宇宙世紀0079年、12月。とあるコロニーのとある場所〜
???「これがジオンの「試作ニュータイプ用モビルスーツ」か…。俺達…「連邦の技術」でこんなものを作るなんてな…」
連邦兵「舐めた事をしやがるぜ…。…「クライス隊長」、この機体を動かすのは誰にしますか?」
クライス「一応…俺が乗るよ。お前らは見張っておけ」
連邦兵「了解しました」
クライスがこう言うと自身の機体…「ガンキャノン」のコクピットを開いておりてからジオンの新型モビルスーツの方へ向かっていき、部下のガンキャノンはクライスを守る為に辺りの警戒を始めていく。
クライス「これが…新型…「MS-79-nt-0」か。モニターは「試作型の全天周囲タイプ」…なるほど、「あの3社が共同で作った」だけあって、ずいぶん金がかかってやがる。まぁいいや、とにかく動けよ…」
クライスはこう言いながら試作モビルスーツのエンジンに灯を入れていき、その瞬間にクライスの周りが硝子張りのように映し出されていく。
クライス「はは、動いたぞ!ニュータイプ専用機なんて言っても所詮こんなもんか…。お前らずらかるぞ、俺の機体は「デイビス中尉」、お前が乗ってくれ」
デイビス「あいよっと、クライス中尉殿。これでおあいこってやつだぜ。…「宇宙軍特別遊撃艦隊所属の俺」を回収しといてよかっただろ?」
クライス「そうだな。ダールトン中佐に貸しを作れるってな。こいつでグラナダやア・バオア・クーを…おい?、なんだ?。エラーが出てんぞ!?」
クライスは機体を動かそうとするがモニター全体にエラーと表示されて動かなくなってしまい、クライスは急に動かなくなってしまった事にかなり焦ってしまっている。
連邦兵「まともに動かないなんて…。これじゃあただの欠陥品じゃないか…。隊長おりてください!、今すぐこいつをぶっ壊してしまいますから!!」
クライス「おいやめろ!?。俺達の任務はこいつを奪ってくることだぞ!?。たとえ役に立たなくても、他の機体を作るためのサンプルにはできるはずだ!」
連邦兵「しかし!!…「こんな壊れた玩具」の為にアイツらが死んじまったって思うと…悔しくて…許せなくて…!!」
クライス「…だからだよ。アイツらはコイツがジオンを倒すヒーローになれるんだと思って死んだんだ。それを壊したらそれこそ…そう思っていたアイツらの死が無駄になっちまう。だから…そいつらの犠牲を無駄にしない為になんとしてでもコイツを連れて帰らないといけないんだよ…」
連邦兵「…了解です、クライス隊長…。帰りましょう、アイツらに自慢するために…」
デイビス「……まぁこういう事だよな」
クライスはこう言いながらガンキャノン達に抱えられ破壊された基地を脱出してから新型機奪取の任務を完了させていき、収容したコロンブス級で任務を完了させたクライス達は熱い声援で迎えられる事となった。
…この数日後、ジオン独立戦争と呼ばれたこの戦いは双方の戦争継続困難による痛み分けという結果に終わり、ジオン公国と地球連邦政府との間に「休戦協定」が締結。世界は一時の平和が訪れる事となった。
〜0083年、8月。反ジオン同盟廃棄コロニー改修拠点「玩具の国」〜
反ジオン同盟将校「…相変わらず戦況は芳しくないな。「ア・バオア・クー」と「グラナダ」に囲まれている状況だから、無理に動く事が出来ないのもあるが…」
副司令官「「アルチェノフ大佐」。ここは特別遊撃艦隊のダールトン大佐や、ファーストペンギン部隊司令官の「アルベール・クレンツ大佐」に協力を要請してみてはいかがでしょうか?。我々ビルマシュー将軍の派閥とペイズリー中将派閥所属だった遊撃艦隊の違いはあるでしょうが、もはやそんなことも言ってられないかと…」
廃棄されたマゼランの艦橋を再利用された司令部にいる反ジオン同盟の将校…アルチェノフは静かにこう呟いており、後ろにいた副司令官はため息を吐いてからダールトンやクレンツに頼むべきだと返していく。
アルチェノフ「確かにな。…しかし我々は協力などせんと言ってしまったから中々頼みづらい状態だ。けしてプライドの問題ではない、…頭を下げるだけで奴らが手を貸してくれるなら、私は喜んで靴でもなめてやるさ」
副司令官「それは…しかしこの玩具の国にある使える戦力はマゼランが3隻、サラミスが5隻と「初期生産型ガンキャノン」が2個小隊分…。後は「モビルポッド」が三十機に、「セイバーフィッシュ」が10機程しかないのですよ?。失礼を承知ですが…こんな戦力でどうやってア・バオア・クーやグラナダの部隊とまともに戦えと仰るのです?」
アルチェノフ「わかってるさそれくらい。…「あれ」さえ動けば、あるいはだが…」
副司令官「3年…いや4年前に奪取したあれですか?。あれは…まともに動かすことも出来ないただの欠陥品です。あれはいわば、「おもちゃ屋のケースに飾ってる非売品の見本の玩具」にすぎない…。実際にそのおもちゃを買うことができて子供がそれで遊ぶ事ができなければ、なんの意味もありません。
まぁ我々にニュータイプ及び、「それに準ずる存在」がいれば、その限りではないのでしょうが…」
アルチェノフ「それもわかっている!…失礼、だが「候補生」は一人こちらに来ている。いずれは…」
副司令官「彼女…ですか。…「ニュータイプを強化技術で人為的に作り出す」でしたか?。「アビガイル中尉相当官」…見た目はまだ10代…ですかな?。私の娘も「コロニーが落ちなければ」、今ごろはあれくらいの歳なのでしょうな…」
アルチェノフ「…辛い事を思い出させてしまったな。すまない…」
副司令官「いえ…。戦いがとりあえず終わるのは悪いことではないのでしょうが…。それに「納得できない者達」がいるのもまた事実です。はは、ジオンからすれば逆恨みなのでしょうが…我々にとっては「正当な恨み」なのですよ。アルチェノフ大佐…。そうでなくては…あの子の犠牲が無駄になってしまう…」
