円卓の鬼神とリボン付きの死神の空戦。


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ACECOMBAT サイファーVSメビウス1

「メビウス1エンゲージ」

 

 

 ベルカ絶対防衛線B7R通称、円卓。広大な円状の土地には大量の鉱物資源があり、その影響で通信の混線やロックオン距離など様々な影響がある。

 

 

 語られることの無い戦い。円卓の空の可能性の話。

 

 

 

 

 

 

 

 当時最新鋭であったステルス機F-22ラプターが空気を裂き前へと進む。ミサイルを発射、4発のミサイルが4機のYF-23に真っ直ぐ向かっていく。

 

 

 4つの火達磨が作られる。

 

 

 一瞬にして4機が屠られた。

 

 

 

 ラプターはこちらに突っ込んでくる、こちらのF-15Cイーグルでは分が悪い。エンジン出力から機動性、ステルス性能など比べようのないほど大きな差がある。私はその差すら超えて生き残ってきた。ここは円卓、最後に生き残っている者が勝者なのだから。

 

 

 

 ピピピピピ

 

 ビービービービー

 

 

 

 レーダー照射の警告音がロックオン警告音に変わる。

 

 

 

 スロットルミリタリー出力、エンジン回転数が規定に達してからアフターバーナー全開。

 

 

 レーダー照射から逃れるため操縦桿を大きく引く。エルロンとスタビレーターが動き機首が上がり。体感警報装置による操縦桿の重さとGの束縛を感じる。

 

 

 そのまま引き続けて上昇。

 

 

 高度を確保する。ラプターも機首上げ、後ろにつかれて尚もレーダー警告音がする。

 

 

 ガンやミサイルを避けるために不規則にバレルロールする。後ろのラプターも同じ軌道でバレルロール。相当の腕前。牽制か当てる気か翼のすぐそばを銃弾が通る。不規則なバレルロール中この精度。これまで戦ったエースたちの誰よりも強い。

 

 

 上昇しながらのバレルロールで速度が下がる、ラプターとの推力の差で距離が縮まる。

 

 

 狙い通り。

 

 

 スロットルをアイドル位置に、エンジンからアフターバーナーが消え回転数が下がっていく。スピードブレーキオープン。操縦桿をわずかに引くことで失速角にはいり、抗力が大きく増す。立てなおせる程度の失速をすることにより大幅に速度を下げ相手のオーバーシュートを狙う。

 

 

 一気に速度を失ったイーグルとスピードブレーキを持たないラプターでは減速合戦はできない。結果ラプターはオーバーシュート、イーグルとラプターはすれ違う。

 

 

 

 

 すれ違いの一瞬、ラプターの尾翼が見えた。

 

 

 青いメビウスの輪、あるいはリボン。

 

 

 そのようなエースは見たことも聞いたこともない。所属はISAF、ユージア大陸の独立国家連合軍の戦闘機がなぜ円卓にいるのか?

 

 

 混線のメビウス1とはこいつの事なのか?

 

 

 一瞬の疑問を振り払い攻撃をする。

 

 

 レーダー照射、ロックオン。

 

 

 ロックオンが完了したか、しないかの僅かな時間にラプターは加速する。アフターバーナーがくっきりと見え、全力で前進していく。後ろを取られてすぐに旋回でもなく加速していく、何とも思い切りの良いパイロットだ。

 

 

 すぐさまこちらも追撃するために推力を上げている。まずはガンを撃ち反応を見る。目標をセンターに捉えて引き金を引く。

 

 

 破裂音が連続して響く。音よりも速い弾丸はラプターの過剰なまでに細かいバレルロールにより当たらない。その操作は思い切りだけでなく繊細でもあった。

 

 

 ミサイルを選択して発射、すぐさま白煙を引きながらミサイルが飛んでいく。

 

 

 ラプターはロールして背面を地上に向けてピッチアップ、地面に真っ直ぐ落ちていく方向に機首を向ける。すさまじい旋回率を見せつけられる、推力偏向と最新のフライトコントロールの恩恵を完全に操っていると思える。

 

 

 フレアすら使わずにミサイルを余裕で回避された。ガン、ミサイルでの攻撃を通して相手の技量を感じる。牽制として放った攻撃はすべて回避された。数あるエースたちとの戦闘を思い出す、たった1機なのに8機のエース部隊より恐ろしく感じる。

 

 

 こちらもラプターに続き地面に向かい全速力。ロックオンはできているが今ミサイルを放っても無駄であろう。

 

 

 2機とも高度を犠牲に速度を上げて、向かう先は地面。

 

 

 音速を超えていたラプターは機首を上げて衝突を回避する。地面から僅か10数メートルで水平飛行、この速度で尋常ではない。機首を上げて水平飛行に戻る。後ろを取っているから無用なリスクを負わない。

 

 

 ラプターは加速しながら谷のほうへ入っていく。円卓には大きな谷はなく浅い谷となる。地面スレスレを飛んでいる。

 

 

 追いながらレーダーを確認、やはり円卓の地下鉱物や地形の影響でロックオンが安定しない。しかしそれ以外にも狙いはあるのだろう。

 

 

 ラプターは時々狭く浅い谷の中で機体を振り回す。ガンの照準を定めさせないためであろう、思惑に乗ってやる。ぴったりと後ろに付く。

 

 

 ラプターは急上昇、ベイパーを引きながら空に昇る。こちらも上昇、相手の速度が落ちていることを感じミサイル発射を決意。

 

 

 ミサイル発射、直後ラプターのさらなる機首上げ、失速を制御してくるくると舞うように動きながらフレア放出。ミサイルはフレアに吸われラプターは無傷。

 

