そしてたぶんこれからは月一投稿になると思います。だから話の進捗はめちゃくちゃ遅くなるかもです.........
「これより!千葉一怖い肝試しを開催する!」
あたりはすっかり暗くなり肝試しにピッタリな雰囲気になった。そして俺、彩加、八幡は小学生たちの前に立つ
「.....あれ、男子は?」
「ちょっと諸事情で男子と女子の肝試しの時間をずらさせてもらった」
これは嘘。この偽の肝試しが終わったあと本物の肝試しを行う。そん時は思い切り怖がらせるから覚悟しろ。平先の説得のおかげで得ることができた30分、ここで留美からの依頼を完遂させる。つっても俺たちは主に見守ることに徹するだけなんだがな
「それじゃあさっそくさっきの班で固まってくれ.....と言いたいところだが」
「「「「「........?」」」」」
「お前らには今から別の班を組んでもらう。もちろん今の班員と組むのは無しだ」
「...........ッ」
俺がそう言うと留美と一緒に組んでいた希の顔が青ざめる。なるほど...4人の中で希だけは気づいていたらしいな
「それじゃあ2分で5人班を組んでくれ。よ~い、スタート!」
俺が手を叩くと小学生たちは移動し次々に班を組んでいく
「スミレ~!一緒に組もう!」
「奈々...!あ、歩美ちゃんもよかったら一緒にどう?」
「うん。それと私もあと一人誘いたい人がいるんだけどいいかな?」
「お、いいぞ~!」
「それじゃあ....
留美ちゃん、一緒に行こ?」
「う、うん...!」
歩美は留美の手を引き奈々とスミレたちに近づく。......本当によく頑張ったな、留美。決して楽なことではなかっただろうに
「さて.....そろそろ時間がない訳なんだが」
俺はそこでポツンと立っている4人に声を掛ける
「どうした?昼組んだ班は一旦解散って言っただろ?優香、仁美、希、満里奈」
「だ、だって...一緒に行こうって言っても誰も....」
「そんなんあたりまえだろ」」
しどろもどろになっている4人に一人の女子が近づく
「ゆ、柚子....」
「誰が好き好んでアンタらみたいな性悪と組むか」
「だ、誰が」
「人をハブって笑ってソイツが少しでも目立てば陰口ざんまい。確かこんな感じだったよね....アンタたちが最初にあたしをハブり始めた時って」
柚子の言葉を聞いて留美含めて心当たりがある女子たちは顔を俯かせる
「あの時味方になってくれたのはすみれ、奈々、歩美、理子の4人だけだった。そんでアンタら次はあたしの味方してくれた4人をのけ者にしてったよな?」
「え、そうなのか!?」
「奈々、ちょっと黙って」
「はあ....」
理子はため息をついて柚子の横に立つ
「それでそのアンタたちのハブリ?はどんどんエスカレートしていって最近は鶴見も最近ハブリ始めたよね」
「...ッ、そうだ鶴見...!鶴見だってアンタたちを無視してたじゃない!なんでソイツだけ...!」
「そうだね。確かに鶴見もアンタたちと同じだった。私自身もまだ完全に許しているわけじゃない」
「そうでしょ...だったら...!」
「でも留美ちゃんは今日の自由時間女子全員に謝って回ってた!」
歩美が力強くその言葉を発する
「一人一人に頭を下げて真剣に真摯に私たちに謝ってくれた...」
「は....?」
「あたしも理子と一緒でまだアイツを許したわけじゃない。でもアンタたちより遥かにマシ」
そう。留美は今日の自由時間を削って自分の気持ちをクラスの女子全員に伝えに行った。本来これは俺が今日の肝試しを始める少し前に伝えるはずの汚い言い方をすれば作戦だった。だが彼女は自分から進んで女子たちに謝罪して回ったんだ。許してほしいからでもハブられて辛いからでもなく、ただ今までのことをどうしても謝りたかったから。もちろん柚子や理子の言う通り全員が留美を許したわけではない。けれど留美の謝罪を受け確かに彼女のことを許した子がいた。そしていま
