宇宙世紀123年。連邦政府は月艦隊壊滅の報復として宇宙軍の精鋭と言われる連邦宇宙軍特別遊撃艦隊のクロスボーン・バンガードの鎮圧を要請。遊撃艦隊司令官アルフレッド・ダールトン中将はアナハイム・エレクトロニクスから提供されたシルエット・フォーミュラーの試作モビルスーツのRXF‐91ガンダムの「制式量産機」のRGM‐F91…通称「シルエット・ヘビーガン」の投入を決定したが…。

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その影の子供達は静かに現れ、静かに敵を屠る


ガンダム〜影の子供達〜

〜宇宙世紀0123年、連邦宇宙軍特別遊撃艦隊準旗艦ラー・カイラム級「ラー・ベース」艦橋〜

 

ラー・ベース艦長「本当によろしいのですね?、「ダールトン司令官」?」

 

ダールトン(通信)「構わん、これは連邦政府からの直々の依頼だ。…「海賊討伐を始めよ」とな。数カ月前の月艦隊壊滅及び…「無人機によるフロンティアⅠへの無差別攻撃」…。我々が動く理由は十分にある。なお…この作戦ではアナハイム・エレクトロニクスから送られた「ヘビーガンの改修機」を使う事を許可する」

 

ラー・ベース艦長「かしこまりました、ダールトン司令官…。それでは…海賊討伐を始めます」

 

ダールトン(通信)「では…健闘を祈る」

 

ラー・ベース艦長「…クロスボーン・バンガード…いや、コスモ・バビロニアか?。所詮は…無法者達の集まりだったか。どの道蹴散らされる運命か…。モビルスーツ部隊は出撃準備に入れ」

 

〜ラー・ベースモビルスーツデッキ〜

 

遊撃艦隊兵「「メイスン隊長」!、これがアナハイムから提供されたヘビーガン…「RGM-F91」…でありますか?」

 

メイスン「あぁそうだ。…本来は「サナリィのF91」が納入される予定だったが、ダールトン司令官はアナハイムにヘビーガンの改修を要請し、その結果…この機体が送られてきたわけだ」

 

遊撃艦隊兵「「RGM-111」…ハーディガンでは駄目だったのでありますか?」

 

メイスン「…「一部の部隊」が好き勝手にやったおかげでハーディガンにはいいイメージがない。そのような機体をうちで使うつもりはない。それでは…私がいたティターンズと同じだ…」

 

遊撃艦隊兵がメイスンにこう質問していくがメイスンはやや顔を歪ませてから返事を返しており、兵士は冷や汗をかきながら失礼しましたと謝罪していく。

 

メイスン「ともかく司令官はハーディガンではなくRGM-F91…「シルエット・ヘビーガン」を我が艦隊で運用することを決定した…。原型機とは違いビームシールドが使えるようにジェネレーターも強化され、装甲材も「ガンダリウム合金セラミック複合材」に変更されている。…数カ月前に戦死したフロンティア駐留部隊司令官の「タチバナ司令」の弔いとして、コクピット周りはRX-F91の改良型のものに近いものを採用しているそうだ。予算度外視でな。あの人は…慕われていたということだろう…。私も…その一人だ…」

 

遊撃艦隊兵「隊長…」

 

メイスン「…弔い合戦…などと言うつもりはないが、私達はこの機体でクロスボーン・バンガードに勝たなくてはならない。各員…生き残れよ」

 

遊撃艦隊兵「はいッ!!」

 

放送「モビルスーツ部隊に通達!、まもなく作戦空域に突入する!!繰り返す!、まもなく作戦空域に突入する!!モビルスーツ部隊は出撃準備ッ!!」

 

メイスン「了解…」

 

〜数分前、フロンティアⅣ空域〜

 

CV兵A「警戒を怠るな。…「鉄仮面」がレジスタンスに倒されてから、あまりいい噂を聞かない…。近いうちに連邦が来るかもしれんな…」

 

CV兵B「レジスタンスは「ガンダムの大部隊」を投入したみたいですからね…。それがこちらに来るかも…」

 

CV兵A「恐ろしいよ…。そいつらが来たらいくらベルガ・ギロスやデナン・ゾンでも…」

 

CV兵B「流石にすぐには来ないとは思いますけどね…」

 

???「ステルス、ジャミング解除」

 

CV兵A「…なんだ!?、急に熱源反応が出たぞ!?。クラップ級が三隻と…ラー・カイラム級だとッ!?」

 

CV兵B「隊長!、この識別は…連邦宇宙軍特別遊撃艦隊ですッ!!」

 

CV兵A「なっ…!なんで…サイドの駐留部隊じゃなく、連邦の精鋭の中でも一番ヤバい奴らが来てるんだ…!?。俺達は…連邦政府の虎の尾を踏んでしまったのか…!?」

 

ラー・ベース艦長「…攻撃開始、降伏も認めるな。根絶やしにしろ」

 

メイスン「メイスン・ハウバー…RGM-F91…出るッ!!」

 

CV兵A「来るぞ!、散開ッ!!」

 

CV兵B「ラー・カイラム級とクラップ級からモビルスーツ部隊が出撃しています!、ジェガンと少し形は違いますが…ヘビーガンですッ!!」

 

CV兵A「ガンダムならやばかったが、ジェガンやヘビーガンなら大したことはない!そのまま倒しちまうぞッ!!」

 

メイスン「アルファ2、アルファ3。アルファ6は私と陣形を組め。…「ヴェスバー」でシールドごと撃ち抜け」

 

遊撃艦隊兵「了解」

 

CV兵B「はっ!?、あれは…「ガンダムの武器」…!?。ぐぎゃあッ!!」

 

