アリエルSide
「いい主を持ったな」
アリエルは困惑したような顔をする。
狼は別に変なことは言ったつもりはない、自分の過去と照らし合わせて発言したにすぎない。
ルークもデリックも同様に困惑している。
しかし、その顔は直ぐにいつもの表情に戻る。
もう動揺しているのはアリエルだけだ。
そんな中で先程よりも少し鋭さの減った狼の眼差しがアリエルに向けられる。
「アリエル様」
「はい…」
狼はゆっくりと言葉にする
「もし道に迷い、苦しんだとしても、それは悪いことではない。
決して自分を見失わぬ限りはな…」
実体験からなる言葉には説得力があるのものだ、狼はアリエル達に忠告をしたのだ。
「自身が成すべき事は何だ…それを問い続ければいい」
アリエルはまだ言葉を飲み込めていないようだ、しかし、狼は待たない。
「それに困った時はそこの二人を頼ればよいだろう。
相手をしたから分かったことだが、魔法使いの方は腕が立つようだしな。」
それを聞いて、デリックは少しだけ狐に摘ままれた様な表情をした。
アリエルはまだ不安の中に居るらしい、先程よりもトーンが下がった声が聞こえる。
「あの」
「私は自身が王になれるとは思えません…」
「そうか…だが、それは単なる可能性の話だ。」
「…」
「すべては、なりたいかどうかだ。最初から結果が見えているなら、これは成立しない。」
「…」
アリエルは数分間黙ってしまった
「可能性が無ければ、全てが無駄に終わるだけでしょう?」
そこにまた別の声が会話に入ってくる。
「無駄って…言わせてもらうと、その言葉にはアリエル様が思う以上に価値がありますよ。」
「価値?」
「始めから全部理解するなんて出来ないんだ、無駄は必ず生まれる。」
「無駄は削るのが醍醐味って意味ですよ…削ってく感覚が気持ちいいんです。」
無駄は素材であり、削ることで価値になる。
決して諦めない信念を感じさせる言葉と、フランクで柔軟かつ軽やかな思考。
その二つの要素が、アリエルの中にあった“概念”に、わずかなヒビを入れた。
「俺も概ねコイツの意見に同意だ…」
その言葉を聞いてアリエルはふと気づく、狼の片腕が義手であることに。使い古されており、所々に小さな傷もある。それだけで彼がどれ程戦いに身を投じてきたかが分かる。
「…そうですか、私は単に同族を近場に置きたかったのかもしれません、でも今ので貴方と私には違いが分かりました。」
…
……
「暗い状況の中で私は…絶望していなかった、最初から諦めていたんです。」
事実アリエル・アネモイ・アスラは幼い頃から暗殺者に命を狙われる日々を過ごしていた。
自分の従者が命を落とした事もある、だが今や、その記憶も朧気となっている。
そんな人生を過ごす内に逆境に対して無関心になってしまったのかもしれない。
自分は捨駒として生まれてきたのだと…
そんな思いを出会って間もない相手に吐き出すのは、アリエルに取って気負わずにすむということ。
更に目の前にいるのは間違いなく自分が出会ってきた中で一番の強者である。
巨大な霊木を見ているような雰囲気と、雨風を凌げるのではという少しの安心感がある。
そして、彼の友人はまるで、その木の枝に巣を作って手本をアリエルに見せているみたいだ。
そう思うと僅かに何だが可笑しな気分にアリエルはなってきた。
「…生きている限りは、どんな道を選ぼうが私の自由でしょうか?」
「そうだ…」
アリエルの声には、まだ不安が残っていた。
それでも、何かの答えを求めているようだった。
正体不明の光に誘われながらも、心は確かに動いている。
少し前よりも、幾分か落ち着いた雰囲気になっているようだ。
「そうなのですね」
アリエルは静かに目を閉じて、小さな息を吐く。
「因みにアリエル様は何で王になろうと?」
「…その理由はまだ分かりません、此から見つけていこうかと思います」
「その日を楽しみにしておく…」
そうして、アリエル達は店から出ていった。
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狼とカルネルは城下町周辺、その繁華街の道を歩く
普段はこんなところには滅多に足を運ばない、折角来たのだから暫くここで時間を潰していくことにした。
「にしても...よかったのか?」
「…」
生きている限りは自由か…
「あぁ…問題ない」
「そうか…狼」
「何だ…」
「別れの挨拶はしておけよ?」
「分かっている」
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乾燥した砂の大地に強力な魔物が徘徊する
場面はベガリットの宿
「おいッ聞いたか!!」
「何だよ…うるせぇな」
「新しく発見された迷宮の事だよッ」
ベガリットでは近年、砂漠にできた大きな陥没によって新たなダンジョンの入口が発見されていた。
「迷宮?」
「そうなんだよッスゲェ難易度が高いらしいぞ!!」
「だから…声がデカイッ」
「…ごめん」
ベガリットでの冒険者界隈の話は今はこの話題で持ちきりだった。
「それと…もう一つ変な噂が立っててな?」
「何だよ…」
そのダンジョン…赤目のモンスターが出るってよ…
まぁ…いちよアリエルに様つけとくか、狼は一心にも様つけてたし、身分の差とかは分かる方でしょう…多分
増やして欲しい描写
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戦闘シーン
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日常会話
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今のところ問題ない