アルチェノフ「……」
〜玩具の国モビルスーツデッキ〜
反ジオン同盟隊長「全員揃ったな!ジオンと連邦政府との間に休戦が結ばれたが、そんなの俺達は関係ない、俺達は最期の時まで戦い続けるぞッ!!」
反ジオン同盟兵達「はい!、「クライス隊長」ッ!!」
クライス「…休戦協定が結ばれてからもう3年も経ったのか。いい加減、どこかで折り合いをつけないといけないかもしれんな…」
反ジオン同盟兵「それは降伏…という意味でありますか?、クライス隊長…」
クライス「俺は降伏なんかしたくねぇよ。…だけど正規軍に戻ることも多分無理だろうしな。俺達は…遊撃艦隊のダールトン大佐やカウフマンみたいに、要領はよくないからな…」
反ジオン同盟兵「隊長…」
???「うふ、うふふ。もうわらわないでよぉ~」
「白に近いオレンジ色の髪」をサイドテールにした見た目は10代の少女が独り言のように呟いており、何か楽しい事が有ったのだろうか、「引きつった笑み」を浮かべながらニコニコしている。
少女「ウフフ、ウフフ、あなたはどうしてヤサイをたべないの~?。ワタシがいるひにチーズをたべたらオコるの~?」
反ジオン同盟兵「なにを言ってやがるんだ…?」
クライス「またお前か「アビガイル」!?。変な事を言うのはやめろと言ったはずだろう?」
アビガイル「クライスたいちょうさーん。ワタシはげんきで~す。うふふ。たのしいことをいっぱいしなきゃね〜」
少女…アビガイルは両手を広げなからくるくると回り始めながら、よく分からない事を言い続けている。
反ジオン同盟兵「お前いい加減に…」
アビガイル「アハハハ~。ワタシは「のうりょくがニセモノ」なんだって〜。…それじゃあ「ホンモノ」は、「どこにいる」のかなぁ~?」
クライス「…!!、それは…」
反ジオン同盟兵「あ…えっと…」
アビガイル「もう「ホンモノ」がどれかなんてワタシにはわかんないやぁ~。だからみ~んな、「コワしてしまおうよ」〜。えぇ~いってねぇ!!。キャハハハ〜!!。
…だからワタシはここにいるんだよ?。忘れたわけじゃ…ないよね?、クライス隊長さん?」
クライス「……そうだな、アビガイル…」
アビガイルは突然真顔になって凍りつくようなプレッシャーを放ちながらクライスに大人びた口調で話かけていき、クライスは彼女から放たれるプレッシャーにやや気圧されながらもなんとか返事を返していく。
反ジオン同盟兵「隊長!、こんな子供になにビビってるんですか!?。ちょっと叱らないと…」
クライス「…やめろ」
反ジオン同盟兵「えっ…」
アビガイル「いじめないでよ…ワタシをいじめないでよッ!!?」
反ジオン同盟兵「がッ!?。な…なんてパワーだ…!!?。隊長、た…助け…」
兵士はアビガイルを叱ろうと手を出した瞬間にアビガイルが細い腕でその手を掴んでいくとまるで「万力で締められるかのような異様な力」で握りしめていき、兵士はクライスの方を見てから助けを求めている。
クライス「大丈夫だよアビガイル。…ここにはいじめる人なんていないから…。おじさんも悪気はなかったんだ、その手を放してくれないかな?」
アビガイル「…ほんとう?」
クライス「本当だよアビガイル」
アビガイル「…それならはなしてあげる。ごめんね…おじさん…」
反ジオン同盟兵「こっちこそごめんよ…。ハハハハ…」
アビガイル「ワタシ…ほかのばしょであそんでくる…」
クライス「そうか…行っておいで」
アビガイル「うん。…おじさん、つよくにぎってごめんなさい…」
クライス「……」
アビガイルは悲しそうな顔で謝りながら何処かへ向かって歩いていき、クライスはその後ろ姿を悲しそうな目で見続けている。
クライス「…危なかったな。そのままだとお前…「握りつぶされてた」ぞ?」
反ジオン同盟兵「なっ…腕に「手の跡がハッキリ残ってる」…。あの子のあんな細い腕のどこにそんな力が…」
クライス「…あれが「強化兵」…というやつだよ。俺達は…あの子みたいな子供を、「候補生」として作り出してるんだ。「ジオンに勝つために」…な」
アビガイル「…ねぇねぇ「おひめさま」、きょうもいっぱいおはなししようよ」
クライスは自嘲しながらこう呟いており、アビガイルはモビルスーツデッキにある「ゴミ置き場」という張り紙が貼られた場所に入ってからそこにあるおひめさまと呼んだ何かを見てから引きつった笑みを浮かべながら、そのおひめさまとお話を始めていく。
アビガイル「きょうね、おじさんのてをつよくにぎっちゃったんだ。おじさん…イタそうにしてた…。ワタシ…ワルいこだよね…」
クライス「…あの子は…本来は無闇に人を傷つけるような子ではない…。でも俺達は「そういう子にしてしまった」んだ。アビガイル…」
放送「緊急事態発生!、緊急事態発生!ジオンの艦隊が接近中!!、各員戦闘態勢!繰り返す!、各員戦闘態勢に移れ!!」
クライス「ジオンだと!?。アビガイル!、早くこっちに来るんだ!!」
アビガイル「う…うん…じゃあね、おひめさま」
クライス「おひめさま…やはり安置されている「あの機体」の事か…。「俺が乗っても動かなかった」あの機体が…」
クライスはアビガイルが見ているものに気づいてからこう呟くと、その手を握ってからモビルスーツデッキへと足を進ませていく。
アルチェノフ「…ムサイが5隻、チベが4隻と大型輸送艦が1隻。そして「ザンジバル級」が1隻…。かなりの数だな」
副司令官「降伏…は許されないでしょうな。いかがなされますかな?」
アルチェノフ「ここが潮どきだな。…一人でも多くの敵を倒すのだ。私からは…他に言うことはない」
副司令官「わかりました…」
クライス「一人でも多くの敵を倒せ…か。最期にはもってこいだな」
