百式観音を背負いて。   作:ルール

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 その頃の霧隠れの里、再不斬自宅。

「白君(?)が不在なのでお世話に来ました♡」

「いらん、帰れ」

 敵(?)の居ぬ間に旦那候補にアプローチする当代水影照美メイさんが居たらしい。
 別に桃地再不斬に心底惚れてるわけでないが、結婚相手として名声と実力が足りていてかつ男前なので。
 ただ白(我が子)が心配で落ち着かない再不斬さんはあっさりと断り、やはりショタ◯モかテメェと疑念を強めたそうな。



原作20巻①

 

 俺が木ノ葉に帰還してから何日か経過した。

 サスケを入院させ、上役から昇進と今後の任務を告げられ、霧隠れに戻った白と再会とかなり濃い日々を過ごした。

 木ノ葉隠れの上層部から求められているのは、木ノ葉崩しを発端とした時勢の乱れの中の里の防衛。いざという時に大丈夫という保証だった。

 里から出られない。

 十二歳の子供にそれは厳しいのではと考えた相談役の御二人は「綱手か自来也が火影に就任すれば折り合いはつけられる」と伝えてくれる。

 三忍、その誰もが人柱力と対等以上に戦える実力者であると認識されているそうなのだ。

 また相談役としては自来也様が綱手様の説得に失敗したら自来也様を五代目火影にするつもりとのこと。

 予言のことがあるとはいえ、今の木ノ葉で火影を務めることができるのはそれだけいないのだ(立候補するダンゾウが居たが三忍の二人という候補がいるうちはスルーされたそうだ)。岩隠れで両天秤のオオノキがずっと土影を務めるのも仕方ないことなのかもしれない。

 世代交代は必要だが、そんなにタイミングよく実力者が生まれ育つわけではないのだ。むしろ候補者が複数居るだけ木ノ葉隠れは恵まれている方なのだろう。

 

 さて医療関係の支援として木ノ葉に来訪した白であるが、再不斬に仕込まれた霧隠れ暗部こと死体処理班の技術を活用して現在は医療従事者をしているそうだ。

 彼は忍に向いてない。

 桃地再不斬のその考えから氷遁という血継限界を持ちながらも忍であることを許されなかったそうだ。

 本人としては大好きな再不斬の側に居られないことは不満だが、誰かを殺めるではなく癒やすという仕事にやりがいを感じているそうだ。

 ただ、なぜか同性から熱い視線を向けられるのは未だに慣れないとか。

 いや別にそこは【なぜか】ではないだろう。

 彼は、桃地再不斬と一緒に居るためにとか、両親から身を守るように指示をうけてとか、そんな理由で性別を偽り男として過ごす女性疑惑がある存在なのだから。

 氷遁という血継限界を増やすために子作り強要などもありえないわけではないことであるし(それは性別問わないだろうが)、正しい対策ではあるだろう。

 ちなみに白を目撃したロック・リーさんはついあまりの可愛らしさにトキメイてしまったとか。そして性別を確認するために一緒にいた日向ネジさんに白眼で見てくれとお願いしてしまい、八卦六十四掌でシバかれたそうだ(白眼=覗きは日向一族が一番嫌う扱い)。

 そしてシバかれたロック・リーさんを白が介抱したものだからより深く墜ちかけたとか。

 春野サクラ、白。

 彼の恋路はあまりにも困難が過ぎる。

 BORUTOではテンテンと結婚して子供作って離婚したとかあるが(正確には不明)、彼の将来が今から心配である。

 

「ね、ねえ狭間君。あの霧隠れの白って娘となんか親しげだけどどんな関係なのかな?」

 

「元敵」

 

 波の国で戦ったからその認識で正しい筈。

 白にしても百式観音をぶち当てて全身バキバキにした俺に怯えてる節があり、白の人当たりの良さから親しげに見えるだけであんまり親しくはない。

 

「そうなんだ」

 

 その返事にホッとするいのさん。

 むしろナルトやサスケに彼は親近感を抱いているからそちらとは仲が凄く良くなるだろう。 

 ナルトと白が再会した時にどうなるか、怖いような愉しみのような複雑な気持ちである。

 とはいえ顔見知りではあるので木ノ葉滞在中では我が家に泊まるのかなと思ったが、白の宿泊場所は他の医療従事者の皆さん(特に女性)によりきっちりガードされていて何人も接触することは叶わないらしい。

 どんな扱いだよと思わなくもないが、白の性別問わない人気ぶりから妥当ではある。

 既に木ノ葉の少年達には初恋ブレイク被害者も居るし、木ノ葉の少女達からお姉さんみたいな看護師になると評判なのだから。

 

 

 さて、そんな予想外の再会はあったものの俺の生活は日常に戻れたと言ってよい。

 木ノ葉崩しが終結し、暁の二人もナルトを当面は諦めて去った(イタチの目的は別だろうし)、綱手様のことには関われなかったが原作知識で先入観がある俺はむしろ説得に関わらない方が良いだろう。

 綱手様の説得が成功し五代目火影に就任して頂ければ次に起こることは、サスケの里抜けによるサスケ奪還編か、劇場版の雪姫忍法帖である。

 ただサスケ奪還編だが、俺の存在のせいかサスケは原作ほどにナルトの成長に焦ってはいない。

 三人から聞いた話では守鶴の撃退もナルト一人ではなく三人がかりだったらしい。

 ならばナルトとは違い、自分は何も成長できてないと力を求めることは無いのではないかと思う。

 大蛇丸に刻まれた呪印があるが、アレは原作では最終的にイタチに封印されてしまった。なので必須というわけではない。

 大蛇丸の指導力は魅力的ではあるが、サスケが強くなるには結局両目が万華鏡写輪眼を開眼して須佐之男に至り、イタチから写輪眼を譲り受けるしかない。

 大蛇丸に課せられる修行に替わる鍛錬を木ノ葉でやればそこまで問題はないのかもしれない。

 水月香燐重吾という魅力的なメンバーとの接点ができないのは勿体ないと感じるが仕方ないだろう。

 あとは、ナルトとサクラのモチベーションに影響があるか?