「周りを見てみなよ。人のことを散々ハブって来たアンタらが今はアタシたち全員にハブられてる」
「アンタたちは誰かをのけ者にしてたんじゃない。自分たちを孤立させてただけなんだよ」
「「「「.......ッ」」」」
周りの女子は4人を白い目で見る。だがこれは4人が招いた結果。謂わば
「因果応報だ。お前ら」
「あ.....」
「海斗君..」
「これでわかっただろ?自分たちがどれだけアイツ等を傷つけてきたか....お前たちの行動によってアイツらどんな思いをしたのか」
寂しいだろ。理不尽だろ。辛いだろ?だけどそれをお前らはやってきた。到底許されることじゃねえ
「もちろんこれはお前ら4人だけに言えることじゃねえ。ここにいるほとんどが誰かを傷つけてきた。反省しろよ」
周りにいる女子も思うところがあったのかほとんどがゆっくり頭を上下する
「さて...」
「....ッ」
「優香!」
この空気に耐えられなくなったのか優香がロッジへと走りだす。だがそんな彼女の前にゆーちゃんと雪ノ下が立ちふさがる
「逃げたてもなにも変わらないわよ」
「いい加減自分がやらかしたことと向き合えっての」
「くっ......」
「ねえ、優香」
「鶴見...」
留美は優香に近づく
「今ならまだ間に合う。だから...」
「うるさい!」
優香は留美の頬を思い切り叩く
「おい...!」
それを見た八幡は優香を止めるべく動こうとする。だが俺はそれを.......
『これは私たちが解決しないといけない問題。だから海斗たちはただ私たちを信じて見守っていてほしいの』
クソッ...!
「待て」
「こうなった以上止めるべきだろ...!」
「ダメだ」
「だが...」
「八幡」
「......!」
「頼む」
「.....わかった」
八幡はしぶしぶ頷き静観を貫くことにした
「留美ちゃん!」
「大丈夫だよ。歩美」
心配する歩美に留美は笑顔で応える
「私はずっと間違ってた。友達だから......仲間外れになるのが怖かったからずっと雰囲気に流されて皆を傷つけてきた。そしていまそれが巡り巡って今度は優香たちを傷つけてしまっている」
「何言って....」
「友達だからこそ止めてあげるべきだったんだ。私がもし柚子を孤立させた時から優香たちに一声かけられていたらこんなことならなかったのかもしれない」
「鶴見、アンタ」
柚子は留美の言葉に驚きを隠せないでいた
「優香、仁美、希、満里奈。本当にごめんなさい。そして皆も本当に」
「謝らないで留美ちゃん!」
「.....希」
留美の言葉を聞き希は涙を流しながら近づく
「違う...!違うよ!こんなことになったのは留美ちゃんのせいなんかじゃない!私なの.....私が臆病だったから....歩美ちゃんも柚子ちゃんも....みんなを傷つけてたの!だから....」
「希.」
「希だけじゃないよ。私も....ふざけ半分でみんなのことを傷つけた。本当にごめんなさい....」
「アタシも....皆に当たってて日々の鬱憤を晴らしてた。ごめん」
希、仁美、満里奈は一斉に頭を下げる
「アンタたち...!」
「優香、私たち間違えてたんだよ。だからこんなこともうやめよう?」
「私たちはこんなにたくさんの人を傷つけてた。だから...」
「優香ちゃん...」
優香はこの空気に耐え切れなくなったのか再びロッジへと走り出そうとする。だがそれを留美が前に出て阻止する
「ダメ、ダメだよ優香」
「どいてよ」
「どかない」
「なんで......」
「もしここで優香を行かせたら.....今度は優香が独りになっちゃうから」
留美は優香の手をゆっくり取る
「なんでよ....こんな私なんか....もう放っておけばいいじゃないッ....」
「さっきも言ったでしょ。私は優香の友達。貴方がそう思っていなくても私は優香とそうでありたいの」
「鶴見...」
涙を流す優香を隠すように留美は彼女を抱き寄せる
「こんな私をまだ友達って思ってくれるの?」
「うん....」
「アンタをハブって追い詰めてたのに?」