CV兵A「あの装備は…レジスタンスが使ってた機体の武器じゃないのか!?。あれが…鉄仮面を倒したガンダムの部隊なのか…!!?」

 

デナン・ゾンのパイロットはRGM-F91に対し攻撃を仕掛けようとするが、メイスンを含めた4機が背中合わせに輪になるように陣形を組んでから背中のキャノン砲…ヴェスバーを発射しながら回転していき、デナン・ゾンはビームシールドで防御しようとするがビームを貫通してコクピットに直撃してから撃墜されてしまい、ベルガ・ギロスのパイロットは機械のように正確なフォーメーションを見てから怯んでしまっている。

 

メイスン「…やはり命中精度はあまりよくないな。しかしフォーメーション次第でなんとでもなる。我々は前に出る、ジェガン部隊は支援を任せる」

 

CV兵C「やべぇよ…遊撃艦隊は、駐留部隊の連中とは全然違う…!!」

 

CV兵A「怯むな!、連邦の部隊にいた時に奴らの動きは見ていたはずだ!!」

 

メイスン「…あの機体は…おそらく指揮官だろうが、悪くない動きだ。スカウトしておくべきだったな…。しかしそれはそれだ。敵である以上…お前達を生きて返す理由はない」

 

遊撃艦隊兵「ビームライオット、散弾モード」

 

CV兵C「ビームの散弾か!?。くぅ…でもシールドは抜けない…」

 

メイスン「知ってるよ」

 

CV兵C「はっ!?。なんだ!、何が起きてんだよッ!!?」

 

RGM-F91のビームライオットガンの散弾を防御していたデナン・ゾンは一瞬のうちにメイスンのヘビーガンがメガマシンキャノンでけん制しつつ接近してビームサーベルを展開しており、反撃をしようとするも左腕を切り落とされてしまい、ゾンのパイロットは一瞬のうちに起きた事が理解出来ずにパニックに陥ってしまっている。

 

CV兵C「うわぁ!?。でも…まだ武器は…」

 

CV指揮官「早く逃げろ!?」

 

CV兵C「えっ…」

 

CV指揮官「じ…ジェガンにやられた…?。デナン・ゾンが…!?。ヘビーガンだけじゃない、やっぱりこいつら…全員が「戦闘のプロ」だ…!!」

 

デナン・ゾンのパイロットが反応するよりも前にジェガンR型のシールドからミサイルが発射されそれが直撃するもなんとか耐えたデナン・ゾンはバランスを取ろうとした瞬間に2機のジェガンのビームサーベルでコクピットを貫かれてから沈黙していき、ベルガ・ギロスに乗っている指揮官は性能が自分達の機体より劣っているはずのジェガンにゾンが倒された事に戦慄してしまっている。

 

メイスン「お前達はジェガンをみくびりすぎだな。なぜ…連邦で30年もの間、「主力量産機」として君臨していたか…考えてなかっただろう。乗る人間次第で…性能差はある程度カバーは出来る。スペック上は「[[rb:RX-93 > νガンダム]]」に匹敵するのだからな」

 

CV兵「隊長!、自分達はどちらを相手にすればよいのですか!?」

 

CV指揮官「デナン・ゾン部隊はジェガンを!デナン・ゲー部隊はヘビーガンを相手にしろッ!!ゾンはヘビーガンは相手にするなッ!!」

 

メイスン「ジェガンを狙われるとまずいな。…シェフ4、シェフ2、シェフ6はライオットガンをスラッグモードに変更。アルファ2、アルファ3、アルファ5はジェガン部隊と共に後退しろ」

 

ジェガン部隊「了解、後退します!」

 

アルファ2&アルファ3&アルファ5「了解」

 

CV兵「あいつら逃げたぞ!、腰抜けが!、追いかけてやる!!」

 

デナン・ゾンの部隊はジェガン部隊とRGM-F91部隊の一部が撤退したのを見てから追撃を開始していき、ショットランサーに内臓されたマシンガンで攻撃していくがジェガンとは思えない程の無駄のない最低限の動きで回避しており、デナン・ゾンのパイロットはジェガンが攻撃を回避しているのを見てから不機嫌になってしまっている。

 

CV兵「なんだよこいつら!?、ジェガンのクセに「後ろに目でもついてる」のかッ!!?。このぉぉ!?」

 

メイスン「…艦長、餌に釣られてきました」

 

ラー・ベース艦長「盛大に歓迎してやれ、メガ粒子砲でな」

 

CV兵「あっ…」

 

パイロットの一人がこう言おうとした次の瞬間ジェガンがバレルロールをしてすぐにラー・ベースとクラップ級のメガ粒子砲がデナン・ゾン部隊に向けて放たれてから機体に直撃して爆散しており、主砲を回避した他のデナン・ゾンもRGM-F91の後退しながら放たれたヴェスバーやヴェスバーに内蔵されたショットランサーやジェガンのビームライフルの弾幕によって容赦なく破壊されてしまっていく。

 

CV指揮官「なんて奴らだ!?、味方を巻き込むつもりか!?。…いや、主砲が撃たれるタイミングをすべて計算してから動きやがったんだ。こいつら…ニュータイプか…!!?」

 

メイスン「違うよ。…「君達より長く戦ってるだけ」だ。君…初めての戦闘はいつだい?」

 

CV指揮官「なに!?、何を言ってやがるッ!!?」

 

指揮官はメイスンのビームサーベルをなんとか受けてから接触回線で話かけてきたメイスンの言葉に対してこう返しており、メイスンは笑みを浮かべながら口を開こうとしている。

 

メイスン「私は今年で「63歳」でね。長生きできた方だよ。…「ブリティッシュ作戦」や「グリプス戦役」は知ってるかね?。君の中では…「教科書の中の出来事」にすぎないだろう?」