ノーマルスーツに着替えたクライスはガンキャノン…奪取されたRX-78-2のようなツインアイにされた隊長機に乗り込みながらこう呟いており、ほかの隊員達もハハハハと笑いながら準備を始めていく。
反ジオン同盟兵「長生きしたほうですよね俺達も?。でも…俺達がいなくなったらあの子はどうするんです?」
クライス「適当に壊れたモビルポッドにでも乗せておけよ。そうすれば無理やり戦わされたとかで保護してくれるはずだ」
反ジオン同盟兵「ジオンがそんなに優しいと思いますかね?。コロニーを落とすような奴らを…俺は信用できない…」
クライス「それでも…信じるしかない。ジオンが全部そういう連中じゃないはずだしな。…アビガイル?。おい、アビガイルはどこに行ったんだ?。さっきまで一緒にいたのに…」
反ジオン同盟兵「避難…したのかな?。とにかく今は出撃しましょう…」
クライス「あぁ…。まさかあの機体のところに行ったのか?。動く訳ないのに…。…「ガンキャノン・カスタム」!、出撃するッ!!」
クライスはビームライフルを持ってからコロニーの残骸で作られたゲートから出撃していき、他のガンキャノンもそれに続いて出撃していく。
アビガイル「ワタシ…きづいちゃったんだ、クライスたいちょうやおじさんたちは…シぬつもりなんだって…。そんなのイヤだよ、…おねがいおひめさま…クライスたいちょうたちをたすけて…。ワルいジオンをやっつけて…!!」
???「…こっちにおいで、アビガイル」
ゴミ置き場に戻ったアビガイルはおひめさまに対しこう話しかけるとその次の瞬間誰かの声がアビガイルの頭の中で聴こえており、なぜかおひめさまと呼ばれた機体のコクピットが勝手に開いていく。
アビガイル「のっていいの?。おひめさま…」
???「一緒に…悪いジオンをやっつけようよ」
アビガイル「うん…」
アビガイルは重力ブロックにもかかわらずそれを感じさせないほどの異様な脚力でジャンブしてからコクピットに乗り込んでいき、アビガイルがコクピットの中に入った瞬間にコクピットがしまってから全天周囲モニターがひとりでに起動していく。
アビガイル「うごいた…!!おひめさまのナマエ…「アレクサンダー」っていうんだ…。へんなナマエ…。でも…いいナマエだね。それじゃあ…いこう、アレクサンダー!!」
???「うん…「王子様」。王子様と一緒に…どこまでも…」
アビガイルの言葉と共におひめさま…アレクサンダーの赤のツインアイが「グポン」という音と共に点灯してから腕のマニュピレーターを動き始めており、なぜか外に出るための道が自動で表示されてから背中のバーニアーを全開にしてから勢いよく外へと飛び出していく。
〜数分前〜
クライス「各機!、最後の花道くらいは派手に行こうぜ!!」
反ジオン同盟兵「おぉ!!」
ジオン兵「この…連邦宇宙軍の残党共がぁ!!」
クライス「悪いが俺はそう簡単にはやられねぇぞ!モビルポッド部隊!、フォーメーションを組め!!」
モビルポッド兵「了解!、砲撃開始ッ!!」
ジオン兵「ちぃ!?、「ビームキャノン」か!?。この「スイカ野郎」がッ!?」
反ジオン同盟のモビルポッド部隊は機体上部に備えつけられたビームキャノンを発射してから弾幕を形成しており、ビームキャノンの直撃を受けたザクが一撃で撃破されるのを見た他のザクはなんとかモビルポッドに当てるためにマシンガンやバズーカを連射し続けている。
モビルポッドパイロット「素人が!!、そんなマニュアル通りの動きじゃ俺達は倒せはしないぜ!…「レーザーソード」起動ッ!!」
ジオン兵「なんだと!?。ポッドのクセにィ!?」
モビルポッド部隊は素早い動きでザクを翻弄しながら左マニュピレーターを展開すると青いレーザーを剣状に形成してからなぎ払うようにザクに斬りかかるとザクが真っ二つに両断されてしまい、残りのザク達は叫び声をあげながら攻撃を続けていくが次々とビームキャノンやレーザーソードの攻撃で撃破されてしまっている。
ジオンモビルスーツ指揮官「こいつらのこの厄介さ…これはもはや、「連邦のモビルアーマー」だな…!ならばこちらもモビルアーマーを投入するぞ!!」
モビルポッドパイロット「クライス隊長!、輸送艦からデカいモビルアーマーが2機出てきたぞ!あれは…「ブラウ・ブロ」だッ!!」
クライス「ブラウ・ブロだと!?。ということは中身はニュータイプってわけかよ…。なんで…俺達相手にそんなのを投入したんだ?。だけどいいねぇ、最期にはふさわしい相手だよッ!!」
ブラウ・ブロパイロットA「最期だぁ?、俺達がお前らオールドタイプなんかに負けるかよ!!?」
クライス「オールレンジ攻撃!、キャノンでいけるか!!?」
ブラウ・ブロのパイロットはこう叫ぶと有線式のメガ粒子砲を展開してからクライスのガンキャノンに対してオールレンジ攻撃を始めていき、クライスはメガ粒子砲による攻撃をギリギリで回避しながらなんとか射撃しようとしている。
クライス「ビームとキャノン砲が出ない!?、くぅ…機体と武器の調子がよくない…。あと少しなのに…整備不良かよッ!!?」
ブラウ・ブロパイロットA「俺の攻撃を避けるなんて大した奴だな!、だが…それも終わりだぁ!!」
クライス「避けられねぇ!、ちっ…終わりかよ…」
???「クライスたいちょう!!」
ブラウ・ブロパイロットB「はっ!?。何か…ヤバいのが来やがるッ!!?」
クライス「離れた!?。一体…」
クライスはブラウ・ブロが攻撃を中断してから離れていった事に疑問を抱いており、何が起きてるかを確認しようとしている。
クライス「あれは…玩具の国から何か出てきたぞ!?」
反ジオン同盟兵「あれは…MS-79-nt-0…アレクサンダーですッ!!」
クライス「なんだと!?。動かなかったはずのあの欠陥品が…。一体誰が…いや、やはりお前が乗ってるのか…?。アビガイル…!!
