アイスバーン=水分だ。
人外(元人外)×人カップル同士は、そんな世界でクロスをした。

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クロスオーバーなので、何でも許せる人向け。


人外(元人外)×人は踊る

先日まで、美穂呂町は大雪でした。気温はマイナス。

今日はアイスバーーーーーーーンぐらい、凍結でござる。あちらこちらがスケートリンク状態。

大雪でも休校になるけど、路面凍結はもちろん危険なので、本日も学校はお休みです。

 

皐月「アイスバーンですね」

 

餘部「うん、そうだよ。違うけどね」

 

皐月「どっちですか!?」

 

餘部「アイスバーーーーーーーンぐらい、すごいでしょう」

 

皐月「……………………長いですね。…異常なほどの路面凍結といえば、ほんとにそうですが」

 

餘部「町全体でスケートができそうだね。…さっちゃんさぁ、沈黙も長かったね」

 

皐月「……………」

 

言葉を失ったのか、敢えて言わないのか。真相は分かりません。

とりあえず2人共、今回のアイスバーーーーーーーンのすごさは同感している。

 

餘部「なんだか軟禁状態だよねぇ。ボクと世界に2人っきりみたいだし、嬉しい?」

 

ふと、そんな発想を思いついたと。照れるようなことをサラッと言う。

外はスケートリンク場状態、簡単には出歩けない以上、間違いではない。

 

皐月「…そんなことありません」

 

餘部「ほんとにそうなの?」

 

彼は愛しの恋人の顔を両手で優しく包み、じっくり見つめる。

ロックオンされた彼女は顔から火が出そう、といった表情で。

 

皐月「………………………少しだけ嬉しいです」

 

とても……とても……とても、小さな声で呟く。

 

餘部「沈黙が長かったね。…あと、ごめん。聞こえなかったよ」

 

残念!聞こえなかった!めんご!

 

皐月「…………………………じゃあ、スルーしてください」

 

餘部「えぇ!?つまんないのー」

 

先程よりは大きな声。これは聞こえたらしい。

 

餘部「残念だなぁ。じゃあ、2人っきりはもうやめだ」

 

皐月「え?どういうことですか?」

 

餘部「……こういうことだよ」

 

謎の終了宣言をされ、彼女には発言の意図が分からない。

その後、この空間は眩しい光に包まれた。目を開けていられないほど。

 

 

…そして、視界が戻ってきた。…そこは。

 

皐月「……綺麗なスケートリンク」

 

ただのアイスバーンというよりも、芸術的なスケートリンクそのもの。

 

餘部「すごいでしょう?」

 

皐月「はい!」

 

先程の疑問は吹っ飛んだと。ま、忘れっぽいさっちゃんだもの。

この綺麗な景色に、ただ……ただ……ただ感動をし、魅入ってた。

 

皐月「……………………ここに2人っきりは、ロマンティックですね」

 

忘却されてもいなかった。こんなシチュエーションで2人っきりになれば、そう感じるのかもしれない。

 

餘部「また沈黙が長ーーーいよねぇ。……残念ながら、2人っきりじゃないんだ。終了宣言を忘れちゃったんだ?」

 

皐月「…はい」

 

それは忘れた。超展開&感動しすぎて、全部覚えたままは無理だったらしい。

 

皐月「でも、見渡す限り誰もいませんね?」

 

そう、誰もいない。しかも、遠ーーい距離までは何もない。

 

餘部「そう、見えないよねぇ」

 

皐月「はい。…あの。遥か向こうに見える木々の辺りに誰かいる、とかでしょうか?」

 

そう、遠ーーい距離には木が存在する。

 

餘部「ブッブー!残念、ハズレだよ。あと1回間違えたら、お菓子はプレゼント無しだよー」

 

皐月の解答は×だった。景品にはお菓子が貰えるとな。ラストチャンスを頑張れ!

 

皐月「お菓子はいいんですが…。じゃあ……幽霊?」

 

餘部「ブッブー!あのエンドの時と同じじゃない。飛躍しすぎだよ」

 

そう。ハッピーエンドの時、餘部先輩を幽霊だと勘違いしたのと同じ。飛躍のしすぎは間違いを生む。

 

餘部「んーと。……よしよし、頑張ったで賞はあげるからね」

 

彼からの労いと愛が、少し大きなその手に込められていた。

 

皐月「………………!」

 

その顔はまっかっか。寒いから、体温が上がると丁度いいのかもしれない。

 

餘部「…さてと、じゃあその他の人はここにいまーす!」

 

どこ?

 

皐月「え?そこって………」

 

下。………何故かって?

