星ちゃん達といっしょ 作:苦虫ドラン
世界救ったら氷漬けにされて捨てられた!
どうも一般勇者707号ことステラだよ!
滅びかけた世界に転生して707番目の英雄に選ばれた俺は、全身腐った体長7メートルほどのウサギを倒して世界を救った!
前いた世界での思い出はそんなとこだ。その前は日本っていう国にいたよ。聞くも涙語るも涙の大恋愛の末に結ばれた彼女とのデートの後、自宅のマンションのエレベーターで異変が起こり、腐った動物が徘徊しているヤバい世界に飛ばされた。長いって? あんま思い出したくないから一気に語ってるんだ許して。って、俺は誰に説明してるんだろな。
そんなこんなで俺はろくでもない運命に招かれ、救いようのない腐った世界を経て今いる場所に辿り着いた。
武器は剣ね。伸びる日本刀。これもう日本刀じゃないよね。普段は日本刀なんだけど闘うと伸ばせるんだ凄いよね。
「ねえ、スーシェン。スーたん。スーちゃん。スーぽん」
「なんだい
普段は流浪の流離人みたいな格好をしてます。
今、話しかけてきたのは
「コレ見て。ぶさけてる」
「なになに。最近ウワサの女の子、星ちゃん。あんなに見た目が良いのになぜだろう、星ちゃんじゃ抜けない……って何これ。なんで自分の名前検索してるの。そしてこのページはなんだ。にちゃんねるみたいなやつか?」
「にちゃんねるってなに?」
「前いたとこにあったネット上の掲示板」
「ほえ〜」
場所は列車の中です。
しかし驚くなかれ。列車は列車でも銀河を走る
俺は
星ちゃんが加わったのは俺が入った直後だ。
立ち寄った宇宙ステーションが襲撃されてる最中、なんか知らんけどその辺に落ちてた。仲間のひとりが人工呼吸しようしたんだけど、俺は全力で止めたよ。間違いなく生きてるから俺にやらせろってな。まあ、そん時にはモゴモゴ言いながら目覚めてたから、どっちみちあそこではチューとかできなかったわけだが。
「抜けないってなんかムカつく。尊厳を踏みにじられた気分だ」
「悔しがるとこじゃなくない?」
「見ず知らずの醜男共にネタにされるのは鳥肌がやばい。でも、かといって抜けないって笑いものにされるのは我慢ならない。みんな私の体を見て笑ってたんだ。私は裏切られた」
「街中でゴミ箱漁ったりするからだろ。だからその他の活躍よりもゴミ箱女の印象の方が強くなるんだ」
この星ちゃん。超絶美少女だ。黙ってれば頭良さそうな美人。キリッとしてるし金の瞳はくりっくりだし、灰色のセミロングの髪はめっちゃ良い匂いがします。
ちょっとヤンチャっぽい服装が良くお似合いで、だぼついた白のタートルネックは程よく肉感的な感じがします。黒いロングコートはひらひらしてます。ミニスカートから伸びる脚はすっごいしなやか。ガーターベルトに締め付けられている太ももは真っ白です。
以上。星ちゃんの外見でした。
普通にいい女なんだよな。街中のゴミ箱漁ったり凍りついた柵を舐めたりしなければ。本人曰く「私は衝動の奴隷」。意味がわからん。
「あ、スーちゃんのことも書かれてるよ。スー太郎は
「どういうことだよ。俺、
雲璃ちゃん。裸足で歩き回っていることが多いのに、足には傷ひとつついていないやばい少女だ。仙舟同盟っていう巨大勢力の中でも上位クラスの強い剣士でもある。
初対面で運悪く胸の隙間に顔突っ込んじゃって、それから殺意を向けられ続けている。あれは仕方なかったと思う。理不尽だ。あんな際どい格好してる方が悪いんだろ。
「それから、すー三郎はヘルタ人形達の実験台……なにこれ?」
「知らん。つーか実験台はあいつらだろ。どいつもこいつも同じ顔しやがって。いつか着せ替えしてやるんだ」
「やめておいた方がいいと思うよ。社会的信用を失うから」
「いきなりクソ真面目になるのやめて」
星ちゃんは今日も饒舌だ。何考えてるのかさっぱりわからん。
「キラキラ、キラキラ」
「ん? なに、なんなの。何が起こってるの」
「キラキラ……惑星達が……きらめいて、私達の心を……洗い流す……
「たまに謎のポエムに目覚めるよね。どうしたの何かあった?」
「いや、詩人っていいなと思って。密かに練習してるんだ。ノートも作ったよ」
「そっか。見せなくていいからな」
さて、これは何の話だっけか。
ああそうだ、星ちゃんで抜けるか抜けないか。毎日のようにこういう会話をしてると、たしかに抜けないような気がする。見た目は良くても喋って動くともうダメだ。
黙ってじっとしてれば美人。
いや黙れ何もすんな美人って感じか。
静かに隣で寝ててくれれば目の保養にはなると思うな。だって何より顔がいいから。
「そういや姫子さん達は? 車掌ちゃんは?」
「スーちゃんは寝てて聞いてなかったけど、みんなで歌を歌うって言ってたよ。どこかで歌ってるんじゃないかな」
「雑な説明ありがと星ちゃん。星ちゃんは歌わなくていいのかい?」
「まあ、この激情を歌に乗せてもいいんだけど、スーちゃん寝てたしね。起きた時に独りだと寂しいから。それにほら、私は君にお金を借りなきゃいけないし」
諸々置いといて、なんだって?
金? また金欠なったのこの子。かなり高頻度で有り金全部なくなってるんだけど、どんな金銭感覚だよ。
「まあそれは後でいいや。久しぶりにベロブログの爆弾エビ食べに行かない? あれ好きなんだよね、歴史を感じる」
「久しぶりっていうかこの前食べたばっかだし、売られ始めたのも最近だぞ」
「どうでもいいよ。なんでもいいからお腹すいた」
「お前ほんとさあ、だから黙れ美人って言われるんだって」
「誰がそんな酷いことを」
「俺だよ」
さて、スーシェンこと俺は、こうして銀河の旅を楽しんでおります。今は次の行き先を選定中で暇です。だから爆弾エビ食べに行くのは構わないけど、星ちゃんお金ないよね?
「大丈夫。後で借りるから」
「心を読むな」
こんな星ちゃんで抜けるのか否か。
最近、星ちゃんのファンたちの間でちょっとした議論になってるみたいです。俺もそろそろ本気で考えてみたいと思う、今日この頃であります。とりあえずこの前行った定食屋で使った金返せ。まさか渡した財布の中身をスッカラカンにするとは思わなかったよ。