もうひとつの世界の主人公   作:沙野衣千歌

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2:★ 天峰秀 ―― 渋谷・CDショップにて ―― ★

 今日はオフの日。

 前々から楽しみにしていたゲーム作品のサントラ発売記念のリリースイベントが終わり、SNSの私用アカウントに感想を呟く。

『リリイベ、すごい良かった。特にラスボスメドレーが痺れた』

 ……っと。

 これからどうしようかを考えつつ、おもむろに自分のコートのポケットに手を入れると何かあるのに気がつく。

「……鋭心先輩から借りてたハンカチだ――」

 返しそびれていたことに気づき、今いる場所が渋谷なことも考える。

 確か今日はみんなオフの日だったよな。

 鋭心先輩の自宅って渋谷――と考えがよぎり、連絡を入れる。

『鋭心先輩、ハンカチ返し忘れてたので返したいんですが、今って自宅ですか?』

 連絡を待ちつつ、近くのカフェに入り、時間を潰すことにした。

 するとコーヒーが渡された瞬間、連絡が入る。

『ああ、自宅だが、今度会えた時で構わないぞ』

 当たり前な返答が返ってきた。

 そういえば今俺がいるの渋谷ってこと、伝えてなかったな。

『鋭心先輩、実は俺、今渋谷に居るんで気にしないでください。今から向かっても大丈夫ですか?』

 ……流石に迷惑かな。

 そう思いながらもカフェのカウンター席でカップに入ったコーヒーを啜りながら、ゲームの最新情報をチェックする。

 新規召喚ガチャに復刻として前々から欲しかった武器が入ってる。

 これは帰宅したら回そう。

 そう思っていると鋭心先輩から連絡が入る。

『そうだったのか。今俺しか家にいないから来てくれても大丈夫だ』

 大丈夫な連絡が入った俺は今飲んでいるコーヒーを飲み干し、トラッシュボックスにカップを放り込み、店を後にする。

 

 10分程度で鋭心先輩の家に辿り着いた。

 鋭心先輩の家って本当に豪邸だよな……と毎回思う。

 インターホンを鳴らし、しばし待つと応答が来る。

「はい。……秀か、今玄関に向かう」

 鋭心先輩の声が聞こえた後、外のゲートが開く。

 俺はゲートの中に入り、玄関を目指すと玄関が開錠された音が微かに聞こえ、鋭心先輩の顔が見える。

「あ、鋭心先輩」

「秀、待っていた。ここじゃ寒いだろうから中に入ってくれ」

 鋭心先輩の言葉に甘えて、俺は家の中に上がることにした。

 家の中は暖かく、着ていたコートを脱ぐことにした。

 俺がコートを脱いだことに気がついた鋭心先輩。

「そこにハンガーがあるから使ってくれ」

 と、俺を気遣ってくれた。

「ありがとうございます。でも今日は早めに帰るので大丈夫ですよ。これ、返しそびれていたハンカチです」

 俺はハンカチを鋭心先輩に渡そうとすると、俺と鋭心先輩のスマホから騒々しい音が聞こえた。

 

――ギュイ! ギュイ! ギュイ! 地震です――

 




(帰宅後確認したら投稿できてなかったので只今手動投稿しました)
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