星ちゃん達といっしょ   作:苦虫ドラン

1 / 1
星ちゃんかわいいよ星ちゃん。


プロローグ---星ちゃんじゃ抜けない

 世界救ったら氷漬けにされて捨てられた!

 どうも一般勇者707号ことステラだよ!

 滅びかけた世界に転生して707番目の英雄に選ばれた俺は、全身腐った体長7メートルほどのウサギを倒して世界を救った!

 前いた世界での思い出はそんなとこだ。その前は日本っていう国にいたよ。聞くも涙語るも涙の大恋愛の末に結ばれた彼女とのデートの後、自宅のマンションのエレベーターで異変が起こり、腐った動物が徘徊しているヤバい世界に飛ばされた。長いって? あんま思い出したくないから一気に語ってるんだ許して。って、俺は誰に説明してるんだろな。

 そんなこんなで俺はろくでもない運命に招かれ、救いようのない腐った世界を経て今いる場所に辿り着いた。

 武器は剣ね。伸びる日本刀。これもう日本刀じゃないよね。普段は日本刀なんだけど闘うと伸ばせるんだ凄いよね。

 

 

「ねえ、スーシェン。スーたん。スーちゃん。スーぽん」

「なんだい(せい)ちゃん」

 

 普段は流浪の流離人みたいな格好をしてます。仙舟(せんしゅう)っていう古代中国みたいな服装文化のとこで見繕ってもらいました。

 今、話しかけてきたのは(せい)ちゃんというお姉さんです。年齢不詳。見た目は俺よりも少しだけ年上な感じがします。

 

「コレ見て。ぶさけてる」

「なになに。最近ウワサの女の子、星ちゃん。あんなに見た目が良いのになぜだろう、星ちゃんじゃ抜けない……って何これ。なんで自分の名前検索してるの。そしてこのページはなんだ。にちゃんねるみたいなやつか?」

「にちゃんねるってなに?」

「前いたとこにあったネット上の掲示板」

「ほえ〜」

 

 場所は列車の中です。

 しかし驚くなかれ。列車は列車でも銀河を走る星穹(せいきゅう)列車だ。凄い豪華な鉄道列車で、こいつに乗ってれば宇宙を旅することができる。

 俺は()()()()()()()()()()()()()()()()、さらに氷漬けにされて宇宙を彷徨っていたそうだ。そんな俺を拾ってくれたのがこの列車の方々で、列車組とかいう呼ばれ方をしている。あとはナナシビトとか。意味は聞いたけど忘れた!

 星ちゃんが加わったのは俺が入った直後だ。

 立ち寄った宇宙ステーションが襲撃されてる最中、なんか知らんけどその辺に落ちてた。仲間のひとりが人工呼吸しようしたんだけど、俺は全力で止めたよ。間違いなく生きてるから俺にやらせろってな。まあ、そん時にはモゴモゴ言いながら目覚めてたから、どっちみちあそこではチューとかできなかったわけだが。

 

「抜けないってなんかムカつく。尊厳を踏みにじられた気分だ」

「悔しがるとこじゃなくない?」

「見ず知らずの醜男共にネタにされるのは鳥肌がやばい。でも、かといって抜けないって笑いものにされるのは我慢ならない。みんな私の体を見て笑ってたんだ。私は裏切られた」

「街中でゴミ箱漁ったりするからだろ。だからその他の活躍よりもゴミ箱女の印象の方が強くなるんだ」

 

 この星ちゃん。超絶美少女だ。黙ってれば頭良さそうな美人。キリッとしてるし金の瞳はくりっくりだし、灰色のセミロングの髪はめっちゃ良い匂いがします。

 ちょっとヤンチャっぽい服装が良くお似合いで、だぼついた白のタートルネックは程よく肉感的な感じがします。黒いロングコートはひらひらしてます。ミニスカートから伸びる脚はすっごいしなやか。ガーターベルトに締め付けられている太ももは真っ白です。

 以上。星ちゃんの外見でした。

 普通にいい女なんだよな。街中のゴミ箱漁ったり凍りついた柵を舐めたりしなければ。本人曰く「私は衝動の奴隷」。意味がわからん。

 

「あ、スーちゃんのことも書かれてるよ。スー太郎は雲璃(うんり)がお似合いだって」

「どういうことだよ。俺、雲璃(うんり)ちゃんに嫌われてるから、それあの子に話すのやめてね。雲を切るとか言って襲いかかってくるから」

 

 雲璃ちゃん。裸足で歩き回っていることが多いのに、足には傷ひとつついていないやばい少女だ。仙舟同盟っていう巨大勢力の中でも上位クラスの強い剣士でもある。

 初対面で運悪く胸の隙間に顔突っ込んじゃって、それから殺意を向けられ続けている。あれは仕方なかったと思う。理不尽だ。あんな際どい格好してる方が悪いんだろ。

 

「それから、すー三郎はヘルタ人形達の実験台……なにこれ?」

「知らん。つーか実験台はあいつらだろ。どいつもこいつも同じ顔しやがって。いつか着せ替えしてやるんだ」

「やめておいた方がいいと思うよ。社会的信用を失うから」

「いきなりクソ真面目になるのやめて」

 

 星ちゃんは今日も饒舌だ。何考えてるのかさっぱりわからん。

 

