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9:48- 仙台駅
「うーん、やっとついたー。長い間座りすぎて腰が変になりそうだー」
一人の旅人が仙台を訪れた。
新しい景色を眺めることが好きだ。写真でしか見たことのない景色、歴史的な背景、そういうことを確かめることは好きだし、再び訪れたくもなる。
行きたい場所があるときはその周辺を調べて、電車は往復含めて複数の時間をメモしてある。
まぁ、そう。私は自分が行きたいところに自分のペースで行きたいから一人旅をすることが多い。他の人がいると、自分が考え付かなかった場所に行く代わりに時間配分だったり、自分の好きなことに時間を割くことが難しい。
例えば、一面が海で、食がほとんどの娯楽で、半日以上を過ごすフェリーに誰が一緒に来てくれるのだろうか。興味があるならいいが、そんな贅沢な時間を使いたがる人はあんまりいないだろう。
私がそんな贅沢な時間を過ごしたがる一人であるが。海に揺蕩い、何も考えない時間を作るのは現代社会で必須のスキルだ。
そんな訳で、一人旅の頻度が多い。
--まもなく仙台です--
新幹線は各駅停車でゆっくり来たためか空いていた。周囲には旅行客2組とサラリーマンの人が数名だろうか。もうみんな降りる支度をしていた。
自分も、テーブルに置いたきり使うことがなかった水筒や漫画をリュックに入れる。天気は快晴。
駅を降りると冷たい空気が頬を撫でる。気温は東京とあまり変わらない感じがする。
いやーでも寝起きで窓を見たときは屋根に雪が積もっている家しかなかった。さすが東北。
昨日、仙台水族館に行ってみたくなったため、ついでに仙台駅周辺で牛タンやずんだシェイクを飲食するという予定は立ててる。
とはいえ、今日一日で帰らないといけないから...先に帰りのチケット買っておこうかな。
最後に巡るのは水族館かな。仮に閉館までいるとしたら――台発は19時台になりそう。チケットも――よかった、いっぱいある。
どれも空いているなぁ。アレ、同じ時間に発車する新幹線がある。...そんなことあるんだね。
適当に買っておこう。
さてさて、仙台に着いたなら牛タンを食べましょう。以前一度行ったときにとてもおいしかったんだよね。思わず冷凍のお土産を買ってしまった。
たしか、仙台牛タンを広めた人の弟子のお店だっただろうか。駅から15分くらいだったと思うんだけど、前来たときは車だったから道がわかんないんだよね。
まあ歩けば着くでしょ。
...前来たときこんな景色だったっけ?
マップを見ると店を指す場所と自分の間に仙台駅がある。
あれっ、こっち反対側?
11:18- 牛タン屋さん
結局道に迷って40分くらいかかってしまった。前は車だったから近くの駐車場に止められて便利だったなぁ。
予定では11時に着く予定だったのに11時20分になってしまった。11時30分開店なのに、列もだいぶできちゃってる。
商店街から外れたところにあるから迷子になったときに気が付くのに遅れちゃった。でも今までこんなに迷子になったことあったっけ?うーん、地図の活用も下手になったなぁ。
無事に1巡目に入店することができた。水族館の時間が短くならなくてよかったよ。店はカウンター数席と、畳の上に6人くらい座れそうな席がある。どこか高校の頃に1コインランチを提供してくれた居酒屋さんを思い出す。
前に9組ほどいたため、自分の料理の提供にはだいぶ時間がかかりそうだなぁ...。
メニューは前回頼んだ、欲張りなタン先とタン中・タン元を両方楽しめる定食を頼んだ。滅多に来れないからこそ、その強欲さが必要なのだ。
えっ、他の店や他のメニューのほうがいいだろって?リピートしたくなるんだよ...。
そういえば、今回はカウンター席に座れた。タンが焼けるところや漬物が準備されているところを見ながら暇をつぶす。タンの匂いがよくて、お腹が空いてきた...。
目の前に頼んでいた定食が並ぶ。タンに麦飯、定番で最高の組み合わせだね。
タン中やタン元は脂が十分に含まれていて、噛んだ瞬間に口の中に脂が広がってすごい牛って感じがした。漬物や麦飯がよく進む味だね。
タン先は脂が少ないものの、だからこそ味がしっかりと伝わる。麦飯がよく進む味だね。
一緒についてきた牛テールスープは牛骨の出汁がよく出ているのか、コラーゲンというかなんというか、優しい味わいの中に肉の味を感じた。
うん、全体的に肉々しい感じだったけど、そんなに脂っこくもなくて全体的に食べやすかったな。やっぱり駅中から離れた場所にわざわざ足を運びたくなるね。
お財布に余裕があったらもう一皿くらい牛タンを食べたかったんだけど...。
新幹線、往復で2万円くらいするんだよね。節約気味のほうがいいか...。
いや、でも親にも久々においしい牛タンを食べてほしいな。両親へのお土産、どっちにしよう...。あー...、胃もたれする年だねって話してたからタン先のほう持ち帰ろうかな。
12:45- 仙台駅
再び仙台駅にこんにちは。私だよ。牛タンのお土産を片手に帰ってきました。
駅中に売っていたずんだシェイクの列に並んでいます。冬だから寒いだろって?
