YMT(ヤオモモの弟マジ天使)   作:HIGHレボリューション

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前回の投稿から時間が空いてしまい申し訳ありません。
いつの間にやらお気に入り登録が60人に到達。読んでくださった方本当にありがとうございます。
不定期ではありますがちょくちょく投稿していきたいです


誰だお前は!? "爆豪勝己"です

「おいクソ共! 休日の朝っぱらからギャーギャーうるせェんだよ!!」

 

リビングの扉がバーン!と勢いよく開き、不機嫌オーラを全開にした爆豪勝己が怒鳴り込んできた。手には歯ブラシ、寝起きのツンツン頭はいつも以上に爆発していた。

 

「あ、爆豪……ヤバいタイミングで……」

 

切島が冷や汗を流す中、爆豪の鋭い三白眼が、リビングの中心にいる見慣れない小さな影――千を捉えた。

 

「あァ? なんだこのガキ……」

 

眉間に深いシワを寄せ、チッと舌打ちをして千を見下ろす爆豪。

その極悪人ヅラと、威圧感たっぷりの低い声に、千の小さな肩がビクッと跳ねた。

千は慌てて八百万の背中に隠れると、そのドレスの裾をぎゅっと握りしめ、涙目の上目遣いで呟いた。

 

「ももねえさま……あのツンツンのおにいちゃん、お顔がこわい……」

 

ピシッ。

その瞬間、爆豪勝己の中で『何かが弾ける音』がした。

普段なら「あァ!? 誰が怖いだクソガキ!!」と怒鳴り散らすところだが、爆豪は目を見開いたまま、完全にフリーズしてしまった。

 

(こわい……? 俺が……この純度100%の無垢な生き物に、恐怖を与えた……?)

 

爆豪の脳裏に、千の怯えた顔がスローモーションでリフレインした。

数秒の沈黙の後、爆豪は持っていた歯ブラシをポロッと落とし、一切の感情を失った顔でクルリと踵を返した。

 

「おい爆豪!? どこ行くんだよ!」

 

切島が呼び止めるが、爆豪は無言のままフラフラと廊下の奥へ消えていった。

そして、きっちり30分後。

ガチャリ、と再びリビングの扉が開いた。

 

「やぁみんな。今日もいい天気だね」

『いや誰ェェェェェェェェ!!?!?』

 

A組全員の絶叫がハイツアライアンスを揺らした。

そこに立っていたのは、いつもの凶悪な爆発頭ではなく、高級トリートメントとアイロンを駆使して完璧にキューティクルを整えられた、サラッサラのストレートヘアーの爆豪勝己だった。

しかも、眉間のシワは消え去り、口元には爽やか俳優のようなスマイルを浮かべていた。

 

「ば、爆豪……お前、その頭……! ていうか喋り方!!」

上鳴が恐怖のあまり後ずさりする。

 

「幻覚だ……俺たちついに集団幻覚を見始めたんだ……」

瀬呂が頭を抱えた。

 

しかし、当の爆豪はクラスメイトの阿鼻叫喚を完全にスルーし、優雅な足取りで千の前にひざまずき、そして王子様のように優しく微笑みかける。

 

「ごめんね、さっきは驚かせちゃったかな? もう怖くないよ」

 

そのサラサラの金髪が、窓からの光を反射してキラキラと輝いていた。

 

千はぱぁっと顔を輝かせ、

「わあ! さっきのおにいちゃん? かみ、さらさらでキラキラ! おうじさまみたい!」

「! ――っ……!!」

 

千の小さな手がサラサラの髪を撫でた瞬間、爆豪は胸を強く押さえ、声にならない歓喜の叫びを上げてその場に崩れ落ちた。口からは一筋の魂(エクトプラズム)が抜けかけていた。

 

「爆豪まで陥落したぁぁぁぁ!!」

「あの爆豪が、ガキの『怖い』の一言でアイロンかけて出てきやがったぞ!!」

「ちょ、ちょっと待ちなさい! 爆豪さんまで千にすり寄るなんて許しませんわよ! 千の王子様は私ですわ!!」

 

八百万がわけのわからないことを言い出し、未だに「一片の悔いなし」のポーズで立つ轟、天井で浮遊し続けるお茶子、そしてサラサラヘアーで爽やかスマイルの爆豪。

最強の5歳児がもたらしたA組の崩壊(カオス)は、ついに引き返せない領域へと突入してしまった。

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