蓮ノ空のアイドルクラブのマネージャーの話   作:桜紅月音

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「ご、ごめんなさい!朝練に遅刻しちゃって!昨日、遅くまで自主トレしてて、そ、それで…」

 

「花帆ちゃん、おはよ」

 

外出禁止令が出た日の朝、花帆ちゃんが朝練に遅れてきた。

でも、今は遅刻よりも重大な事が起きていた…

 

そして、花帆ちゃんも部室内に漂う違和感を感じたようだった。

 

「おはようございます…あの、どうかしました…?」

 

「もうさすがにガマンの限界!堪忍袋の緒が切れたってやつ!」

 

めぐが完全にキレていた。

 

「慈…落ち着いて」

 

「これが落ち着いていられるわけないじゃん!なんなの、今度は『外出禁止令』って!」

 

「気持ちは分かるけど…」

 

「えっ…?」

 

「今朝、掲示板に貼ってありました。蓮ノ空学院の生徒は有事以外の外出を禁じる、と。生徒に対する締め付けが、さらに厳しくなったようです…」

 

「で、でも!ラブライブ!北陸大会の配信は学校行事だし、ゆーじってやつだよね!?ね!?…違うの?」

 

「北陸大会の出場は大丈夫だけど、配信となると…」

 

不安になっているルリちゃんに僕はそう答えた。

 

「それじゃ、意味ない!だってルリたちは、ネット禁止令を撤廃するために、配信しようとしているのに…」

 

「もう、ムリ!やっぱり校長室に殴り込んでくる!」

 

「続くぜ、ルリも」

 

「ボクもいくよ」

 

「だ、だ、だめですよ!待ってくださいー!」

 

四人はそう言って、部室から出て行ってしまった。

 

「あの、梢先輩…!あたしにもなにか、できること…」

 

「…とりあえず私は、ラブライブ!の運営に連絡をするわ。万が一のことを考えて、会場でのライブに変更することはできないか、って」

 

「それは…」

 

「ええ、本当に万が一のため」

 

「ラブライブ!に出場できないっていう、最悪の事態だけは避けられるように、ね」

 

「もう、不戦敗なんて、まっぴらだから」

 

「梢先輩…」

 

そんな感じでこの話し合いは終わった…

 

 

*****

 

「ごめん…なんとかしようとしたんだけど…」

 

「姉ちゃんは悪くないよ」

 

あの後、僕は姉ちゃんと二人きりで話をしていた。

 

「全く…あのじじい達、人の話を全くと言って聞きやしない」

 

「聞くような人達ならここまで縛らないだろうし…」

 

「やっぱり、殴るしかないか」

 

「それはただの事件になるから辞めて」

 

本当に、すぐに力に走ろうとするのは辞めて欲しい。

 

「みくパイセン!」

 

「ん?」

 

姉ちゃんと話していると、どこから僕の名前を呼ぶるりちゃんの声が聞こえてきた。

 

「みくパイセン!花帆ちゃんが!花帆ちゃんが!」

 

「一旦、落ち着いて…」

 

息を切らしながら走ってきたルリちゃんを一旦落ち着かせて話を聞いた。

なんでも、花帆ちゃんが顔を真っ青にして走っていったの事。

 

それを聞いた僕は、ルリちゃんと一緒に花帆ちゃんの所へと向かった。

 

 

 

******

 

「花帆ちゃーん!」

 

花帆ちゃんを発見したルリちゃんが大きな声を出した。

 

「青い顔で走っていったって聞いて、探したよー!ごめんねえ!」

 

「…ごめん、不安なのはみんな一緒なのに、大人げなかった、ほら綴理も」

 

「ボクも悪かったです」

 

「みんな…」

 

「また全員で作戦の練り直しね。花帆さんも一緒に考えてくれる?」

 

「はい!もちろん!」

 

「でも、中でネットが使えなくて、外にも行けないんじゃ、もう縮こまってるしかない亀じゃん…」

 

「そうですね…せめて、30分でもいいから、ネットに繋げれらたら…」

 

さやかちゃん、今なんて言った?

