もう締め切ったんで、主は無しで行きますね
狼は家で今勉強中である、持っている本はカルネルから貰った、この世界の歴史書と地誌書だ。
この世界の歴史は殆どが闇に包まれている。
遥か昔この世界に現れた魔神ラプラスが嘗ての文明や文化を破壊して以来、その形跡は殆どが途絶えている。
物語なんかでは第二次人魔大戦で甲龍王ペルギウスという今も生きている英雄が封印したと記されている。
竜…
狼はこの世界に来てからこの言葉を見つけて、この世界にも竜(龍)がいることを知った。
話や資料で知る限り、このペルギウスという者は純粋な龍ではなく、龍族という人型の種族のようだ。
空を飛ぶ空中城塞に身を置いて、強力な精霊を従えているというらしい。
この世界で僅かな龍族は当然、野生の龍にすら狼はまだ出会ったことがない。
もし会えるなら色々と聞きたいことがあるな…
この世界に龍が存在している場所は、中央大陸北部とベガリットの砂漠にいるのが一部。
ダンジョンの難易度は魔大陸やベガリットの方が遥かに上のようだ。
前人未到のダンジョンも多いようで、未だ見ぬこの世界の歴史がそこにあるかもしれない。
龍の生体について知るなら北部に行った方がいいだろう、ベガリットや魔大陸に行けば狼が知らない知見を得られる可能性がある。
最悪食料問題や病気になっても狼は不死であるため問題ない。
どちらに行くか非常に悩ましい。
どちらが竜胤の手掛かりになるか分からない、幸い狼は不死なので時間が無限にある。
両方行けばよいか…
狼はそう決断した、一先ずは近い方から行ってみることにする。
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マリスside
狼に合った時の印象は、まず俺の強者の勘がビンビンに反応した。
明らかに只者ではない風貌、その顔つき、そしてただ歩くときでさえ、体の軸が一切ぶれていない。
カルネルから話を聞いた時は、どんなもんかと思っていたが、正直言ってあの燃え盛るような目を見た時はビビった。
そして、片腕の義手を見た...正に猛者って感じだ。
俺はデリカシーがちゃんとあるから、そこら辺は本人から言い出さない限りは質問しないぜ?
でも、言葉を交わそうにも、その時の狼は言葉も喋れず、なんと無一文だった。
まさかの外国人だったとは、当然のことながら初めはいく宛もなかった様だし、この家に泊めることになった。
そこから語学勉強の日々が始まり、数ヵ月が経過して、狼は家の手伝いや外に出て薪割りやら狩りやらをやらせた。
カルネルが偶に来て狼の先生になってくれたのは幸いだった、俺は教師とか向いてないからな。
アイツは偶に油断するけど、商人やってるだけあって俺より学があるしな。
そんなこんなで言葉もまあまあ話せるようになって、俺は狼の実力が見たくなった。
親友を助けてくれた礼って名目と俺の好奇心を満たすためにギルドの存在を教えて、そこでゾルダートと一緒に見物した。
そこからは驚きの連続
「マジか…」
イヤ~、世の中にはこんな奴もいるのか。
まるで鬼神
キングスコーピオンの群れを一人で一網打尽にしやがった。
しかも、あの流れるような剣術に思わず見惚れてしまった。
ゾルダートもそこから狼のことを気に入ったらしく、勧誘をし始めた。
そこから数ヵ月が経過して、今俺は狼に呼び出されていた。
場所は俺の家の一階の部屋
その時の俺は丁度武器の手入れをしていた。
「ベガリットや魔大陸について知りたい?」
「そうだ...」
狼から突然そんなことを言われた、何でよりにもよってそんな…
ん?狼なら別に問題ないか、っても狼は冒険者に興味があったのか。
何ら疑問はない、その技術は申し分ないからな、十分に稼いでいけるだろう。
でも問題はその先、何で態々狼は魔大陸やベガリット何かに行きたいと思うのか。
武者修行とかロマン溢れる冒険をしたいだとか、そんな奴ではないことはもう知ってる。
本人にまだ直接理由を聞いてないから不明だが、狼にそんなイメージがないんだよな。
「何故?」
「理由がいるのか?」
そう来るか…狼…
「そりゃ、ある程度は聞きたくなるもんだろ。」
そう…今のままで納得できない理由、ここではなく、そんな危険な場所に足を運ぼうとする理由を聞きたい。
すると狼は顎に手を当てて下を向いて考え始める。
考える時間は数秒
ゆっくりと顔を上げて、目線を合わせてこう言った。
「自分が成すべきことを、それに対して何処まで挑めるのか試したいのだ」
それを聞いてマリスは狼の言葉に何か信念の様なものを感じた。
そして狼の言葉に引っ掛かりを覚える。
成すべきこと?
