いずれ少年は色彩を知る   作:冬風_ykn

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データ吹っ飛ばしてから復元するのに時間を掛けすぎて、話が進んでなかったので大人しく書き直したらこんな時間になってました。3連休を使って1日1作品になるように補填はするので何度も使ってきた謝罪を使います。許して


浅き眠りのあなたへ

「ん? ん~…………もう朝か」

 

 

 

 ミスラは重いまぶたを持ち上げ辺りを見回す。相変わらず机上に積み上げられた書類と、その引き出しに仕舞われた武器。積み上げられた書類は未だに手をつけられていない。

 

 

 

(今日は……土曜だから学校は休みか。てか、ここのところ夢見が悪すぎて睡眠不足感が否めなくなってきたな。そろそろ流石に書類整理もしておこうか)

 

 

 

 机上の書類を見ていると出てくるのは、契約書と説明の書類だけだと分かる。

 

 

 

(これ全部契約書なのか……しかも、解約済みだし)

 

 

 

 土地にマンションなどの管理に関する契約書もあり、どれも商伊ミスラの名で署名されている。そして、資産運用の記録も発見した。過去に行っていたようだが今年になって急に売り払ったと言う形らしい。

 

 

 

(……この金額なら預金口座に相当入ってるよな、後で確認しとくか。それとマンションの経営……場所はゲヘナとレッドウィンターを避けた場所で、それも広域に……なにやってたんだ)

 

 

 

 資産運用として株を取り扱う他に、マンションの経営等も行っていた記録がどんどん出てくる。どれも数年前から始めていたもののようだ。それと、マンションの経営にあたってレッドウィンターの『工務部』というところに依頼して建設をしていたという資料も出てきた

 

 

 

(これ時期的に中等部どころか初等部の頃から経営始めてるよな!? しかもどれも成功して儲けてるみたいだし。そもそも元々のお金は何処から引き出したんだ?)

 

 

 

「なんだよこいつ、今は僕だけど。……もしかして今の事も見越していた? ……思えば武器も新品で整備せずに使えたんだよな…………」

 

 

 

 そうしてミスラは大量の契約書の束をファイルにまとめ仕舞い込んだ。起きてから1時間ほど経ち時計は7:00となっていた

 

 

 

(預金通帳を真面目に探さないとだな。読んでて思ったけど、筆記体とかは僕と変わらないんだな……つまり大体同じで純粋に記憶喪失のパターンも考えられるよな…………)

 

 

 

 そんなことを思いながらミスラは荷物を持ち外へと繰り出した。目的地は『百鬼夜行連合学院』と言う和風な学園。桜の開花時期とも重なり、別の自治区への知見も広めたいミスラは、ひとり旅と言うことで歩を進めた

 

 

 

 ───────────────────────

 

 

 

 しかし、普通に歩いて向かえる距離ではないので『ハイランダー鉄道学園』の運営する列車で百鬼夜行まで向かうことにした

 

 

 

(今思うと入学式のあとは桜を眺める事が多かったなぁ、アビドスには桜どころか草木が少ないし、こっちだと桜、百鬼夜行くらいでしか咲いてないみたいなんだよな)

 

 

 

 そうして桜の写真を撮ることを目的に加え、やってきた電車に乗り込み席へと着く。右に2席、左に3席の電車内で2席の窓側の席へと座り込む。そして百鬼夜行の宿泊施設について調べる。今朝にネットで桜について調べていた時に【百夜ノ春ノ桜花祭】と言うものが目に入り、無計画にも一泊して旅を楽しむことにしたのである

 

 

 

(そう言えば"ももよのはるのおうかさい"を普通に読んでたけど、日本語が第一言語で統一されてるみたいでよかったな。英語でもギリなのに、未知なる言語とかだったらその時点で詰んでたよな)

 

 

 

 そんなことを考えながらユメやホシノに渡すお土産に何を買おうかと、ミスラは百鬼夜行に関するサイトを眺めていた

 

 

 

 ───────────────────────

 

 

 

『間もなく~出発しま~す、駆け込み乗車はご遠慮ください~』

 

 

 

 少しして、駅員の声と共に扉のしまる音が響く。そして揺れに注意するように駅員の声が響き、『ガタンゴトン』と線路を進む車輪の駆動音、そして枕木とバラストのが沈み込む音に包まれる

 

 

 

(電車ってそう言えばこんな音だったな。それに乗務員が切符を切る音に切符を無くした乗客の焦る声、がもめる声になって、銃声が…………銃声!? 電車の中でもそんなことなるか!?)

