カジノトレは本当にチラッとしか出せ無かったが個人的には満足!
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久方ぶりの日本トレセン学園、通った時間は少ないがそれでも〝帰ってきた〟と懐かしんでしまう。
帰ってきた理由は夢を叶える為、その為ではあるがせっかく帰ってきたのなら〝ついで〟を果たしてしまっても構わないだろう。
「…………居た」
学園内の模擬レース場に向かうと、ソコに彼は居た。声は届いてこない、けれども見える。
きっとあの時のように夢を背負ったのだろう、天を見据えるかのように真っ直ぐの背筋が物語る。
きっとあの時のように無茶しているのだろう、寝不足時特有の目付きになっている。
きっと……あの日々の〝私たち〟のように、〝彼ら〟は必死に真摯に目の前の事に立ち向かっているのだろう。
「…………ダメだな、自分で分かってた筈のことなのに、胸が苦しいや」
私は踵を返し、自らの寮部屋へと向かった。幸いにも同室は遠征で居らず、私はベッドへと倒れ込んだ。
「………………………」
重苦しくて、言葉も出ない。私は自分が〝納得〟していたと思っていた。彼はトレーナーだ、トレーナー業という仕事をしている人だ。独り立ちしている大人で、自分の事は自分でしなくてはいけない立場だ。
だからこそ、仕事から長期的に離れるなんてそうそう出来ない。私の夢の為の調査に、彼を巻き込めない。そう〝納得〟したから、契約だって私の方から破棄を申し出た。彼なら、何とかして着いてきそうかも……なんて、自分の淡い希望を捨て去る為に。
けど、そうだな……私の夢に連れて行けず、置いて行った癖に他の担当と切磋琢磨してる姿を見てこの体たらく。
「どうやら私は、〝納得〟なんて出来てなかったみたいだな」
私はただただ現実を〝理解〟していたに過ぎない、その現実を〝納得〟して受け止めるなんて出来ない。出来る筈が無いのだ。
だって私は、夢を諦めないウマ娘だ。
だって私は、夢に挑み続けるウマ娘だ。
だって私は──彼の事が好きなウマ娘だ。
「そんなウマ娘が、彼と離れ離れになる道に〝納得〟なんて土台無理な話だったんだ」
私は今度こそ、そう〝納得〟した。
「夢も恋も総取りだ、もう絶対諦めない。そうじゃなきゃ、〝カジノドライヴ〟じゃない」
さぁカジノドライヴ、いい加減言い訳は辞めよう。素直に愚直に想いを言葉にしよう、形にしよう。
想いが届くか分からない、理想が果たされるかなんて分からない。彼は私をただの生徒としか見てないかもしれない、彼の好みに私は当てはまらないかもしれない。
そんなもしもが……怖い。けど、そんなものは恋をする為の前提条件だ。生きとし生ける恋する乙女の全てが直面する、この〝レース〟のバ場に過ぎない。
そのバ場に合うか合わないかを調べ、己と照らし合わせ、走るかそれとも退けるかを決める。でももう私は走ると決めた、だから退く道はない。あるのは1着か、それ以外かだけだ。
「……まだ間に合うか、お土産持って帰りの挨拶して来るか」
時間は有限、タイミングの見極めも肝心。恋する乙女に絶望する暇は無い。