 

CV指揮官「なっ…!?、お前…そんなに前から戦ってきたのかよ…!?」

 

メイスン「あいにくそれしか知らないのでね。おかげで常に…「冴えている」よ。だから…許せないんだよ、…無人機で無差別攻撃させて、「人の命を奪う事になんの責任を持たない」お前らがな…!!」

 

CV指揮官「無人機!?。なんの話だ…!?」

 

メイスン「…「戦争は互いに痛みを感じないといけない」…ダールトン司令官やタチバナ司令はそう言っていた。…私達は形はどうであれ、ちゃんと血を流してきたんだぞ!?、お前らは何様のつもりだッ!?。人の命を奪う事に、責任すら持たんと言うつもりかッ!!?」

 

CV指揮官「お前は何を言っている!?」

 

メイスン「知らんのか?。いや違うな!、「知ろうともしなかった」はずだ!、お前達の上官が何をしようともなぁ!!

…私は覚えている…「30バンチ」に…「ボンベ」を運んでしまった…。知らなかったなんて言えないんだ、私は…止めれたはずなのに…!!」

 

CV指揮官「ボンベ?。なんだそれ…?」

 

CV兵「隊長!、ここは引きましょう!これ以上はまずい…!!」

 

遊撃艦隊兵「……」

 

CV兵「ぎゃっ!!」

 

CV指揮官「…!、クソ…!!」

 

メイスン「…若いのにいい判断だな。ニュータイプみたいだな」

 

指揮官はスラッグモードで撃ち抜かれたデナン・ゲーを見てからくちびるを噛みしめながらショットランサーを向けてランサーを射出してから攻撃してきたRGM-F91の右腕を破壊していき、それを見たメイスンはやや嫌味を込めながらこう呟いていく。

 

メイスン「シェフ3、お前は撤退しろ。海賊如きに…倒される必要はない」

 

CV指揮官「言ったな…。だったら俺だって痛みは知ってるさ!親を…「マンハンター」に撃たれた!!、遊び感覚でな!!」

 

メイスン「…!、そうか…奴らに…」

 

CV指揮官「だから俺はお前達が嫌いなんだよ!、偉そうにしてる奴らに従ってるような飼い犬みたいなお前らがなッ!!」

 

メイスン「その事について謝るつもりはない。…しかし君への態度についてはその非礼を詫びよう」

 

CV指揮官「ちぃ!、それが謝る奴のすることかよッ!!?」

 

メイスンは左手に持ったビームサーベルを左手首ごと回転させながら斬りかかろうとしており、指揮官は斬られないようにシェルフノズルを展開してその場から離れてからなんとか回避していく。

 

メイスン「本当にいい動きだな…。仕留めるには惜しいが…」

 

CV指揮官「…教えてくれ!、鉄仮面やジレ大佐は何をしようとしたんだ!?。俺は本当に知らないんだよ…。アンタ達みたいな強い奴らが来るって事は…それだけの事をしたんだろ…?。頼む…攻撃は止めるから教えてくれ…!!」

 

メイスン「ふむ…話くらいはしてやるか。各機、攻撃を中断しろ。…「ラフレシア・プロジェクト」は知ってるかな?。「連邦政府直轄のある組織」が入手した情報だ。「機械による無作為の粛清」…そう書かれていた」

 

CV指揮官「機械による…無作為の粛清…?。「マイッツァー様」がそんなおぞましい計画を…!?」

 

CV兵「デタラメだそんなの!?。隊長!、騙されないでくださいッ!!」

 

メイスン「では逆に聞くぞ?。…フロンティアⅠの住民の大半は「どこに行った」んだね?。君達が疎開させたのかな?」

 

CV兵「…そういえば…そんなのしてない…でもそんなの…」

 

メイスン「それを信じるかは君達に任せるよ。…しかし「本当の敵」は案外…近くにいるかもしれないな…。それがマイッツァー・ロナが自分の意思で鉄仮面達にそうしろと命じたかは私達には分からんが、鉄仮面達が「実際にそうした」のは事実だ。君達にも心当たりはあるはず…」

 

CV指揮官「…それが本当でも、俺達は今、あんたらに仲間を殺されたんだ。そんなの…許せるわけないじゃないか…!!」

 

メイスン「そうだな。…ではこの事は忘れてくれ。…「なんとかに口無し」…ってね」

 

CV指揮官「ちぃ…やるしかないのか…!?」

 

メイスン「…はい、…話がついた?。誰とです?。…「セシリー・フェアチャイルド」と名乗る人物がダールトン司令官と話をしたのですね?。なぜ民間人がわざわざ司令官と話を…?」

 

CV指揮官「なんだ…?」

 

指揮官はメイスンがラー・ベースの艦長と通信を始めた事に疑問を抱いており、少ししてからメイスンは艦長の指示を伝える為に口を開こうとしている。

 

メイスン「…かしこまりました。…マイッツァーや「ベラ・ロナ」…という人物がこれ以上の戦闘は望んでいないようだ。プロジェクト・ラフレシアは「鉄仮面とジレ・クリューガーの独断」…という事だ。つまりマイッツァー・ロナの意思ではない。既にマイッツァーも連邦政府に「ご迷惑料」を渡したようだからな。

これで我々としては…「コスモ・バビロニア軍」と戦う理由はなくなった…。独断で動いた者達がみないなくなったからな」

 

CV指揮官「ベラ・ロナ様が…生きておられたのか…。それで?、あんたらが俺達の仲間を殺したのはそれでチャラってか?」

 

メイスン「そうは言わないが…そういう事になるだろうな。これは戦争…「上がもう戦うな」と言えば、我々はそれに従うだけだよ」

 

