【完結予定】転生って人の心とかないんか?―有象無象のヒーローごっこ、三歩下がってついといで。 作:まだら模様
この紙束を手にしたっちゅーことは、他人の人生を覗き見んのが趣味か?
……ええでしょう。趣味の悪い観測者には、相応の『毒』を振る舞わなあかんからな。
ここに記したのは、俺の目——『空写(くうしゃ)』が捉えた、ヒーローとかいう光の住人、そしてドブカスに汚れきったヴィランどもの、剥き出しの設計図や。
血筋だの、個性だの、正義だの。
綺麗な言葉で塗り潰された彼らの内側を、俺の投射呪法で一秒ずつ引き剥がして、その不細工な本質を暴いてやったわ。
雅やないもんを「雅やない」と切り捨てる。
その行為がどれほど残酷で、どれほど真実を突きつけとるか、あんたもその目で確かめなはれ。
……ただし、読み終わった後に自分の設計図がガタガタになっても、俺は一切責任持たへんさかいな。
準備はええか?
禪院直哉の、最高に性格の悪い「人間解体ショー」の始まりや。
※本作には筆者独自の解釈および、禪院直哉というキャラクターの視点による評価が多分に含まれます。
原作とは異なる捉え方をする部分もありますが、その違いも含めてお楽しみいただければ幸いです。
キャラの語彙などの崩壊、ストーリー崩壊などの可能性ございます。
ご注意ください。
お気に入り登録、感想、評価付与は直哉が扇子を仰いで雅に「おおきに」と言うかも…?
いや綺麗なドブカス(?)は存在しないかもしれません。
意図的に分析の批評は他人が見る(広まる)批評、評価という設定にしているので評価を見る人のために
地の文の部分だけ標準悟にしているという設定があります。
ほとんどの有力プロヒーローについて批評を行い。クラス内外、教師陣やプロヒーロー達にもあのAFOを撃破した「期待の新星」からの批評は興味が惹かれるようで、直哉の批評・評価はもはやヒーロー感ではそれなりに有名になりつつあった。
とある日の放課後、砂藤くんに「……最後に、彼ら(ヴィラン)はどう見えていたんだ?」と訊かれた。
(……死柄木を担ぎ、世界を泥沼に引きずり込んだ連中か。空写で読んだ時、彼らの設計図はどれもこれも血に塗れ、破れ、復讐という名の黒いインクで書き殴られとったわ。……雅? そんなもん、あいつらの辞書には一文字も載ってへんわ)
「ええよ。これが俺の視る、光の当たらん場所に溜まった「設計の澱(おり)」の正体や。
ドブカスに不細工で、救いようのない、でも否定しきれん執念の記録や…そして、これが最後の批評や。ここで全てを読み解き、完璧な設計(デザインで締めたるわ」
【ヴィラン連合・最高幹部】
一 荼毘(轟燈矢)
評価:「設計の『欠陥』を、身を焼き尽くす青い怨念で燃料に変えた男や」
(……親父(エンデヴァー)への拒絶から、自分の肉体を焼き殺すほどの火力を出力し続ける自殺志願者の設計図。空写で読むその気配は、熱いというより『冷徹な憎悪』や。雅な血筋を自らドブカスに汚し、地獄の業火で家族を焼き直そうとした。その執念、同じ『血筋に縛られた男』として、寒気がするほど理解できてまうのが癪やな)
【総評】火力設計の暴走SSS。家族への執着S。……その焼け爛れた皮膚、俺なら一秒も耐えられんわ。
二 トガヒミコ(渡我被身子)…は評価済みやな。次や。
三 トゥワイス(分倍河原仁)
評価:「設計の『複製』に自分を呑まれ、仲間という名の『個』に殉じた男や」
(……自分が自分であるという証明ができん、崩壊した設計図。でもな、ホークスという『正義』の刃を前にしても、仲間のために最後まで自分を増やし続けた。……ドブカスに弱い男やったが、その最期の気配は、誰よりも『人間』としての筋が通っとったわ。認めんこともない)
【総評】増殖設計の脅威S。仲間意識の強度SSS。
四 Mr.コンプレス(迫圧飛)
評価:「設計の『演出』。どん底の泥臭い戦場を、一瞬で舞台に変える稀代の詐欺師や」
(……圧縮という、機能美に満ちた設計図。自分の体を削ってでも仲間を逃がすその覚悟。……前世の俺なら『卑しい芸人』と切り捨てたやろうが、今の俺には見える。彼が守り抜いたんは、連合という居場所(ステージ)やったんやな。雅な引き際やったで、エンターテイナー)
【総評】圧縮設計の汎用性S。脱出劇の雅度A。
五 スピナー(伊口秀一)
