蓮ノ空のアイドルクラブのマネージャーの話   作:桜紅月音

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41.市内ライブ

 

あの後、再び正装に着替えた僕達は、女将の元に訪れた。

 

「ここまではやると思ってなかった…」

 

「いいのよ~むしろここまでバスったのがびっくりだわ~」

 

「えっと…みく、女将さんと知り合いだったの?」

 

慈は、女将と気の抜けた会話をしている事に、困惑していた。

 

「うん、お母さんの知り合いだから、面識はあったよ。みんなには黙ってたけど」

 

「ええ!?」

 

これに関しては、梢も知らない話。

 

「ふふふ、小さい頃から未来の事を知ってるからね~」

 

「それについて詳しくって言いたい所なんですけど…この混雑が落ち着くまで、お手伝いしますね!」

 

「助かるわ~!」

 

おば…もとい、女将はそう言って、厨房の方へと消えて行った。

 

「よし、受付は慈に任せるから、部屋の掃除はこっちに任せて」

 

「分かった、こっちも人が居なくなったタイミングで行けたら行くね」

 

「はいはーい!」

 

僕は慈とハイタッチを交わして、それぞれ持ち場へと向かった。

 

 

 

 

掃除が出来てない部屋を順番に回る。

 

タオルやシーツの交換に洗濯、アメニティーの交換。ゴミを回収して、掃除機をかける

それを何回も繰り替えす。

 

「本当に未来君がやってくれると早いわね」

 

「昔からやってきたから…これくらいはできるよ」

 

「じゃあ、その調子でお願いね」

 

「うん」

 

女将から言葉を受け取って作業を再開した。すると_

 

「ぎゃー!この部屋めちゃくちゃ散らかってる!」

 

と叫ぶ慈の声が聞こえてきた。

 

「この部屋の掃除が終わったら手伝いに行くか」

 

その後、慈の所まで行って掃除を終わらせると、今度は受付対応が追い付いていないと言われたので、二人で受付対応に回る。

 

「ええと、お次でお待ちの方、診察券と保健所をご用意してーーって違う違う。これ一日看護師でやったやつだ…えっとえっと…!」

 

「とりあえず落ち着け」

 

電話で予約対応をしながら、慈の事を気にかけるが…完全に疲れてる慈…

 

「めぐちゃん!みく先輩!」

 

「って、え!?めぐちゃん!?」

 

慈が返事を返すと、そこにはみんなが居た。

 

「みんなも…なんで…?」

 

「なんでもなにもないでしょう!」

 

あっ…梢、怒ってますわ…これ…

 

「大急ぎでライブの準備を終わらせてきましたよ!」

 

「それで、すぐにバスで戻ってきた…というわけです」

 

「みくがこうすれば早く終わるってメッセージまで送ってきて、その通りにやって時間は稼いできた。といっても、ほんの少しだけど」

 

「ライブ、間に合わなくなっちゃうかもしれないのに…」

 

「そのために、ルリたちが戻ってきたんでしょー!めぐちゃんのばか!自己チューギリギリライン越え!」

 

「さ、みんな。二人の事を叱るのは、また後でね。混雑が落ち着くまで、もう一働き。ライブ時間のギリギリまでは、粘りましょう」

 

「梢…」

 

「未来がバスに乗り遅れたってメッセージに、ライブ会場の準備の仕方をこうすればってメッセージを送ってきた時に、こんな事だろうと思ったわ。まったくもう、せめてなにか一言、言ってくれればよかったのに」

 

「べ、別に、私ひとりでどうにでもなるって思ったんだよ!」

 

「はいはい」

 

慈の言葉に、梢はそう言って返した。

 

「それじゃあ花帆さんと私は、お部屋の掃除に回りましょう。昨日も少し手伝ったから、やり方は大丈夫よね」

 

「はい」

 

「では、わたしたちは夕食の準備ですね。なるべくお使いを引き受けて、厨房の負担を減らせるように頑張りましょう」

 

さやかちゃんがそう言うと、綴理は頷いた。

 

「ね、ルリはどうすればいい?めぐちゃん」

 

「ん…それじゃあるりちゃんには、電話対応やフロント業務を手伝ってもらいたいな。るりちゃん、できそう?」

 

「なんとかなるなる!ならなかったら、そんときはそんとき!」

 

「蓮ノ空スクールアイドルクラブ!各自、出動ー!」

 

『おー!』

 

みんなで手を挙げて、それぞれの持ち場へと散っていった。

 

 

 

 

 

 

その後、フロントの方に人がやってきてくれたおかげで、僕は部屋掃除の方に戻った。

 

「あー終わらん…」

 

「そう言いながら手は止めないのね…」

 

「止めた方がもっと終わらないからね、動かせるものは動かすの」

 

そう言いながら、パッパッと掃除を終わらせていく。

 

そして、ある程度終わらせて、後は一人でもなんとかなりそうだと思い、二人に声をかけた。

 

「よし、花帆ちゃんと梢、一旦休憩に行ってもいいよ」

 

「先輩を置いてまで行けませんって」

 

「違う違うって、休憩を取るついでに、他の所がどうなってるか聞いて来てほしいの」

 

もし、終わらなそうならそっちに回ろうと考えてるから…

 

「そう言う事なら、あたし、行ってきます!」

 

そう言って、花帆ちゃんは走っていってしまった。

 

「私は行かないわよ」

 

「いや…ここは一人でもなんとかなるから…大丈夫だって」

 

「…そう言いながら無理してる表情をしてるわよ…」

 

「これぐらい大丈夫」

 

その後、梢を休憩させて、戻ってきた花帆ちゃんに話を聞くと。女将が他の旅館からお手伝いがやってくるという話を聞いて、ちょっとホッとした。

そして、慈が一人でライブ会場に向かって。一人で僕達が行くまで場をもたせると言ったらしい。

 

「へぇ~言うじゃん」

 

「はい!なのでなるべく早く終わらせないと」

 

「なら、あそこの部屋とこっちの部屋_」

 

そんな感じでみんな合わせて、旅館の掃除を終わらせた。

そして、お手伝いできた人達と入れ替わり、僕達はライブ会場まで向かった。

 

 

 

そして、その日の夜

 

慈が素直に謝った事、誰かが怠け出した頃には、私がビシッッッと言ってやると言った事などを梢から聞いた。

 

「慈は自分のやりたい事をやる奴だし、今回の事だって、みんなの事を思って行動したんだし、僕から何か言う事はないかな?」

 

「未来ならそう言うと思ったわ」

 

「まぁ…僕からも明日、慈に感謝の言葉ぐらいは言ってあげないとね」

 

「ええ、それはそれとして…」

 

「ん?」

 

「最近、慈の事を構いすぎじゃないかしら…?そ、その、私、彼女なんだから…その…」

 

「なら、今度の休みの日に二人でどこか行く?」

 

僕がそう言うと、梢は明るい表情になって_

 

「ええ」

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