「.....うん」
「...........ッ、私も留美とまた......みんなと..........私まだやり直せるかな.....?」
「うん.....!」
留美が頷くと優香は深呼吸をし留美から離れクラスメイトの方へと顔を向ける
「皆さん、今までごめんなさい。皆のことを傷つけて本当にごめんなさい....!」
優香は深々と頭を下げ謝罪を述べる。それに続き留美、仁美、希、満里奈も頭を下げる
「今さらでしょ、そんなの」
「本当にそれ。私はアンタたちがやってきたこと絶対に忘れないから。ねえ、仁美?」
「希ちゃん、やっぱり私まだ希ちゃんのこと怖い」
「悪いけどもう満里奈と仲良くするビジョンが見えないんだよね」
「アタシももう優香を友達とは思えない」
「鶴見さん......悪いけど私、貴方の事まだ信用できない」
「「「「「..........ッ」」」」」
その謝罪を受け入れない子はやはりいるらしくその子たちは優香たちに冷たい現実を突きつけていく
「ま、あいつらが言ってることは何も間違ってない。アタシとしてもまだアンタらの顔を見てると腸が煮えくり返りそうだし」
顔を俯かせる5人に柚子、歩美、理子、奈々、すみれが近づく。だが柚子たちの表情はどこか穏やかですっきりした様子だった
「けどまあ......アンタらと違ってアタシは優しいからな.....友達とまでいかなくても話し相手ぐらいならなってやるよ.......そもそもなんでアタシが優香に標的にされたのかも気になるし」
「アタシはべつになんとも思ってないぞ!それよりちゃんと悪いことを謝れてえらいかったな!」
「あのね奈々......はあ、まあ私としてもさっきの謝罪は嘘ではないと思うから....これからは普通に仲良くしていきたいな」
「私は柚子と同じかな。まだ完全に許せはしないけど最低限のコミュニケーションは取っていくつもり」
「.......留美ちゃん」
歩美は留美に話しかける
「なに?」
「正直、私は留美ちゃんを傷つけた優香ちゃんたちをまだ許すことはできない」
「......歩美」
「でも、留美ちゃんにとってあの四人は大切な友達なんだよね」
「うん」
「そっか...」
留美が力強く頷いたのを見て歩美は安心した表情を浮かべる
「だったら私も信じてみようかな」
「.....ありがとう」
留美と歩美は互いに笑いあう。それだけじゃない、優香たちも若干のぎこちなさはあるがクラスメイトと普通に会話できている。それにさっき5人を拒絶した子たちもチラチラと留美たちを見ている。.........ここからはアイツら次第だな
「理子、アタシらのグループってあと何人足りないんだっけ」
「一人かな.....え、柚子それ本気?」
「.....本気」
「まあ、柚子がいいなら私はいいけど.......」
「よし。優香アタシらの班来いよ」
「え......」
柚子は優香に手を差し出す
「いいの...?」
「班員が揃わないといつまで経っても肝試し始まらないだろうが,,,,ほら」
「う....ん....」
柚子は優香の手を取り班の方へと歩いていく
「あれ、なんでもう女子がいるんだ?」
「あ.....」
タイミングがいいというかなんていうかちょうど30分が経経ったらしく男子たちが合流する
「柚子さん」
「裕也」
「えっと、その.....その服すごく...似合ってるね/////////」
「お、おう。ありがとな」
「............ッ」
優香のその反応.....もしかして
「あ~、なるほどね」
「そういうことだったんだ...」
理子と歩美は何かを察する
「優香さんが彼女を最初の標的にした理由が分かった気がするわ」
「それであの子と仲が良かった子たちも徒党を組んでたわけか。それでいつの間にかそれが変な風にこじれてこんなことに」
「やり方は良くなかったけど...あの子の気持ちちょっとわかるかも」
「....あーしも」
