チートヤチヨのハッピーエンド   作:ねこスマ

6 / 6
『蛇足回』Remember

 

 

「〜〜〜〜〜♪」

 

 

 地球から月へ届いた歌でかぐやは目を覚ました。

 かぐやは手のひらを拳でポンッ!と叩くと早速行動に移した。

 

 

「もう一回地球に行けばいいじゃん!」

 

 

 

 爆速で仕事と引き続きを終わらせ、犬DOGEを連れてたけのこに乗って地球へ舞い降りた。

 

 

「なんか全然違うんだけどっ!」

 

 

 立川市周辺は以前の様な外観をしておらず、知らない建物が増えていることに頭を抱えた。

 

 

「でも、よかった!タワマンはあんまり変わってないねっ!」

 

 

 セキリュティが堅牢なタワマンに入るのは容易ではない為、彩葉と早く会いたいかぐやは扉の前に着陸していた。

 

 

ピンポーンッ!

 

 

「はい、どちらさまでしょうか?」

「彩葉ー!月の仕事を終わらせてまた会いにきたよぉッ!」

「……少々お待ちください」

 

 

 すぐに玄関の扉が開くと、腰が少し曲がった白髪の可愛らしいおばあちゃんが顔を出した。

 

 

「あれ?彩葉引っ越ししちゃったのかな?」

「彩葉は私ですよ」

「え?おばあちゃんが彩葉……?」

「はい、そうですが」

「えぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 

 

 立ち話もなんだからと部屋に上げてもらったかぐやは、広々としたあまり物が無い部屋を見渡した。テーブルにお茶とお菓子を並べた彩葉はゆっくりと椅子に座った。

 

 

「座ってどうぞ」

「あ、ども〜〜」

 

 

 目の前のおばあちゃんが彩葉だと信じらないかぐやは、まず質問を重ねた。

 

 

「彩葉は今何歳なの?」

「今年で80歳になります」

「ぬうぁぁぁ!完全に遅すぎたぁぁぁ!」

「わんっ」

 

 

 月の仕事に没頭しすぎて、まさかこんなに時間が経っているとは夢にも思わなかった。かぐやは頭を伏せて項垂れると、犬DOGEが頭を撫でて慰めてくれた。

 

 

「てか何で敬語ー?私かぐやだよー?⭐︎」

「かぐ……や?」

「え!?私のこと忘れちゃったのッ!!」

「すみません…最近物忘れが多くなって…」

「えっとぉ!昔の友達なんだけどっ!彩葉が高校生の頃いっぱい遊んだよ!」

「あぁ、確かに大事な友人がおりました」

「でしょ!その子その子!」

「ふふっ、何だか懐かしい気持ちは思いだせます。こんなに若い子が友達の筈ありませんのに」

「彩葉……」

 

 

 自分のことを忘れてしまったことにかぐやは泣きそうになると、彩葉の細い腕に螺旋状のアクセサリーを付けているのが目に入った。

 

 

「その腕輪…まだ持っててくれたんだ」

「これですか?随分昔に曲を作ったのですが、その時に励まされた大事な腕輪です」

「そっか、歌は月にまで届いたよっ!ありがとう彩葉!」

「そうですか、それなら私も頑張ったかいがありましたね」

 

 

 穏やかに笑う彩葉は、見た目は変わっても心は何も変わっていなかった。

 

 

「ねぇねぇ彩葉ー、私もまたこの家に住んでいい〜?」

「こんな老人と一緒に住んでも楽しくありませんよ?」

「彩葉と一緒だから楽しいのーっ!あ!私の部屋の物捨てちゃった?」

 

 

 階段を駆け上がって、自分の部屋に入るとトーテムポールなど無駄な物が綺麗に整頓されていた。ざっと見た感じ捨てられた物はないみたいだ。

 

 

「ずっと待っててくれたんだね彩葉」

 

 

 老人がこんなに広い家で一人で住むには広すぎる、だけど帰りを待っていたかのようにかぐやの部屋に埃などは溜まってなく、掃除が綺麗に行き届いていた。

 

 