CV指揮官「納得がいかねぇ…」

 

メイスン「それはベラ・ロナに言うんだな。…事情を知らない君達をなんとか助けようと動いたのだ」

 

CV兵「隊長、適当な事を言ってるだけですよ」

 

CV指揮官「いや、ベラ・ロナ様の名前を出してくるという事はまんざらでもなさそうだ。それに…今の状態でこれ以上こいつらと戦えば、被害が大きくなるだけだよ」

 

CV兵「くぅ…約束しろ。俺達が撤退しても後ろから撃たない事をな…」

 

メイスン「勿論約束は守るよ。…君達が撃たない限りは…ね」

 

CV指揮官「聞いた通りだ。…近くのコロニーまで引き上げるぞッ!!」

 

CV兵「了解…!!」

 

メイスン「各員。見えなくなるまで待機だ。…逃げる敵をわざわざ追いかける必要はない…」

 

CV指揮官「アイツら…本当に約束を守った…。さっきまでキレてた奴が…あんなに「割りきれる奴ら」は初めてだよ…」

 

ラー・ベース艦長(通信)「…少し丸くなったのかなメイスン大尉?。若い頃はもう少し苛烈だった気がしたが…。私の気のせいだったかな?」

 

メイスン「確かに歳はとった方ではありますな艦長。…本当なら若い連中と戦いたくないのですが、これは戦争…私情をはさむ訳にはいかない…」

 

ラー・ベース艦長(通信)「そうだな、メイスン…。今は…ティターンズにいた頃とはもう違うのだからな…」

 

メイスン「そうですな…。…ところで艦長、戦っていて気になった事があるのですが…」

 

ラー・ベース艦長(通信)「なんだどうした?」

 

メイスン「ここから数km先でクロスボーン・バンガードの増援がこの辺りに来ていた気配があったのですが、一瞬「大部隊の機影」がモニターに映り、その瞬間…増援部隊のほとんどが消失してしまったのです」

 

ラー・ベース艦長「そうか。やはり…「彼ら」も来ていたか…。「連邦政府の騎士達」が…」

 

〜数十分前〜

 

デナン・ゲーパイロット「連邦艦隊が攻めてきただって!?、どっかの駐留部隊かッ!!?」

 

デナン・ゾンパイロット「いや違う…特別遊撃艦隊だ…!俺達…連邦政府を怒らせてしまったんだよ…!!」

 

デナン・ゲーパイロット「そいつらが来ることって言えば…月艦隊を全滅させた事か。つまりそれの報復かよ…。でも乗ってる奴が強いだけで、機体は大した事はないはずだ」

 

デナン・ゾンパイロット「あぁ…!!」

 

デナン・ゲーパイロット「…ん?、あれは…なんだ…?」

 

遊撃艦隊が戦ってる空域まで向かおうとしていたCVの部隊はRGM–F91やF91に似ているが全体的にゴツい見た目で肩に「F120」と書かれた白い機体が一機コロニーから出てきたのを見てこう呟いており、F120と書かれたモビルスーツに乗った見た目は50代後半の男性は、全天周囲モニターに映し出されている資料に目を通している。

 

???「「フロンティアⅠにあったデータ」はすべて持っていかれた上にサナリィの施設も爆破されていたか…。連邦軍め…やりすぎだ。まぁいいだろう…。後で提出させればよい。

…しかし遊撃艦隊はともかく「裏方」である我々が直接動かねばならんほど、連邦軍は弱体化してしまったのか…。実に歯がゆいな」

 

デナン・ゲーパイロット「こいつは…レジスタンスのガンダムか?。…それにしてはデカい…?。「ジェガンと同じくらい」か…?」

 

???「…海賊共…いや、その背後にいる「別組織」達に告げる。…我々がいる限り…「貴様達に地球の敷居を踏ませるつもりはない」とな。我々は「地球圏の防波堤」なのだ…!!」

 

デナン・ゲーパイロット「なんだ…?」

 

???「…「「RX-F120 」…「ジェイダム・フォーミュラー]」…作戦行動開始、「バイオコンピュータ」…最大稼働」

 

デナン・ゲーパイロット「なっ!?、なんだあのスピードは!?。それにこいつ…いったい何体いるんだよッ!!?」

 

RX-F120…ジェイダム・フォーミュラーと呼ばれた機体はパイロットの言葉と共になんらかのシステムを発動してから移動を開始していき、デナン・ゲーのモニターには「大量のジェイダム」が映し出されており、パイロットは何が起きてるのかが分からずに叫んでしまっている。

 

???「うむ、ジェイダム・フォーミュラーのバイオコンピュータは正常に稼働しているな。我々は「インテンション・オートマチックシステム」を組み込む事で無理やり動かしてはいるが、まさか「あやとり」が動かす為の鍵とはな…。世の中は単純に出来てるという事か。まぁ動きさえすれば、どのやり方でも問題ない。…「可能性の話」など…我々には必要ないのだから。…「ビームパルスライフル」」

 

デナン・ゾンパイロット「なんだ!?。ビームシールドが…「貫通」されてるのか…!!?。ぎゃあああッ!!」

 

ジェイダム・フォーミュラーの持つライフルから「キツツキが木をつつくような音」と共に青いビームが機関銃のように射出されていき、デナン・ゾンはビームシールドで防御するが当たった場所から次々と貫通してからコクピットに直撃して当たった箇所が「液状化」してから爆散せずに沈黙していき、他の機体は散開してからパルスライフルに当たらないように動き回っていく。

 