ああ。やり方は本当に良くなかった。だが今回の根底にあったのは誰しもが持つ一つの恋心だった。だからこそこれ以上状況を悪化する前に止めることができてよかった。それも全部
「なあなあ!アタシたちも鶴見のこと留美って呼んでいいか!?お前もアタシの事、奈々って呼んでくれよ!」
「私はスミレって呼んでね」
「うん。よろしく奈々、スミレ」
「よろしくな、留美!あ、なあなあ!留美ってパケモンやってる?」
「やったことない。...でも少し興味があって」
「だったら今度一緒に........!」
留美、本当に......本ッ当によく頑張ったな
「まったく俺、ここに来てから何回言ってんだよこの言葉」
「ねえ、裕也」
「理子さん?」
「柚子もだけど優香の服はどうよ?」
「うえ!?/////////」
「優香さんのも可愛いね。妹が読んでるモデルさんにそっくり」
「だってよ優香。よかったね~」
「あ、ありがと///////////」
それにしても裕也.....お前意外とすみに置けない野郎だな
「これで解決したのかしら?」
「ああ。完全ってわけじゃねえが少なくともこれで誰かが誰かを孤立させることはもうないだろ。まあそれもアイツ等次第になってくるけどな」
「きっと大丈夫だよ」
「そんなことここにいる誰よりもわかってるだろ?」
「まあな」
当たり前だろ。アイツ等が全員まだまだ子供で幼くてそして心優しいことは俺が一番よく知ってんだ!だからもうきっと...いや、絶対大丈夫だ!
「それにしても今回私たちの出番はなかったわね」
「別にいいだろ。俺たちの手を必要としないに越したことはねえんだから」
「な~に言ってんだお前ら。むしろ本番かこっからだろうが」
「「は....?」」
まったく暑さでちょっとボーっとしてんじゃねえのか?俺たちの出番はこっからだろうが
「お前ら、集合!」
俺が声を掛ける
「これより千葉.......いや、日本一怖い肝試しを開始する!てめえら!怖がる準備はできているか!」
八幡side
肝試しが終わり今俺たちはキャンプファイヤーで火を囲んでいる。小学生は男女かかわらずはしゃいでおり至る所から楽しそうな声が聞こえる。だがそんな中
「優香さん、手いいかな?」
「う、うん/////////」
先ほどの女子が意中の相手とフォークダンスをしておりそれを一部女子がニヤニヤしながら見ている。一方
「.........」
「どうした、ゆーちゃん?なんか顔赤くね?」
「.......うっさい/////////」
アイツ.....鋭いのか鈍いのか本当によくわからん
「海斗」
「留美」
三浦とのダンスも終わり海斗は鶴見の手を優しく握りリードする
「...ありがとう」
「ん?」
「海斗たちのおかげで全部がうまくいったよ。本当にありがとう」
「そうだな。だがそれも全部お前が勇気を出したからだ。俺たちはなにもしてねえよ」
そのとおりだ。俺たちは確かに鶴見から依頼を受けたが実際の所俺たちは何もしていない。全てを丸く収めたのは俺たちじゃない、お前だよ鶴見
「ううん。もし海斗や八幡たちがあの時話しかけてくれなかったらずっとあのままだったと思う.....皆が....海斗が私に勇気をくれたから私....」
「もういいって....」
海斗は鶴見の頭をがしがしと撫でる。鶴見はそのことに文句を言うがまあ、今回は許してやってくれ。アイツ、すげえ顔赤くなってるからな........ていうか俺の名前呼び捨てかよ、べつにいいけど
「留美ちゃん~!」
「あ.....」
「行ってこい」
「....うん!」
鶴見は笑顔で頷きクラスメイトの方へと走っていく
「お前はすごいよ、鶴見」
「ヒッキー....」
「由比ヶ浜?」
「えっと,,,,その、せっかくだったらアタシたちも踊らない?」
「え........」
「ダメ...かな?」
その顔やめろ........勘違いするだろうが
「いや、そうだな。せっかく......だからな」
「....!うん!」
