魔都怪獣王のHATTORI   作:びよんど

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ポツリポツリと書いていきます。


第十一話 叡智なる一時

 

 

<<< 魔防隊 七番組寮 >>>

 

 

「能力の代償…ン……毎度毎度……ンア…こう来るかと……思わせるな……ァ…ァ…ァ……」

 

 

七番組寮にある浴場にて三人の男女の嬌声が響き渡る。

 

三人ともに一糸纏わぬ姿で湯船に浸かりながら体を密着させており、白髪の美女羽前京香は腰だけを器用に動かして服部の股間を叩き続けている。

 

肉と肉がぶつかり合う鈍い音が浴場に響き渡る。

 

 

「チュプ…レロ……ホントに……いやらしい…!」

 

 

口では嫌々言いながらも東日万凛は、その唇と舌で服部の分厚い唇と舌を舐め回し、吸い付き、絡め取ることで誠心誠意〝ご褒美〟を与えていた。

 

紅潮した顔は湯に浸かっているゆえか、はたまた羞恥ゆえか、あるいはどちらもあり得るかもしれない。

 

最初の頃の鋭い眼差しとは違い、その瞳は熱を帯びてトロンと出来上がっていた。

 

 

「すみません本当に………………ッ」

 

 

京香と日万凛のご褒美責めに耐えきれず、本日11回目となる絶頂を迎えた服部。

 

白目を剥きながら服部からもたらされる熱に体を震わせる京香を見上げ、言いしれぬ優越感と罪悪感を覚えながら今日起こった出来事を思い出していた。

 

魔都交流戦での激闘、そして〝八雷神〟を名乗る超越存在との邂逅は服部の記憶に新しい。

そのうちの一柱を相手取り、後一歩のところまで追い詰めたことでこれまで以上の自信とご褒美を得られたワケだが服部に慢心は微塵もなかった。

 

 

『服部弦太郎ね。……君のことは覚えたから』

 

 

黒い着物を身に纏った少女に見初められたあの時の恐怖を思い出し、生存本能が大いに刺激されてしまう。

その恐怖を紛らわせるために京香の体に両腕を回してギュッと抱きしめた。

 

 

「……弦太郎、いつもより疲労してるだろ」

 

「!?」

 

 

ふと京香に図星をつかれドキッとする服部。

これは誤魔化せないなと白状することにした。

 

 

「……はい、二人乗りは思ってた以上に反動が凄くて」

 

「強いけど気軽には使えない、か……」

 

 

服部の分厚い胸筋に手を置きながら思案する日万凛。

先程まで服部の体に乱されまくっていたとは思えないほどの真剣ぶりだ。

 

 

無窮の鎖(スレイブ)は応用が利くと分かった。色々と可能性を模索していく。とりあえず今は休め。……というかアレだ、こうなったらとことんまで楽しむぞ」

 

「えっ京香さ―――むぶっ!!?」

 

「く、組長!!?」

 

 

突然服部に舌を絡める熱烈なキスをかました京香の行動に日万凛は驚きを隠せなかった。

 

 

「これはあくまで能力の代償によるもの。……だが、奴隷ばかりに奉仕していては(わたし)の面目丸つぶれだ。今度は私の疲れも癒してみろ、弦太郎」

 

「は、はい……!」

 

 

有り体に言って、京香は吹っ切れていた。

 

能力を使うたびに行われる淫らな行為の数々に京香自身慣れてしまい、逆に自分から行為を求めるまでに頭がピンク色に染め上げられてしまったのだ。

 

とはいえ組長としての外面もある。

表向きには行為を求められないため、能力の代償にかこつけて()()()()()()()()()()()()ご褒美を与える形で欲求を満たす、なんていうことを無意識にちょくちょくヤッてしまっており―――

 

 

「(嫌々ヤッていたワケじゃなかったの……!!?)」

 

 

……日万凛がすぐ隣にいるにも関わらず、ノリノリでおっ始めるまでに警戒心がゆるくなってしまっていた。

 

獣と化した上司(おんな)、その激しいまぐわいから目を離せずにいる少女、体を小さくして覗き見ていた少女、千里眼で一部始終を視てしまった少女、そして―――

 