デナン・ゲーパイロット「ビームシールドを貫いて来やがった…!!しかしなんなんだコイツは…!?。このサイズなのに小型モビルスーツ並みの速さでしかもこれだけの火力…まさかコイツ…数十年前に流行っていた、「第五世代モビルスーツ」なのか…!!?」

 

???「ハハハ。…小型モビルスーツがなんだと言うのだ?。さぁ…見てみるがいい、これが第5世代…いや、「新世代モビルスーツ」の力だッ!!…「ツイン[[rb:BS > ビーム・スマート]]ランチャー」!!」

 

デナン・ゲーパイロット「ビームが曲が…!?」

 

デナン・ゾンパイロットB「隊長!?、なんだあの正確な射撃は!?コクピットだけを撃ち抜いたのかッ!!?」

 

高速移動しているジェイダムのパイロットがこう叫ぶとF91のようにビーム砲を展開していくがF91とは違い2枚の開放式バレルタイプの砲身となっており、射出されたビームが屈曲するかのように回避運動をとっていた指揮官機のデナン・ゲーに対してジェネレーターに直撃させずコクピット部分のみを正確に撃ち抜いてから爆発を起こさずに破壊するのを見たデナン・ゾンはまるで「予測射撃」をしているように見えているため、かなり怯えた声を出してしまっている。

 

???「BSランチャー…「RX-0」の2号機が運用していた装備の応用だが…悪くないな。サナリィがヴェスバーの情報をブラックボックスにしなければ、我々専用のヴェスバーを作れたのだが…。まぁよいさ、命中精度はこちらの方が圧倒的に上なのだからな」

 

デナン・ゾンパイロットC「どうするんだよ!?、隊長がやられちまったんだぞ!?」

 

デナン・ゾンパイロットB「とにかく撃ちまくるしかねぇ!!」

 

デナン・ゾンパイロットD「チクショー!、どれが本体なんだよ!?」

 

???「数が多いな。遊撃艦隊に任せてもいいが…あまり時間がないのでね。これからは雑に行かせてもらうぞ。ビームソード展開」

 

デナン・ゾンパイロットD「えっ…ぐぎゃあッ!!」

 

ジェイダムのパイロットはこう言うとパルスライフルを腰ウェポンラックに戻してサーベルのようなものを両手に持ちながら青いビームを展開するとそれを手首ごと回転させながら突撃を始めていき、デナン・ゾンの一機がジェイダムのすれ違いざまの回転斬撃によって真っ二つにされていき、他の機体は完全にパニックになってから闇雲に残像や味方に攻撃してしまい、その間にもビームソードによって次々と斬り伏せられてしまっていく。

 

デナン・ゲーパイロットB「…戦闘中止命令!?。早く逃げよう!!早くッ!!逃げるが勝ちだッ!!!」

 

???「残存部隊が撤退していく…。最大稼働強制停止。…通信…政府からか。…いかがなさいましたかな?、大臣殿?」

 

連邦政府高官(通信)「…「オースティン長官」。マイッツァー・ロナが「ブッホ・ジャパン」の「ミチタカ・ブッホ・ヨシオカ」社長を通して、我々と手打ちをしたいと言ってきてね。

…彼が「誠意」を見せてくれたので、我々はそれを受け入れようと思っているのだが…よろしかったかな?」

 

オースティン「そうでしたか…。我々や遊撃艦隊のダールトン司令官もそれを望んでおります。ミチタカ様にもそうお伝え頂けないでしょうか?」

 

連邦政府高官(通信)「そうか。助かるよオースティン長官。ミチタカ社長にはそう伝えておこう」

 

オースティン「ふふふ…。…ところで大臣殿、今日のご夕食は何をご所望でございますかな?」

 

連邦政府高官(通信)「そうだねオースティン君…美味しいサーロインステーキをたくさん食べたいなぁ。…ついでに綺麗な女性がいるお店でお酒を飲みたいのだが、頼めるかねオースティン君?」

 

オースティン「かしこまりました。…こちらでよろしいですかな?」

 

連邦政府高官(通信)「おぉ完璧だよオースティン君!、やはり困った時は君に頼むに限るな。…少ないがとっておいてくれ、まぁ「感謝の気持ち」というものだ。後ほど君の口座に振り込んでおこう」

 

オースティン「よろしいのですかな大臣殿?。…ありがとうございます、大臣殿。それでは今宵も…優雅なご夕食をお楽しみくださいませ」

 

連邦政府高官(通信)「そうさせてもらうよオースティン君。ステーキやうまい酒を飲めるのは幸せだなぁ…」

 

オースティン「……」

 

連邦政府高官は嬉しそうな声で通信を終了させていき、オースティンは高官に見せていた笑顔から急に真顔になると遊撃艦隊が撤退していくのをモニターで確認しており、少しするとどこから現れたのかRGM-119…ジェムズガンの部隊がオースティンの近くによってからワイヤーをのばしてから通信を始めていく。

 

ジェムズガンパイロット「オースティン長官、遊撃艦隊が撤退していきますが、よろしいのですか?」

 

オースティン「なに大したことではない。…「連邦政府に歯向かえばこうなる」というメッセージは伝える事ができたからな。それに我々も任務を達成できたからな」

 

ジェムズガンパイロット「かしこまりました長官。しかし…我々が表に出てきても大丈夫なのでありますか?」

 

オースティン「心配するな。彼らは私の機体をレジスタンス…「スペース・アーク級に搭載されているF91」と誤認していた。…もっともちゃんと見た奴らのほとんどは私が消したから正確な情報は伝わる事はないがね。…少し動きすぎたな」

 

ジェムズガンパイロット「長官!?、怪我をしたのでありますかッ!?」

 

長官はヘルメットのバイザーをあげてハンカチを口に当てるとハンカチに血が大量に付着しており、隊員の1人は長官が怪我をしたのかと心配し大声を出していく。

 

