カードキャプターさくら 〜中身が限界オタクの私は、推し(知世)を泣かせたくなくて勇気を出す〜 作:ちいさな魔女
社会科見学で友枝町の水族館にやって来たさくら達。沢山の魚を見学出来て興奮してるさくらだが、これから始まる企画こそさくら達の目的だ。
ペンギンショーである。
さくらはペンギンが好きなのだ。愛らしい姿が好みであり、こうしてペンギンショーを見るのが楽しみなのだ。
さくら(ペンギンさん………可愛い♡あれ?なんか忘れてるような……?)
さくらは妙な違和感を感じていた。そしてそれは、次第に不安へと変わっていく。
さくらはステージに上がろうとする女性スタッフから、水槽の中へ注目する。すると、スタッフの足元へ迫る一本の水流を見つけた。
さくら「あれは………水流?あっ!!」
さくらは、この水族館に出現するクロウカードを思い出した。それをスタッフに伝える。
さくら「お姉さん!!足元!!」
スタッフ「えっ?なっ!?なによこれ!?」
スタッフは慌てて足を出してステージに上がるが、その後に巨大な渦巻きが水槽に発生した。ステージのペンギン達も大慌てで逃げ出した。
水槽の中には、一匹だけ取り残されたペンギンが渦巻きに近付いている。
さくら「あっ!!だめ!!ペンギンさん逃げて!!」
さくらはそう警告しつつ、周りを見渡す。もし巻き込まれたらただでは済まない。忽ち水槽の渦巻きは大きくなっていき、スタッフは片足を水で掴まれて水の中へ引きずり込まれてしまう。
さくら「大変!!ど、何処かに水槽を割れるもの!!何処にあるか知りませんか!?」
水槽の渦巻きが大きくなる。一刻の猶予も無い。
知世「さくらちゃん!あれ!」
知世が指を差した先に、非常用ボックスを見かけた。
さくら「っ!!そうか!!」
さくらは思い出した。アニメでは、雪兎が非常用ボックスから斧を取り出して扉を破壊していた。ならば、硝子であっても可能な筈だ。
桃矢「な、なんだこりゃ!?」
桃矢は驚きつつも、スタッフの手を掴んで引っ張り出そうとする。しかし、渦巻きの勢いは強くなっていく。このままでは桃矢も渦巻きに引きずり込まれてしまう。
さくら(アニメで見た時より強くなってる!?まさか、私が呪術師と関わったから?いや、今はそんな事を考えるな!!)
さくらは非常用ボックスを開けて、斧を取り出して水槽に向かって走る。
さくら「皆どいて!!」
さくらの呼び掛けで周りが退いて道が出来て、水槽まで真っ直ぐ行けるようになった。
さくら「やあああああああっー!!」
さくらは斧を振り上げて、水槽に刃を叩き付ける。ヒビ割れるものの、まだ水が少し噴き出すだけだ。
さくら「やああああっ!!」
さくらは何度も何度も斧を水槽に叩き付けて、4回目で漸く叩き割る事に成功する。割れた箇所から水が漏れていき、ペンギンが勢いよく出て来た。
さくら「ペンギンさん!」
さくらは斧を捨てて、ペンギンを抱き止めた。水槽から水が漏れた事で水位が下がり、桃矢やスタッフも脱出出来た。桃矢が先にステージへ上がり、スタッフに手を伸ばして引き上げる。
桃矢「おい、大丈夫か!?」
スタッフ「ええっ、なんとか………あの子、勇敢な行動だわ」
桃矢「さくら………」
桃矢はさくらが、ペンギンをそっと床に降ろした様子を見ていた。見ない間に勇敢な行動を取れるようになった妹が、心配する友人達に囲まれて話し掛けて貰う姿に、少しだけ微笑みを向けた。
水族館での社会科見学は中止になったものの、幸いな事に誰一人として死者は無く、ペンギンやスタッフにも大きな怪我は無かった。
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昼頃。さくらはお小遣いを工面して買った木綿豆腐を使い、とある料理を作っていた。