由比ヶ浜は俺の手を握る。やば、いま手汗やべえかも
「海斗、楽しいね!」
「そうだな」
「海斗さん!次は小町とお願いしま~す!」
「おう!」
アイツ...!部屋帰ったら覚えてろよ
「ねえ、雪ノ下さん」
「なに?」
「よかったらさ、下の名前で呼んでいい?」
「.......え?」
「前は色々あったけどさ、この合宿で一緒に過ごして楽しかったって言うか...もっと仲良くなりたいって思ったんだよね。だから」
「構わないわよ。私としても三浦さんと一緒に過ごした時間はとても楽しいものだった。それでもしよかったら......これからも仲良くしてくれると助かるのだけれど」
「もちろん!それじゃあ改めてよろしくね、雪乃!」
「ええ。三浦......優美子さん」
あの二人、本当に仲良くなったな
「あああ、優美子だけずるい!ゆきのん!アタシも下の名前で呼ばれたいです!」
「え、ええ。.........結衣さん」
「わーい!」
あの日からは考えられない光景だな。そして時は経ち閉会式を行うためか先生たちが集まってくる
「さて、皆さん。そろそろキャンプファイヤーの閉会式を....」
「ちょっと待った!」
校長の言葉を遮り海斗はキャンプファイヤーの中央へと立つ
「お前らせっかくの林間学校の締め.....なにか忘れていねえか!?」
海斗は巨大な打ち上げ花火を置く
「浅草にいる花火職人の国弘じいさんにもらったこの超巨大打ち上げ花火でお前らの林間学校の締めくくってやるぜ!」
小学生たちはその言葉を聞き目を輝かせる
「その前にお前らに一つだけ伝えたいことがある」
さっきのテンションとはまるで違う空気間が流れる
「お前らはそろそろ小学生から中学生になる。そうなるとなこれまでの6年間とは比較にならない高く険しい壁がお前らに襲い掛かってくる」
「「「「「............」」」」」
「時にはその壁に押しつぶされて涙を流したり、大きな傷を負ったりする。もう立ち直れないんじゃないか、自分はもうダメなんじゃないかってな」
海斗の言葉を小学生たちは真剣に聞く
「だが安心してくれ!もし!お前らが押しつぶされそうになったら俺のところに来い!」
「「「「「.............ッ」」」」」
「そんときゃ俺が絶対にお前らを支えてやる!何回、何百、何万回だってな!」
「海斗....」
「まあ、要するに」
「お前らは一人なんかじゃない!お前らには俺がいる、そのこと忘れんじゃねえぞ!いつでも頼ってきやがれ!!!!!!」
小学生たちに向けたはずの言葉。その言葉が俺の心に確かな熱を与えた。..........何を言ってるんだ?軽々しくそんなことを言うべきじゃない。過度な期待を抱かせるな、それでお前でもどうにもならなかったらどうするつもりだ。無責任なことを言うな。............って、以前の俺だったら思っていただろうな。だが不思議だ
「とんでもなく無責任な言葉。.......でも不思議と悪い気はしないわ」
「俺もだ」
アイツがああいうと不思議と安心しちまう。それはどうやら雪ノ下やほかのやつらも同様なようだ
「だが!恋愛とか難しい教科の話はやめてくれ~!」
「はあ、かーくんの馬鹿」
「しまらないな」
「アハハ.....」
アイツ、最後に余計なことを.........しまらねえ。小学生たちも全員ずっこけてたぞ
「海斗兄、さすがに今のはダサい」
「海斗君、かっこわるい」
でも全員笑っている。小学生も、俺たち高校生も
「と、とにかく!長ったらしい話は以上だ!」
「ごまかした」
「ごましたわね」
「海老名さん、雪ノ下!聞こえてるからな!」
海斗はわざとらしく咳ばらいをし手に持っていたチャッカマンを点ける
「そんじゃあ行くぜ!お前らのこれからを願って......いざ点火!」
火が導火線を伝っていく
「カウントダウン行くぞ!」
「「「「「5........」」」」」
「「「「「4........」」」」」
3......2.......