評価:「設計の『空っぽ』を、誰かの影を追うことで埋め続けた空虚な騎士や」
(……最初はただのステインの模倣犯。空写で読んでも、情報の密度がスカスカで雅の欠片もなかった。……でもな、死柄木という化け物の隣で、最後まで『友人』であり続けようとしたその不器用な設計図。……ドブカスに凡人やが、その凡人の意地が、最後に巨大な獣(マキア)を動かした。嫌いではないわ)
【総評】追随設計の執念A。等身大の友情S。
六 マグネ(引石健磁)
評価:「設計の『引力』。排除される者たちを磁力で繋ぎ止めた、不器用な接着剤や」
「磁力」——人を磁石に変え、引き寄せ、あるいは弾く。
(……空写で読んだ時、この男……いや、この女の気配は、誰よりも『居場所』を求めとったわ。世間に弾き出された「不細工な設計図」たちが、バラバラにならんように磁力で無理やり束ねとった。……ドブカスに乱暴な力やが、それが連合という家族の形を維持しとったんやな)
オーバーホールという、真に冷酷な設計者に一瞬で砕かれた最期。
(……あんな呆気ない終わり方、雅やなさすぎるわ。でもな、彼女が死んだことで連合の結束が逆に強まったんは、皮肉にも彼女の『引力』が死してなお生きていた証拠や。自分のアイデンティティを貫き通したその設計、嫌いではないわ)
【総評】磁力設計の応用力A。仲間への献身S。……その大型磁石、肩凝りに効きそうやけど、俺には近づけんといてな。
評価:「設計の『引力』と『扉』。連合という家を支えた、不運な柱や」
(……マグネは磁力で仲間を繋ぎ、黒霧はワープで逃げ道を作った。一人は志半ばで砕かれ、一人は白雲という過去の遺物に設計図を書き換えられた。……組織という設計図を維持するために、一番に犠牲になった連中やな。ドブカスに報われへん人生やが、彼らがおらんと連合は一日も持たへんだやろ)
【総評】組織防衛の設計A。運命の不条理度S。
七 黒霧
評価:「設計の『空洞』。過去を塗り潰され、出口(ゲート)という役割に固定された哀れな影や」
「ワープゲート」——霧状の体で空間を繋ぐ。
(……空写で読むその気配は、驚くほど「空虚」や。自分の意志やなくて、誰かの命令を遂行するためだけに最適化された、自動ドアのような設計図。……でもな、その霧の奥底には、かつてヒーローを目指した『白雲朧』という雅な青年の残骸が、呪いのようにへばりついとったわ)
死柄木という不細工な破壊者を支え続けた、献身という名のプログラム。
(……自分を失うてもなお、誰かのために扉を開き続ける。その自己犠牲の設計は、ヒーローのそれと紙一重やな。最終決戦でその『中身』が揺らいだ時、この男の設計図はようやく、誰のものでもない自分だけの形を取り戻そうとしとった。……ドブカスに悲しい、壊れた傑作やな)
【総評】空間転移の設計SSS。存在の不透明度S。……そのネクタイ、霧の体でどうやって締めてるんや? 雅なこだわりやな。
八 殻木球大
評価:「設計の『改竄』。他者の命をパーツとしてしか見ん、冷徹な蒐集家(コレクター)や」
「摂理」——自分の生命力を他者に分け与え、あるいは他者の個性を複製・定着させる技術。
(……こいつの気配は、もはや人間やない。ただの『保存容器』や。自分の寿命を個性で引き延ばし、百数十年も地下で不細工な実験を繰り返してきた。空写で読むその脳内は、奪い取った個性のカタログ(設計図)で埋め尽くされとる。……美学もクソもない、ただの強欲な蓄積(ストック)やな)
「脳無」という、死体を繋ぎ合わせた最悪の設計図。
(……死者の尊厳を泥靴で踏みにじり、複数の個性を無理やり詰め込んだ、生ける冒涜。……前世の俺なら『卑賤な術を』と切り捨てたやろうが、今の俺には分かる。この男は、神の領域にある『一秒』を、科学という名の力技で盗もうとしとったんや。……その執念だけは、反吐が出るほど強固な設計図やな)
死柄木という『破壊の象徴』を、自分の手で完成させようとした傲慢。
(……自分の才能を誇示するためだけに、一人の子供を地獄へ叩き落とし、化け物に作り替えた。……最後にはミルコや相澤先生たちに追い詰められたが、その時ですら『自分の作品』を惜しんどったな。……雅な医者は病を治すが、このドブカスな医者は世界そのものを病に浸しよったわ)
【総評】改竄設計の極致SSS。倫理観の欠如∞。……そのヒゲ、むしり取ってから病院の地下に埋め戻したろか?