ケルベロス「水族館でそんな事が!?」
さくら「うん。あの大きな渦巻き、水族館であんなペンギンさんの命を奪うような害悪な事をするなんてあり得ないもん。ペンギンさんでなくても、水を操って沢山のお魚さんを殺しちゃうかもしれないのに」
ケルベロス「……それやったらクロウカードの可能性が高いな。しかもよりによって、クロウカードでもかなり強い力を持つ四大元素カードの一つ、
さくら「ウォーティ?」
レンジから木綿豆腐を取り出した後、キッチンペーパーで拭き取った後にフライパンで表面を焼いていく。
マヨネーズとポン酢を混ぜた後に豆腐へ掛けていき、皿へ移した。前世でよく手抜きで作ってた豆腐ステーキだ。
ケルベロス「水やし、実体も無いから捉えられん。さくらの今持ってるカードじゃどうやってもウォーティには勝てへん」
さくら「そうなんだ……」
さくらはご飯も用意して、テーブルに並べる。豆腐ステーキを箸で摘み、食べていく。
さくら「一ノ瀬さんに水を捉えられる術師を紹介してもらいたいね」
ケルベロス「せやけどウォーティは並大抵の術師じゃ勝てん。一気に水流で流されるのがオチや」
さくら「そっか………あっ、そろそろお兄ちゃん帰ってくるから、部屋に行っててね」
ケルベロス「おう」
ケルベロスはそう言うと、早速2階へ飛んでいった。
さくらは豆腐ステーキを食べていき、ご飯も合わせて食べる。
桃矢「ただいまー」
さくら「あっ、お帰りお兄ちゃん」
さくらは兄の桃矢を迎える。
雪兎「やあ、さくらちゃん」
さくら「あっ、雪兎さん」
さくらは雪兎を迎える。
雪兎「桃矢から聞いたよ。ペンギンさんや桃矢達を助けたんだって?」
さくら「はい!あの時、ペンギンさんもお兄ちゃんも危なかったので」
雪兎「勇敢なんだね。立派だよさくらちゃん」
さくらは嬉しさと雪兎の優しさを感じて、嬉しさで微笑んだ。しかし、その内心では彼が
桃矢「………まあ、あの時は助かったよ……さくら」
さくら「っ!うん………お兄ちゃんが無事で良かったよ」
桃矢「まあな」
この後、桃矢と雪兎はさくらから豆腐ステーキをご馳走してもらい、桃矢はさくらが作った豆腐ステーキが普通に美味かった事に驚いたのは言うまでも無い。
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ある日の友枝小学校の放課後。さくらとケルベロスは知世と共に、公園で一人の女性と合流した。公園近くに停めている黒い車に加えて、知世のボディーガードが運転するバンも停車している。
さくら「一ノ瀬さん。お待たせしました」
一ノ瀬「いいえ。待ってたわよ」
それは、この前の夜蛾先生の試験で河川敷に帷を降ろしていた補助監督の一ノ瀬遥香だった。
実は彼女は、夜蛾からの任命により、木之本桜と大道寺知世のカード集めをサポートする補助監督となった。これにより、間接的な形で呪術高専の補助を受けられる事となり、さくらとしてもカード集めの後ろ盾が出来た事に安心感を抱いていた。
一ノ瀬「水族館は一時的に改装工事という名目で、窓の伝手で人の出入りを制限させたわ。水族館の生き物、特にペンギンは飼育員と共に避難も完了。いつでも出動可能よ」
一ノ瀬の手腕に、高専の手際の良さを改めて感じたさくら。
知世「コスチュームも、水の精霊を意識したデザインですわ!防水効果のある素材も使いましたから、水対策もバッチリですわ!」
知世がボディーガードに運ばせたコスチュームは、アニメでも見た青が基調のバトルコスチュームだ。
一ノ瀬「………知世さん、貴女って術師じゃないのよね?」
知世「えっ?はい」
一ノ瀬「………さくら。知世さん。貴女達は呪具をご存知かしら?」
