貴方はただ一念に彼女の姿を想う。
ただひたすらに彼女に会うために。
「う、あ……、あっ、ガチだ。ガチだよこれ……」
「う、嘘だ! 淫魔に優しい境界の子なんて存在するわけがッ!!」
「存在しても私の目の前に現れなきゃいみねぇじゃねーか えーっ!?」
結果として、貴方に誘う物はいなくなったが、同時に貴方を囲む淫魔は増えているという現状に貴方は困惑した。
「あっ」
先ほどの親切な人を貴方は見かける。
貴方はこれは一体どうしたものか、そういった念を込めて見てみる。
「そんな子犬のような雰囲気でこっちを見てもしらん、こ、こっちは商売あがったりだ」
貴方を助ける義理は相手にはない、致し方ない事だろう。
このままでは目立ち過ぎて彼女と合流どころではないと貴方は目を伏せる。
――自分はまともに待つことすらできないのであろうか――
「あ、あの憂いを帯びた目……! 誰だ! 誰なんだ彼女を悲しませる奴は!」
「ゆ、ゆるさねぇ……、今日はソイツを見つけるまで動かない……!」
「私達には……、私達には彼女の涙を拭うことすらできないって言うのか!?」
――泣いてはいない――
そんな貴方の元に真っすぐと飛び立つ淫魔がいる。
その遠影を見た貴方は駈け出した。
「こっちっス!!」
空から伸びる手を貴方は固く握った。
「うわぁぁぁぁ!! アンタか!? アンタの女だったのかよド畜生ォォォォ!!」
「管理人!? 結局淫魔は地位だってのかよ!?」
「アイツなら私の方がすっごい魔力なのに……!! 金か!? 結局金なのか!?」
「夜の付き合い悪い癖にやることはやりやがって!!」
嫉妬と怨嗟の声を振りまかれながら、彼女は構わず貴方を攫う。
「あー、飛ばすっスよ、つかまってくださいっス」
貴方は――
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