真1の大破壊後の世界で、日本復活のために悪魔と戦うある男女の物語(手広くアトラス作品がクロスオーバーした世界観です) 作:XX(旧山川海のすけ)
「面白い!」
究極合体魔法を発動させようとしている仮面ライダーベルゼブブ=桃井夏子。
それを目視し、仮面ライダーメシアはそう
そして
「どのような究極合体魔法か気になるな! それが究極合体魔法であるなら、侮るわけにはいかないのだが……」
彼は地上に降り立つ。
そして彼は
「究極合体魔法ッ!」
彼も同じく、究極合体魔法の発動準備に入った。
だかそれは「天罰の矢」ではなく……
彼から激しい稲光が発せられる。
ちょうど、仮面ライダーベルゼブブの吹雪と対になる形である。
彼は腰を落とし、語り出す。
「……女。その究極合体魔法はライダーキックのフォームに魔法を乗せ、威力を爆発的に高めるという内容の究極合体魔法だな?」
(見抜かれてる……!)
宙に浮かび上がり究極合体魔法の発動を進めながら夏子は戦慄する。
この相手は、仮面ライダーを知っていた。
実質悪魔2体の合体なのに。
これはどういうことなのか。
……夏子は知る由も無いが、大天使ハニエルはカズフェルのように、元々人に変化してメシア教団の大幹部として存在していた悪魔だ。
彼が仮面ライダーを知っていたのはそのせいである。
だからこそ、思ったのだ。
(ライダーキックにはライダーキックで返し、打ち破ることこそ真の正義)
彼は同じように、ライダーキックに魔法を乗せて威力を爆発的に高める方法で、仮面ライダーベルゼブブを倒そうと考えた。
仮面ライダーベルゼブブの究極合体魔法を発動前に潰すなどという、無粋な方法は考えなかった。
(天罰の力をライダーキックに乗せる……これこそこの仮面ライダーメシアのライダーキック……)
昂ぶりが抑えられない。
悪の仮面ライダーを、正義の仮面ライダーのライダーキックで打ち破る。
善の完全勝利である。
彼は昂ぶりによる震えを感じつつ、魔力を高め、練り上げ。
そして――
「アイスエイジスマッシュ!」
仮面ライダーベルゼブブの究極合体魔法が発動した。
吹雪の残滓を身に纏い、氷結の極大魔法を集中させた右足でライダーキックを解き放つ。
そしてほぼ同時に仮面ライダーメシアは、合わせるように激しい稲光を放つ右足で、全力で地上を踏み切ってライダーキックを打ち上げる。
この言葉と共に。
「ラストパニッシャーァァァ!」
仮面ライダーメシアは稲光を纏いながら突き進む。
そして地上と空からの2つのライダーキックは空中で激突し。
激しいエネルギーを迸らせつつ、空中で押し合う状態になる。
それはもはやキック同士の激突では無かった。
仮面ライダーベルゼブブと仮面ライダーメシア。
2つの仮面ライダーの、全存在同士の激突であった。
そして
「くううううううう!」
仮面ライダーベルゼブブ=桃井夏子から苦鳴が洩れた。
押されている……。
彼女はそれをハッキリと感じ取っていた。
仮面ライダーメシアは嗤う。
「どうだっ!? もう終わりかッ!? 悪魔に身を捧げし穢れた女よッ!」
彼はもう、勝ちを確信していた。
ライダーキック同士でぶつかった瞬間分かったのだ。
勝てる、と。
「悪魔人間の強さは総合力だッ! 勇者である我と、大天使ハニエルが合体したこの仮面ライダーメシアに女如きが勝てるものかッ!」
仮面ライダーベルゼブブのアイスエイジスマッシュのエネルギーが仮面ライダーメシアのラストパニッシャーに押されている。
これが押し切られたとき、仮面ライダーベルゼブブは敗北し、その命を散らす。
それは誰の目にも明らかだ。
「ま、負けないッ! あなたたちに、私たちの得たものを奪わせないッ!」
夏子は仮面の奥で折れそうになる心を奮い立たせ、必死に押し返そうと力を籠める。
だがそれは
「ぬかせっ! 混沌に従う悪しき者が何を得るというのだッ!」
全くの無駄になるのはあきらか。
仮面ライダーメシアの声から勝者の余裕が消えなかった。
そのまま高笑いをし
「お前たちは得てはいけない! 差し出すのだッ! その罪を償うため、持つものを全て差し出し消えていけええええええ!」
最後の一押しを込めるつもりで、そう力強く叫んだとき。
後ろから
「アイスエイジスマッシュ!」
鋭い気合の声がした。
同時に彼の背中に、もう1つの巨大な魔力が突き刺さる。
「なっ……!?」
どうしたことだ!?
このライダー同士の戦いに、踏み込んで来る者がいるとは!?
振り返る。
そこには……
桃井明がいた。
彼が己の妻と同じように……
アイスエイジスマッシュを仮面ライダーメシアの背中に叩き込んでいたのだ。
理解できなかった。
だから
「何故生身の人間のお前にライダーキックが出来る!? あり得ん! どういうことだッ!?」
仮面ライダーメシアは叫んでいた。
ほぼ悲鳴の調子で。
それに対して桃井明は
「……夫婦の絆さ。仲間ライダーから教えてもらったんだよ」
厳しい表情で、事務的に返す。
そう。
彼らは東京ディスティニーランドで、生身の人間が究極合体魔法を使うところを見た。
マツキインパクトだ。
あの夫婦にあんなことができるなら……
(俺たちだってできるはず)
ライダーとしての総合力では敵わなくても、夫婦の絆で負けているつもりはない。
やってみせる。
そう思った。
だから……
軍神シユウにサポートをさせて、実行したのだ。
このダブルライダーキックを。
「うおおおおおお!? お、押される……!」
仮面ライダーメシアは一転し、追い込まれ始めた。
元々彼には仮面ライダーベルゼブブ相手なら勝ちを確信できるほどの力の差があった。
だがしかし、それは……
「おのれ……おのれ……! 神聖なこの正義の儀式に踏み込んでくるなど……何と無粋な……!!」
彼は怨嗟の声を吐き散らす。
その力の差は、倍以上の開きは流石に無かったのだ。
急に2倍の威力になったアイスエイジスマッシュは、明確に仮面ライダーメシアのラストパニッシャーを押し返しはじめていた。
「卑怯者め……!」
そんな仮面ライダーメシアの呪詛の言葉を
「言ってろ。俺たちは何が何でも勝たなきゃいけないんだよ」
桃井明は取り合わず
「あばよ。正義の使者。行くぞ夏子!」
ここで決めてしまうために、彼は妻に呼び掛ける。
「ええ! あなた!」
そして桃井夏子=仮面ライダーベルゼブブは
夫と共に。
「恥を知れェェェェェ!!」
そんな仮面ライダーメシアの呪詛を背景音楽として
最後の力を注ぎ込む。
「ダブルアイスエイジ……」
「スマァァシュゥゥゥッ!!」
その瞬間。
爆発的に増大したアイスエイジスマッシュの魔力が。
ラストパニッシャーを消し飛ばし
「ギエエエエエエ!!」
仮面ライダーメシアを凍てつかせ、氷の像に変え。
そしてそれを木っ端微塵に打ち砕いた!