呪具。呪いの込められた道具の総称だ。何故改めてその話をするのか、さくらは疑問を抱く。
さくら「何故その話を………えっ?まさか、知世ちゃんのコスチュームに呪力があるんですか?」
一ノ瀬「察しが良いわね。コスチュームは一通り見たけど、どれも精密に呪力が宿ってるのよ。でも効果としては、装着者の肉体強度と身体能力を少しだけ強くするって感じね」
さくら「えっ!?そうなんですか!?」
ケルベロス「何ィッ!?知世のコスチュームにそんな効果があったんか!?」
ケルベロスすら気付かない程の精密な呪力が宿ってる事に、さくらも驚いていた。
知世「私が……?」
知世も驚く中で、一ノ瀬はコスチュームの帽子を指で撫でる。
一ノ瀬「だとしてもこの年で此処までの呪力を込められるのは凄いわ……一級でなくても準一……いえ、二級レベルね」
二級レベル。さくらはこの前の模擬戦後、知世と共に術師や呪具、呪いに掛けられる何級かの階級について、夜蛾や一ノ瀬から説明を受けていた。さくらは前世の記憶で知ってたものの、復習の為に受けたのだ。
呪術師や呪霊の格として、何級かどうかを割り振られる。それがどれだけ強いかは、もしも呪いに物理攻撃が可能なら?という基準で決められる。例えば、4級なら木製バットで余裕、3級なら拳銃で安心、2級なら散弾銃でギリギリ、準一級または1級なら戦車でも心細い、特級で絨毯爆撃でなければキツい国家規模と、大雑把に決めるとこのような感じだ。
但し、術式や呪力の扱いだけでなく、社会的な信頼度や任務の完遂能力も含めた「総合評価」であるため、実力が伴っていても推薦がなければ上がれないなど、かなり政治的・組織的な側面が強いのも特徴である。また、呪術師側の階級も「同等の等級の呪霊を確実に祓える(=2級術師なら2級呪霊に近い実力)」ではなく、「一つ上の等級の呪霊に近い実力(=2級術師なら1級呪霊とも渡り合える)」という、少し余裕を持った評価制度でもあるのだ。
では本題。一ノ瀬は知世のコスチュームを見た時、2級クラスの呪具となっていると判定した。即ち、ショットガンでギリギリの耐久性と身体能力を得られるという、実質の2級呪具という事になる。
さくら「つまり、私は知世ちゃんの呪具のお陰で身体能力が強くなって、ショットガンレベルの攻撃も弾くって事ですか!?凄いよ知世ちゃん!」
知世「さくらちゃんに似合うコスチュームを考えていたつもりなのに、さくらちゃんをいつの間にか補助していたのですね!素敵ですわ!」
ケルベロス「凄いやないか!知世もさくらを護ってたんやな!」
一ノ瀬「ホントよ………どうなってるのよこの町は。でも油断は出来ないわ。呪具と言っても、クロウカードの精達はこの程度の呪具なら傷付けられるかもしれないわ。この前のSHADOWだったわね?あれ、もし一撃でも受けてたら紙を破くように体を切り裂かれてたのよ」
さくら「っ!!」
さくらは背筋が凍り付いた。やはりSHADOWも、クロウカードなのだ。それ相応の力があるのである。
一ノ瀬「知世さん。貴女は衣装作製の時にこの子への想いを呪いと共に込めてるお陰で、貴女の呪力が衣装に染み付いてるわ。訓練無しで二級レベルの呪具を作れてるのは凄いわ。けど今の貴女は術師としての訓練はまだ受けてない。だから、物に呪いを込める方法は私が教えるわ。表向きは、大道寺家に雇われた家庭教師として、でも実際は呪力の込め方を教えてあげる」
一ノ瀬は補助監督ではあるものの、それなりに呪力の扱いは心得ている。とはいえ、非戦闘員である事に変わりなく、本人の強さも3級を祓うのがやっとだ。それでも呪力の扱い方に関しては並の補助監督より優れており、夜蛾が直々に使命する程である。
知世「ありがとうございます!一ノ瀬さん!」
