とある国に神々がいました。
とある日に神々の子供が生まれます。
ある日、竜がやってきて美しい娘さんをくださいと言いました。
女神は竜を娘を与える代わりに試練を課しました。
ある所に女神と男の神と森と宦官の神がいた。
女神は女媧(ジョカ)、男の神は睿峰(エイフォン)、森と宦官の神は李榛杰(リージャンジエ)といった。
以降、李榛杰は森の神と明記する事にする。
女媧は火と水を司り、睿峰は土と風を司り、森の神は木々を司っていた。
森の神は木を譲り、女媧は貰った木で木炭を作り、木炭を作る際に発生した水蒸気は風を生み出して、睿峰に風を送った。その風は海から海水を水蒸気で空に巻き上げて雨を降らした。雨は森の神の深林を広げる。
そうした循環が全てに恵みをもたらしていた。
ある日、森の神の元に二人の子供が生まれた。
一人は光の神、もう一人は闇の神である。
森の神は木々の中からゆっくりと光の神と闇の神を取り出して、光の神を女媧に、闇の神を睿峰に渡した。
女媧は光の神を梓娜(ズーナ)と名付け立派な女神に、男の神は丹濤(たんとう)と名付け立派な男子に育てようとした。
そうして女媧は梓娜に料理と花を愛でるようにさせ、睿峰は丹濤に土で人形を作るように命じた。
その土でできた人形の頭に梓娜が花輪を添えた。
するとその人形は女神になった。
女神は梓晴(ズーチン)と名付けられすべての神から愛されて育ちました。
梓晴は女神でしたが、他の神から見て何の能力もありませんでしたが、珠のように美しい女神でしたので神以外からも寵愛を受けました。
皆が幸せに暮らしている所に、ある日、一匹の竜が現れました。
竜は梓晴に一目惚れしてしまい、女媧と睿峰に懇願して娘さんをくださいと言いました。
しかし女媧は「竜と神では子供を設けることはできない、もし娘と結婚がしたければ3つの試練を乗り越えなさい。もし試練を乗り越えることができれば、お前を神の姿に変えさせて結婚を許します」と言った。
女媧は試練を3つ出しました。
1.自分たちが手が届かない山の川が氾濫したので竜の神通力で治水をしてほしいこと。
2.山の中にゴバヒンという他の国から来た怪物がやってきたので追い返してほしいということ。
3.ヤウィーリというお茶がここから遠くの場所の市場で売っているのでお金を渡すから買ってきてほしいということ。
それを聞いて竜は首を縦に振りました。
女媧は聞きます。
「竜よ、お前の名前は何という?」
「ジュクシンと申します。以後お見知りおきを」
そう言ってジュクシンは女媧のもとから飛び立っていきました。
ジュクシンは川が氾濫しているのを見て、神通力を使って川の氾濫を止めようとしましたが、地形が崩れすぎていて、神通力では制御できません。
力を使い果たしたジュクシンは疲れて寝てしまいました。
翌朝気を取り直してジュクシンはこの場所に見切りをつけてゴバヒンの元に向かいます。
ゴバヒンはとても醜い妖怪でした。
ジュクシンは「お前はとても見た目が気味悪がられているから国へ帰れ」というとゴバヒンは「俺の祖国は滅んだ、帰る家などない」と言って反論します。
互いの意見は平行線で睨み合い、喧嘩に発展しました。
ジュクシンは神通力を使ってゴバヒンを制御しようとしますが、ゴバヒンは神通力を跳ね返してジュクシンを追い詰めてしまいました。
ゴバヒンはジュクシンの首根っこを捕まえて「まだやるか?」と聞きましたが、戦意を喪失したジュクシンは「降参する」といいました。
ジュクシンは聞きました。
「どうしてそんな力があるのか?」
と、彼が聞くと、ゴバヒンは「醜いからだ」と、いいます。
ジュクシンは聞きます。
「醜いから強いのか?」
それに対してゴバヒンはこう反論しました。
「眉目秀麗な者はすぐに醜いものを馬鹿にする。腹が立ったからいつの間にか修業を重ねるようになったのだ」
それを聞いたジュクシンは「成る程」と、少し納得しました。
ゴバヒンは言います。
「どうせ美人の女神にでも俺を倒してこいと言われて、のこのことやってきたんだろう?」
ジュクシンはそう言われて言葉をつまらせます。
そんなジュクシンにゴバヒンは更に言葉で追い打ちをかけました。
「見た目は良いかもしれんが、中身がそれ程、いい女だったのか?」
