爆光が西宮の海岸を埋め尽くし、カオスダークネスの闇を物理的に押し返した。
光の中から現れたのは、青、赤、金、そして透明な輝きを纏った、未来を信じる希望の勇者――ウルトラマンコスモス(フューチャーモード)。
その姿は、キョンとハルヒが手を取り合う姿を象徴するかのように、力強さと慈愛と勇気、そして希望が完璧な調和(バランス)を保っていた。
『……信じられない。……絶望の記憶を、……これほどまでの……輝きに変えるとは……!?』
カオスダークネスが戦慄する。
カオスダークネスが放つ「過去の呪い」の光弾に対し、フューチャーモードは一歩も退かない。
キョンが知る「過去の失敗」は、今や「回避すべきリスク」として完全にカタログ化され、ハルヒの意志がそれを超速で「成功の軌道」へと書き換えていく。
「「――これが、俺たちの! 私たちの! 最高の『日常』への希望よ!!!」」
フューチャーモードの両手が重なり、三人の魂を込めた究極の浄化光線「コスモストライク」が放たれた。
それは、カオスヘッダーを滅ぼすための光ではない。
四度のループで蓄積された全ての絶望を、文字通り「輝かしい経験」へと昇華し、宇宙そのものを絶望から昇華させるための福音。
闇は、光に焼かれるのではなく、優しく「明日」という時間の中へ溶けていった。
カオスヘッダーという名の悪夢は、ここに救済されたのだ。
コスモストライクで浄化されたカオスヘッダーは、白く光り輝く天使のような姿に変貌していた。
「コスモス、私ヲ包ムコノ想イハ..?」
『この地を去ろう、カオスヘッダー。憎しみも争いも、もう私達に必要は無い。共に帰ろう。』
「コスモス..」
こうして、俺たちの終わらない夏はやっと幕を閉じた。
五度目のループを抜け出した世界は、驚くほど静かに、そして暴力的なまでに「今日」という時間を進めていた。
もう二度と、八月が永遠に終わらないことを嘆く必要はない。
カオスヘッダーの影に怯え、地下室で独りアラートを数える夜も、ここにはもう存在しない。
かつて「特殊能力」を持っていたはずの仲間たち――といっても、この世界線ではただの友人たちだったが――も、それぞれの道を歩んでいる。
長門は大学の研究室で静かに研究を続け、古泉は家業を継いで忙しく飛び回り、朝比奈さんはおっちょこちょいな新米保育士として子供たちに囲まれている。
そして、俺とハルヒもまた、この「不変の日常」という名の愛おしい希望を今日まで積み上げてきた。