 

餘部「水中だよ?」

 

そう、ここは水でできたスケートリンク場。2人は、それは……それは……それは……ロマンティックな場所にいたの。

 

皐月「生きてる人間が、この冷たい水の中に存在できるのですか?」

 

皐月「……………………死体?」

 

餘部「死体は違うよ。生きてるよー、ご都合主義で」

 

ご都合主義とか神メタ様、自重しよ。

 

皐月「…………もうすごすぎて、何も予想できません」

 

餘部「じゃあ、正解を証明するよ………えいや!」

 

拳で思い切り足元をパンチした。…ご都合主義でその氷を割ることに成功。

ワカサギ釣りができそうな綺麗な穴を、凄まじいご都合主義が発動し、何故か作り出せた。

 

皐月「………。神パワー?」

 

餘部「うん!ご都合主義は、神様の力で全て納得できるって、作者が言ってたかな」

 

神様パワーで全ての法則は帳消しにできる。奇跡なんて∞に起こせる。

 

皐月「私が元神様の彼女になったばかりに、こんなやばい二次創作が…」

 

餘部「そんなことはさておき…」

 

彼は糸を水の中に垂らした。

 

皐月「釣りですか?…いや、それはコップ!?」

 

彼は片手で糸を垂らしながら、もう片方にはコップを持ってる。

 

餘部「うん。これは糸電話だよ」

 

皐月「ということは、水中にはもう一つのコップが…」

 

餘部「そゆこと!」

 

糸電話で、水中の住民と会話をすると。実に原始的な電話機能だ。

流石は餘部先輩。さっちゃんと一緒にいるから慣れてきたとはいえ、電子は苦手傾向で原始は得意傾向だ。

 

餘部「じゃあ、下の住民と電話するよ?」

 

皐月「お願いします!…どんな人だろう?」

 

彼女は水中の住民が気になってしょうがなかった。

 

 

餘部「もしもーし」

 

○○「もしもーし」

 

糸電話は成功だ。○○は誰なのか?

 

餘部「この時空に来てくれてありがとう」

 

○○「いえいえー、私も比名子も楽しんでいますしね!」

 

私を喰べたい、ひとでなしの2人が水中にいる。…贄-nie-のように。

つまり、糸電話の水中のコップ側を使っているのは、近江汐莉だよ。

 

餘部「それは良かったよ!人外(ボクは元だけど)×人カップルとして、会いたかったんだぁ」

 

汐莉「私も会いたかったでーす。なんだか、同じ匂いがしますもんね」

 

お互いに会いたかったらしい。相思相愛。

あ、そんなことを書いたら、皐月と比名子が嫉妬しちゃう。

 

餘部「うんうん!ちなみに、設定という意味かな?」

 

汐莉「そうですねー。後は…性格もでしょうか!」

 

餘部「だよねぇ。ボク、純粋だけど変化球なイイ性格でもあるからさ」

 

汐莉「栗神様はいい人でイイ性格をしてますよねー。あと、私と同じで胡散臭い」

 

餘部「よく言われるよー!お魚ちゃん、ボブヘアちゃんのこと、イイ性格対応で想ってるもんね」

 

胡散臭いお2人はとても盛り上がる。初対面なはずなのに、都合上何故か色々と伝わってるし、やはり相思相愛。

ここまで仲良くしてると、相方の2人が悲しみに沈んじゃうよ。

 

餘部「似た者同士、盛り上がったね。…楽しすぎてキリがないから、そろそろ、相方と電話変わってみる?」

 

汐莉「そうですねー!私の隣の比名子が、何故か悲しい顔をしてますし」

 

餘部「あ、ボクの隣の子もだよ」

 

…既に悲しみの湖に沈んでた。わたたべは海だけど、ここは湖だからね。

手遅れになる前に彼女らを引き上げよう。

 

汐莉「変わりまーす」

 

餘部「変わるよー」

 

 

比名子「もしもし。はじめまして」

 

皐月「もしもし。はじめまして」

 

シンプルスタンダードな挨拶から始まる。

 

比名子「彼氏さん、すごい人みたいだね」

 

皐月「うん。元神様なだけあって、人外的感覚が…比名子ちゃんの彼女さんと似てるかも」

 

比名子「性格と原始的なところとか食いしん坊なところとか………色々だね」

 

彼氏彼女トークで盛り上がった。相方が似た者同士なのは、話のネタになる。

 

皐月「あはは!……ねぇ、比名子ちゃん。死ぬエンドが希望って…ほんとなの?」

 

彼氏彼女トークは終わり、本人らの本題に入る。

いきなり重い話題をふっかけるな!!作者のせいだが。

 

比名子「うん。汐莉さんがちゃんと喰べてくれるらしいから」

 

皐月「そっか…。喰べられたい気持ちは分かるけど」

 

比名子「え?」

 

突然のカミングアウトに比名子と作者は驚き。

 

皐月「私、バッドエンドで喰べられたんだ」

 

比名子「そ、そうだったんだ…。嬉しかったの?」

 

皐月「うーん…。その時は嫌だったけど、大好きな餘部先輩だし、強い独占欲も何とも言えない味が…」

 

比名子「複雑な気持ちが入り乱れてるんだね。私も同じだよ」

 

何とも言えない複雑な感情に、2人は共鳴する。相思相愛。

…隣の相方が怖い。恋人に関連するトークだから、まだセーフ?