「キラキラ、キラキラ」

「ん? なに、なんなの。何が起こってるの」

「キラキラ……惑星達が……きらめいて、私達の心を……洗い流す……円環(えんかん)……」

「たまに謎のポエムに目覚めるよね。どうしたの何かあった?」

「いや、詩人っていいなと思って。密かに練習してるんだ。ノートも作ったよ」

「そっか。見せなくていいからな」

 

 さて、これは何の話だっけか。

 ああそうだ、星ちゃんで抜けるか抜けないか。毎日のようにこういう会話をしてると、たしかに抜けないような気がする。見た目は良くても喋って動くともうダメだ。

 黙ってじっとしてれば美人。

 いや黙れ何もすんな美人って感じか。

 静かに隣で寝ててくれれば目の保養にはなると思うな。だって何より顔がいいから。

 

「そういや姫子さん達は? 車掌ちゃんは?」

「スーちゃんは寝てて聞いてなかったけど、みんなで歌を歌うって言ってたよ。どこかで歌ってるんじゃないかな」

「雑な説明ありがと星ちゃん。星ちゃんは歌わなくていいのかい?」

「まあ、この激情を歌に乗せてもいいんだけど、スーちゃん寝てたしね。起きた時に独りだと寂しいから。それにほら、私は君にお金を借りなきゃいけないし」

 

 諸々置いといて、なんだって?

 金? また金欠なったのこの子。かなり高頻度で有り金全部なくなってるんだけど、どんな金銭感覚だよ。

 

「まあそれは後でいいや。久しぶりにベロブログの爆弾エビ食べに行かない? あれ好きなんだよね、歴史を感じる」

「久しぶりっていうかこの前食べたばっかだし、売られ始めたのも最近だぞ」

「どうでもいいよ。なんでもいいからお腹すいた」

「お前ほんとさあ、だから黙れ美人って言われるんだって」

「誰がそんな酷いことを」

「俺だよ」

 

 さて、スーシェンこと俺は、こうして銀河の旅を楽しんでおります。今は次の行き先を選定中で暇です。だから爆弾エビ食べに行くのは構わないけど、星ちゃんお金ないよね?

 

「大丈夫。後で借りるから」

「心を読むな」

 

 こんな星ちゃんで抜けるのか否か。

 最近、星ちゃんのファンたちの間でちょっとした議論になってるみたいです。俺もそろそろ本気で考えてみたいと思う、今日この頃であります。とりあえずこの前行った定食屋で使った金返せ。まさか渡した財布の中身をスッカラカンにするとは思わなかったよ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

西風への旅の中で(作者:不穏パロスを壊滅したい)(原作:崩壊:スターレイル)

 とある輪廻の中で突如生じた変数による物語。あったらいいなあこんなこと。ただただトリスビアスがいい子過ぎてどうにもならなかった。トリアンが中心のお話です。運命の三つ子がただの子供になれる相手がいたらいいなって。


総合評価:263/評価:8.5/連載:2話/更新日時:2026年05月08日(金) 09:03 小説情報

仮面の玩具(作者:スタレニワカ)(原作:崩壊:スターレイル)

▼ 昔々、楽しく仕事をしていたオリ主君は突然、仮面の丸い変な塊に目をつけられてしまった。▼ そこから絡まれる受難。▼ 久しぶりに帰る、お家。▼ ノンデリ娘にゴミ箱娘!ついでにラブリー(笑)娘な花火ちゃん。▼ さあ、どうなる!君の明日は暗いぞ!!


総合評価:27/評価:-.--/連載:2話/更新日時:2026年03月02日(月) 11:43 小説情報

終焉に愛された子は開拓の旅を歩むか?(作者:Jr.404)(原作:崩壊:スターレイル)

 自身の世界を滅ぼす元凶である崩壊を止める為、英雄はその厄災を抱え共に自身の故郷を大切な仲間や家族達を守る為に宇宙へ去る。▼ 長き年月が経ち、宇宙の間を彷徨い続けた英雄の子は自身が全く知らない未知なる外宇宙の世界に迷い込み、その世界の住人達と関わる旅をすることとなる。それは果たして新たなる未開の地への開拓か...それとも自身が故郷への帰路の旅か。▼※本作は作…


総合評価:361/評価:8.29/連載:6話/更新日時:2026年05月10日(日) 21:32 小説情報

『あなた』がスタレキャラと仲良く(意味深)なっちゃった!(作者:ザワザワする人)(原作:崩壊:スターレイル)

『あなた』と崩壊スターレイルキャラとのお話です。▼星、穹の主人公達とのカップリングではありません。ご了承ください。▼書いて欲しいキャラとか推しとか好きな展開とかシチュエーションがあったら是非とも感想で教えていただけると幸いです!多分書きます!▼こちらでコメントしていただけると幸いです!▼https://syosetu.org/?mode=kappo_view…


総合評価:602/評価:8.2/連載:9話/更新日時:2026年04月04日(土) 09:26 小説情報

月神とヤカマシシロウサギ(作者:ちちりを集める妖精)(原作:原神)

生まれたばかりの月神と、勝手にその使いということにされていた転生シロウサギの話。


総合評価:77/評価:-.--/連載:1話/更新日時:2026年02月13日(金) 07:31 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>