機動戦士ガンダム SilenceWar ~U.C.0096 The Legends Sing of UC Lullaby~   作:にわ@タイトル単位作品作成者

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File.18 鎮静

同日同時刻

 L5宙域にて。

 

 バナージの乗るユニコーンが振動する。

 

 三機のギラ・ズールが散開する。

 左右、そして上方。

 

「来る……!」

 

 ビームが三方向から走る。

 

 即座にロール。

 機体を横倒しにする。

 

 光がすぐ脇を抜ける。

 

(焦るな……!)

 

 二射目。

 下から。

 

 急上昇。

 推進剤が唸る。

 

 間髪入れず三射目。

 

 反転。

 慣性に引きずられながら姿勢制御。

 

「くっ……!」

 

 ビーム・マグナムで撃ち返す。

 

 閃光。

 

 しかし三機は散る。

 当たらない。

 

(速い……!)

 

 再び包囲。

 

 今度は連射。

 光の檻が狭まる。

 

 左へスライド。

 すぐに逆噴射。

 機体を滑らせる。

 

 ビームが装甲の数メートル先を抜ける。

 

「当たるかよ……!」

 

 もう一射。

 今度はやや急ぎ撃ち。

 

 また避けられる。

 

 焦りが滲む。

 

(くそ……三機は多い……!)

 

 その瞬間。

 

 一機が腕を振る。

 

「何だ……!?」

 

 爆発。

 

 直撃ではない。

 だが爆風がユニコーンを叩く。

 

「うわっ!」

 

 機体が横滑りする。

 姿勢が崩れる。

 

 そこへ集中射。

 

 咄嗟にスラスター全開。

 推力で無理やり軌道を変える。

 

 ビームが背後を抜ける。

 

(まだ動ける……!)

 

 撃つ。

 

 しかし焦点が甘い。

 また避けられる。

 

 三機は距離を保ったまま、削るように攻める。

 

 回避。

 ――回避。

 また、回避。

 

 呼吸が荒い。

 

(……っ!

 何だ、この感じ……?)

 

 反射的に、機体を後ろに下げる。

 

 その瞬間。

 

 強烈な光。

 

 二機が爆ぜる。

 

 強力なエネルギーの奔流が通り過ぎた瞬間、

 突如、NT-Dが鋭く反応する。

 

 コックピットに赤い警告光。

 サイコフレームが脈動する。

 

「っ……!」

 

 頭部に圧力。

 視界が歪む。

 

 三機目が照準を合わせる。

 

 だが――

 

 ユニコーンが先に動いた。

 

 バナージの入力ではない。

 

 急加速。

 鋭角的な軌道変更。

 

 ビームを紙一重で外し、

 反転。

 

 ビーム・マグナムのトリガーが引かれる。

 

 閃光。

 

 三機目が爆散する。

 

「……」

 

 返答はない。

 

 バナージの意識は、そこで途切れる。

 

 一方、アムロ・レイはHi-νガンダムのスラスターを吹かす。

 

("あの時"のような思いは

 二度と御免だ……!)

 

 単機で戦うバナージの救援……。

 いち早くそこへ到達するために。

 

「間に合ってくれ……!」

 

 ――しかし、

 そこで見たものは……。

 

 光の残滓。

 サイコフレームの反応。

 

(これは……)

 

 コクピット内で、

 アムロは静かに息を吐く。

 

 前方。

 

 NT-D発動状態の

 ユニコーンガンダム。

 

 ――加速してくる。

 一直線。

 

(パイロットは落ちている……機体だけが動いているな)

 

 コクピットで

 アムロは息を整える。

 

「もういい!止まれ!」

 

 Hi-νガンダムが踏み込む。

 

 ユニコーンが突進。

 ビーム・トンファー展開。

 

 速い。

 

 アムロは半身でかわす。

 機体をわずかに滑らせ、すれ違いざま――

 

 蹴る。

 

 Hi-νの脚部がユニコーンの腰を捉える。

 

 姿勢が崩れる。

 

 その瞬間、ビーム・サーベルを抜く。

 

 閃光。

 

 左肩関節を正確に断つ。

 

 ユニコーンの左腕が回転しながら離脱する。

 

 しかし止まらない。

 右腕で斬り返す。

 

「動きはいい……だが、遅い!」

 

 後退。

 サーベルを受け流す。

 

 二合。

 三合。

 

 火花の代わりに、宇宙に光が散る。

 

 次の瞬間。

 

 アムロは敢えて踏み込む。

 

 至近距離。

 

 交差。

 

 右肘関節を切断。

 

 ビーム刃が正確に関節だけを焼き切る。

 

 右腕が力を失う。

 

 それでもNT-Dは前進する。

 

「まだ動くか……なら、脚だ!」

 

 ユニコーンが蹴りを放つ。

 

 アムロは受けず、かわす。

 

 逆に回し蹴り。

 

 ユニコーンのバランスが崩れた瞬間、

 

 右膝関節。

 

 切断。

 

 機体が傾ぐ。

 

 推進で立て直そうとする。

 

 だがアムロは逃がさない。

 

 最後の踏み込み。

 

 左膝関節を断つ。

 

 光が消える。

 

 四肢を失ったユニコーンが、推進だけで姿勢を保とうとする。

 

 だるまのような状態。

 

 それでもサイコフレームは脈動している。

 

「……ここまでだ。止まれ」

 

 Hi-νが背後に回り込み、

 機体を確保する。

 

 スラスターを最小出力で噴かす。

 

 ユニコーンを抱えるようにして減速。

 

 遠方に

 ネェル・アーガマの姿。

 

「艦に戻る。受け入れ準備を頼む」

 

 静かな宇宙。

 

 赤い光が、ゆっくりと沈んでいく。

 

 L5宙域を満たしていた閃光もまた、

 いつの間にか消えていた。

 

 残るのは、

 淡く漂う残光と――沈黙。




ユニコーンはアムロの目の前で暴走して襲い掛かったがためにダルマにされました。
もう本編から大分逸脱していますが、見守っていただけますと幸いです。
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