そう言われてジュクシンは更に何も言い返せません。
「とりあえずお前は修行をし直せ、俺に勝ったらここをどいてやる。それまで、俺はここにある樹の実を頂こう」
そういうゴバヒンに対してジュクシンはとあることを閃きました。
「ゴバヒン、お前はとても強いから頼みがある。とある山が洪水で氾濫して大変なんだ。俺の神通力だけではどうしようもない。お前はとても力があるから治水に協力してほしい」
それを聞いてゴバヒンは言います。
「タダではできないな」
ジュクシンは言います。
「実は女神女媧から使いを頼まれている。西の都からヤウィーリの茶を買ってきてくれとな。それを少しお前にも分けてやる。それでどうだ?」
ジュクシンがそう言うとゴバヒンは「わかった」と言って、洪水が起こった山までジュクシンの背中に乗って空を飛んでいきました。
ゴバヒンはとても力持ちで、桑で地面を舗装したり、大きな岩を持ち上げて大地を均(なら)しました。
二人で協力すると治水は日没前に終わりました。
二人は西の市場に行きヤウィーリのお茶を買いました。
しかしヤウィーリのお茶は売り切れていたのです。
「ごめんね、今年は不作でお茶が取れないんだよ」
と、売り子が言うと、ジュクシンは「どうして不作なんだ?」と聞きます。
売り子は「雨が降らないからさ、この土地はね、神や女神たちの力が届かなかっったりする時期があるんだよ」と言いました。
それを聞いてゴバヒンは気になって「茶畑に行ってみよう」と言います。
二人が茶畑に行くとお茶はすべて刈り取られたあとでしたが、葉に元気がないことは一目瞭然でした。
二人は茶畑の主に「雨が降らなかったのか?」と聞きます。
茶畑の主は言います「最近は寒い日が続くからね。雨が降らなくなったのさ」と。
ゴバヒンは聞きます。
「寒くなると雨が降らないのか?」
茶畑の主は言います。
「そうだよ、暖かくならないと、神様の力が弱まって海の水を空に運んでくれないのさ」
ジュクシンはそれを聞いて「水が運ばれれば良いのか?神通力なら得意だぞ」と言って、近くの海水を真水に変えて大雨を降らせました。
それを見て茶畑の主は驚きました。
人の力で作られた湖には水がいっぱいたまり、茶畑は復活しました。
二人は茶畑の主から沢山のヤウィーリの茶葉を貰って帰路につきました。
ゴバヒンはこの大陸の東の端に降りると「俺は容姿が醜いからこの国の神に嫌われている。だから元の国に帰ろうと思う、これだけの高級な茶葉を祖国で売り飛ばせばそれなりに金になるだろう」と言いました。
ジュクシンは聞きます。
「お前の国は滅んだのではなかったか?」
ゴバヒンは答えます。
「滅んださ、偉そうな皇帝が毎日、自堕落は生活を送っては国民から食べ物を奪っていた。だからその皇帝は民の怒りを買って殺されたんだ。俺も沢山殺した。皇帝の部下たちを片っ端から殴り殺して、いつしか味方からも恐れられるようになってしまった。だから俺は故郷を捨てる羽目になったのさ」
ジュクシンは言います。
「何故戻ることを決意したんだ?味方から恐れられているのだろう?」
ゴバヒンは言います。
「これだけの高級な茶葉を売れば俺は商人としての地位を手に入れることが出来る。商人としての地位を手に入れることができれば俺が戦役で流した血と悪名も少しは薄れるだろう。戦士としてではなく、今度は商人として」
ジュクシンは言います。
「そうか、大成することを願っている」
ゴバヒンは言います。
「大成など関心がない、明日生きていける分だけあればいい。それではな」
そう言って小舟に乗って東の島の国へ帰っていきました。
ジュクシンはそれを見送って女媧の元へ急ぎました。
ヤウィーリの茶葉を沢山持ち帰ったジュクシンを見て女媧は大喜びしました。
女媧は神通力を使ってジュクシンを竜から神の形にしました。
ジュクシンは自分の姿を鏡で見ると珠のような美男子がいました。
美男子にしてもらったジュクシンは大喜びです。
女媧は言います。
「ジュクシンよ今日からお前は私たちの家族です。字に書くときは淑神(ジュクシン)と書きなさい」
それを聞いて淑神は深くうなづきました。
「ありがとうございます。お母様」と、御礼の言葉を述べました。
淑神の歓迎の宴が開かれ、皆でヤウィーリのお茶を飲みました。