「............1」
その瞬間、煌びやかな光と笑い声がこの千葉村全体を包み込んだ。こうして林間学校最後の夜が終了した
海斗side
「忘れ物はないな?」
小学生たちの二泊三日の林間学校も終わり、俺たちも帰る準備を進めていた
「準備ができた者から車に乗れ。黒崎、お前も準備はいいか?」
「ああ。バッチリだ」
他の奴らも車に乗り込んだらしく俺たちはいよいよ帰宅
「海斗~!」
バイクにまたがろうとした瞬間、遠くの方から留美の声が聞こえてきた。声の方を振り返るとそこには留美と優香たちクラスメイトが俺たちに向かって大きく手を振っていた
「またなお前ら~!ちゃんと先生の言うこと聞いて元気に過ごせよ!」
俺も手を振りバイクに乗る。そして数時間後、俺たちは解散場所である総武高校にたどり着くのだった
「今回はご苦労だったな。だが家に帰るまでが合宿だ。家に帰るまで気をつけるように」
各々帰路に着こうとすると目の前にクソ高そうな黒光りしている車が止まった。そしてその車からは見覚え....ていうかこの間の期末のテスト勉強を助けてくれた陽さんこと陽乃様が降りてきた
「は~い、雪乃ちゃん♪」
「姉さん....」
姉さん?...ああ、雪ノ下と初めて会った時なんか見覚えあるなって思ったら。そうだ陽さんと似てたんだ
「雪乃ちゃんってば全然お家に帰ってこないんだもん~心配になってお姉ちゃん迎えに来ちゃった!海斗君この間ぶりだね。お、そのバイクかっこいいね!あ、比企谷君もいる!」
陽さんは八幡を見つけるとデートかこの野郎としきりにいじり始める。それにしても今日の陽さん、いつもよりテンション高いな。なにかいいことでもあったのか?
「あ、あの!ヒッキー、嫌がってますから!」
「貴方は比企谷君の彼女?」
「ち、ちがいます!////////クラスメイトの由比ヶ浜結衣です!」
「クラスメイト....?」
陽さんがじっと結衣を見つめる。しばらくすると顔をにっこりとさせる
「なんだよかった~!雪乃ちゃんの邪魔する子だったらどうしようって考えちゃった~!比企谷君に手を出しちゃだめだよ?それは雪乃ちゃんのだから」
「「違う」」
「ほら、息ぴったり!」
「陽乃、そのへんにしておけ」
二人をいじる陽さんを平先が止める
「久しぶり、静ちゃん」
し、しずかちゃん.........