そんなことはグルメの前では些細な問題なのさ。
あっ、サイズ、ですか?...寒いのでスモールで。
えっ、グルメの前では気温は些細な問題?
誰?そんな適当なこと言ったの?
あまー
枝豆は酒のつまみで食べるが、しょっぱさが目立っていた。ただ、ずんだとして食べると甘さが際立つ。よく素材の味を生かすことが大事と料理をする人に聞いたが、こういうことなのかと思ってしまう。
シェイクの中に、細かい粒粒のずんだがいるのがいいね。シェイクとしての飲みやすさを維持しながら食感のアクセントと味の爆弾としていい引き立て役になっている。
頭が痛くならないようにゆっくり飲みながらJR仙石線へ向かう。電車は20分に1本くらいのペースで来る。東京の5~10分に1本に慣れてしまってなかなか来ないことをもどかしく思ってしまう。
このあたりに住んでいる人は時間の調整がうまいなぁ。20分に1本でこれなら、60分に1本とか、どんな世界なんだろう。
13:28- 中野栄駅
とうちゃーく。さて、ここから水族館まで徒歩で20分、だいたい50分くらいに着く。バスも出ているけど、バスに乗るならお金を払って55分着。
さて、どっちをとるかなんてもう決まっているよね。
あー、バス停が3つくらいあってどれが水族館行きのバス停かわかんないなぁー
あー、お金とられちゃうのか―
あー、徒歩のほうが早く着くのか―
よし、歩くぞ
14:00- 水族館
ふふっ、曲がるところミスってバスに追い抜かれちゃった...。そもそも普通に歩いて行ってもバスに追い抜かれていただろうなぁ。まぁ、目的の水族館に着くことができたから良しとしよう。
へぇ、全然海が近くにないや。水族館も思ったより小さい、のかな?水族館、最近行ってないから感覚を忘れちゃったなぁ。
ただ、一個言えることは、水族館よりも近くにあった公園のほうが大きいだろうと思ってしまうことだ。
まるで公園の中に水族館があるサイズ感だね。
それよりもアニメのコラボで来たから精一杯楽しもう。そうそう、今回はSNSでアニメとコラボしていることを見に来た。
水族館にいる魚がアニメキャラで解説されていてとても記憶に残りやすかった。
ただまぁ、せっかく水族館に来たんだったらおしゃべりなあいつも連れてくればよかったかな。アニメキャラの解説もいいけど、あいつのは雑学が多くて会話が無限に広がって印象に残るんだよな。
...いや、あいつがいたら1日だと水族館を巡りきれないな。やっぱなし。
下からホヤを見上げたり、大きな水槽に泳ぎ続ける魚、海岸を模した生態系にペンギンのエリアなど、非常に面白かった。
後は、世界のエリアに分けてそれぞれの魚が分けて展示されてた。
すごい、水槽の下にくぐったり中から様子が見れるようになってる...。
あと、海と距離がある割には海獣が多くいるんだね。あっ、イロワケイルカ!そういえば最近見てなかったな。
なんか、普通のイルカよりも丸っこくって愛嬌あるな...。かわいい。
アニメとコラボしたご飯など、とてもおいしかった。
すごいね、海獣を見ながらご飯を食べることができるんだ。臨場感があって、面白かった。
海獣がこっちを見ていたら餌を欲しがっているのかと思ってしまったよ。反対側のペンギンも楽しそうに泳いでいるし。
大きな水槽を眺めていると、自分一人であることを強く実感する。それを寂しいと感じたことはないけれど、ただこれでいいのかと考えることもあるのだ。