片喰は夜に揺れる ~Fate / Berserk Requiem~ 作:斑鳩古都
おや、ようやく目を覚ましたかな?
おっと、無理しない方がいい。ようやく回復したとはいっても、君の霊基は半壊しかかっていたんだから。全く、敵の宝具を正面から受け止めるなんて、勇敢と言えば聞こえは良いが、ただの自殺志願者の様に思えるね。
え? 私かい? よくぞ聞いてくれました!
私の名前はレオナルド・ダ・ヴィンチ! 人理保証機関・カルデアの技術顧問であり、ライダーのサーヴァントであり、人類史上最も有名な天才さ!
え? 何? なんかちっこい? 映像でみたダ・ヴィンチは長身で、ぼんきゅっぼんだった? それは......色々あったんだよ。まぁ、いずれ語るべき時が来たら話すことにしよう。
と言うわけでお察しの通り、ここは人理保証機関・カルデアさ。
君は、このカルデアにサーヴァントとして召喚されたんだ。どうだい、びっくりしただろう?
え、何だって?
どうして、記憶が失われていないのかって?
それは、この天才を持ってしても分かっていなくてね。あの特異点・伊蔵市が消滅した時に、回収した聖杯が妙な輝きを放っていたとノッブが言っていたから、何か聖杯による特別な干渉があったのかもしれないね。
つまり、君は正真正銘、伊蔵市の住民であり、デミ・サーヴァントとして犬塚信乃と合一した存在ということだよ。
まぁ、色々と聞きたいことは沢山あると思うから、私が順序立てて説明しよう。
まず、君はセイバー・犬塚信乃(いぬづか しの)としてカルデアに召喚されたサーヴァントだ。里見八犬伝に出展を持つ英霊だね。もし良かったら、私たちが直面している人類史の危機に君の力を貸して欲しい。
......よし、良い返事が聞けて私も嬉しいよ。これからは、同じカルデアの仲間だね。
次に、果心居士は完全に消滅した。だから、安心して欲しい。
あ、ちなみに、驚かないで欲しいんだけど、実はこのカルデアにも果心居士というサーヴァントが居てね............。ああ、大丈夫だから! そんな暴れないで! 村雨丸出すのは禁止!
............ふぅ、全く。少しは私の話も聞いて欲しいな。
こちらの果心居士ちゃんは、見た目は女の子の全くの別人。クラスはアサシンで、稀代の幻術師にしてからくり師。恐らく君が特異点で戦った果心居士とは、別の存在みたいだね。並行世界的な可能性の一つとして存在していたんだと思う。
だから、安心して過ごして欲しいし、折角なら仲良くして欲しいな。
あ、ちなみに、君に面会希望のサーヴァントが居てね。君の生みの親とも言える、曲亭馬琴ちゃんさ。そう、南総里見八犬伝の作者。こんな縁があるなんて、驚きだよねぇ。
え? 立花道雪や佐竹義重? 残念ながら召喚は確認されていないね。もしかしたら今後縁に導かれて召喚されることもあるかも知れないね。まぁ、果心居士の様に、別の存在の可能性もあるけども、それもお楽しみってことで。
で、本当に聞きたいのは、別にあるんだろう?
ふふふ、隠さなくっても分かるさ。ダ・ヴィンチちゃんは天才だからね!
............というのは嘘。実は今回召喚されたのは、君だけじゃ無いのさ。
そう、彼女は君が眠っている間に、既に自己紹介を済ませてカルデアに溶け込んでいるよ。今は、食堂で酒盛りをしているんじゃないかな?
そうそう、ライダー・坂本龍馬や、アサシン・岡田以蔵が、とても慕っている様でね。曰く「我々土佐郷士の祖に当たる方じゃき!」とか何とか。めちゃくちゃ好待遇で接待されてるよ。
まぁ、相当なお酒好きってことが知れ渡って、酒呑童子、荊軻、ロビンフッドあたりが突撃して、乱痴気騒ぎになっちゃってるんだけどね!
というわけで、私からのお願いだ。カルデアに来て初めての任務。どうか、この騒ぎを沈静化してきて欲しい。
かつて、彼女のマスターだった君なら、お手のものだろう?
あぁ、それと安心して欲しい。ちゃーんと、記憶はそのままだったからさ。君にとって大切な愛しの彼女のままだから。
じゃあ、色々と大変だけれども、改めまして。
ようこそ、カルデアへ。
F/BR 完
エピローグとなります。
特異点は修正されてしまい、色んな方たちは本来あるべき姿に戻りました。
元の世界がどのように進んでいくのだろうか。そんなことに思いを馳せてもらえたらな、と思います。
※FGO第2部の白紙化地球に巻き込まれちゃうと思いますが......そこは藤丸達に頑張ってもらいましょう。
改めまして、本作はpixivに投稿していたものを転載した内容になります。
Fateに何かしら触れたことがある人なら、誰しも考えたことがあるだろう「ぼくの考える最強の聖杯戦争」をお届けしました。
戦国武将で「鬼」というキーワードで作り込んでみたら、思ったよりも楽しく書けたのが良かったです。
ちょっとマイナーな武将だらけでしたが、色んな武将にも色んなドラマがあるんだな、と感じて頂けたら幸いです。
なお、執筆中の2023年に突如としてFGOで果心居士ちゃんが実装されて腰が抜けました。
めっちゃヒールで書こうとしていたので、怯えながら執筆を続けた記憶があります。
本当の偶然なので、広い心でもって楽しんでください。
※うちのカルデアの果心居士ちゃんは、宝具が偶然にも重なって、元気にイベント周回で活躍しています。
改めてですが、この作品は実際の人物や作品とは関係がございません。
Fateや戦国時代を知ってる人が少しでも楽しんでもらえたらという思いだけでございます。
何卒ご了承のほどよろしくお願いいたします。
駄文ながらもお読み頂き、誠にありがとうございました。
また、2026年中には幕末維新を舞台にした、FGOオリ主の二次創作をアップしたいと思っています。よろしければそちらもお願いします。