巨大感情の持ち主を恋人にしたら大変そう。

 

皐月「そっか。どんな感じなの?」

 

比名子「○にたいけど、この日常を楽しんでいて、でもやっぱり、し○たくて。それに、汐莉さんへの感情も………」

 

皐月「どうしたの?」

 

比名子「ううん。…何でもない!」

 

何でもないと言いながら、照れたような不思議な声色だった。

 

比名子「じゃあ、もう遅い時間だし、ここでのトリをしようかな」

 

皐月「え?」

 

比名子「じゃあ、またいつか」

 

皐月「あ、うん。また会おうね。絶対に!………今度は直接会いたいな」

 

比名子「…うん(生きてたら、…生きてるうちに絶対)。会いたいね」

 

糸電話が終わる。どうやら、そろそろ時間らしい。

なんの制限?分からない。時空管理とか?

 

餘部「…楽しかった?」

 

皐月「はい!…あ、比名子ちゃんも私と同じで大変らしいですし」

 

何が大変かはもちろん言わない。とりあえず、共感ばかりだから、楽しいというものだ。

 

餘部「え?ボク、困らせるようなことしてないけど」

 

皐月「………え?」

 

地味に心を読んだくさい。彼女の顔に書いてあったからだろう。

 

餘部「そんなことはさておき、氷上版贄-nie-をしよう!」

 

皐月「えぇ!?」

 

BGM:贄-nie-

 

餘部「サビのグルグルを湖の上でするよー。さ、踊ろうか」

 

皐月「………あはは!ロマンティックですね。踊りましょう!」

 

彼と彼女は、綺麗なアイスバーーーーーーーンでわたたべのOPを再現していた。

 

 

比名子「…なんだか、お馴染みのOPテーマが

、どこかしらか聞こえてくるね」

 

そう、彼女と彼女にとってはテリトリーそのものだ。

 

汐莉「そうですねー!じゃあ、予定通り踊りましょうか」

 

比名子「うん。…いつも通りにかな?」

 

汐莉「いえ、違いまーす。海中じゃなくて湖中バージョンですよー?」

 

贄-nie-湖中バージョンが始まる。2人でグルグルと回る。慣れた動きだ、流石本家。

湖中バージョン特有の、周りにワカサギが泳いでる映像でお送りします。

 

汐莉「…あの2人に直接会うまでは、何があっても、喰べないでおきましょうか?」

 

比名子「うーん…。もう一度、会いたいかも」

 

汐莉「ですよね。私もそう思ってますよー」

 

グルグル回る。思考も回る。また会おうかと。

 

 

ここは美穂呂町。2人は戻ってきた。

 

餘部「不思議な体験、楽しかったねー」

 

皐月「何故、あんなことができたんでしょう?」

 

餘部「何でもできるご都合主義」

 

皐月「…………」

 

神の力や奇跡で何でもありなご都合主義。有効に使おう。

 

餘部「でも、あの空間に行って帰る為には、一応契約はあったんだよ」

 

皐月「え、そうなんですか?」

 

餘部「うん。『あんなロマンティックな空間に連れて行くんだ。代わりにしっかりOPを再現しろ』とさ」

 

だから、湖上と湖中で踊ってみた。そんな動画もあるかもしれないしね。

 

皐月「その方は誰なんです?」

 

餘部「…どこかでボクらを見てる人とか?」

 

皐月「…えぇ!?…………まぁ、その人の気まぐれで、また2人に会えるといいですね!」

 

気まぐれという奇跡を起こしてほしいものだ。

 

餘部「うん。きっと、また会える。………パクっ!」

 

皐月「あひゃっ!?何するんですか!?」

 

餘部「私を喰べたい、ひとでなしと会ったんだ。その通りしただけだよ?」

 

皐月「……。今回、それは間違ってもないですね。…驚きましたが」

 

元ひとでなしが彼氏なんだ。喰べられなきゃ損々。

大切な彼女を喰べたい、巨大感情持ち彼氏彼女。

 

Fin




わたたべ2期、永遠に待ってます!

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