さくら「知世ちゃん凄いと思ってたけど、呪具を作れるなんて凄いよ!」
さくらは素直に尊敬した。知世ちゃん、私の事を好きすぎると改めて感じていた。
一ノ瀬(術師でないにも関わらず二級レベルの防具を作れるなんて………これでもし訓練を受けたら………ホントに才能の原石ね)
そして、ウォーティの話に入る。
一ノ瀬「さて、ウォーティだったかしら?確か、水の中に潜み、水を自在に操る特級クラスのカード。これを攻略するには、なんとかして実体を捉えないと難しいわね」
ケルベロス「せやけど、今持ってるカードじゃどう使おうと無理や」
さくら「……あっ、そう言えば水って冷凍庫に入れたら凍るんだよね?それなら、ウォーティを冷凍庫に誘い込んで凍らせるのは?」
知世「まあ、その手がありましたわ!」
一ノ瀬「効果はありそうだけど、凍るまでウォーティとやらが待ってくれるとは思えないわ。私が相手なら、凍らされる前に逃げ出すか仕留める位はするわよ」
まあそうだろうなと、さくらは思う。
さくら「ただ誘い込んで閉じ込めるだけじゃ意味ないね。其処でWINDYが役に立てるよ。冷凍庫の中に風を起こして、ウォーティを素早く凍らせるんだ。そうすれば、猛吹雪に襲われた時のように、全体を冷却させられるでしょ?」
一ノ瀬「なるほど……それなら理論上は可能だわ。なら後は、冷凍庫の位置を調べるだけね」
知世「冷凍庫の捜索は任せてくださいな」
本当に頼りになる仲間だと、さくらは思った。こうして作戦会議は進み、その日の夜、さくらは家を出た後に迎えに来た一ノ瀬の車に乗って水族館に向かった。
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さくらはバンから降りて、水族館の出入り口の前に立つ。彼女の身に付けているコスチュームは、青と白が基調の水の精霊を彷彿とさせる衣装だ。2つに別れた帽子、青いブーツ、スカートの先端に付いてる小さな水玉もまたチャームポイントであり、知世のセンスの良さが伺える。
勿論、このコスチュームは耐水性の素材も使用しており、知世の拘りも深く盛り込まれている。
そして、一ノ瀬は出入り口の扉に入るさくらと知世、ケルベロスを入り口前で見送る。
一ノ瀬「警備員は改修工事という名目で、全員退避させたわ。これで心置きなく水族館に入れるし、戦闘も可能な筈よ」
さくら「ありがとうございます。一ノ瀬さん」
一ノ瀬「知世さん、撮影器具とか用意してるのは良いけど、ホントに良いカメラワークね」
知世「ありがとうございますわ!さくらちゃんの活躍、是非ビデオに収めませんと!」
一ノ瀬は知世の撮影した映像を、一度は確認した事がある。プロのカメラマン顔負けのカメラワークに、小学生か疑う事もあった。
一ノ瀬「じゃあ、帷を下ろすわよ。あっ、事前に伝えたけど、冷凍庫の位置は分かるわね?」
さくら&知世「「はい!」」
一ノ瀬「よし。じゃあ二人とも、頑張ってね。『闇より出でて闇より黒く、その穢れを禊ぎ祓え』」
一ノ瀬が人差し指と中指を立てて、結界の詠唱を行う。
すると、水族館の上空に灰色の結界が張られていく。
帷。外から一般人に視認出来なくさせる結界。呪いが一般人に見えなくても、何かが起きてる不安を少しでも軽減させる為に必要な結界術だ。
水族館に張る理由も、一般人から見えなくさせる為と、さくらと知世の活躍しやすい状況を作る為の2つの目的がある。
さくら「さあ、行こう!知世ちゃん!」
知世「ええっ」
水族館の廊下を爆走するさくら。これまで気付かなかった事だが、不思議とコスチューム着る前より動ける気がする。
ケルベロス「分かっとるなさくら?ウォーティは強敵や。気を付けて戦わんとな」