 

「ーー!それだよ!さやかちゃん!さっきの!」

 

「え?」

 

「なにが?」

 

「なんのこと?」

 

「とにかく!ーーみんながいれば、大丈夫!」

 

花帆ちゃんがそう言って、部室に戻ると_

 

 

 

「おかえり」

 

『誰!?』

 

姉ちゃんが居た。

梢は知り合いだから名前で呼んでいたけど、それ以外はこの反応だった。

 

「えっと…」

 

「いいよ、私から説明するから」

 

説明しようとすると、姉ちゃんに制止されてしまった。

 

「改めて、未来の姉の高橋樹里です!よろしく~!」

 

「よろしく~!」

 

綴理はいつも通りだった。

 

「なんで樹里さんがここにいらっしゃるんですか?」

 

「梢ちゃん達が困ってるって聞いて、飛んできちゃった」

 

姉ちゃんはそう言って、こずに抱き着いた。

 

「みくのお姉ちゃん…ここで私の事をアピールすれば…」

 

「めぐ…?」

 

めぐが変な事を言ってるけど…気にしない方がいいか…?

 

「それでみくパイセンのお姉さんがなんでここに?」

 

「それはね」

 

ルリちゃんが聞くと、姉ちゃんは規制派と話をしに来た事。そして、外出禁止令の事を謝った。

 

「樹里さんが悪くはありませんよ」

 

こずがそう言っていた。

 

「未来から聞いたんだけど、学校でネット配信したいんだよね?」

 

「はい!そうです!そこであたし思いついた事があるんです!」

 

姉ちゃんの言葉に反応したのは花帆ちゃん。

そして、思いついたという案を言ってくれた。

 

「なるほど、データ通信量を使ってライブをしたいって事?」

 

「そうです!」

 

「そんな、30分ですよ…!?」

 

「1人10秒だとして、1分で6人。30分だと180人って所か」

 

「全校生徒の、半分じゃん!」

 

「うん!足りてる!」

 

「そんな、無茶苦茶な…」

 

「そもそも実現可能なの?180人でデザリングって」

 

「デザリングはわかんないけど…確か、データ通信量を1か所に集めることはできるとかナントカ、聞いたことはあるかも…?」

 

「デザリングなら私出来るよ」

 

ルリちゃんの言葉に反応したのは姉ちゃんだった。

 

「技術面ではクリアしたとして、それだけの人数が協力してくれるのかしら」

 

「困ったら、君達がやってるスクールアイドルのファンに協力してもらうのはどうなの?」

 

『!!』

 

「それです!」

 

こずの言葉に、姉ちゃんが返した。

 

「そんなことできるんですか?」

 

「やる事は変わらないからね、ノープロブレム」

 

「なんだが、途方もない話になってきたわね…」

 

「でもこれで、3ユニットのひとつでも北陸大会を制覇することができれば!」

 

「うん、スクールアイドルクラブの未来を救える」

 

「…ただ、その場合ってやっぱり、あれだよね…」

 

「スリーズブーケ、DOLLCHESTRA、みらくらぱーく!のうちふたつは、北陸大会で敗退となります」

 

「そんなはっきり…さやかちゃんは、いいの?」

 

ルリちゃんがさやかちゃんに聞いた。

 

「…本番というのは、練習の成果を発揮する場だと思っています」

 

「わたしは、ユニットとして磨き上げた実力を試してみたい。綴理先輩と一緒に」

 

「ボクはさやと出る、今はDOLLCHESTRAが、ボクの芸術だから」

 

「めぐちゃぁん…」

 

「そんな顔しないの、るりちゃん! 私そういう顔に弱いんだから! ていうか、るりちゃんだって、ほんとはみらくらぱーく!でやりたいんでしょ? 優しいから、誰かが負けるのが嫌なだけで……。その気持ちは私だってわかるよ。わかるけど……今回は譲りたくない。私もみらくらぱーく!が好きだもん。他のみんなが自分のユニットを好きな気持ちと、同じようにさ」

 

「好きだよ! めぐちゃんとの楽しいおもちゃ箱が、ルリはとびっきり大好きだけど…」

 

「…目指せ、ラブライブ!優勝…!」

 

「ああ、そっか…繋がる力…そう、繋がる力だったんだ!みんながユニットで出場して!でも、みんなで北陸大会を通過するための方法!繋がる力――!」

 

「か、花帆さん?」

 

「テザリングでのライブで、繋がる力…!そして、その集まった力を、あたしたちでも一っと響かせるんです! 大丈夫です。あたしたちならできます!みんなが大満足して、誰も悲しい気持ちになんてなりません!そんな、夢のようなライブが!」

 

「花帆ちゃん。それって…!?」

 

「夢のような、ライブ…」

 

「できます!その名も――蓮ノ空学院スクールアイドルクラブ!Link! Like! メドレー!です!!」

 

「ぜったいにこれで! みんなを花咲かせちゃいますよ!」

 

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