オースティン「心配するな、少しGがかかりすぎただけだ。しかしジェイダム・フォーミュラーはニュータイプや強化人間でないと、この動きには耐えられんな。私も「ニュータイプとしての力」があるから、この程度で済んでいるが…」

 

ジェムズガンパイロット「バイオコンピュータを無理やり稼働できるようにした弊害でしょうな。…そうでなくともインテンション・オートマチック・システムはパイロットに負荷をかけてしまいますので…」

 

オースティン「だからRX–0は封印されたのだ。…さすがにあの力は我々でも手に余る。まったく三十年前の「アクシズ」の時といい…サイコミュ技術は人知を超えたものばかりだよ…。いや…」

 

オースティンはこう呟いてからなにかを思い出したのか訂正していき、そのままひとりごとのように口を開いていく。

 

オースティン「…もはや人間のもつ[[rb:技術 > テクノロジー]]をうまく使えば、奇跡や魔法も簡単に「再現出来る」。

いや…それを完全に再現する必要はないな。全体の3割…いや2割でも再現出来れば、「使う側としては問題ない」のだから。だがその可能性は「自らを滅ぼすかもしれない」。

だから我々は…その可能性を元から潰し、「0%」にせねばならんのだ。たとえ1%でも…いつかは100%になるかもしれんからな…。それが「現状維持」、「安寧」というものだ…」

 

オースティンはこう呟きながらジェムズガンと共にステルスで隠れていた母艦…アレキサンドリア級へと戻っていき、アレキサンドリア級はステルスを展開してから現空域から離脱していった。

 

〜数日後サイド2コロニーにあるサナリィ支社〜

 

ニュース「次のニュースです。フロンティアサイドを不法占拠しているクロスボーン・バンガードに対し連邦宇宙軍特別遊撃艦隊が攻撃、敵に大打撃を与える事に成功しました。モビルスーツ部隊を指揮したのはメイスン・ハウバー大尉の「RGM‐109部隊」とRGM-89部隊…。旧式でありながらも敵モビルスーツをなんなく倒し、海賊達がただの烏合の衆であることを証明しました」

 

サナリィ関係者「へぇ~。デナン・ゲーやデナン・ゾン部隊をただのヘビーガンでねぇ。…おいちょっと待て、この映像…変だぞ?。ヘビーガンのところだけ映像がカクカクしている。CG合成か?。しかもビームを出している位置もおかしい…。これじゃあ…ヴェスバーみたいじゃないか。

…やりやがったなアナハイムめ!?。あれはヘビーガンなんかじゃない!、アナハイムが作ったRGM‐F91だ!!あいつら当てつけの為に俺達がわかるように、わざとこんな雑な合成にしやがったんだッ!!!」

 

〜月面都市フォン・ブラウン、アナハイム・エレクトロニクス本社〜

 

アナハイム営業担当「これがRGM-109の改修モデルである…RGM-F91でございます。原型機であるRGM-109の近代化改修として我が社の試作モビルスーツ「RXF-91ガンダム」を量産が容易な部品を使用して再現したものであり、採用を決定した遊撃艦隊からは大幅な性能向上が実感出来るとして高評価を頂いております」

 

連邦軍将校「確かに性能は素晴らしいが…この機体の元になったRXF-91はサナリィのF91に似ているが、それと何か因果関係はあるのかね?」

 

アナハイム営業担当「…恐らくですが、たまたま機体コンセプトが似たのでしょう。噂によるとあちらは「F91の先行量産モデル」の採用を検討しているようですが…。あちらは多少の生産性は確保してはいるようですが、それでもコストが高く量産には向かないものとなっております。ですがこちらはヘビーガンをベースとしながらもRX-F91ガンダムと大差ない性能を発揮し、尚且つ今あるヘビーガンをすぐにRGM-F91へと更新することが可能となっております。…「サナリィのF70」の時のような由々しき事態にはならない事をお約束いたしますよ」

 

連邦軍将校A「F70…キャノンガンダムか。ふむ…それは一理あるな…。…RGM-F91の運用を我が部隊でも検討させてもらうよ」

 

連邦軍将校B「そもそも小型モビルスーツを作ろうと思ったのは予算の圧迫の解決の為だったのに、F70はそれを真っ向から否定してきましたからなぁ…。私の部隊ももしかしたら、RGM-F91を採用するかもしれませんね」

 

アナハイム営業担当「ありがとうございます。今後とも…アナハイム・エレクトロニクスをごひいきに…」

 

メイスン「…まぁいつも通りだな。練度の低い奴らは新型量産機の「RGM-122ジャベリン」で、ベテランの連中みたいに改修機で済ませたいならRGM-F91というわけだ」

 

連邦軍将校A「…おぉメイスン大尉!、数日前の作戦は見事だったぞ」

 

メイスン「いえ…私達はただ、出来ることをしただけですので…」

 

連邦軍将校A「そう謙遜するなメイスン大尉。我々の部隊や各サイドの駐留部隊もダールトン中将や君達を見習わないといけないなぁ」

 

メイスン「ハハハハ…」

 

アナハイム営業担当「…ダールトン司令官、少しよろしいでしょうか?」

 

メイスンは連邦将校達に囲まれながら会話を続けており、アナハイムの営業担当はダールトンに近づいてから話をしようとしている。

 

ダールトン「おや…どうなさいましたかな?」

 

アナハイム営業担当「サナリィが先行量産モデルのF91の遊撃艦隊での採用を取り消された事に対して少し根に持っているようですが…。いかがなさいますか?」

 