さくら「うん」
さくらは知世を冷凍庫に通じる地下一階への階段の前で待機させた。
携帯電話でさくら側の状況をいつでも連絡出来るようになり、知世へ自分の状況を伝えられるようになった。しかし、帷の中では携帯電話が圏外になって使えない為、携帯電話を使えない時の予備としてトランシーバーを手にしている。
そして、ケルベロスが一番魔力を強く感じる水槽の上に通じる場所へ辿り着く。星の杖は既に解放状態にしており、戦う準備は出来ていた。トランシーバーを取り出したさくらは、知世へ連絡を入れる。
さくら「知世ちゃん。冷凍庫までの通路はどう?」
知世『バッチリですわ!撮影準備も完了です!』
さくら「よし!今からウォーティを誘導するね!」
さくらは懐にトランシーバーを仕舞い込み、杖を水槽に向ける。
さくら「ウォーティ!掛かってきなさい!それとも出て来る勇気が無いの?この水臭い半魚人がッッッ!!」
ケルベロス「さくらぁ!?」
すると、水槽から部屋を埋め尽くさんとする程の膨大な水が飛び出してきた。
ウォーティ『ガアアーッ!!!』
さくら「うおおぉぉ!?キレたぁー!FLY!」
さくらはFLYのカードを使用し、杖に跨ってその場から飛んで逃げていく。
ケルベロス「なんで煽んねん!!ほらぁ、ウォーティがキレとるやないかぁ!!」
他の水槽からも水が溢れ出て来て、ケルベロスを抱えるさくらの元へ襲い掛かってくる。館内を覆い尽くさんとする津波の規模に、さくらはウォーティの強さを改めて理解した。
さくら「こっちだよウォーティ!」
水族館内を飛翔し、ウォーティを誘導していく。ウォーティはキレているせいか、津波の規模でさくらへ向かって進んでいく。
そして知世と合流し、地下への階段へ向かうさくら。ウォーティも津波と共にさくらを追いかけていく。
冷凍庫前に到達すると、さくらはWINDYを呼び出して扉を開けさせた。ウォーティはさくらに向かって突撃しようとするが、WINDYに誘導されて冷凍庫の中へ入る。
ウォーティは冷凍庫の中で人魚のような少女の姿を見せて、さくらの方を向いた。
しかし、さくらは扉を閉めた後にWINDYが冷凍庫内で風を起こし、ウォーティの体を凍らせていく。
―――――――――――――――――――――――
さくら「………ふう。これで完了だね」
さくらは冷凍庫の前で杖を構え続けており、油断しないよう警戒していた。冷凍庫の中はWINDYの風で冷気が吹き荒れており、極低温がブリザードのようにウォーティへ襲いかかってるのだ。ただ閉じ込めるだけでは凍らせるのに時間が掛かるし、扉を破壊して出て来るなんて容易いだろう。吹雪で体が凍り付くのは現実でもある事だし、ジョジョの5部でもその様子が描写されていた。それを思い付いたアニメのさくらはホントに凄かったんだなと、さくらは心底思っていた。
知世「お見事ですわ、さくらちゃん!」
ケルベロス「しっかし、あんな煽り方は何を食えば思いつくんや?」
さくら「ウォーティは確か、好戦的なんでしょ?煽っちゃえば怒って知世ちゃんに攻撃してこないかもって思ったの」
知世「さくらちゃんったら………イケナイ人ですわ」
知世が恥ずかしくなり、顔を逸らす。
さくら「だって知世ちゃんに攻撃が来ないようにしたいもの。危険な場所に来ても、出来る範囲で知世ちゃんが撮ってくれるのが嬉しいからね」
知世「さ、さくらちゃん………////」
知世は顔を赤くして、顔を両手で隠してしまう。
さくら「さて、良いかな」
扉を開けて、カチコチに凍ったウォーティに杖を翳して例の呪文を唱え、ウォーティをカードに戻したさくら。
さくら「やったね!これでペンギンさんや水族館のお魚さんも無事だね」
知世「ええっ!さあ、帰りましょう」
