百式観音を背負いて。 作:ルール
「ダンに告白する?いいじゃないダンは良い男だし」
「やーね狙ってないわよ。アンタの血筋と身体目当てじゃないとこと、夢が良いのよ」
「自来也のことは気にしなくて良いでしょ。確かにアイツはアンタに惚れてるけど、それ以上にアイツは【忍の生き様】と【予言】に惚れてる。
自来也はダンと違って、アンタよりそっちを優先するわ」
「同じ傷を持つ者どうし、幸せにおなりなさい」
「誰がお姉ちゃんよっ!!」
綱手が大蛇丸に恋愛相談した際の一幕。
この時にダンを勧めたことを大蛇丸は後悔している。
ダンは自来也よりも弱い。
死ぬというリスクを考えてなかったことに。
アニメだと大蛇丸にとって縄樹とダンの死、それに悲しむ綱手の姿がかなり人生観に影響与えたように見えました。
夢と理想を抱いても死ぬ。
死んだらどんな悲しみを生むのか綱手を通して見てしまったのかと。
そんな死を、生き様、として誇れる自来也。
生き延びて歳老いて醜くなるダンゾウ。
不老不死、に拘ったのは転生してくる大切な人との再会以外にもこれが理由かなと。
俺とガイ先生が意識不明のサスケを連れて木ノ葉に帰還した。
木ノ葉病院に運んだサスケは、今の木ノ葉の医療忍術、医療技術では治療ができず点滴で栄養を与えながら安静にする以外はできることがなかった。
サスケが意識不明。
その事実に同期達は全員驚愕し慌てふためいた。本人はナルトの急成長ぶりに焦りを抱いていたようだが、サスケが木ノ葉の下忍で圧倒的に強いのは事実。
おそらくは上忍とも戦えるのではないかという実力があるのだ。
そんなサスケが意識不明状態においやられたこと、その原因がナルトを狙う者達に返り討ちにされたことが、皆を不安にし焦らせた。
直情的なキバやリーさん、仲間想いのチョウジはすぐにナルトのもとに行こうと駆け出そうとする。
そんな二人をシノとネジさんが止める。
ヒナタはサスケのことを心配しているが、ナルトが狙われていると知り顔面を蒼白にし、いのさんとテンテンさんがヒナタを落ち着けようとする。
シカマルは冷静に事態を見据え、できる最善の一手を模索する。
しかし今の木ノ葉よりも三忍の自来也様の側の方が安全なのだ。
ガイ先生が側にいればなんとかなりそうではある。写輪眼と目を合わさずに戦えるガイ先生ならカカシ先生とサスケのように万華鏡写輪眼月読の餌食にはならない。
だが、視線を合わせないことは視線の先を発火炎上させる天照の対策ができないことを意味する。
負担と疲労は大きく失明のリスクすらもある為に多用はしないだろうが、月読回避からの天照はあまりにも凶悪過ぎるコンボだ。
「・・・・・・サスケ君」
そしてサクラ。
同じ第七班であり共に過ごしてきた仲間にしてサスケに恋する乙女である彼女のショックは大きい。
俺は彼女に怒られて殴られる覚悟を決めていた。
俺が居たのになんでサスケがこんな目に、と責められると予想していたからだ。
でもサクラはそんなことなどしない。
同じ第七班なのに声をかけられなかったこと、今のサスケに何もできないことに悔しがっている。
医療忍術を彼女が学びだすのは、このサスケの姿を見続けたことがきっかけなのかもしれない。
なにせ彼女は原作でも毎日花を替えに来るほどに見舞いに通っていたのだから。
「あとは綱手って人次第か」
「そのようだな」
「ではオレ達はもう帰ろう。なぜなら病院で騒ぐものではないからだ」
シカマル、ネジ、シノ。
各班のリーダーというか頭脳担当がそう言ってサスケの病室から班員を連れ出す。
お大事に。
全員がサスケへとそう告げてから去っていった。
残ったのは俺とサクラのみだ。
「・・・・・・ねえ、狭間君?」
「なんだサクラ」
「サスケ君はこれからも、こんな風になっちゃうのかな?」
「イタチを倒さない限りはな」
涙を流しながらサクラはサスケの未来を案じていた。第七班での日々でサスケが復讐について語ったのは最初の自己紹介時と死の森での大蛇丸との一戦と我愛羅との戦いの時程度。
それ以降は修行で思い詰めた表情を見せるくらいで、口にだすことはなかった。
しかしうちはイタチが木ノ葉に姿を現したことで、サスケが抱く復讐心が表にでてしまった。
無論、サスケは本心からナルトを心配して走り出した。そこに一切の間違いはない。
けれどイタチへの復讐心があることも事実。
またイタチが現れたら同じことをするだろうとサクラに思わせたのだ。
別に怪我をするのはイタチだけが理由ではないだろう。忍なのだからそれ以外の戦いでも負傷し入院する。
それでもサスケが無茶をするのはイタチに絡んだ時なのだ。
ナルトや仲間の為に命懸けで戦うのも、イタチにすべてを奪われたことが根底にあるからだろう。
「・・・・・・強くなりたい。