ダールトン「F91の性能は悪くはないのですが…我々遊撃艦隊としては数を揃えるのには向かないと判断しましたので…。私はサナリィに対し第303部隊…ファーストペンギンに納入してはどうかと提案はしましたので、サナリィもある程度はご理解していただけるでしょう」

 

アナハイム営業担当「そうでしたか…。それなら問題ありませんな。…失礼、どうした?。…サナリィの奴らがRGM-F91の件でギャーギャー騒いでるだって?。「悔しかったらこれくらいのものをお前らも作れ」って言っとけ。こっちは採用が内定していた「ネオガンダム」が2機ともぶっ壊れた上にデータの一部が行方不明になってイライラしてんのに…。遊撃艦隊がRGM‐F91を採用してくれなかったらどうなってた事やら…。…これは失礼、私達は席を離れさせていただきますので…。どうぞごゆっくり…」

 

ダールトン「えぇ、お気をつけて…」

 

オースティン「…ダールトン様」

 

ダールトン「オースティン長官か、直接会うのは久しぶりだね。「連邦政府直轄内務諜報機関」のトップであるはずの君がわざわざここに来るとは…なにかあったかね?。君ならデスクワークでも文句は言われないだろう?」

 

オースティン「いえ…大した用事ではありませんよダールトン様。たまには私も動かなければ、下の者達に示しがつかないと思っただけです。…貴方や「ハーコート少将」に「スガイ中佐」以外の他の将校達のように、ただ威張り散らしているだけでは下はついてきませんからね。

…それよりもダールトン様。「オールズモビル」及び海賊共を裏で動かしている別組織の目星が付きました。…「木星の一部」に、良からぬ事を企てている不届き者がいるようですな」

 

ダールトン「やはりか。ある程度は予想はしていたが…。どうするかねオースティン?、我々が…「大人しくいい子にさせてくる」が…」

 

オースティン「いえ。それは数年前に「手土産」を用意するようにと政府に言われましたので、今は動く必要はないでしょう。…「名家の娘を嫁がざる」という案を政府に出したのはよいのですが、私はその辺りは詳しくはないので…「その辺りに詳しい者達」に任せたのですがね」

 

ダールトン「そうか。それである程度はガス抜きができるといいが…どこかで不満が爆発するだろうな。…私ももう歳だ。数年後には…「向こう側」にいってるかもしれない…。ニュータイプと言われる存在も、「歳には勝てない」のさ…」

 

オースティン「ご心配には及びませんダールトン様。…「貴方を生かす方法」は既にご用意しております。いざとなれば…」

 

ダールトン「君の祖父…「ロベルト・ペイズリー」様や私の父のようにか?。…「ミイラのような状態」になってまで生きろというのはな…。それは本当に生きてると言えるのか?。まぁ候補には入れておくよ」

 

オースティン「それか「クローニング技術」で肉体を作り、「複製した人格」を埋めこむ…という案もございますよ。非公式ではありますが既に「実例」がありますので…」

 

ダールトン「…「命は工場で作られるものではない」というのにな。「倫理を捨てれば手段は問わん」…か…。では聞かせてくれオースティン、…そこまでしないといけないと思う「今の君の目的」は何かね?。君は「連邦を支配したい」などという野心は持ってはいないだろう?」

 

ダールトンの問いかけを聞いたオースティンは少し考えており、真顔からやや思いつめた顔に変えながら口を開いていく。

 

オースティン「連邦の支配…いや、「間接的な支配」なら既にアナハイムが成し遂げていますよ。モビルスーツはおろかインフラ…食品…「ほぼ全て」をね。しかし私の目的…ですか。そうですね…貴方には本心を言いましょう。私が望むのは…「強固な連邦政府による地球圏の秩序による統治」ですよダールトン様。

…ですが今の連邦政府は「事なかれ主義」で自分からは動こうとはしない…。もしも…レジスタンスが動かなかったら…無人機…バグが来ていたかもしれない。貴方の部隊は確かに強いですが、「何かが起きた後でしか」行動できません。我々内務諜報機関…「[[rb:聖騎士 > パラディン]]」も…「表舞台」に上がらねばいけない日が来たのかもしれませんな」

 

ダールトン「君達が連邦政府に喝を入れるというのかね?。それは面白い冗談として聞き流してやろう。…ティターンズを忘れたわけではあるまい?。ジャミトフ・ハイマンは「過激な思考を持った部下の面倒をみれなかったから自滅した」ようなものだ。君は「変えられる範囲」で少しずつ、確実に変えていけばいい。焦る事はないんだ…ジャミトフのように「誰にも理解されずに終わる」のは辛いはずだろう?」

 

オースティン「わかっておりますよダールトン様。ですが…このままでは「私の見た夢」と同じ結末を進んでしまうかもしれません」

 

ダールトン「夢?。なにかね?」

 

オースティン「…数十年前に「たくさんの放たれた虹のような光」を見てから私は…夢を見るようになりました。「たくさんのモビルスーツが隕石を動かすところ」…。「世界が光に包まれるところ」…。私も地球からでしか見てませんでしたが、あれは…綺麗な虹だった…。しかしそれは同時に、「恐ろしい光」でもある事を理解してしまいました。「何万年以上も続いてきた人の[[rb:歴史 > 歩み]]を終わらせる光」だと…」

 

ダールトン「…私や君が生きてるうちにはそれが起こることはない。たとえ起きそうになっても、その時の世代が止めるはずだ」

 

オースティン「そうだとよいのですが…。不安は少しでも取り除かなくてはなりません。「最悪の事態になる可能性」は…少しでも「切除」せねば…」

 

ダールトン「オースティン。少し…「今を生きる者達の声に耳を傾けるべき」だろう。君が怖れる気持ちも理解は出来るが、「先の方ばかり見て足元の石につまずく」のは本末転倒だ」