ケルベロス「にしてもウォーティを手に入れるなんて、ホンマにさくらがカードキャプターで良かったわ。これからも根性見せたれや!」
さくら「そうだね。さあ、一ノ瀬さんの所に帰ろう」
そして、さくら達は出入り口の元まで戻り、帷に手を伸ばすさくら。しかし、何故か帷が上がらない。
さくら「あれ?帷が上がらない?」
知世「ホントですわ?」
ケルベロス「なんやどないしたん?ん?」
ケルベロスも帷に触れるが、何故か帷が上がらない。
さくら「どうしよう……帷の中からじゃ電話出来ないし」
帷が上がらない事に戸惑うさくらだが、ケルベロスが帷を見つめた後に声を上げた。
ケルベロス「これ、ただの帷やない!誰かが一ノ瀬の帷に、別の結界を仕掛けとる!」
さくら「えっ?それって………まさか、呪詛師!?」
さくらがそう言った途端、さくら達の足元が光り輝いた。下を見ると、札を中心に展開された紋章が輝いている。
さくら「知世ちゃん!ケロちゃん!」
さくらは2人を抱えてその場から横へ跳んだ。その時、床が大爆発を起こした。
さくら「っ!やっぱり誰かの仕業!」
さくらは2人を降ろすと、爆煙の中から一人の男が現れた。
???「避けられたかのう。不意打ちのつもりじゃったが」
現れたのは、アニメや漫画でも見た、若い五条悟や夏油傑によって返り討ちにされた呪詛師集団Qの特徴的な変なスーツを着た、高齢の男性だった。
さくら「呪詛師……!」
知世「まさか、帷も貴男が仕掛けたんですのね!」
???「流石に分かるかぁ!まあ若い娘さんにしては中々の観察力じゃのう」
その男性は腰に両手を当てているが、それなりに腕が立つのは理解出来る。
???「ワシはチョリソー。知る由もないと思うが、呪詛師集団Qの最年長。悪い事は言わん。そのカードを全部渡してもらおうか」
さくらは呪詛師が狙ってくるのは分かっていたが、まさか呪詛師集団Qに狙われるとは予想外だった。しかし、すぐに冷静になれた。
この時期、Qはまだ壊滅してないのだ。五条悟や夏油傑も高専に来てないし、小学生だ。ならば、何処かでクロウカードの情報を共有してて、狙ってきてもおかしくない。
チョリソー「渡さんと、いい子いい子してやるぞ」
チョリソーはそう言っているが、明らかに痛い目に遭わせるつもりだ。
さくら「っ!」
さくらは、再び緊張と恐怖が芽生えた。怖いのは、眼の前に居る人間を殴る事だ。前世でも録に喧嘩した事はなく、対人戦は初めてだ。夜蛾先生との戦いはあくまで呪骸が相手だったが、今回は人を相手にする。
つまり、呪詛師とは言え人間相手に力を振るわなくてはいけなくなる。
さくらは知世を見た。知世も、初めて人間相手に緊張した様子を見せている。
それを見た時、さくらは知世に及ぶ被害を考えた。
さくら「………知世ちゃん。隠れてて。ケロちゃんは知世ちゃんを護って!」
ケルベロス「っ!さくら、戦う気か!?」
さくら「アイツは放っておけない!なら、倒すしかないよ!初めての対人戦だけど………知世ちゃんを護る為なら容赦はしない!」
知世「さくらちゃん………分かりましたわ!さくらちゃん、負けないで……!」
ケルベロス「……しゃーない!さくら、気を付けてな!」
2人はその場から離れて、近くの倉庫に隠れる。
さくら「……カードは渡さない!おじいちゃんでも容赦しないよ!」
さくらは先程の恐怖に震えた顔から、魔王と戦う勇者のような勇ましい表情を見せていた。
チョリソー「しょうがないのう!なら、痛い目に遭って貰うかのう!」
チョリソーは札を両手に持ち、炎のような色合いに札を全て発光させる。
さくら、初の対人戦。
ウォーティがもし海に出てたら、ゾッとしますよね。
煽り文句、登場した呪詛師集団Qのメンバーは私のオリジナルです。