チョコレートを食べたい、しおひな

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第1話

比名子「お魚さん、いつもありがとう」

 

彼女は隣の彼女に伝え、人魚形態の彼女に魚型のチョコレートをプレゼントした。

何故変身してるかって?さっきまで、比名子のセコムをする状況だったとか?

 

汐莉「………」

 

比名子「いつも私を守ってくれてありがとう。…そのお礼だよ」

 

そう、今回も守ってくれた。

もう少しでバレンタインだ。だからついでにチョコレートでお礼をしたということ。

あ、人間フォルムに戻った。

嬉しかったのか?気まぐれなのか?人魚形態に疲れたのか?

 

汐莉「そんなの当たり前ですよー。他の誰にも渡しません。……チョコ、ありがとうございますー」

 

パクっ!ニコニコしながら、貰ったチョコを口に入れる。

チョコレートを食べた、ひとでなし

 

汐莉「これは…比名子の愛情が伝わる味ですね」

 

愛が美味しいらしい。幸せそうな表情を浮かべ、食べ続ける。

……………完食。

 

比名子「それなら良かった、かなり試行錯誤したの。…はい、これも」

 

この日の為に頑張ったらしい。彼女は2個目のチョコを手渡す。

 

汐莉「ありがとうございますー。まだまだ食べたいので、沢山……沢山……沢山……用意してくれて、嬉しいですね」

 

そう。この場には、魚型のチョコレートが○○○個ある。

彼女の胃の大きさは『カー○ィ:別名ピンク色の悪魔』に挑戦できる程。

比名子はこの日の為に、大量生産も頑張ったらしい。

 

比名子「沢山……沢山……沢山……作って、腕が疲れちゃったよ。でも、汐莉さんが喜んでくれて嬉しいな」

 

腕がもげそうな状態。それでも、相手の喜ぶ顔を見れたことに比べたら、些細なこと。

 

汐莉「もげたら私にくださいねー。美味しくいただきます」

 

比名子「願いを叶えてくれるのはありがたいけど、そう喰べられる流れは違うかな…」

 

比名子がチョコレートを大量生産→疲労の限界で腕が取れる→汐莉がそれを喰べる→タイトル通り完結

 

汐莉「分かりました。カニバリズムは、もっとロマンティックにですねー」

 

比名子「…う、うん。カニバリズムって……」

 

人魚はニコニコしながら、カニバリズムという強烈な言葉を繰り出した。

死にたがりはそのギャップに引いてる。…○○○のダメージ!

 

汐莉「それでは、ロマンティックに…。はい、どうぞ」

 

比名子「これは…チョコ。美味しそうだね」

 

彼女もまた、隣の彼女にチョコレートをプレゼントした。ロマンティックなシーンに切り替わる。

汐莉にあげたチョコレートが魚型なら、比名子にくれた型は雛だろう。

 

汐莉「そう思えたなら何よりですー」

 

比名子「うん、この日除け帽子型。比名子と掛けてくれたんだ。嬉しいよ」

 

ひなでもひよこでもなく、ひよけだった。

『ひ』から始まるので、貰った本人はとても嬉しそう。

 

汐莉「え?幼少期比名子の麦わら帽子。という言葉が頭に浮かび、作ったんですよ?」

 

比名子「………。この流れでその解答をするなんて、汐莉さんのひとでなし!」

 

空気を読まない半魚人。←美胡ちゃんが言いそう。

ひとでなしというワードを放ち、走り去ろうとする雛。←普通にありそう。

 

汐莉「…冗談ですよ。麦わら帽子も日除け帽子も、どちらの言葉も思い浮かべ、似合ってる、と何度も想いながら作りました」

 

この場から去ろうと背を向けた比名子の手を、後ろから掴み。

そして、真相を伝える。

 

比名子「……。ひとでなしだけど、私達が出会った日のことを思い返してくれて、なんだか嬉しいよ」

 

2人の想いは離れることは無く、無事にバレンタインデーを平和に過ごしました。

めでたしめでたし。

 

終わり

 

 

おまけ

 

汐莉「比名子、チョコはまだまだありますよー」

 

比名子「も、もう食べられないの…」

 

彼女もまた、腕がもげそうな程の量の、日除け帽子型チョコレートを大量生産していた。

 

比名子「汐莉さん、食べて…」

 

汐莉「比名子をですか?」

 

比名子「違う…チョコの方…。一緒に食べよう…。私も空腹になったら、また食べるよ…」

 

汐莉「分かりましたー」

 

○○時間後。

比名子はチョコを食べることを再開した。

 

比名子「あれ?………あの大量のチョコはどこに?」

 

チョコの残数は10個程度。

 

汐莉「他の帽子は胃の中です。比名子の思い出の味わいでした」

 

比名子「そ、そう…」

 

ピンクの悪魔じゃなく、ブルーの悪魔だ。

 

比名子「まぁ…これで、締めとして2人で一緒に食べれるよね」

 

汐莉「はい!最後は2人で仲良く食事をしましょう。あ、実は…これも」

 

魚型のチョコを完食せず、汐莉はいくつか保管していた。自分で作ったチョコも誰かと共に召し上がると、また違う味わいがあると思い込んだのかもしれない。

2人で一緒にチョコを食べながら、バレンタインデーは終わる。


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