「その呼び方はやめろ。そして黒崎何か言いたいことがあるなら遠慮なくいいたまえ」
「いや、今のところないから大丈夫。だから指鳴らすのやめようぜ」
こわっ。顔が笑ってないんだよ、しずかちゃん
「先生、知り合いなんすか?」
「昔の教え子だ」
そしてうちの常連でもある。いつも喫茶店で話すときはもうちょっと落ち着いてんだけどな
「じゃあ雪乃ちゃん、そろそろ行こっか?..........お母さん待ってるよ」
「...........ッ」
陽さんの言葉を聞いた雪ノ下の表情が暗くなる
「あ、それと海斗君」
「ん?」
「4日後、ってなにか予定ある?」
「4日後?」
確かその日は....特に何もないな
「なんもねえよ」
「それじゃあこの日、一緒にご飯食べに行こう。11時にお爺様の喫茶店で集合ね。迎えに行くから~!」
「え.....」
「「「は.....?」」」
「え、忘れてないよね?勉強教えてあげたときなんでも私の言うこと一つ聞くって約束したよね?.........ね?」
「あ」
そういえばしたなそんな約束
「思い出してもらったようでよかったよ~。あ、もちろん拒否権はないから」
「...おう」
「それじゃあ4日後ね。あとドレスコード必須だからちゃんとおめかしするんだぞ♪」
そう言って陽さんは雪ノ下を連れ車に乗りそのまま発進してしまう
「.........ドレスコードか」
「かーくん?」
顔こわっ
「あの人はどういう関係?っていうかなんでそんな約束したん?」
「それ僕も気になるな」
「小町もです」
「なあ、お前らなんでそんなに詰め寄ってくるんだ?ちょ、怖いんだけど.....」
こうして俺は3人から小一時間ぐらい詰められなぜか知らんが3人、ついでに八幡にもソフトクリームを奢る羽目になったのだった。そして陽さんとの飯の2日前
「ドレスコードか......さすがにもうあん時のやつは入らねえだろうし買わねえと。でもどんなのを選んだらいいかまったくわからねえ!仕方ない、こういうときは」
俺はスマホである人物に電話をかける
「もしもし、ああ仕事中ごめん」
???side
「もしもし。そんなこと気にしないで!それでどうしたのかしら?」
『実は明後日ドレスコードが必要な店に行くことになっちまってさ。明日買いに行きたいって思うんだけど一体どんなのを選んだらいいかわからなくて』
「あらそうなの!そうね、シンプルにジャケットを羽織ってスラックスを履けば問題ないと思うわよ?」
『色は黒でいいよな?』
「ええ。とりあえずシンプルな色を選べば問題ないわ。あと店はここにしなさい」
『いや、ここ超高級店。とてもじゃねえが買えねえよ』
「私のカードを使えばいいじゃない。渡してあるでしょ?」
『あのな....ただでさえ毎月仕送りをしてもらってんだ。これ以上は迷惑かけられねえ』
な、なんなのこの子!いい子すぎる!!!
「迷惑なんて思っていないわ。むしろ高校生の海斗に独り暮らしをさせちゃっているんだからこのぐらい当然よ」
『それこそ気にすんなよ。仕事なんだから』
「もう!海斗ったらいい子になっちゃって!お母さんは嬉しいわ!」
『お、おい!声がでけえって!周りに秘書さんとかいるんだろ!?』
そんなこと関係ないわ!それにここには私のほかに第一秘書のロザリンしかいないし
『と、とにかく!母さんのカードは使わねえし服とかも貯金を切り崩してなんとかすっから!色々教えてくれてありがとうな!仕事頑張れよ、じゃ!』
「え、ちょ、ちょっと!海斗!?........もう!」
まったく.......
「私の息子いい子過ぎない!?ねえ、ロザリン」
「そうですね。息子としてほしいくらいです」
「...それって貴方の娘ちゃんと?」
「ええ。顔良し性格良し、おまけに料理もできる。これから取引するホテルより超優良物件でしょう」
「あたっりまえでしょ!私の自慢の一人息子なんだから!それと言っておくけど毎日男遊びしてる貴方の娘に海斗を渡すつもりはないから」
「それじゃあ私が貰いますね.....ふふ、楽しみです」
「このクソビッチ親子が...!」
はあ、この子たち優秀なんだけど.....こう節操がないというかなんていうか。天国で旦那さんが泣いているわよ?