まさかアレクサンダーに「気に入られる」とは…」
反ジオン同盟通信兵「あ…アレクサンダーが動いています!、大佐!!」
アルチェノフ「ついに動いたのか…あの「壊れた玩具のお姫様」が…」
副司令「あんな小さな子供を…。ビルマシュー中将、あなたは罪深い男ですな…」
アビガイル「すごいすごい!、これが…「ホンモノのオソラ」なんだね…!!この…わるいジオンめぇ、「ドロブネ」にのせちゃうぞぉ!?」
ジオン兵「えっ…ぐぁ」
アビガイルがこう叫びながらアレクサンダーの左手でモビルポッドを攻撃していたザクのコクピットを殴りつけており、その瞬間に殴られたザクのコクピットが衝撃で叩き潰されてから完全に沈黙していく。
クライス「…なんてパワーだ。アレクサンダーには「水陸両用モビルスーツ用の試作ジェネレーター」を限界までチューンしたのを積んでいるから、モビルスーツで「4500kW」の出力が出るみたいだが…一撃で…ザクのコクピットを叩き潰せるのかよ…」
ジオン兵「なんだあの機体は!?。奴に攻撃を集中するんだ!、早くッ!!」
ブラウ・ブロパイロットA「おいやめろ!、お前らは手を出すな!!?」
アビガイル「あっはははは〜!!、みんなを「ジユウ」にしてあげるねぇ。…そうでしょアレクサンダーッ!!?。やっぱりジユウっていいよねぇ~!?」
ジオン兵A「う…うァァァァァァ〜ッ!!?」
ジオン兵B「助けてくれぇぇ!?」
ザク部隊はアビガイルの乗るアレクサンダーに向けてマシンガンやバズーカで攻撃していくがアビガイルは「ゆっくりに見える動き」で攻撃を避けながら手刀で次々とザクのコクピットを貫いていき、ザクの何機かはアレクサンダーの攻撃を見て完全に戦意を喪失してから逃げ出してしまっている。
ブラウ・ブロパイロットA「コイツも…ニュータイプ…いや、「もっとおぞましい何か」だな…。連邦はこんな奴を作ってるのかよ…。…普通のパイロットじゃコイツは倒せねぇ、2人でコイツを倒すぞ!!」
ブラウ・ブロパイロットB「わかった!!」
アビガイル「わーい!、「ホンモノ」がワタシとあそんでくれるの~?。やったやった~!!、ホンモノのタンパクしつをハンバーグみたいに「こねる」~!!」
ブラウ・ブロパイロットB「な…なんだコイツ!?。コイツの動きを「先読み」しているはずなのに、なんで当たらないんだよ!!?」
2機のブラウ・ブロはアレクサンダーに対して有線式メガ粒子砲を使ってお互いの死角を埋めるようにオールレンジ攻撃をしていくがアビガイルは意味不明な言葉を言いながら踊るような華麗な動きで回避しており、パイロットの1人はアビガイルの動きを先読みしているはずなのに攻撃が当たらない事に対してかなり焦り出してしまっている。
ブラウ・ブロパイロットA「落ち着け!俺達の連携攻撃は完璧のはずなんだ!「中佐」もそう言ってただろうッ!?」
アビガイル「あれ…うっとおしいなぁ。アレクサンダー…どうしたらいい?」
???「…これを使えばいいよ」
アビガイル「これをつかうの?。わかった!、いくよぉ!!」
ブラウ・ブロパイロットA「これで終わりだぁ!!」
アビガイルはこう言うとアレクサンダーの目の色が赤から黄色に変わってから何かのフィールドのようなものを展開していき、ブラウ・ブロのパイロットはそのままオールレンジ攻撃を仕掛けようとしている。
ブラウ・ブロパイロットA「…なんだ!?、何も反応しないぞ!?。なんだこの違和感は!?」
クライス「まさか「サイコミュ妨害装置」を…発動したのか?。あれは「自身の近くのサイコミュ関連の装置を妨害して無効化する機能」。だが…あれは「元から搭載されていた」やつだった。なんでジオンは自分達が不利になるようなものをわざわざ載せたんだ?。
…まさか「わざと俺達に奪われるように仕向けられた」のか…!?」
ブラウ・ブロパイロットB「お、おい…どうするんだよ!?。これじゃあ何もできないそ!?」
ブラウ・ブロパイロットA「サイコミュを無効化する何かがアレに載せられているって事か!、一旦戻って「ドム」に乗り換えるべきだッ!!」
ブラウ・ブロパイロットB「り…了解…!!」
アビガイル「アイツら…「ホンモノはにがしちゃいけない」のアレクサンダー?、どうすればいいかな?。…うんうん、それがいいよね」
ブラウ・ブロパイロットB「退いた…?。武器がないからか?」
アビガイルはくるりと一回転してからどこかへ向かっていき、それを感じたブラウ・ブロのパイロットは武器がないから取りに行くために一旦退いたのだと考えている。
アビガイル「いっくよー。ホンモノを「ボロぞうきん」みたいにしてやる〜!!」
ブラウ・ブロパイロットA「えっ…うわッ!!?」
ブラウ・ブロパイロットB「なんだ!?。「ザクが飛んできた」ッ!?。コクピットが潰されているはずなのに!?。まさか…アイツが投げつけてきたのかッ!?」
ブラウ・ブロパイロットの1人は機体に衝撃が来たことに対して驚いており、もう1人はコクピットを潰されて沈黙したはずのザクが勢いよく飛んで激突したのを見てからそれがアレクサンダーが自分達に向けて「片手で」投げつけたことを察してから顔から血の気が引いて完全に青ざめてしまっている。
アレクサンダー「なげるものはいっぱいあるもんねー!!、それそれそれ〜!!」
ブラウ・ブロパイロットA「なんだよコイツ…?。「殺気をまったく感じない」のに、なんでこんな事ができるんだよ…!?」
アビガイル「うでのこれを…つかえっていったのぉ?。いいよ!」
ブラウ・ブロパイロットA「どうやっても避けられねぇ!!、嫌だぁ…!!、たすけ」
アビガイルはこう言うとスラスターを全開にしてからブラウ・ブロに追従出来るほどの超加速で接近すると、スピードを維持したまま両腕部の装甲カバーを展開しその中に内蔵されている「90mm機関砲」を完全に戦意を喪失しているブラウ・ブロのパイロットに向けて「毎秒65発」のスピードで正確に射撃してから撃ち抜いており、パイロットはどう足掻いても避けられない事を察してから容赦なくコクピットを90mm機関砲の弾幕によって抉り取られてから爆散していく。
アビガイル「…あれ?。たまぎれしちゃったのー?。どうしよう…なにかつかえないの…?」
???「サーベルを使って。それなら倒せるよ」
アビガイル「けんをつかうんだね。わかったよ!!」
アビガイルは頭の中で聞こえた声の言うとおりに腰部に搭載されているサーベルを手に持ってからオレンジ色のビームを展開していき、高出力ジェネレーターの恩恵かビームの長さが他の機体よりもかなり長いものになっている。
