機動戦士ガンダム SilenceWar ~U.C.0096 The Legends Sing of UC Lullaby~ 作:にわ@タイトル単位作品作成者
…え?
なんでこんな時間にって?
元々話を作っている間に投稿する予定も書く予定も無かった話だから無理やり挿入してます…。
U.C.0096 4月12日 午前
強襲揚陸艦ネェル・アーガマ 艦橋
サイド6を出港してから、これといった異常は起きていない。
宇宙は静かだった。
ネェル・アーガマは予定通りの航路を取り、トリントン基地へ向けて巡航を続けている。
艦橋にも、張り詰めた空気はない。
最低限の緊張を保った……
しかし、不思議なほどに平穏な当直風景だった。
その静けさを破ったのは、サーセルの声だった。
「艦長、不明反応!」
オットーは顔を上げる。
「位置は」
「進行方向前方!こちらの航路を横切るコースです!サイズ……MSクラス!」
レイアムがすぐに端末へ視線を落とした。
「識別は!?」
「データベース照合中……一致なし!」
わずかな沈黙。
その直後だった。
「接近速度、急上昇!」
「何だと――」
言葉が終わる前に、それは来た。
金色の機影が、ネェル・アーガマの進路を横切る。
その瞬間――
わずかに、進路が曲がったように見えた。
まるで艦を一瞥するように。
光を反射する装甲。
鳥の翼を思わせる、しなやかなシルエット。
次の瞬間には、もう遠ざかっている。
「……今のは」
誰かが呟いた。
「追跡させますか?」
ミヒロが振り返る。
オットーは一瞬考え、首を振った。
「待て。下手に動くな」
得体が知れない。
だが、攻撃してきたわけでもない。
レイアムが静かに言う。
「アムロ少佐を呼びましょう」
オットーは頷いた。
「そうだな」
あの男なら、何か感じているかもしれない。
しばらくして、艦橋の扉が開いた。
「失礼する」
入ってきたのは、アムロ・レイ少佐だった。
いつもの落ち着いた様子だ。
オットーは簡潔に状況を説明した。
「つい先ほど、金色のMSらしき機体が艦の前を横切った。
高速で通過していっただけだが……
少佐は何か感じただろうか?」
アムロは少しだけ考えるように目を伏せた。
そして言った。
「感覚的な話になるが……」
艦橋の視線が集まる。
「敵意は無い」
わずかに空気が緩む。
「自由に飛び回っているだけだ」
アムロは、少し首を傾げた。
「……まるで“鳥”だな」
そう言ってから、アムロは一瞬だけ視線を宇宙へ向けた。
何かが、遠ざかっていく感覚だけが残っていた。
艦橋に、微妙な沈黙が落ちた。
危険ではないらしい。
だが、それなら――
「一体、何だったんだ」
誰かが小さく呟く。
オットーは腕を組み、アムロを見る。
「危険性は?」
アムロは短く答えた。
「手出ししなければ……」
それだけだった。
オットーはゆっくり頷いた。
「了解した」
レイアムがサーセルとヘルムへ視線を向ける。
「航路そのまま。警戒は維持」
「「了解」」
ネェル・アーガマは再び静かな航行へ戻った。
さっきの出来事が、幻だったかのように。
だが――
(……一応、これも本部へ報告しておくか)
オットーはそう思った。
艦長としての習慣だった。
不思議なことは起きる。
宇宙では、特に。
ネェル・アーガマは航路を保ったまま進み続ける。
目的地は――トリントン基地。
以上、フェネクスでした。