今日から新生B小町の書き下ろし曲を担当することになった作曲家である僕──ネット名『コウ』こと、河野光、現在…
「あら?何かしら?」
「あははぁ…そろそろ帰っても」
「ダメよ。働くんでしょう?こ・こ・で」
…苺プロの社長に、パシリにされています。
「でね~!入ったんですよ~。新生B小町に!」
「へ、へ~…」
ちょちょさんはまるで自慢するかのように、ジト目になりながら、僕に雑談の種を投げ付けてきた。
B小町って、僕の推しであるきゅんぱんさんとありぴゃんさんがいたアイドルグループだよね。そして、センターのアイさんが亡くなったとかいう。
僕がよく、旧B小町に曲を書いていたことを思い出し、何だか懐かしい気持ちになった。弟も、元気にやってるかな。
ちょちょさんはニヤリと笑いながら、僕の返事を待っている。
恐らく、『それで』とか、『何』とか、そんな簡単な返事を待っているのだろう。
「ふぅん~…でもちょちょさんって、26歳ですよね?」
「25だよまだ!!歳上に言われたくないです!何ですかその髪型!何で陰気な黒髪で左目隠してるんですか!?青いお目々が隠れてます~!」
「うっ…こ、これは染めてるだけで…」
まさか、聖母みたいに優しいちょちょさんに言葉の暴力を食らうとは、思ってもいなかった。
まぁでも、年齢のことを言ってしまった僕に問題がある…かな。
はぁと大きく溜息を吐き、ごめんなさいという意思表示のため、軽く頭を下げる。
「…いいですよ。怒ってません」
「はは…ありがとうございます…」
「でも実際、綺麗な顔隠れてて損してますよ~?普通に芸能界入れるレベルに顔良いんだから!顔出しとかしてみたら?かの有名なボカロP!正体はイケメン!って話題になったり」
「いや、無理ですよぉ…。絶対無理です。殺されます顔出しなんかしたら。ネットリテラシーがないやつになってしまう…」
「ネットの人と会う人が言う言葉ですか~?」
「ちょ、ちょちょさんに言われたくないです…!男だって明かしてる僕と会うなんて、どうかしてるよ…」
ちょちょさんは、いつか変な男に食われたりしないか、少しヒヤヒヤとする。
まぁでも、それは僕も言えること…なのかな?僕みたいなおじさん好きいる??いないよね。
「じゃあ、芸能界とか!」
「無理無理無理!僕は演技ちょ~下手なんです!したことあるけど、ヒトリニサセネーヨ並みに下手だったし!…いや、あれより棒読みかも」
「嘘…」
初心者だし、仕方ないと思いたい。やったの10歳の頃だったしね。棒読みすぎて、冷ややかな目線を向けられたのは、嫌な思い出だ。
そんな僕を見て、ちょちょさんは目を細める。
『でね』と不自然な接続詞の後に発せられる言葉に、僕はまた驚くことになる。
「…でね、本題は…コウさんに、新生B小町の曲を書いてほしいってこと!」
「……??」
「旧B小町の曲沢山書いてたじゃん!いけるでしょう?」
「無理難題やめてほしい…」
そうして、僕は苺プロへ無理やり向かうこととなったのです。
ハーメルン初投稿です!よろしくお願いします~!
純粋な二次を書きたいのですが、今脳内にあったのがこれだったのでね()
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