 

 

 

 始めに数発の発砲音の後、本格的な銃撃戦が発生する。ガラスが割れ椅子を盾に争う音がミスラの耳へと届く

 

 

 

(音的に四両くらい先の位置か。銃声の数的にあれかな、何人かのグループで乗ったけどチケット一人に預けててそいつが無くしたとか、そのパターンからの乗務員交えての乱闘かな)

 

 

 

「…………運休になったら計画パーだもんな」

 

 

 

 ミスラはホルスターから黒を基調としたセミオート式の拳銃を引き抜き、4両先の戦場へと向かった

 

 

 

 ───────────────────────

 

 

 

 戦場と化した場所でチンピラが銃器を振り回し車両を占拠していた

 

 

 

「…………」(人数は11人、他の乗客は前の車両に移動した感じかな、前車両の方に見張りが多く見えるし攻撃は通しやすそうだけど、遮蔽がないか……ショットガン持ちはいないみたいだから気合いで避けるか、弾く)

 

 

 

 そうしてミスラは割れた窓から入ってくる強風の中で、チンピラとの戦闘を開始する。出会い頭に奥の車両を警戒していた数人の頭に照準を合わせて引き金を押し込む。

 

 

 

「なんだ!?」

 

 

 

「後ろの車両からきたぞ!!」

 

 

 

「撃て!」

 

 

 

(後方の三人は落とせた。なら銃口の向きと弾道を予測、全員がまとめて狙ってきてる、それならリロードのタイミングで落としきる!)

 

 

 

 ミスラは電車の中での銃弾を避けきった。そしてチンピラがリロード中のがら空きのところに弾丸を放つ。強風で違わぬように、距離を詰め頭に狙いを定め撃ち込む

 

 

 

「これで制圧はできたな、こいつらは乗務員の人に任せるか……被害はまぁこいつらのせいだしな。うん」

 

 

 

 そうして無事にチンピラを倒したミスラは前方車両にいた乗務員に引き渡し席へと戻り、休むために軽く目を閉じていると『間もなく~百鬼夜行連合学院~にお降りの方は~』と目的地が近いことを知らせる

 

 

 

(思ったより早かったな。百鬼夜行が思ったより近いのか、電車が速いのかは分からないけど)

 

 

 

 ミスラは目を開き窓の外を見れば時代劇の頃のような街並みに、近代的な建物が建てられており過去と近未来による時代の融和を感じていた

 

 

 

(ここが百鬼夜行…………中央にあるのは桜の木。ヘルメット団の襲撃とかを全部片付けられたら、修学旅行としてみんなとここに来るのも楽しそうだな)

 

 

 

 電車から降りたミスラは百鬼夜行へと踏み出す。昔ながらの木造建築の家に寺子屋、表通りには団子や茶菓子から着物のような服まで様々な店が見られる

 

 

 

「ここが百鬼夜行連合学院か……あの桜の木は見てると遠近感が壊れてきそうだな……」

 

 

 

「ご神木は百鬼夜行が連合学院になる前の時代からあった桜だからね~」

 

 

 

「あの大きさだと軽く樹齢数百年はいってそうだな」

 

 

 

「でも古い文献を辿ってもずっとあるらしいから、実際はどれくらい前からあるのかは誰も知らないんだって~」

 

 

 

「それは歴史的にも重要なのも納得だな」

 

 

 

「今はお祭りの時期だから夜には花火も上がるよ」

 

