貴方は淫魔の国へ渡る   作:ばばばばば

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3-30 BR 水着で入浴

 

 

 貴方が合意できる最低ラインがこれであった。

 

 

 結果として貴方と彼女は下着を付けたまま湯船へ足先を入れる。

 

 

 湯船の温度は少し熱め、しかしそれがひどく心地よい。

 

 

 肩まで浸かれば貴方は思わず伸びた声をあげながら沈み込んだ。

 

 

 

「はぁ……、人間ちゃんの世界のマナーむず過ぎっス……」

 

 

 まさに夢心地、しかし貴方はすぐ隣からする水音によって現実に引き戻される。

 

 実を言えば、服を着たまま湯船につかる方がマナーがなっていないことを隠しながら、貴方は湯舟に浸かった。

 

 

 

「……人間ちゃん、実はなんか隠してるっスか?」

 

 

 ――いや、混浴なら湯浴み着はおかしくない――

 

 

 

 貴方は固く目を瞑り、湯の中に身を深く沈め、対話を打ち切った。

 

 

「あ、怪しい! 人間ちゃんなんか誤魔化してるっス!」

 

 

 ――静粛に、風呂は静かに入るものである――

 

 

「でた! その謎ルール!」

 

 

 貴方は彼女の言葉を無視し、頭にタオルを載せるジャパニーズスタイルを繰り出した。

 

 

 ――謎ではない、ただ温泉を楽しむためのルールである――

 

 

 貴方は湯船の中で大きく伸びる。

 

 

「そもそも、人間ちゃんの世界って、エッチもせずに一緒にお風呂に入って何をするんスか?」

 

 

 ――温泉とは別に何もしなくてよい――

 

 

「うーん……?」

 

 

 貴方は彼女に温泉の楽しみ方を伝授する。

 

 

 しばらくの間、貴女と彼女はただ無言で湯舟に浸かった。

 

 

「なんか静かっスね……」

 

 

 ――静かなのは嫌いだろうか――

 

 

「いや……、なんか落ち着くっス」

 

 

 同じ湯気、同じ熱、同じ静けさ。

 

 

「なるほど、人間ちゃん達は、こういう風にお風呂でムードを高めてからエッチをするんスね?」

 

 

 ――それは違……、いやそういうこともなくはないだろうが、今の場合は違う――

 

 

 

貴方はどう伝えるべきか悩みながらも、存外に温泉を楽しんだ

 

 

 

 

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