 

「(ふーん、なるほどねぇ……)」

 

 

……気になる男子の動向を探ろうと能力で寮内に侵入していた美女に痴態を晒すこととなった服部。

 

果たして、彼に心の平穏がもたらされる日はやってくるのだろうか……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<<< 魔防隊 六番組寮 >>>

 

 

「いらっしゃい、ご足労かけるね」

 

「たまにはこっちから出向くさ」

 

 

……八雷神の雷煉を撃退し、京香や日万凛と行為に及んでから数日が経った。

 

現在服部達は出雲天花が組長を務める六番組の寮にまで足を運び、当の天花からの出迎えを受けていた。

 

 

「早かったね、移動中は何も起きなかったんだ?」

 

「道すがら醜鬼を数匹倒した程度だ。拍子抜けのパトロールだな」

 

 

軽口を叩き合いながら天花の案内で六番組寮内を移動していく京香達。

 

そんな中でも服部は、管理人として染み付いた癖ゆえか一見清掃の行き届いた寮内の細かい汚れに目移りばかりしている。

……自分が天花に注目されていることに露ほども気が付いていない様子だ。

 

 

「組員と親交を深めてこい。私達は会議だ」

 

「ほかの面子は寮内にいるから自由に動いていいよ」

 

「「 はい! 」」

 

 

気持ちのいい返事とともに六番組寮内の見学に繰り出した服部と日万凛は、それぞれ別行動を取ることとした。

 

 

「(あの汚れ……性質から見て重曹よりもスプレーの5番で対応したほうがいいか、それとも……)」

 

 

……そんな細かいことを考えているうちに、いつの間にか知らない部屋の前に立っていた服部。

 

 

「(ここは……?)」

 

 

何故か無性に気になった服部はドアをノックして中に誰かいるか確認する。

返ってきた反応は沈黙、つまり誰もいないということ。

 

 

「失礼しま―――」

 

 

入室した服部の視界に飛び込んだのは、部屋のそこかしこに飾られた大量の写真。

 

その写真に必ずと言っていいほど映っていたのは、現在より幼さの残る東日万凛その人。

ザッと数えて100以上はある。

 

服部は、そっと部屋のドアを閉めて走り(逃げ)出した。

 

 

「(日万凛ちゃんのお姉さんの部屋だよな多分……何なんだアレ―――)うわっ!!?」

 

 

怖かった、などと思っているとソファーの上で爆睡する誰かを発見する。

 

 

「Zzzzz……」

 

「(彼女は確か……若狭サハラさん)」

 

 

交流戦の時に駿河朱々と戦ったゆるふわ少女サハラは現在、ソファーの上で無防備な下着姿を晒しながら爆睡を決め込んでいる。

 

ソファーの下にはおそらく羽織っていたであろう掛け布団が落ちていた。

 

 

「(風邪引かないように、せめてこれだけでも掛けておかないと―――)うおっ!!?」

 

「ムニャムニャ……ん〜〜」

 

 

純粋な親切心で掛け布団をかけようとしたその時、寝ているはずのサハラに急に服を掴まれ抱き枕よろしくホールドされてしまった服部。

 

 

「(抱き枕(アレ)と勘違いしてるのか?……早く逃げないと!)」

 

 

即座に脱出を試みるものの、それを許してくれるほど寝ているサハラは甘くなかった。

 

無理矢理振りほどこうとする服部に絡みつくように、今度は足で首をホールドしだす。

 

 

「逃さないぞ〜〜〜(๑´0`๑)ニャムニャム」

 

「〜〜〜っ!!?(そういえば交流戦でプロレスもやってた人だった!一体どんな夢見てるんだ……!?)」

 

「ンッ……大人しくしろ〜〜(๑´0`๑)」

 

「ふむぐっ!!?」

 

 

辛うじて足と首の間に腕を挟むことで窒息は免れた服部であったが、サハラが起きるまでの20分間延々と続けられたプロレスごっこに色んな意味で精神を疲弊させられることとなった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「や〜ごめんね。こんなに早く来るなんて思ってなくて」