 

 

「そう言えば花火があるのすっかり忘れてたな、お陰で思い出せたよ」

 

 

 

「どういたしまして~」

 

 

 

「…………?」

 

 

 

「もしかして眠い?」

 

 

 

「いや、そうじゃなくて疲れはあるけど、初対面だよね?」

 

 

 

「……自己紹介をしてなかったね、私は春日ツバキだよ。それと眠いならゆっくり寝た方がいいよ」

 

 

 

「まぁ最近はよく寝れてないけど、どうにかなるからあまり心配しなくて大丈夫だよ。改めて僕は商伊ミスラ。今日は観光に来たんだけど、どこから回ればいいとかあったりする?」

 

 

 

「う~ん……どこがいいかなぁ。……せっかくだから案内してあげるよ~」

 

 

 

 そう言いミスラは案内されるままに進んでいくと、寝具を取り扱う店の前でツバキは止まった

 

 

 

「……ここ?」

 

 

 

「そうだよ~、ミスラさんはあんまり寝れてなさそうだから、まずは安眠のできる枕でもどうかな~」

 

 

 

「あら、いらっしゃいツバキちゃん。今日も睡眠の探求かい?」

 

 

 

「今日はミスラさんが安眠できるように私が枕や布団を見付けてあげるの~」

 

 

 

「なら枕と夏用の布団をお願いしようかな、荷物が増えすぎると帰れなくなるからね」

 

 

 

「そう言えばミスラくんはどこから来たんだい?」

 

 

 

「僕はアビドスの方から電車で来たんですよ」

 

 

 

「なら早速、ミスラさんに合う布団を探すよ!」

 

 

 

 そうしてツバキはミスラが安眠できる布団を探し始めた。結果としてはすぐに見つかり、店員さんから中等部の3年生であることを聞かされたミスラはキヴォトスの常識においては、子供も大人もそこまで関係無いと知ることとなった

 

 

 

「そう言えばカード使えますか?」

 

 

 

「もちろん、観光客が多いからこの辺りはどこでもカードも決済アプリも使えるよ。それと学生証あれば割引が付くけど持ってるかい?」

 

 

 

「学生証ですね、これです」

 

 

 

「アビドスって聞いてもしかしてと思ったけど、アビドス高等学校の新入生だったんだねぇ。最近はアビドスの生徒さんを見ることがなかったからてっきりっ……そうだった割引で半額になるからね」

 

 

 

(そう言えば学生証で割引の店が結構いろんな所にあったよな。学園都市って言うだけに学生へと対応甘めなのかな)

 

 

 

「あとこれでお願いします」

 

 

 

 ミスラは金色のクレジットカードもとい【ゴールドカード】を取り出した。朝に書類の整理をしている中で銀行と契約しているものである。これは表記的にほぼ無限に使えるため過去のミスラは太客とかその類いと考えている。

 

 

 

「はい、これが品物だよ。ツバキちゃんもミスラくんも気をつけてね~」

 

 

 

 そうして枕と布団を買ったミスラはツバキに、宿泊先に布団と枕は置いておくべきだと言われた

 

 

 

「まぁちょっと動きにくいし、適当なところにチェックイン済ませとくか」

 

 

 

「適当なところってことはまだ決めてないの?」

 

 

 

「衝動的な旅行だったからそこまで準備してなかったんだよね」

 

 

 

「なら景色がよくて、花火がよく見える旅館が少し行ったところにあるからそこはどう? ……でもお金は少し掛かるから予算が難しいなら大丈夫ならだけど……」

 

 

 

「予算は気にしなくていいよ。すごく裕福とかそんなんではないけど、中等部の頃に一生程度ならどうにかなる額稼げてるから」

 

 

 

「そんなにあるなら安心だね、私について来て」

 

 

 

 




ミスラは契約書が読める質です。ちなみにミスラが契約書読めない場合は学園無所属の難易度Lunaticモード編を開始することになるので、番外編で書く可能性もあるかもしれない。
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