■シリーズ
【奈落家】がんばれ悟心鬼!

■キャプション
サンチュは、焼肉を千切りキャベツやネギ塩などと一緒に
巻いて食べる大きめの黄緑色の葉っぱです。

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■まえがき

いつも読んでいただき、ありがとうございます。

※ 奈落家のいつもの設定確認

・設定は戦国時代なのになぜか現代の要素が入る。
(今回は焼肉屋。安楽亭を参考にして書きました。)

・奈落家の服装は、原作通り。

・奈落さんと分身たち皆生存していて
人見蔭刀に仕えて
皆一緒に人見城に住んでいる設定です。

・季節は特に記載が無ければ、
投稿された日と同じです。
今回、投稿日は3月初めですが、
もう少し前の冬の設定です。

ストーリーのジャンル:コミカル

(pixivにも同時に投稿)

では、このまま下へスクロールして本編どうぞ。

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第1話

夕食は外で済ましていいと言われていた。

 

奈落は優しい。

晩ごはんは晩ごはんで

家族に作るものの、

人見城外の遠出の仕事で

遅くなるであろう悟心鬼には

外食を許可していたのだった。

 

だが、悟心鬼も

経費で出ている夕食代を

できるだけ安く済まそうとする。

 

と考えつつも焼肉屋に入る。

 

赤い看板に

昔のファミレスのような外観。

店の前には炭火で肉を焼いたようないい香りが

漂っていた。

 

昔ながらの入退店音。

店内は平成っぽいJ-POPのBGMと

丁寧な子供のような配膳ロボットの声がした。

 

客は若めのおじさん二人組や

中年夫婦が多いなと思いつつ、

席に案内され、

巨体をなんとか席に押し込み、

さっそくタブレットで注文するが

食べ放題も高いので頼まない。

単品メニューでボリュームがありそうな品を頼む。

 

優しい価格のカルビとロースの大皿。たれと塩。

ついでにサンチュのセットも。

 

肉を焼く炭・網などのセットは注文後すぐに

運ばれて来る。

 

火がつけられて、

悟心鬼は、暑いから焼肉は

今のような冬の方がいいと思った。

 

肉が来るのを待つ間、店内を見渡す。

天井は高く空調はしっかりとしているようだ。

インテリアは大きめの中華料理店を思わせないこともない。

お冷はセルフなのに気づき、持って来る。

 

そしてなぜかおばちゃん店員が

何も持たずやって来たと思ったら、

注文したサンチュセットの大葉が無いらしく

サンチュ多めでOKか訊かれる。

 

読心で相手の申し訳なさや

事態のどうしようもなさもわかるので

了承するしかない悟心鬼。

 

サンチュ地獄の運命に

内心、「ぐぐぐぅ(ToT)」と泣いていたが、

誰もその心を読む者はいなかった。

 

それからそこまでの量の肉を頼んでいないのに

10枚くらい来る団扇みたいなデカい葉っぱのサンチュ。

明らかに多過ぎである。

 

それプラス、肉と共に

千切りキャベツにネギ塩、特製みそも

消費しなければならない。

 

肉と白飯が到着し、

焼き始める。

 

一人で肉を焼きながら食べるのは忙しい。

だが楽しい。

 

熱した網に載せるとすぐに焼き上がる肉。

 

網は大きいので肉5~6枚を

いっぺんに焼ける。

 

消費するのが間に合わない。

サンチュも減らない。

 

熱気で眼も乾燥してくる。

美容には良くないかもしれない。

悟心鬼はそんなことを思わないが。

 

少しこげた焼肉は焼肉屋ならではの味だ。

 

元々、肉にたれや塩がついているので

追いだれや追い塩をしなくても

自然な味で楽しめる。

 

でもサンチュは減らない。

 

白飯も肉に合う硬めのしっかりとしたごはんだった。

 

ネギ塩や特製みそをつけて肉とごはんを食べるため、

やはりサンチュはいっこうに減らない。

 

重い腰を上げて食べ始めても

意外と食べづらく

千切りキャベツやネギ塩がこぼれる。

注文したのは自分であるものの、

なかなか使う気が起こらない。

 

それでも肉や白飯を食べる合間に

2、3枚は消費したが、

結局、10枚の内、

どう考えても残るであろうで

残ったサンチュは追いだれして

サラダのように食べることにした。

 

クセは無いが、こんなデカい葉っぱを

こんなにたくさんモソモソ食べる機会は

人生でそうそう無いかもしれない。

 

「ぐぐぐぅ(ToT)」

泣き言を言うが、聞いてくれる相手は誰もいない。

モソモソ。

 

モソモソと食べるサンチュ焼肉は永遠かのように続いた。

 

モソモソ。

 

そしてちょっとベソをかきながらも

やっとこさ食べ終わり、

会計は料理と共に来た

レシートをバインダーにはさんでレジへ。

 

会計後、クーポンと共にもらえるサービスの飴は

緑の丸型のハッカ飴。

 

なんとか永遠のサンチュも乗り切り、

会計も済ませてホッとした悟心鬼。

 

店の外で白い息を吐いて「ぐー」と一息し、

舐めたハッカの飴は

スーッと心に小さく響いた。

 

しばらくサンチュはいいやと思いつつ、

悟心鬼は焼肉のにおい漂う風を切って

ドシドシと人見城へと帰っていく。

 

地獄を垣間見たものの、

腹が満たされた大食らいの彼は

それでも元気いっぱいだった。

 

おわり

 

最後まで読んでいただき、

ありがとうございました。


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