ブラウ・ブロパイロットB「ひぃ…「悪魔」が…来る…!、来るな…来るな来るな来るな来るなァァァ〜ッ!!?」
アビガイル「あっはははは〜!!、ホンモノをチーズみたいにきっちゃうよぉ〜!!」
ブラウ・ブロパイロットB「いやだいやだいやっ」
クライス「アビガイルッ!!」
アビガイルは逃げようとしているブラウ・ブロに対し猛スピードで追い越して一気に振り向きざまにビームサーベルを振り落としていき、ブラウ・ブロはサーベルによってチーズのように真っ二つにされてから大爆発をおこしていき、爆発に巻き込まれたアレクサンダーを見たクライスは叫び声をあげていく。
ジオン同盟兵「隊長!、あれは…アレクサンダーです!!アビガイルは無事…ひっ…!!」
クライス「…!!、悪魔とはこういうものなのかな…」
アビガイル「ねぇアレクサンダー。ワタシを「ムコウにつれていってくれる」んでしょ?。…ユメでみた「キラキラひかるあのモビルスーツたち」みたいにさぁ〜?。いいなぁ、ワタシも「ムコウ」にいきたいなぁ!たのしみだよぉ〜。うふふ〜ッ!!」
クライスは爆風から黄色いツインアイを妖しく光らせて無傷で出てきたアレクサンダーを見てから静かにこう呟いており、アビガイルは全天周囲モニターに映る宇宙空間を見渡すように見て何かを思ったのか引きつった笑みを浮かべながら意味不明な言葉を呟いていく。
クライス「アビガイル…!?、何を言ってるんだ!?まさかお前は戦いを…楽しんでるのか…!?」
ザンジバル艦長「…どういう事だ!?、ブラウ・ブロが2機ともやられただと!?。彼らは「ニュータイプ部隊」から派遣されたエリート達のはずだぞ!?。その精鋭がただの残党如きになぜ…!?」
アビガイル「あぁ…そこだね?。…さっきから耳もとで[[rb:五月蝿 > うるさ]]かったんだよ。まっいいや。…まずはオマエたちをプチプチ潰さないとさぁ?。面白く…ないよなぁ?」
ザンジバル艦長「う…撃てぇ!、とにかく撃ちまくるんだッ!!」
アビガイル「ワタシには当たらない!、ワタシには当てられない!!、ワタシには全部「視えている」ッ!!だって!、そうできるように…そうなるようにぃ「作られた」からッ!!!」
クライス「なっ!、あんな加速…俺には無理だ…。ニュータイプ専用機…ジオンはニュータイプ全員に「あの動き」をさせるつもりだったのか…!?。そして連邦は…あの子みたいな子を作り出した。…お前らはニュータイプの事を…人の命をなんだと思ってやがるんだッ!?」
アビガイルは先ほどとは違い凍りつくようなプレッシャーを放ち大人びた口調でビームサーベルを展開しながらジオン艦隊の方へ向かっており、ザンジバルを含めたジオン艦隊はアレクサンダーに向けてメガ粒子砲を発射していくが常人では到底耐えられないほどの超加速で回避していき、アビガイルは引きつった笑みを浮かべているが口を切ってしまっているのか口から血が出てそれがコクピットに漂ってしまっている。
アビガイル(通信)「クライス隊長…。あんたがそんな事を言ってどうすんのさ?。あんたはこいつらに勝ちたいんだろう?。…毒ガスで虫みたいに命を奪い、そのコロニーを落とした奴らが憎いんだろう?。それじゃあ…とことんワタシ達みたいなのを作ってさぁ、ジオンに勝たないと…ねぇ。じゃないと…ワタシがここにいる意味がないよね…」
クライス「…!、違う…俺は…俺がやりかったのは…。俺がアレクサンダーを持ってきたのはこんな事になる為じゃ…!!。もう…やめてくれぇ!?、アビガイルッ!!」
クライスはなんとかアビガイルのほうに向かって機体を動かそうとするが警告音を発して動くことが出来ずにおり、アビガイルはそのまま超加速で動いてから艦隊を攻撃しようとしている。
???「さて…アルチェノフに恩を売っておかないとな」
反ジオン同盟通信兵「アルチェノフ大佐!、新たな反応がこちらに向かってきます!」
アルチェノフ「敵の増援か!?」
通信兵「いえ…これは…特別遊撃艦隊の識別です!!映像出しますッ!!」
副司令「これは…ザク?。しかしなんだあの「オモチャみたいな色」は!?。あれに乗っているのは誰だ?」
???「助太刀に来たよ、アルチェノフ大佐」
アルチェノフ「「ダールトン」…!、なぜ貴様がここに来たのだ…!?」
アビガイル「何!?。コイツ…本物…だけど、敵じゃないの?」
ダールトン「ふん、聞こえなかったかねアルチェノフ?。助けにきたんだよ」
アルチェノフはトリコロールカラーに塗装されモノアイ部分にゴーグルが付けられたザクのパイロット…ノーマルスーツを着ていないダールトンに対してこう聞いており、ダールトンは面倒くさそうにこう返しながら機体を動かしていく。
ザンジバル艦長「なんだあのおかしな色のザクは!?。友軍でないのなら、やつも撃ち落とすんだ!!」
ダールトン「…失礼、逃げる時間は与えんがね」
ムサイ艦長「ザクがビームを使っている!?。回避…」
アビガイル「…スゴイ…あのダールトンってひとはザクであんなうごきができるんだぁ…!!」
ダールトンはザクでザンジバルやムサイの砲撃を弾幕の隙間に入るように回避してから手持ちのビームライフルで正確にムサイの艦橋を撃ち抜いており、ダールトンのザクは撃ち抜いたムサイを蹴ってから他の船に向かっていくのを見ていたアビガイルは元の幼い口調に戻りながらその姿に見惚れている。
ダールトン(通信)「聞こえるかね?。…君に特別な力があると見込んで頼みがあるのだが、この船達を完全には壊さず[[rb:艦橋 > ブリッジ]]だけを破壊してくれないかね?」
アビガイル「ワタシがー?。うん、いいよ。でもブキを持ってないんだぁ…」
ダールトン(通信)「それなら…君にこれを貸してあげるよ。そのお姫様には少し小さいかもしれんがな…」
アビガイル「あなたのブキはどうするのー?」
ダールトン(通信)「問題ない、ヒートホークと…コイツがある」
ダールトンはアビガイルのところまで移動してから自身が使っていたビームライフルを渡していき、自身は左手にヒートホークを持ち、右手には薙刀のようなものを持ってから先にチベやムサイの方へ突撃を始めていく。
ダールトン「この強化ザク…少し無理をしているな。まぁ大した事はないがね。もうすぐ完成するモビルスーツの武器を使わせてもらうか。…「ビームナギナタ」展開」
チベ艦長「ビーム・ナギナタだと!?、なんでザクが「開発中止になったはずの機体の装備」を使えるんだッ!?」