私はもっと強くなりたいよ。
サスケ君がこんな目にあわないくらい」
泣きじゃくりながら語る彼女の本心。
原作よりも強くなったからこそ、彼女はより上を、もっと強さを望んでいた。
「・・・・・・・・・・・・俺もだよ」
けれどそれは俺も同じ気持ち。
三代目様の時といい、俺は肝心な時には何もできなかったのだから。
原作の超人達にいくら鍛えても勝てるわけがないのでは?と自分を信じきれなくなるが、そんなことをいつまでも言ってられない。
この世界で生きるには、ただ生きるのではなく大切な人を生かすには、守りきれるくらいの強さが必要なのだから。
病室を後にした俺は、中忍のイズモさんに声をかけられ木ノ葉の上役達のもとへと行った。
相談役と各部隊の長による暫定的な木ノ葉の意思決定機関。
相談役の水戸門ホムラ様とうたたねコハル様から俺は、今の木ノ葉の状況で俺が里外に出てはならないと正式に告げられた。
またそれに伴い【特別上忍】に昇格し、木ノ葉防衛の任務を与えられることになる。
その内容は、木ノ葉崩しで大蛇丸が口寄せしたような巨大生物や他里の人柱力が攻めてきた時に最前線で戦うというものだ。
警備隊、警邏隊とは異なる個人戦力。
それだけ百式観音が与えた印象は強かったようだ。
その任務についてる間は給料が発生し、他の任務につかなくて良いとのこと。
また、今は上忍達は依頼にかかりきりだから無理だが、時間が出来たら特別上忍としての教育を行うそうだ。
雲隠れの人柱力、八尾のキラービーと同じような扱いなのだろう。
修行による実力向上と有事の際の戦闘が俺の任務となるようだ。
忍の拠点である隠れ里。
そこには人柱力に対抗できる戦力が常駐してなければならないのだ。
木ノ葉の弱体化。
三代目火影、三忍、波風ミナト、九尾のクシナ、人柱力クラスの実力者がこれだけ揃っていた昔の木ノ葉はどれだけ強大だったのだろうか。
木ノ葉崩し後に木ノ葉の力は恐ろしいほどに低下していると言われるわけである。
昔がこれならそう言われるのも納得だ。
もっとも遥か昔は、
初代火影千手柱間、千手扉間、うちはマダラ、の三人が揃った最強の木ノ葉(各一族の当主もかなりの実力者だろう)が存在したわけだが。
あとは四大行の流派化もできるなら進めろと告げられた。まだアカデミー生や他の忍全員にやらせるわけにはいかないが、いずれは流派として学ぶ場所を用意したいそうだ。
キラービーがカルイとオモイの師匠であったようにいずれ俺もそんな立場になるのかもしれない。
忍者登録の再発行は綱手様が火影就任後になるらしい(書式の関係から今発行すると綱手様就任後に再度しなければならないらしい)が今日から特別上忍待遇として修行に励むようにと通達された。
一足飛びの昇格。
なんとも不思議な気分だ。
そしてサスケが復帰後にもし劇場版の雪姫忍法帖があるのならば、俺は木ノ葉に居残りかもしれない(汗)。
あまりに現実味のない展開に俺はフラフラと任務受付のある火影邸を後にした。
オマケ。
「なあなあ!狭間っ!」「ワン!」
「どうしたのキバと赤丸?」
「霧隠れから支援物資と治療班が来てくれたんだってよ!!」
波の国の件から交流の増えた霧隠れ。
木ノ葉崩しを受けたからか、こんな直接的な支援もあるようだ。
それだけ霧隠れも木ノ葉との関係をしっかりとしたいのだろう。砂隠れが同盟国から傘下国に事実上格下げになってるわけだし。
「それにさ、スゲェ腕利きでとんでもなく可愛い娘がいるって評判なんだよ!!」
「基本的に忍の顔面偏差値は高いでしょ(未来あんことチョウチョウ除く)」
くノ一ってだいたい可愛いよね(一部除く)。
「いいから、お前も見に行こうぜ!!」
可愛い娘ねぇ、水影の照美メイさんでも混じってたのかな?娘って歳じゃないけど。
強引に背を押され行った先。
そこには見知った人物が居た。
「はい、これで大丈夫です」
人集り(男ばかり)の中央に柔らかく優しく笑う人物、それは・・・・・・。
「うひょーーあの娘じゃねーか?!胸はねえけど、肌は白いし、髪も綺麗、なんかいい匂いまでする!」
霧隠れの鬼人・再不斬の元部下、白である。
「アレは男だよ」
匂いでわかれや忍犬使い。
サクラより可愛いとナルトに称された男の娘である白。彼には鬼人という恐ろしい保護者が居る。
白が木ノ葉にて性癖破壊を繰り返し、木ノ葉丸の同期メンバーのウドン君の初恋ブレイクをするのはもうまもなくである。
補足・説明。
今話は狭間が里に帰還した後の流れとオマケです。
原作より関係が強化されたので霧隠れから支援がきています。またせっかく生かしたのだから白を登場させたくなりました。
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