「は?ユラが笛を盗んで逃亡した?……………………何言ってんだ?職務のし過ぎで幻覚でも見たか?」
「気持ちは分かりますけど本当です!!」
あの巫女としての役目を全うすることしか頭にない、ユラが笛を奪って逃走?……………………ないだろ、笛を奪って逃走する意味もないし、笛は巫女にしか吹けないんだろ?
「……………………なんで逃亡すんだよ、笛は巫女にしか吹けない、笛を奪う必要あるか?」
するとミオが耳元でささやいてきた
「ジースが笛を使い、水竜様を目覚めさせるつもりです。先日も城でユラ様に命じられました、我々も止めましたがジースは考えを止める気はありません。ユラ様は水竜様を目覚めさせないために恐らく……………………」
「ふ~ん、で……………………俺にどうして欲しい訳?」
「ユラ様を守ってください、既に追ってが送られているはずです」
「なんで?」
「な、なんでって!アギトはユラ様の弟でしょ!!」
「やめなさい、ヨリ。アギト様が我らを嫌っているのは存じています、ですが水竜様を私利私欲で目覚めさせるために、笛を吹かせるのは禁忌なのです、どうかお願いします」
ミオが頭を下げる、俺が言うこと聞く保証もないのに、水竜様ね…………………
一族がどうなろうと知ったことじゃないが、借りにはなるか……………………?
「…………………いいよ」
「本当ですか!?」
「勘違いすんなよ、地上に飯食いに行くついでだ。ユラが心配とかじゃねぇからな」
「はい、よろしくお願いします」
ミオの分かってますって笑顔なのが訳わからねぇ、なんか調子狂うな
「ちっ!とりあえずプテルコぺス島に行くか『転移、プテルコぺス島』」
「了承してくれたねミオ」
「そうですね、なんだかんだ理由をつけて行ってくれるとは、思っていましたけど、なんだかんだ優しい人ですから」
「さて、久しぶりにきたな、相変わらず人でにぎわってるな」
逃げるように転移で島へと来たが相変わらず旅行客や漁師で賑わっている、とりあえずぶらつきながら歩くか
「この串焼き、ウマ」
途中ドーナツを餌付けしている水色の少女がいたが、こないだテンペストのお祭りで見た、リムル・テンペスト陛下に似ていたがそっくりさんかな、まさかこんなところに護衛もなしに来ていないだろう
餌づけされていたのあれ、牙狼族か……?リムル陛下のファンなのだろうか?
「……………?今のは?」
「主?」
「あ、いやなんでもない。見られてたような気がしたんだけど、気のせいだったみたいだ。ランガが珍しくて見てたのかもな」