ダールトン「それを答えるつもりはないし、…答えたところで「もういなくなる君達」に意味はないよ。…ムサイが1隻、今のでチベが1隻…」
アビガイル「あのひと…ねらいもせいかくでまったくムダがない。まるで…「キカイみたい」だね。あのひと…なんかこわいよ…」
ダールトンはナギナタを振り回してから静かにこう返すとチベの艦橋の目の前まで接近してナギナタで溶断すると先ほど倒したムサイの数を言いながら突撃を再開していき、アビガイルは感情を乗せず機械のように無駄なく正確に回避や攻撃をしているダールトンを見て少し怯えてしまっている。
ダールトン「私は大した事はしてないよ。私はただ…「できることをしているだけ」なのだから」
アビガイル「ワタシできないよー!?」
ダールトン「できるさ。…生き続けることができればね」
アビガイル「うーん、ホンモノはやっぱりかんじかたがちがうなー」
ダールトン「はは。ホンモノ…とはなんだろうな。これで二つ…いや、三つかな?」
アビガイルはダールトンからもらったビームライフルで攻撃しながらこう答えていき、ダールトンは笑いながらヒートホークでムサイの艦橋を叩き潰していく。
ザンジバル艦長「あ…あれだけの数をものの数分で…?、私は…夢を見ているのか…?。そうだ…これは夢だ、夢なんだよ夢…夢…」
ジオン通信兵「艦長!、しっかりしてください艦長ッ!!?」
ダールトン「では…そのまま眠ってくれたまえ。もう起きることもないだろう」
アビガイル「そ〜れいッ!!」
ザンジバル艦長「ハハハ…ハハハ…はは」
アビガイルはザンジバルの艦橋を殴りつけてから破壊していき、艦長を含めた乗組員たちはみな冷たい宇宙へ放り出されてから行動を停止させていく。
輸送艦艦長「ザンジバルがやられた…。…撤退だ!、動けるモビルスーツを収容してからア・バオア・クーかグラナダに逃げるんだ!、早くしろ!、武装のないこの船では何もできんぞッ!!」
アビガイル「あのゆそうかん、にげちゃうけどいいのー?」
ダールトン「あぁ、1隻だけ逃がしてあげないとね。私は見逃す事にするよ、…私は…ね」
アビガイル「…ワルイひと」
ダールトン「大人はずる賢くなるんだよ、私のように…ね」
クライス「なんなんだあの二人…もはや別次元だな…」
ダールトンは自嘲しながらこう答えるとアビガイルはジト目で呆れた顔になってしまっており、クライスは何が起きているのか理解するのに時間がかかってしまっている。
ダールトン「ともかく…終わったな。…アルチェノフ大佐。君達を攻撃してきたザンジバル以外の船とアビガイル中尉相当官が無力化したザクを引き取りたいのだが、よろしいかね?」
アルチェノフ(通信)「…別に構いはせんが、何に使うつもりだ?」
ダールトン「なに…ちょっと「面白い事」に使うだけさ。サラミスやマゼランでは…「目立ってしまう」のでね。ザンジバルはそちらで修理して使うといい、なにしろ大気圏内でも使える優れた船だからね」
アルチェノフ「ジオンの船を使うのは何とも言えん気分ではあるが…ありがたく受けとらせてもらうよ」
ダールトン「使えるものは使わないといけないぞアルチェノフ?。…プライドを捨て去れば、案外楽に物事は進んでいけるんだ。何事にも物事は割り切らないとね。
ザクの方はスポンサーに頼んで強化型に改修してそちらに流してあげるよ。足がつかないようにね」
アルチェノフ「相変わらず手際がよいな貴様は…。助かるよダールトン」
ダールトン「フフ。…君は「リベット・クライス大尉」だったかね?」
クライス「は…はい!、リベット・クライスでありますッ!!」
ダールトン「この子を…守ってあげてくれ。あの子が「あの光」を見るにはまだ…早すぎる」
クライス「は…はぁ?。了解しましたダールトン大佐」
アビガイル「ねぇダールトンたいさ。…ルナツー…てにはいるといいね」
ダールトン「…ありがとう、アビガイル中尉相当官」
クライス「ルナツー…ジオンの拠点になっているあそこか…?」
ダールトン「…それでは失礼させてもらうよ、「マクレリー中佐」、頼むよ」
マクレリー(通信)「了解、「ブリゲーディアジェネラル・カシアス」、ステルス解除」
アルチェノフ「奴ら…どこで新造艦なんて作ってるんだ?。元々「軍ではなく連邦政府の指示が優先される連中」だから、多少のコネはあるのだろうが…」
アルチェノフは艦橋を破壊された艦船をステルスで隠れていたサラミスやマゼランに新造艦…アレキサンドリア級のクスノキマサシゲとは違う船がけん引していくところを自分達とは違い残党と呼べるような規模ではないのを見て嫌味を込めながらこう呟いており、副司令は苦笑いをしながらアルチェノフの話を聞いている。
〜玩具の国、モビルスーツデッキ〜
クライス「…俺達…生き残ってしまったな…」
反ジオン同盟兵「そうですね…。まだ実感が持てませんよ…」
クライス「アレクサンダー…いや、アビガイルのおかげだよ。…ところでアビガイルはどうしたんだ?」
整備兵「アレクサンダーのコクピットの中にいますよ。…「ワタシは機体の一部だよ」とか言って、出てこないんです…」
クライス「あいつ…すっかり気にいってしまったな…。おいアビガイル!、今からアレクサンダーを整備しないといけないんだよ!さっさとそこから出てこいッ!!」
アビガイル「やだぁ…ワタシずっとここにいるもん。ワタシは[[rb:機体 > アレクサンダー]]のイチブなんだから…」
クライスはアレクサンダーから出てこない事に対してこう怒鳴りつけており、アビガイルは機体の一部だからここから出たくないと駄々をこねている。
クライス「機体の一部か…。だけど…やっぱり子供だなアビガイルは…。
あぁそうかい!、だったらお前の好きなチーズやハンバーグは全部俺達が食うけど、それでもいいのかぁ!?」
アビガイル「えっ!?。…いやだぁ、ワタシのスキなものはたべないでよ〜!?」
クライス「嫌ならそこなら出てこい!、そしたら好きなだけ食わせてやるよッ!!」
アビガイル「う…うぅ…それでもワタシはでたくないよぉ…」
???「わがまま言ったら、もう乗せないからね」
アビガイル「えっ…ウワァ!!」
クライス「アビガイル!?。やっべぇッ!!」
クライスはなぜかアレクサンダーのコクピットが勝手に開いてアビガイルが強制的に放出されたのを見てから慌ててアビガイルのところに向かっていき、重力ブロックの為勢いよく下に落ちてしまっている。