八 ギガントマキア
評価:「設計の『忠誠』。意志を捨て、ただの装置へと成り下がった悲しい巨獣や」
(……力は山を砕くほどやが、その設計図には『主の命令』という一行しか書かれとらん。空写で読んでも、ただの岩塊と変わらん無機質な気配。……最後にはスピナーの声に、あるいは自分を捨てた主への怒りに動かされた。装置が最後に『個』を取り戻した瞬間……それは、少しだけ雅やったかもしれんな)
【総評】破壊設計の出力SSS。服従の呪縛S。
【闇落ちヒーロー】
九 レディ・ナガン(筒美火美子)
評価:「設計の『誇り』を国に汚され、それでも正義の引き金を引いた高潔な狙撃手や」
(……自分の腕を銃に変えるという、機能美の極致。空写で見える彼女の弾道は、迷いがなくて最高に雅やったわ。……一度は闇に堕ちた設計図が、デクくんという『光』に触れて、ボロボロの体で最後の一発を放った。……プロの矜持、しかと見せてもらったわ。ドブカスに格好ええ女やな)
【総評】遠距離狙撃の精密設計SSS。精神の気高さA。……俺の横で、その銃口を向けんといてな。
(……ふぅ。これで、本当の本当に全部やな。
ヒーロー、学生、サイドキック、ヴィラン……。
この数週間から数ヶ月、砂藤くんの横で色んな連中の「気配」を空写で読み解いてきた。
最初は、自分の「投射呪法」こそが絶対で、他人の設計図なんてドブカスに不細工やと思っとった。
でも、今は少しだけ違うわ。
完璧な設計図なんて、この世には存在せえへん。
荼毘のように燃え尽き、トゥワイスのように増えすぎ、デクくんのように壊れかけ……。
皆、破れた設計図を必死に繋ぎ合わせて、自分だけの『一秒』を刻もうとしとる。
その泥臭い執念の積み重ねが、この雅やない世界を、ほんの少しだけ輝かせとるんやな。
こんな臭いセリフを吐くことになるとは…他人の視座で物事を見過ぎで、俺の頭がイカれたか?…もう分析はこりごりやな。こういうのは適度でええ。
砂藤くん。
長いこと俺の毒舌に付き合わせて悪かったな。
……君の作る甘い菓子、食べさせてもらったのは美味しかったわ。毎度用意してくれとってほんまおおきに。
なんとか飽きずに分析、批評し終えたわ。
…今となってはほんの、少しだけ名残惜しいわ。)
(…さて。
俺は俺の、最高に雅で、誰にも邪魔させん、究極の「一秒」を完成させに行きますわ。
次に会うた時は、フレームの向こうの君たちももっと『格好ええ設計図』になっときなはれ。
——雅やない世界に、最高の「一秒」を。)
「ほな、またな」
(……ふぅ。これで最後の一行や。
あんた、最後まで読み通したんか。意外と根性あるやないか。
ヒーローの誇りも、ヴィランの絶望も、全部読み解いてみてどうやった?
……「不快やった」か? それとも「雅に見えた」か?
どっちでもええわ。あんたがどう感じようと、彼らの刻んだ『一秒』の重みは変わらへんからな。
俺はこの世界に来て、色んな連中の設計図を勝手に値踏みしてきた。
でもな、書き終えてみて分かったことがある。
他人の設計図をいくら分析したところで、俺自身の『一秒』が速くなるわけやない。
結局、俺は俺の、あんたはあんたの、誰にも代われへん不器用な線を書き続けるしかないんやな。
この評価録は、ここで終わりや。
俺はもう、過去の残像を眺めるんは飽きた。
これからは、誰にも予測できん真っ白な未来を、俺だけの速さで塗り潰しに行きますわ。