「何を成したいんだ?」
そこからの狼の返答は早かった
「守れる命を手放さないため、後悔しないためだ…」
迷いのないその言葉はとてつもなく重く感じた。
そして、マリスはその言葉の裏には守れなかった(果たせなかった)という意味も含まれていることに気づいた。
それ程に何かを喪失したものだけが言える思いを狼はマリスに言ったのだ。
マリスはその言葉を聞いて、認識を改めて、あの時は強者の証としてしか見ていなかった狼の義手を見る。
「…」
マリスは今の言葉で納得することにした。
これ以上先は聞いてはいけないような気がしたからだ。
「わかった」
まだまだ狼について分からん事はある。
でも困った時に手を差し伸べるのは友人の仕事だ。
俺は居間に行って、席に着く。
「それで、何が知りたい。」
「まずは...魔物の種類に関して」
魔物の種類か、まずは有名どころから説明するか。
「後は言い忘れていたんだが、中央大陸北部の龍の生体について。」
中央大陸の龍?
中央大陸北部の方…
「魔大陸やベガリットに龍がいれば教えて欲しい、未踏破のダンジョンについても教えてくれ。」
多いな…俺も全部知ってる訳じゃないからな。
「魔物は主に龍に関して知りたいってことでいいか?」
「そうだ...」
中央大陸にいる龍は主に
王竜 (キングドラゴン)
中央大陸南部王竜山脈に生息する魔物。
他の竜と比べても圧倒的な巨体を持ち外皮は甲羅のようで骨肉は重く硬い。さらに重力魔術を使い、相手の攻撃を防ぎ重たい体で軽々と跳躍する。
群れでの強さは赤竜(レッドドラゴン)には敵わないが単体での強さなら最強の竜と言われている。
赤竜(レッドドラゴン)
赤竜山脈に生息する中央大陸最強クラスの魔物。単体でSランクの戦闘力を持つ。巨大な体ながら俊敏に動き、吐く炎はあらゆる生物を焼き尽くす。知能も高く、強敵を優先して排除する狡猾さを持つ。
通常は数百匹の群れで行動し、縄張りに入った獲物を大小問わず群がって食い尽くす。飛行能力が低く平地から飛び立てないため、主に山岳地帯や森林地帯に出没する。
地竜(アースドラゴン)
中央大陸北部・ビヘイリル王国の「地竜の谷」に生息する魔物。性格は温厚で基本的に谷から出ず、土魔術で穴を掘り岩壁に棲家を作る。縄張りを荒らさない限り人間を襲うことはない。
背中は岩のような甲羅で守られているが、上からの攻撃には弱い。一方、地中や下方から来る相手には執拗に反撃する。赤竜の天敵だが、生息域が大きく異なるため遭遇することはほとんどない。
青い光が見えない。
スノードラゴン
北方大地にいるSランクの魔物。
Aランクの魔物であるホワイトドレイクの突然変異で、ホワイトドレイクの二倍以上の体格を持ち、口から氷のブレスを吐き、高度な水魔術を操る。
分類上はドラゴンではないが、ドラゴンと同等の力を持っているため名前がついた。
「何か質問は?」
「…その中に不死身の存在はいたか?」
不死?
「不死身の龍なんているわけないだろ」
その時、後ろから声がする。
「マナタイトヒュドラ」
振り替えるとカルネルがいた、マナタイトヒュドラは確か、第二次人魔大戦で発生した巨大陸の消滅と共に絶滅したはずの魔物だったよな。
「今日は休みなんだ、その本は難しい専門用語もあるから、狼が何か困ってることがないかと思ってね。」
「マナタイトヒュドラとは何だ…」
カルネルは狼に第二次人魔大戦について読んだか訪ねる。
「この世界で起こった人と魔神ラプラスの大戦争のことだな…」
「そう…その時に滅んだ龍の事だよ、不死かどうかは知らないけど、伝説によれば何度頭を落としても復活するらしいよ。」
「頭を落としても死なない」
それを聞いて狼は獅子猿を思い浮かべた。
「それこそ今の世界で倒した奴は英雄だろうよ」
そうマリスは言った。
「ってか、既に絶滅した龍のこと言っても意味ねぇよ」
マリスは狼が知りたがっていることをカルネルに教えた。
「へぇ…急に本を貸してくれないかなんて言うから、持ってるやつを貸したり、新しく買ってあげたりしたけど。」
何かカルネルって狼に結構甘いよな…
まぁ命の恩人なら当然か。
「それと龍と言えば七第列強の龍神と歴史に名を残してる甲龍王ペルギウスだよね」
「七第列強、男なら誰しも目指したくなるもんだよな…」
カルネルは「そうかな?」っと言って異を唱えるが、狼はその話しに興味があった。
主に龍と名の付く存在だからというのが理由、しかも神の名を冠している。
「龍神は七第列強の2位にいる龍族でな、その人物像は謎が多くて俺も詳細は知らない。」
「そうか…そいつは気になるな」
龍族の寿命は長いと狼は知っている、何百年前に第二次人魔大戦で勝利を収めた、同じ龍族のペルギウスが未だに生きているのだから。
もし今も何処かで生きているのなら、その知識や技術はかなりのものかもしれない。
あと狼が聞くことはダンジョンの事だけ。
カルネルやマリスの口から出たのはベガリットにある迷宮ラパンというダンジョンだった。
誰も攻略したことのないダンジョンらしい。
「今までの質問からして狼は冒険者を目指すのかい?」
「そうだ...」
カルネルはそれを聞いて少しだけ黙ってしまった。
増やして欲しい描写
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戦闘シーン
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日常会話
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今のところ問題ない