アビガイル「もうひどいよアレクサンダー!」
クライス「なっ!!」
アビガイルは落ちてる途中で猫のように一回転するとアレクサンダーの足部分を蹴ってから何事もなかったかのように着地していき、クライス達は改めてアビガイルの身体能力の高さに驚いていく。
アビガイル「…わがままな子は乗せてあげないんだって。ワタシ…アレクサンダーに乗れなくなったらどこにも居場所がなくなっちゃう…」
クライス「そうかい。…ならば機体の一部だなんて言わないでくれよ。俺達や…あいつも…悲しくなるからな…」
アビガイル「…ごめんなさいクライス隊長…」
クライス「フフ…謝れるならお前はまだ大丈夫だよアビガイル。…世の中には「思想だの大義だのなんだの言って自分の行いが正しいと思っている奴ら」もいるからな。そういう奴らはもう人に謝るなんて事はしないさ。…一部のジオンや連邦の奴らみたいにな」
アビガイル「……」
クライス「…お前はそうならないでくれよ。お前はまだ…若いんだから…。…もうこんな辛気臭い話はおしまいだ。食べたいものを食べてきな、好きなだけな」
アビガイル「うん…わかったよクライスたいちょう…。ねぇクライスたいちょう。さいごにひとつきいてもいいかなぁ?」
クライス「…なにをだ?」
アビガイル「あのねぇクライスたいちょう、…ニュータイプってのは本当にいると思う?。ワタシは…それを貴方に聞いてみたいんだ。どう思ってる?」
クライス「それは…難しい質問だなアビガイル。…いると思うよ。俺は何度か戦っているし、お前だって…ホンモノって奴らを見たはずだろう?」
アビガイル「確かにね。でもワタシはあの人達がホンモノと言えるのかは分からないんだよねぇ。だって…ブラウ・ブロに乗っていた奴らやダールトン大佐も…「他者と分かり合おう」とかなんて、これっぽっちもなかったから…」
クライス「…皮肉なもんだな。「他者と相違なく分かり合う」ってのは、「お互いにそうしよう」って思った時に初めて成立するものだ。だけど今は違う、…もはや相手の言葉なんか「聞く耳すら持たない」。ジオン連中も元を辿れば同じ「地球で生まれて暮らしてた」はずなのになぁ…。
アビガイル、これだけは言えるよ、…人は自分と「違うもの」が一つでもあれば、それだけで「別の生き物」だと「区別」できてしまうんだよ。悲しいけどな」
アビガイル「そっか。わかったよクライス隊長。…それじゃあワタシは…チーズやハンバーグをいっぱいたべてくるねぇ〜」
クライス「あぁ…いってらっしゃい」
アビガイルは一瞬悲しそうな顔を浮かべてからすぐに引きつった笑みに変えてクライスにこう言ってからモビルスーツデッキを後にしていき、クライスはアビガイルの後ろ姿を複雑そうな顔で見ながら返事を返していく。
クライス「あの子の感性は鋭いと言うか…感受性が高いようだな。皮肉だよな、ニュータイプの疑似的な存在であるはずのあの子が一番、「本来のニュータイプ像」に近いとはね…」
〜宇宙軍特別遊撃艦隊新造艦「ブリゲーディアジェネラル・カシアス」艦橋〜
マクレリー「反ジオン同盟の戦力はカツカツのようですね大佐。基本的に残党はあんなもんではありますが…」
ダールトン「まぁな。しかしパイロットの質は我々と大差はないのだがね。特にリベット・クライス大尉…彼はカウフマン少佐と同じくらい…いや、もしかしたら彼の方が上かもしれないな。だが機体の整備不良で危うく倒されそうになっていたが…」
マクレリー「つまり…我々が彼に合いそうな機体を用意する…と仰るのですね大佐?」
ダールトン「そうだ。強いパイロットは残しておきたいからな。…彼のガンキャノンはRX–78…ガンダムに似た頭部をしていたな。つまり…彼にガンダムかそれに準ずるものを用意してみるのはどうだろうか?」
マクレリー「ハハハ、またジオンから盗んできますか?。アレクサンダーの時のように?。それとも…「連邦政府直轄内務諜報機関」に頼みますかな?」
ダールトン「いいや。もう「ジオンのガンダム」などに興味はないし、「政府の番犬」に頼むつもりもない。我々特別遊撃艦隊はジオニックやツィマッドから開発中止になったモビルスーツが提供されるし、…どのみちあの3社の一部は経営難で「我々の偉大なスポンサー様」に買収される事になっているからな。遅かれ早かれ…「[[rb:連邦 > こちら]]でもガンダムは作れるようになる」。まぁ「彼」がガンダムを奪取したのは無駄ではなかったかもしらんがね」
マクレリー「やはり…金の力には勝てませんか…」
ダールトン「ビルマシュー中将のように武力だけでは、世の中は渡っていけんよマクレリー艦長。まぁ力でどうにかするほうが楽ではあるがね…。「確実に勝てる」のであれば彼は有能だと思うよ。今のままだと難しそうだがね」
ダールトンのビルマシューに対して嫌味に近い言葉を聞いたマクレリーは苦笑いを浮かべながら話を聞いており、遊撃艦隊の船はそのままスポンサーのいる場所へと向かっていく。
〜0084年、11月。反ジオン同盟拠点、玩具の国〜
副司令「アルチェノフ大佐。やはり特別遊撃艦隊がルナツーを奪還したという情報…事実のようですな。どうやら以前こちらを攻撃したムサイとチベを使って奇襲をかけたとのことですが…」
アルチェノフ「偽旗作戦か…以前ダールトンが言ってた面白い事とはこの事だったのか…。相変わらず大人しく見えて奴が一番、えげつない事をしてくる…」
副司令「しかも噂によれば…遊撃艦隊は連邦軍の正規軍に復帰する可能性があるとか…。どういう事なのです…?」
アルチェノフ「連邦政府がダールトンに…戻ってこいと言ったんだろう。残党にしては明らかに装備が充実していた上にあの新造艦…。出来レースだったというわけだな…。まぁそのおかげでここの装備もだいぶ充実してきたがな」
副司令「リベット・クライス大尉に「RXC-83ロベリア」を提供…キャノンの改良型らしいですが…。明らかにこれは「地上軍が極秘に使っていたと言われるガンダム」…ですな。他には「RX-17ガルバルディ」にビーム兵器が使える強化ザク…。そして玩具の国の新たな旗艦は修理したザンジバル級…。ロベリアはともかく、我々はいつからジオンの部隊になったのでしょうかなぁ?」
アルチェノフ「言うなよ…。今宇宙でモビルスーツの部品があるのがジオン系なのだからな…」
副司令「まぁ…クライス大尉は気にいっていたからよいのですがね。元々使っていたガンキャノンやモビルポッドを「偶然近くにいた民間のメカニック達」が無償で整備してくれましたから、本来の力を出すことが可能になりましたからなぁ。民間人であれだけの腕前の人間が「偶然」、この近くを通るのかは置いておきますが…」