 原作でのあの二人の成長はサスケを取り戻すという目的があったからあそこまでできたのだろうし。

 ・・・・・・・・・・・・・・・。

 悩みどころであるが、選択するのはサスケだ。

 イタチとの接触でサスケがどう感じたかが、きっと重要なことなのだろう。

 俺にできることはサスケ奪還編が起きた場合に君麻呂と戦うことを想定して鍛えるのみ。

 虚刀流奥義の再現はまだ完全ではなく、百式観音に組み込むことなんてできない。  

 それでも今度こそ倒すために鍛えよう。

 君麻呂との決着は我愛羅に任せるのではなく自分でやり遂げたいのだから。

 またサスケ奪還編が起きれば音の四人衆という消耗していたとはいえ特別上忍二人を返り討ちにできる実力者と戦うことになるだろうチョウジとキバとネジさんとシカマルだが、彼らも原作よりは強化されている。

 戦えばほぼ相討ちやカンクロウとテマリの応援という展開にならないかもしれない。

 未来はどうなるかはわからない。

 だからこそ備えるのだ。

 

 

 

 綱手様の帰還。

 その吉報が木ノ葉に齎された。

 彼女は弟と恋人の夢を継ぎ、そしてその夢を次代へと繋ぐために、五代目火影になる。

 それはナルトのまっすぐなひたむきさが起こした奇跡。

 綱手様が人の想いを背負って絶望を乗り越えることのできる優しくて強い人であることの証明。

 自来也様が師の最後の願いを叶えた瞬間である。

 

 火影邸の屋上、顔岩の下で木ノ葉は新しい時代が始まるのである。

 

 

 

 オマケ。

 千手谷間の話がうんざりだという方はここから先は読むのをお止めください。

 

 

「お!お前が谷間の息子かっ!

 ナルトからよく聞いてるぞーー!!」

 

「むぎゅうっ!?」

 

「「ああ〜〜〜!!」」

 

 前世にてNARUTO原作で一番の美人だと思い、一番外見が好きだった綱手様を一目見たいという気持ちはあった。

 だが千手狭間という木ノ葉の人間として生まれ、第七班のメンバーとして生きた今はそれよりもナルトとの再会とサスケの治療の為に綱手様のもとへと向かった。

 早くサスケに起きて欲しい、早くサクラを元気にしたい、そんな気持ちだったんだ。

 だが、

 そんな気持ちで向かった先、綱手様と会ったその瞬間、俺は魂が抜けるかのような極上の感触に顔を包まれていた。

 

「いや〜〜父親とは似ても似つかないな、母親の血か〜〜?ホレホレお前の父親がたどり着けなかった場所だぞ〜〜!」

 

 俺、千手狭間は綱手様のNARUTO最強のお胸に顔を挟まれているのです、狭間だけに。

 父親である胸スキーな谷間さんにはやらなかったのに、なぜ俺にはやっているのか?

 不思議でならないが、そんな思考もこの天国の前には霧散する。

 というか、アレ?意識が・・・・・・。

 

「綱手のバアちゃん!狭間が、狭間が、なんかもうピクリとも動かなくなってるってばよっ!」

 

「あひぃ〜〜!帰還早々死者1名〜〜!」

 

「男としては本望な死に方じゃな、羨ましいわい。ワシにもやってくれんかのォ」

 

「「んなこと言っとる場合かっ!!」」

 

 どうやら綱手様は過去を乗り越えたせいかなんかはっちゃけてるらしい。

 ナルトの額に口づけした、その延長なのだろう。

 あるいはナルトと自来也様が綱手様が俺に好印象を与えるような説明をしたのかもしれない。

 とにかく天国から開放された俺は、

 

「豊かなる、桃が並んで、桃源郷」

 

 そう言い残して意識を絶った。

 

「どんな辞世の句っ!?」

 

 

 なおこの光景を目撃してしまったいのさんがかつて無いほどにブチギレて、綱手様に心転身の術を使い火影岩の上で裸踊りをしてやろうとしたのを、ヒナタとテンテンさんが命懸けで止めたらしい。

 後日ヒナタは綱手様がナルトの額に口づけしたのを知り、止めなければ良かったと吐き捨てたそうだが。

 





 補足・説明。

 今話は、原作を三冊ほど飛ばして綱手様の火影就任の話となります。
 白と狭間ですが不仲ではないけど、白が若干怯えています。
 また作者的に惚れっぽいイメージのあるロック・リーさんがやらかしてしまいました(トキメイただけでまだサクラに惚れてますが)。
 サスケ奪還編ですが、サスケがどうなるかは既に最初ら辺に書いてしまいましたが、狭間視点ではこうです。
 呪印に関しては、イタチの十拳剣で封印して取り除けたので他の封印術で引きはがせるのかもしれません。
 原作では綱手様もリーの件で呪印を研究する時間がなかったでしょうし。


 谷間をだすと感想で書く方がいるのでオマケにしました。
 綱手に抱きつかれる狭間。
 最初は谷間が生きてたのかと勘違いしてやるつもりでしたが、酷いかなと替えました。
 顔見知りの子に会えたからついやらかしました。実は自分を魅力的だと叫ぶ谷間に綱手様は絆されかけていたのもあります。
 狭間は一句読んで意識を失いました。

 ブチギレ山中いの。
 心転身の術でやられたら一番怖い報復です。
 綱手は火影就任前に社会的に死ぬトコでした。
 

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