 

オースティン「そうですなダールトン様。歳をとると…変な事ばかり考えてしまう…。とりあえずは現状でできる事を背一杯させて頂きますよ」

 

ダールトン「そうしてくれ、オースティン」

 

オースティン「…そうだダールトン様。我々の持つ工廠で独自に作り上げたモビルスーツがあるのですが、興味はありますかな?」

 

ダールトン「…RX–120…ジェイダムか。いい機体ではあるが…小型化が主流になったこの時期に、なぜわざわざ「18メートル級の大きさ」にしたのかね?。あの機体をいい機体と思えるのは、私が「そのサイズのモビルスーツにずっと乗ってきたから」だ。小型モビルスーツに慣れた若い世代はどう思うかは知らんな…」

 

オースティン「ハハハ。…小型モビルスーツが流行りなのはよくて数十年くらいでしょうな。遅かれ早かれ…「元のサイズに戻ります」よ。モビルスーツの性能を上げたいのであれば、「単純にデカくすればいい」…。小さいままで高性能を維持出来るなら性能をあげる為に自ずと大きくなってしまう…。確かにサナリィやアナハイムにジェイダムを見せた時は担当者達は目を丸くしておりましたな。「なんで小型化モビルスーツを作れと言ってた本人がこのサイズを作るのか」と…。

まぁジェイダムは「第5世代モビルスーツの小型化を目的とした機体」ですから、モビルスーツの小型化という意味では間違ってはいないのですが…」

 

ダールトン「比較の対象が間違っていないかね?、まぁ良い…。いいだろう。公的には「場違いなモビルスーツを遊撃艦隊がお情けで引き取った」事にしておこう。そしたら…木星…別組織も警戒を強める事はないはずだ」

 

オースティン「感謝いたしますダールトン様。…試作機を数機、傘下の「連邦地上軍第23軍楽隊」に運ばせます」

 

ダールトン「…ジェガンの代わりとして使わせてもらうかな。「[[rb:兵器試験小隊 > ハムスター]]」にもそう伝えておく。ハムスターにはお似合いの機体になるだろう」

 

オースティン「助かります、ダールトン様。…これで在庫整理も済むな、RX-120の量産はどこかの企業に任せるとしよう。…失礼します」

 

ダールトン「あぁ…」

 

オースティンはわざとらしくこう言ってからその場を後にしていき、ダールトンは聞かれるとまずい人間がいることを察してから口裏を合わせていく。

 

ダールトン「オースティンは急ぎすぎてるな。先を見すぎて今の現状を軽視している…。お互い…歳をとってしまったな…」

 

メイスン「やっと解放された…。お疲れ様です、司令官」

 

ダールトン「あぁお疲れ、今しがた…オースティン長官と話をしていてな。RX-120ジェイダムを何機か引き取ってくれだそうだ」

 

メイスン「あのデカブツですか…。シルエット化されていないヘビーガンやジェガンなどよりはるかに性能が高いのは認めますが、それは小型モビルスーツではなく「第五世代モビルスーツとして見た場合」です。まぁかつてのハイザックやバーザムなどとは比べ物にならないのは確かですけどね。それを知らない世代からすれば、あの機体は「ジェガンが強くなった程度」の認識でしょう」

 

ダールトン「そうだろうな。しかしいつかはモビルスーツのサイズも元に戻るだろう、…「君や私のような老人達がいなくなってから」だろうけどね…。オースティン長官は「未来を先取りしすぎている」のかな…」

 

オースティン「…倉庫の肥やしにしていたジェイダムをダールトン司令の艦隊で引き取っていただきました…。やはり小型モビルスーツのノウハウがないと難しいですね…」

 

アナハイム営業担当「…(よく言う…。サイズはともかくあれはヤバイ機体だ…。俺達やサナリィが関わらずにあんなものを作るなんてな…。あの機体を内務諜報機関に独占させるのはよくないか…)。

ハハハハ、今は予算の都合であのサイズの採用は難しいですからね。…オースティン長官。よろしければ地球の支社にジェイダムの正式量産を頼もうと思っているのですが、よろしいですかな?。サナリィだと…「プライドの問題」で作りたくないでしょうからね」

 

オースティン「よろしいのですか?。地球ならグスタフ・カールやジェガンに慣れてるパイロット向けで行けますな。お願いいたします。後ほどジェイダムのデータを提出いたします」

 

アナハイム営業担当「素晴らしい機体に仕立ててみせますよ。ハハハ…」

 

オースティン「助かります…。…(元より「シオサワ重工」や「カネバン」以外の地球支社は既に我々の「指揮下」にある。これで…「行動を起こす時の数」も揃えられるな…。

…「宇宙に適応した新人類の発生が認められた場合、その者達を優先的に政治運営に参画させる」。即ち「ニュータイプを軸にした新政府」…。それは同時に、「ニュータイプでない旧き人類が駆逐された世」だという事を、リカルド首相達はなぜ理解出来なかったのだろうか…。彼らの存在はいづれ己を食らう「食虫植物」となり、やがて世界を終わらせる光となるのに…。

…ならば私が思い出させてやろう。「ニュータイプなどいなくとも、人類は文明を築きあげれた事」をな…。私のこの力は、その為に使わせてもらう…。

あなたは…「見届けて下さい」、世界が…「我々を受け入れるか否か」をね)」

 

ダールトン「…(オースティン…やはり許せないのだな…。あの光はオースティンに、「負の部分」しか見せなかったのか…)」

 

オースティンは戻ってきたアナハイムの営業担当と会話をしながら心の中で思っており、笑顔で話す彼の中では「ニュータイプ達に対するある想い」が芽生えていた…。

 

 


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