アルチェノフ「その件はあまり深入りしないほうがいいぞ…。だが…タダ程恐ろしいものはない…。まるで「今ある戦力でどこかを攻撃しろ」と言われているようでな…」
副司令「それは…玩具の国にはアレクサンダーとロベリアにガルバルディ部隊とガンキャノンや強化ザクにモビルポッド部隊…。確かに攻め込むならチャンスがあるが…本隊…ビルマシュー中将の艦隊が動かない限りは迂闊には動けないでしょうね」
アルチェノフ「…動くだろうな。確実に…ビルマシュー中将の本隊がな。我々はその間にどちらかを…」
反ジオン同盟通信兵「アルチェノフ大佐、ビルマシュー中将が演説を始めるそうです。これは…全世界に向けて放送されていますッ!!」
アルチェノフ「本隊も準備完了というわけか…。急げ!、我々も攻め込む準備を始めるぞッ!!」
〜玩具の国モビルスーツデッキ〜
アビガイル「あっ、ビルマシューしょうぐんだぁ」
クライス「臆病…慎重なビルマシュー中将がなぜこの時期に動いたんだ…?。まさか…アビガイルみたいな候補生達が大量に用意されたのか…!?」
アビガイル「アハハ。ひさしぶりにみんなとあえるかなぁ?。…もしかしたらみんな「ムコウ」に行っちゃうかもしれないからさぁ…」
クライス「ムコウ…?。…だが候補生はそう簡単には倒されないはずだ。だってその…」
アビガイル「ワタシみたいに強化されてるから?」
クライス「それは…」
アビガイル「冗談だよ。…ワタシはこれまでに「失敗」した奴らを何人も見てきたけど…。まぁクライス隊長は聞きたくはないよね?。そいつらが「どうなったのか」ってのはさ。…不良品は、「使える部品を取ってから廃棄処分」…ってね」
クライス「……」
アビガイル「そっかぁ。分かったよクライス隊長…。ワタシや他の候補生は「性能が高い」からなんとかなるって言われたから大丈夫でしょ。多分…ね」
クライス「…そいつらは何に乗るんだろうな…」
アビガイル「分かんないなぁ。…だってあんまりキョウミないもん」
クライス「だろうな。だが…俺達も出撃しないといけないかもしれんな。本隊がア・バオア・クーかグラナダ…どちらを攻撃するかで、その後の運命は決まっていく…。遊撃艦隊が来てくれるのが最高だが、せめてファーストペンギン部隊だけでも手を貸してくれたらな…」
アビガイル「てをかしてくれるとおもうよー。フフ」
クライス「それは…どういう…」
放送「各員に通達!、我が部隊はこれより本隊の支援の為、グラナダに対して陽動作戦を開始する!!なお陽動作戦にはファーストペンギン部隊のサラミス級三隻にマゼランが2隻と「ペガサス級強襲揚陸艦ブーケパラス」が支援をしてくれる手はずになっている!モビルスーツ部隊をザンジバルに収容次第発進させる!各員…健闘を祈るッ!!」
クライス「本当に支援してくれるのか…。どうなってるんだよ…。よっしゃあ行くぞぉ!!」
アビガイル「グラナダかぁ…さとがえりだねアレクサンダー…」
クライス達モビルスーツ隊はザンジバルの方へと向かって走っていき、アビガイルはひとことつぶやきながらクライス達と一緒に走ってから異様な速度で全員を追い抜いてから一番乗りしていく。
〜旧ソロモン空域〜
ジオン兵「なんだこの数は!?、サラミス30隻にマゼランが20隻以上もいる…!!残党のどこにこんな戦力があったんだよ!?。サイド3!、ア・バオア・クー!、グラナダの全部隊聞こえるか!?。反ジオン同盟及びファーストペンギン部隊の艦隊が迫ってきている!!ファーストペンギンの「ペガサス級」も確認出来る!敵艦隊の目標は進路方向から見てグラナダにあらず!、繰り返す!、目標はア・バオア・クー!、グラナダにあらずッ!!」
???「うるさいジオンだなぁ」
ジオン兵「なっ…ぎゃあああッ!!?」
???「やったやったぁ!、僕がザクを倒したんだからねぇ!!」
ジオン兵は「サイコミュ試験用ザク」で反ジオン同盟艦隊のサラミスやマゼランの弾幕を察知して避けながら報告していくが、突如として「黒塗りのRX–78のような機体」が3機でビームを発射してからサイコミュザクを破壊しており、機体に乗っているアビガイルと同じくらいの歳の女の子に見える一人が、子供のようにはしゃぎながらザクを倒した事を喜んでいる。
???「楽しいねぇ!、楽しいよねぇ!?。「アジサイ」もそう思うでしょ!?」
アジサイ「キャハ…アヒャヒャヒャ!、これからもっと楽しくなるのよ「ナターシャ」!?。アヒャヒャヒャヒャ〜ッ!!」
???「ナターシャ!、アジサイ!僕を無視するなよぉ!?」
ナターシャ「「エカリーテ」も楽しみましょう!!私達候補生はその為に用意されたのだからッ!!」
???「私語は慎め、候補生達…。今は戦争中だと言うことを忘れるな」
アジサイ「キャハ!、…了解しました、「アンナ・ヴランゲール隊長」」
ナターシャ「了解…しました」
エカリーテ「了解です、隊長」
隊長機…アンナと呼ばれた見た目は二十代後半の女性にこう言われた途端に3人の顔が真顔になってから機械のように感情のこもっていない声で返事を返していき、アンナは真顔のままで呆れながらも口を開いていく。
アンナ「ならいい。まったく…「強化しすぎる」のも問題だな。かくいう私も候補生の1人ではあるが…。それ以降の候補生達をどのように「強化するべきか」を検討せねばならんからな。各員、私も含めて撃破はされないようにしてくれよ?。…私や君たちには「金がかかっている」からな。…行くぞ、私の「[[rb:RX‐14S‐nt > ゲルググ・スイレン]]」に続けッ!!」
アジサイ&エカリーテ&ナターシャ「了解、進軍…開始」
ペガサス級艦長「あれが候補生…強化兵か…。しかしあの機体…隊長機以外は「アルクス」だったか?、あのザクはおそらくニュータイプ部隊だったはずなのに、それをあっさり倒すとはな。アルベール大佐の指示で手を貸してやっているが、ビルマシュー中将…対処が必要になるかもしれんな」
ファーストペンギン部隊のペガサス級の艦長は反ジオン同盟の候補生…強化兵達を見ながらこう呟いており、マゼランやサラミスから出撃した強化兵達のモビルスーツ部隊合計「20機」は機械のように正確で完璧な陣形を組んでから艦隊の露払いの為、先行し続ける事となった。
物事とは…きっかけが一つでもあれば、それにより大きく変わっていくものなのだ。