「うかうかしてられないねっ、今日から彩葉と沢山遊ぶんだからっ!!」

 

 

 それから数年間、時間を取り戻すように楽しく過ごした二人は学生の頃のように毎日笑いあっていた。

 

 

__

 

 

 

「大切な〜メロディ〜は流れているよー♪」

 

 

 彩葉を天国へ見送った後、かぐやは一旦月に帰って学生の頃の彩葉にまた会いに行こうと決めていた。

 

 

「長い時間は精神が磨耗しちゃうみたいだから……ヨシ!不変コード入力完了っ!これで新品かぐやちゃんを地球にお届けー⭐︎」

 

 

 彩葉は認知症という病気でかぐやの事は忘れていたが、曲や大事な思い出は覚えていた。万が一に備えて、かぐやは緊急時に精神をプロテクトする不変コードをたけのこに仕込んでおいた。

 

 

「よーし!タイムスリップ開始!⭐︎」

 

 

 これが小惑星に軌道をずらされ、8000年過去の地球で過ごす事になるヤチヨの物語の始まりであった。

 

 

__

 

 

「かぐやちゃん、パンケーキを作ったよ」

「わぁ!ありがとっ彩葉!」

 

 

 何十年と練習した彩葉は、ペラペラなパンケーキではなく

 フワフワのパンケーキをかぐやに沢山作ってあげていましたとさ♪

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

Re-Otogibanashi(作者:溺死体)(原作:超かぐや姫!)

今より少しだけ先の未来。▼仮想空間〈ツクヨミ〉で活動する人気配信者ユニット、カノンとシュユ。▼彼女たちは、学業、配信、趣味と充実した日々を送っていた。▼七月。▼都内の進学校に通う女子高生・酒寄彩葉のもとに、七色に光る流星が落ちる。▼それはやがて、ツクヨミを揺るがすひとつの出会いへと繋がっていく。▼物語が大きく動き出すその時。▼華やかな舞台の裏側で、二人は何を…


総合評価:438/評価:9.14/連載:6話/更新日時:2026年03月21日(土) 20:00 小説情報

八千代を超えてあなたに会いに(作者:縁日 夕)(原作:超かぐや姫!)

超かぐや姫の短編集。▼基本一話完結で、各話で繋がりはないです。


総合評価:989/評価:9/短編:5話/更新日時:2026年04月01日(水) 19:48 小説情報

さんにんぐらし!(作者:歩輪路)(原作:超かぐや姫! )

[26/03/29]かぐやの嫁入り(単話完結)追加。▼本編から10年後、かぐやと彩葉、そしてヤチヨが三人で一緒に暮らし始めてからのドタバタを描く短編集です。▼短編としてまとめていますが、それぞれの話は個別にお読みいただけます。▼※一部、自作シリーズの設定を使用していますが読んでいなくても大丈夫です。▼もし気になったら、よければこちらもお読みください。▼htt…


総合評価:457/評価:8.33/連載:3話/更新日時:2026年03月29日(日) 17:00 小説情報

〈完結〉超かぐや姫Z!~もうちょっとだけハッピーなエンドを~(作者:すっごい性癖)(原作:超かぐや姫!)

酒寄家に長女なオリ主、酒寄結葉を付け加えただけのお話です▼ ▼※独自解釈が多々含まれます ご注意ください▼※タイトルのZにクロスオーバー的な意味はございません わかりにくく、申し訳ありませんがご容赦いただければ幸いです


総合評価:1441/評価:8.75/完結:66話/更新日時:2026年04月22日(水) 21:19 小説情報

私の知ってる超かぐや姫!がなんかおかしいんだけど質問ある?(作者:天空ラスク)(原作:超かぐや姫!)

 家宝の打ち出の小槌を振ったら超かぐや姫!の世界に接続出来る器具を手にしてしまった一般酒飲み配信者の少雛海琴。三次元(地球)と二次元(映画)、第四の壁を越えた物語が今ここにコメディ増し増しで始まる!


総合評価:2393/評価:8.98/連載:16話/更新日時:2026年05月31日(日) 07:12 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>