分離された虹色の粒子は、霧散することなく虚空で凝縮し、一つの形を成した。
それは、かつてキョンが変身したカオスウルトラマンカラミティよりも、ハルヒが纏った破壊の化身よりも、遥かに強大で、圧倒的な質量を持つ絶望の具現だった。――カオスダークネス。
顕現したカオスダークネスが砂浜に着地すると、その衝撃で轟音と共に周囲の砂が高く舞った。
『……四度の……ループ。……全ての……絶望の記憶を……、我は……継承した……』
カオスダークネスの放つ波動が、西宮の街を物理的に歪ませて見せた。
立ち向かうウルトラマンコスモス(エクリプスモード)だったが、カオスダークネスはループを繰り返したキョンの記憶にある「コスモスの全攻撃パターン」を完全に学習済みで、そこから攻撃を予測していた。
コスモスの拳も、脚も、光線も、すべてが見切られて逆に反撃が飛んでくる。コスモスの攻撃は当たらないのにカオスダークネスの攻撃は一方的に当たっていた。
コスモスがカオスダークネスを投げ飛ばすも、空中で体制を変えて逆にコスモスが投げ飛ばされる。
「――ぐ、あぁぁぁぁっ!!」
手詰まりになったコスモスが黄金の光、コズミューム光線を放つ。しかしその光の波動は闇の障壁に虚しく弾かれる。
必殺技を撃った直後の隙を、カオスダークネスは見逃さなかった。カオスダークネスは、前回のサイクルでコスモスを屠った「絶望の一撃」をさらに強化し、コスモスのカラータイマーを直接粉砕した。
光の巨人は、その輝きを失い、ムサシと共に砂浜へと崩れ落ちた。
「……ムサシさん!!」
キョン(俺)は、倒れたムサシに駆け寄った。
ムサシの身体はボロボロになり、その意識は風前の灯だった。
だが、隣に立つハルヒの瞳には、もはや恐怖はなかった。あるのは、俺と共に地獄を飲み込んだ者としての、不敵な覚悟だけだ。
「……ムサシさん。……俺たちに、あんたの光を貸してくれ」
俺は、ムサシの震える手を握り、もう片方の手でハルヒの手を強く引いた。
「――ムサシさん、一緒に行こう!! 未来を作るのは、神様でも宇宙人でもない、……今を生きてる、俺たちなんだ!!」
「君は、本当に強いな。」
「キョン、ムサシさん、生きるわよ。未来へ!」
三人の心が重なった瞬間、消えかけていたコスモスのカラータイマーが、見たこともない「透明な輝き」を放ち始めた。
絶望の記憶を燃料に変え、後悔を推進力に変える。未来を生きる覚悟を決めた究極の進化。
「コスモォォォォォォォォォッ!!!!!」