊は実行組織に対象宣戦を布告する。

 

 だが大尉の考える事が不明な以上、日本への帰還を求めないなどの要素から成功しない可能性も高い。

 

 要求した艦娘たちは成功の為に鬼気迫る勢いで日々の任務に当たっている。

 

 特に遠征では大尉を捜索するのが彼女らの目的になりつつあるのか志願者が続出している始末だ。

 

 明日の作戦次第では大尉の捜索も広範囲で行えるかもしれないと聞けば彼女らは何故かキラキラと光っているかの様な錯覚を感じさせた。

 

 作戦には不安な要素の方が多いが、士気の高さはこれまででは一番だ。

 

 彼女達が無事に勝利し帰る事を祈る。

 




 尚、呉鎮守府のようなことは他鎮守府や大本営も思惑は違えど個別に行なっている模様。
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