 

 速度が乗ったイーグルは失速機動をとったラプターをオーバーシュート、完全に後ろを取られた。先のオーバーシュートの意趣返し、何たる技量か。

 

 

 後ろを見て追ってきていることを確認する、上昇を続ける。

 

 

 太陽に真っ直ぐ向かって行く。ラプターがミサイル発射、警告が鳴り響く。バレルロール、ミサイルは太陽に吸われて行った。

 

 

 ミサイル回避の引き出しの多さ、機動や戦術の巧みさにより決定打を叩き込むことは困難であった。残弾は2つのミサイル、百と少しの機関砲弾。ラプターもミサイルは4発とないであろう。

 

 

 いまだに後ろを取られている上に機体性能差も相まって不利である。円卓の地面スレスレでロックオン障害を使うか、ステルス機特有の空力的な弱さを突き、最低速度の差につけ込むか。

 

 

 しかし全領域でフライトエンベロープはラプター優勢である。フライトエンベロープが優勢であるということは安全に飛行できる速度と高度が高い。さらに低速域では空力によって機体を操作するのイーグルと比べて、推力偏向の爆発力もある。

 

 

 であれば亜音速域での旋回性能の有利を活かす、亜音速域でならラプターに対して1Gだけ旋回性能が勝っている。超音速域ではラプター優勢かつスーパークルーズによる燃料効率で不利となる。亜音速域のドッグファイトしかない。

 

 

 亜音速域のドックファイトを仕掛ける、持久戦の中で一瞬の隙を捉えて落とす。それしかない。

 

 

 機体をロールし横に倒して機首を上げ、急旋回。ガンの射線に入らないよう常に気をつける。ラプターはミサイルの撃墜よりガンでの撃墜を狙うだろう、機体の性能を十全に発揮した機動を見てそう思う。

 

 

 ラプターも素直に旋回して追ってくる。確実に当たる瞬間を狙ってくる。

 

 

 ぐるぐると旋回戦をしている二機は二重螺旋のような軌跡を空に残す。不意に反対方向へ旋回、ヘッドオンで両者とも機関砲を射撃。両者とも無傷。完璧な射撃と回避の噛み合い。

 

 

 また旋回戦に入る。旋回率の差が出始める。レティクル内に何とかラプターを収めて射撃、ラプターの左水平尾翼にわずかにヒット。

 

 

 不利を悟ったかラプターは加速する。有利となる超音速域の戦闘をするつもりか不利な亜音速域を脱出するためか。

 

 

 こちらは加速せず亜音速域を保つ。低速になれば起動性は落ち、超音速域では不利となる。であれば現状維持しかあるまい。しかしスーパークルーズできるラプターの一撃離脱を何度もくらう事になるだろう。

 

 

 予想通り十分加速したラプターはこちらに真っ直ぐ向かってくる。ヘッドオン。ミサイル2発とともに機関砲の雨に襲われる。何とか急旋回とフレアで回避。ラプターは速度を保ち離脱していく。

 

 

 二度目のヘッドオン。ギリギリまで引きつけられ機関砲を撃たれる。事前に背面飛行をすることとピッチアップにより重力を使って速度を落とさずに回避。高度を失いながらも機体を立て直す。

 

 

 相手の技量は繰り返す度に磨かれて強くなっている。冷や汗がダラダラ流れている。被弾がないのは奇跡のようなものだろう。このままでは負ける、次のヘッドオンで仕掛ける。相手から見えないタイミング、僅かな時間だけ燃料をダンプ、燃料を捨てた分のみ軽量に。

 

 

 操縦桿を引き機首を上げる。3度目のヘッドオン、ミサイル2発をノーロックで発射、残ミサイルなし。敵機のコースを大まかに絞り200キロ程度身軽になる。フルスロットル、ピッチ急上昇。ラプター発砲しかし疑似コブラ機動により回避。失速寸前に右エンジンをフルアフターバーナー、左エンジンをアイドル出力にしてラダーペダル、操縦桿をフルに使い左へすさまじい旋回率で曲がる。機関砲を射撃。

 

 

 砲弾はラプターの右エンジンに吸い込まれていき、右エンジンから出火、バランスを崩しふらふらと飛んでいる。ミサイルはすでに無く機関砲も残14発。帰還するだけの燃料しかなく追いかけると足りないだろう。

 

 

 ギリギリの戦いであった。コンマ数秒の遅れで火達磨になっていてもおかしくない。教本や規定を無視して機体に大変な負担をかけた。オーバーGをしてしまったため、この機体は精密検査ののちしばらくは整備作業か廃機になるだろう。

 

 

 しかし生き残った。それでよいだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 円卓の鬼神と後のリボン付きの死神

 

 両者はストレンジリアルの空で出会うことはあったのだろうか。2人のエースとして語られることが多いサイファーとピクシーに対して、1人で1個飛行隊と同等の戦力として数えられるメビウス1。

 

 果たしてどちらの方が強いのだろうか。今回はフリープレイのエース難易度THE GAUNTLETをイメージしてサイファー勝利とした。

 

 後世では噂程度にしかなってないであろう円卓の鬼神がリボン付きの英雄よりも強いというのは面白いと思った。

 

 1995年のサイファーと2003年の時点で新人説のある別大陸のメビウス1ではそもそも戦わないだろうし、どっちが強いかなんてプレイヤーが操作している方が最後に勝つ。それでも両者とも魅力的なエースであり両者でもあった筆者はこういった妄想が大好物なのである。


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