「それにしてもドレスコードが必要なお店......デートでしょうか?」
「う~ん..........あの感じだとデートじゃなさそうなのよね~」
”行くことになっちまって”っていうことは誰かに誘われたか強制された?
「失礼します。スノーホワイトホテルのアンジェリカ様からお電話です」
「ええ、ありが.....いま、なんて言ったの!?」
「ス、スノーホワイトホテルの」
ああ、そういうこと。そういえば千葉にはあの子がいたわね。確か、長女の方は大学生だったはず.......ええ、婚約者探しにはちょうどいい時期じゃない...!
「ロザリン、明日明後日の予定を全てキャンセルして。あとこの店で私のカードを使って今すぐドレスコードの一式をそろえて今日中にこの住所に送るように日本にいるスタッフに伝えて頂戴、上限は設けないわ最上のものを選ぶように」
「了解しました」
「それとスノーホワイトホテルとの予定が終わり次第」
「...飛行機を準備させます。それと海斗様へのお土産も」
「ええ、よろしくね。あと、飛行機の冷蔵庫にコーラをいっぱい入れといて」
「...すでにスタッフにそのように指示しておきました」
ロザリン、私貴方のそういうところは好きよ
「オ、オーナー!それはおやめください!明日は」
「オーナー、明日明後日の件全ての代表者様から了承をいただきました。それに加え海斗様になにか贈り物をしたいと」
「全て断っておいて」
「かしこまりました。ほら貴方も用が済んだのなら手を動かす」
「は、はい!」
待っててね海斗、すぐ仕事を終わらせてそっちに行くから♪ああ、楽しみだわ!え、私は一体何者かって?
黒崎楓。海斗のお母さんよ。世界一のホテルのオーナー......いえ、世界一家族思いなレディって覚えてくれると嬉しいわ❤
海斗side
「.................」
夜21時、何かものすごい綺麗な箱がうちに届いたと思ったら
「はあ、貯金切り崩すって言ったのに...」
これは俺でもわかる。これすげえ高いやつだ
「まあ、せっかくもらったんだし着ないと申し訳ないよな」
俺は自身にそう言い聞かせ母さんへの申し訳なさと感謝を抱きながら床につくのだった
読んでくださりありがとうございました!
そしてここでマル秘エピソード
はっきり言います。海斗は両親からかなりの額を毎月送ってもらっています。ですが海斗は何かあった時の為にその大半を貯金に回しており財布には10万だけ入れています。それで金がないとか言ってるって非常に腹がたちますね♪
「いやいやこれから何があるかわからねえし、400万ぐらいじゃまだまだ不安だって」
ね、腹立つでしょ?
さらにマル秘エピソード
前回の水遊びの時、途中から海老名さんのセリフが一切ありませんでしたが決して忘れていたわけではなく、海斗と彩加、そして八幡のわちゃわちゃを見て鼻血を吹き出した影響で離脱していました
「今までずっとクロトツだけしか考えてこなかったけど意外とクロハチもありかも...」
さらにさらにマル秘エピソード
最初、優香は恋敵である柚子だけを標的にしていました。思惑通り柚子は孤立しそれを見た優香の心には優越感が生じてしまい自分を一番に見せたいがために柚子以外の女子も標的にしていきました。全ては裕也振り向いてもらうために。そしてそれを見た仁美、満里奈は最初はただ優香の恋を応援していただけだったはずがそれに乗じて日々の鬱憤を晴らし始めてしまいました。一方希と留美はそれを見て止めるべきではないかと考えましたが作中でもあるとおり仲間外れにされるのが怖かったため今回の林間学校まで何もすることができませんでした。そして今回、留美は標的にされたからこそ自分の殻を破ることができたのです。
「なるほどな。安心しろ、アタシは微塵も裕也に興味ないから」
「......そうなの?」
「ああ。アタシは海斗兄が好きだからな」
ちなみにこれ以降柚子の出番はあんまりありません
「.......え」