指令の意思に従う事は、巡り巡って人差し指の利益になる
ならば、どう解釈しても従えない指令も指令の意思なのだろうか?
それは人差し指の利益になるのか?

1 / 1
業の深さ

「『人差し指』の事どう思ってる?」

「めちゃくちゃ意味不明な組織。」

とある情報系フィクサーがとある飲食店で黒スーツの女性に取材をしていた。

「どうしてそう思うんですか?」

「『鶏肉を生で食え』から『自分の目をフォークで突き刺せ』、挙げ句の果てには『翼の禁忌を犯せ』だの『指令』が致命的な事を書くのは日常茶飯事、それなのに指令に従えばより良い人生が得られるって盲信してる人達がどんな役職にも居る…どう考えてもおかしいでしょ?」

黒スーツの女性は不敵に笑う

「では何故人差し指に所属を?」

「信仰、そして好奇心。」

黒スーツの女が半端に脱色された自分の髪を撫でる。

「どうして私の様な不信心者を代行者にしたのか、どうして私への罰はなんとかできるものばかりなのか、どうして私を人差し指に入らせたのか、どうして指令は私への指令をやめないのか…」

恐ろしい事を淡々と、さも当然という風に黒スーツの女は言う。

人差し指の指令に従わなければ、近日中に死ぬか、もしくは死ぬよりも恐ろしい事が起きる。全てが指令次第と言えど、それは人差し指の暗黙の了解であった。

「最初の頃にね、どこだったかの子供を殺せって言われて、無理そうだったから無視したの。そうしたらとても遠い区から代行者達が私を殺しに来た。彼らに下された指令は『一ヶ月以内に殺せ』だった、死ぬのが嫌で一ヶ月逃げたら『自分は殺されなくてもいいと伝えろ』って指令が私に届いたのよ?それで恐る恐る伝えたら代行者達は帰って行ったわ…殺そうとしたのも生かそうとしたのも指令なの。」

「それは、興味深いですね。」

「でもしばらく指令をこなしてたらまたある日無茶苦茶な指令が来たわ、戦争に参加しろとか、特色フィクサーに喧嘩を売れとかね。当然そんなのしたら死ぬでしょ?命惜しさにまた逃げだして…そしたらまた代行者に追われて…」

「また生き残った?」

「そうよ、今度はただ逃げたじゃなくて、無理を承知で戦ったの。それで気づいたわ、指令を無視したのに武器が力を与えてくる事に。」

「それは…」

「その直後、戦闘中に指令が届いたのよ『代行者として活動せよ、期限は不死の川に未来の影を見るまで』ってね。」

「未来の影ですか、T社の新製品ですかね?」

「さあね、ただ私はこの指令の時から少し考えを改めたわ。指令の意思は指令の意思、私の意思は私の意思。交わらず、相容れなくとも、指令も私もお互いを利用する事ができる。」

「利用…」

「ここまでの話はどのくらい外に話していいのかわからないけれど、まあ問題があったら私に指令が届くわ、何も届かなかったら予定通りに━━

 

「おい、ここに人差し指の女が来てないか?黒いスーツで髪を中途半端にブリーチしてる女だ。」

その時、外からチンピラ(本当にチンピラとしか形容できない)達が入ってきた、どうにも黒スーツの女を探していたらしい。

「もしかして、私を探してるのかしら?」

「…これも指令なんだ、悪く思ってくれるなよ!」

チンピラ達は人差し指の庇護を受けるために指令を受け取ったようだ、その内容は定かではないが、スーツの女がまともな目に遭う確率は低いだろう。

「…貴方達みたいなのをぶつけられるのは久しぶりね。」

「うおおおお!!!」

 

『強制解禁』

『神託端末機[ハルペー]』

 

黒スーツの女の手から小さな端末が落ち、床に着いた瞬間

四方八方へショーテルの斬撃が繰り出される。

チンピラ達は斬撃に耐えられず、切り刻まれ、倒れていく。

 

 

 

「…」

フィクサーは絶句していた。

黒スーツの女は所属組織から命を狙われているのに平然と組織の情報を話し、あろうことか追っ手を返り討ちにしたのだ。

正気とは思えない。

『(ビープ音)』

「…これを読めって?断るわ、趣味じゃないもの」

 

フィクサーには、黒スーツの女の手元にある端末の文字がいやに鮮明に見えた。

 

『ディアブルへ、「それはそれ、これはこれ」である事を表明しろ。期限は1分』


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

【急募】『蜘蛛の巣』から生きて脱出する方法(作者:θΟθ)(原作:Limbus Company)

▼『蜘蛛の巣』にぶち込まれてしまった主人公が親方達に絡まれながらも何とか生存の糸口を探しながら必死に生活するお話。▼──尚、その過程で主人公は親方やら子方やらによって死にかけるとする。▼※Limbus Company9章『断ち切れない』のネタバレを含みます。


総合評価:450/評価:8.94/連載:1話/更新日時:2026年03月25日(水) 21:18 小説情報

居なくならなければならない(作者:徒然の連れ)(原作:Limbus Company)

リンバス大好きなので自給自足します。分からないところはオリジナル要素で補強するので矛盾していたら指摘お願いします▼意見、感想、考察どんどんください!


総合評価:31/評価:-.--/連載:10話/更新日時:2026年04月30日(木) 20:15 小説情報

波は引いて、氷が溶けた(作者:なめなめろう(旧名:ELDERSIGN))(原作:Limbus Company)

▼マジで絶対許さん!!!誰もリアンを救わないって言うなら俺だけはお前を救ってやるからな馬鹿野郎!!!!▼※リアンを救うためだけの逆行もの二次創作です。また、盛大なネタバレを含みますので、リンバスの9章を見終わってから読むことをお勧めします。ご都合主義すぎるのでご了承ください。▼


総合評価:2362/評価:9.25/完結:8話/更新日時:2026年04月04日(土) 04:40 小説情報

パンのみに生きるにあらず(作者:改造黄金虫)(原作:Limbus Company )

都市の連鎖に飲み込まれ、親指のソルダートとして生きる、草臥れた転生者が不思議な少女と出会うお話。▼*時系列的にはロボトミ崩壊前ですが、L社とも図書館とも囚人たちとも一切関わりません。


総合評価:1339/評価:9.08/連載:24話/更新日時:2026年04月08日(水) 12:01 小説情報

3級フィクサーパンチ(作者:アリマリア)(原作:Lobotomy Corporation)

▼ 一般転生者がLに関わるめんどくさい奴らを3級フィクサーパンチでぶん殴りながら、脱都市のため指定司書を目指す話。▼ なお主人公は別に3級フィクサーではない。▼ 今更ながらにLCとLORを履修して意気揚々と二次創作を読み漁ろうとしたのですが、好みの作品が少ない上失踪しているものが多すぎるので衝動的に自給自足します。▼ 好きなキャラはL社に関わる全員です。対戦…


総合評価:18198/評価:9.35/連載:74話/更新日時:2026年05月18日(月) 18:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>