 

「いえいえハハハ……」

 

 

サハラとのプロレスごっこから解放され、ようやく寮内の見学を再開することが出来た服部。

当のサハラ本人の案内を受けながら寮内を移動していると、ふと真剣な表情で何かを見つめる日万凛と遭遇した。

 

 

「どうしたの日万凛ちゃん?」

 

「……終わるまで声かけるの待ってるの」

 

 

日万凛の視線の先を見やると、そこにはトレーニングルームで筋力鍛錬を行う日万凛の姉八千穂の姿が。

 

華奢な体躯で見るからに重そうなバーベルを持ち上げており、交流戦時とはまた違った一面が伺える。

 

 

「(薄々分かっちゃいたけど、日万凛ちゃんのお姉さんなだけあって努力家なんだなぁ……)」

 

「八千穂は日頃からああなの?」

 

「うん、交流戦の前もあんな感じでいつも通り鍛錬してた〜。でも今日はいつにも増してやってるね〜」

 

「昔より更に鍛えているのね……」

 

 

姉妹対決に(終盤はほぼ服部一人の活躍によって)敗れたからか、その様子からは鬼気迫るものすら感じ取れる。

そんな八千穂の努力ぶりに若干気圧されていた日万凛に、今度はサハラのほうから質問が飛んできた。

 

ズバリ、(あなた)は姉を尊敬しているのか?というもの。

 

 

「……性格はアレだけど、文武両道で結果出し続けてるからそこは見習わなくちゃとずっと思ってた」

 

 

日万凛の何とも素直になりきれていない回答に思わず微笑ましくなる服部とサハラ。

 

やはり姉妹なだけあって似た者同士だなぁと思っていると、柔らかな雰囲気のままサハラは口を開いた。

 

 

「私はね、桃の能力は本人の気質や素養で決まるっていう説好きなんだ。八千穂(やっち)から色々学びたいって気持ちが日万凛ちゃんの能力になったとか

 

「………」

 

「やっちの時間を操る能力もさ、妹との時間を持ちたくて〜とか、そんな感じじゃないの〜?」

 

「…………流石にそれはこじつけよ!」

 

「ま〜もうちょっと会話増やしていいと思うな〜。ねぇ?」

 

「えっ?……え、えぇ!姉はいいもんだと思うよ!」

 

 

姉はいたことないけど、なんて言える状況ではなくなったものの、それが後押しとなったのか日万凛は照れくさそうに首肯し、傍らにあったタオルを握って姉に歩み寄っていった。

 

……結果タオルだけぶん取られることとなったが、それでも数ミリくらいはお互いに歩み寄ることが出来たのではないかとサハラともども静かに見守っていた服部。

 

 

「やっちの部屋を見るのが一番話が早いけどね〜」

 

「……下手すると姉妹の仲に亀裂が入りますって」

 

 

自分を見下していた姉が、実は超が付くほどの拗らせシスコンだったなんて知りたくもないだろうとサハラの案をやんわりと却下する服部。

 

焦らずゆっくりと近付いていけばいいのだと、姉妹の様子を見ながらそう結論づけていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……じゃあ醜鬼の巣があった場所にはこの作戦で乗り込むと」

 

「そうだな。人型に動きがない。来なければこちらから出向く」

 

 

一方その頃、七番組組長の京香と六番組組長の天花の会議は詰めの段階に入っていた。

 

ここ最近魔防隊で持ちきりになっている人型醜鬼、そして神を称する超越存在が明るみになったことで、それらを同一とする声が高まっている中での重要な会議だ。

 

失敗など許されるはずもない。

 

 

「議題としては以上か。ほかにあるか?」

 

「一つだけ、人事に関して」

 

「何だ?」

 

 

このタイミングで人材の異動を?などと訝しむ京香。

まぁ天花のことだから巫山戯(ふざけ)たことは言わないだろうと思っていると―――

 

 

「奴隷クン、私に頂戴」

 

「………(・o・)」

 

 

……全然そんなことはなかった。

 

妖しく微笑む天花に対し、京香はひたすら困惑するほかなかった。

 




頑張って続けていきます。

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