スタンドギャザリング 作:折り紙のユニコーン@UNICORNぬ
いつか原作でも出てきて場所被り、なんてことにならないといいんですけど、ひえー。
「時貞、心霊スポット行こう」
「構わねーけどよ、いつも急だよなァ~……」
正式に夜宵の仲間入りを果たし、時貞は時折夜宵からお化け集めに呼ばれるようになった。夜宵は霊を求める時、街中をブラつくか、心霊スポットを覗くか、このどちらかで集めている。時貞が呼ばれるのは大抵後者の場合だ。
しかし、時貞と出会う以前よりそんなお化け狩りをしているせいで夜宵は近隣の霊から恐れられており、成果はボチボチ。二人で心霊スポットを覗いてもお化けが出て来ず成果無しというのも珍しくない。
今日もまた、学校が終わりに掛かってきた電話で家に来るよう伝えられたれた時貞は、すっかり馴染みの場所となった寶月家に訪れていた。
「最近は空振りが多いけど、今日は行ける」
「こないだも言ってた気がするな、ソレ。ま、いいか。今回はどこ行くんだ?」
「着いてからのお楽しみ。詠子!」
「はぁーい!こっちはいつでもオッケー!時貞君、準備できた?」
「うっす。準備はもう出来てるっす」
どうやら既に外出の準備を終えていたらしき詠子がやって来て、早速全員が車に乗り込んだ。
「それじゃあ、レッツゴー」
「「ストー!」」
そこそこ慣れてきた珍妙な掛け声を上げながら車が出発する。
車は徐々が山へ向かっていく。暗い夜道で見にくくはあるものの、そこは時貞も知っている道であった。
「ン?ここ、O周遊道路かよ……ってことは───」
「そう、今日行くのはO湖ロープウェイ。しばらく時貞と一緒に近場をうろついてたのはネオユニヴァースの強さや能力を確認するためでもあった。
結果として、ネオユニヴァースは非常に強力。戦力としては卒業生並みに頼りになると判断した。」
「……卒業生ってなんだ?」
「私のコレクションの中で共食いを生き残ったり、危険度の高い心霊スポットにいたりする、とても強力な霊のこと。その呪いは隣5軒ほどの広域に被害をもたらす」
「広範囲に被害を出せるくらいヤベー奴ってことか!?そんなのも捕まえてるのかよ。ちゃんと無力化できてんのか?」
「卒業生ともなると人形に閉じ込めても影響は漏れでる。でも、まず普通の人は近寄らないような場所に安置している。問題ない」
「マジかよ……おっかねーことしてんな」
「話を戻す。今回の目的地は東京でも有名な心霊スポット。危険度はA上位。もしかすれば、Sランクにも届きかねない危険な場所」
「Aランク……たしか、高確率で不吉な
危険度ランク。それは、有志が全国各地の心霊スポットの情報を集め、作られたもの。報告のある霊現象をもとに、BからSSSランクで分類されている。
詳細な内容は以下のとおり。
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Bランク:危険度大。必ず複数人で行くこと
Aランク:高確率で不吉な現象が起こる
Sランク:通るだけでも危険
SSランク:生者が行くべきでない場所
SSSランク:評価規格外
ランク不明:実際は大したことはない、あるいは危険度SSS相当の場所
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「その通り。今回はそこそこ強い子を連れてきたけど、メイン戦力は時貞だから、気合い入れた方がいい」
「しょうがねーなァ~……確かに俺のネオユニヴァースが強い霊にどの程度通じるのか、確かめる必要はあったからな~……」
「着いたよ、二人とも」
車が停止し、詠子から到着が伝えられる。廃墟となり、寂れたロープウェイの駅は、昼の神秘的な雰囲気とは正反対の、不気味で不穏な雰囲気を放っていた。
「今回は場所があまり広くないことと、すぐに退避できるように、詠子には車で待機しておいてもらう」
「う、うん。わかった。そしたら、乗り込む前にここの曰くを教えておくね」
スマートフォンを取り出した詠子が、この場所についての曰くエピソードを語り始める。
「このロープウェイには、周辺で事故を起こした暴走族の霊の沢山の腕が現れる。駅内にある鏡に女の顔が映る。ロープウェイの中では人の苦しむ声が聞こえる、などなど、主に女の人の霊の目撃情報が多いみたい」
「ロープウェイに女の霊ね……暴走族の事故が原因なら男の霊が出そうなモンだけどな」
「この近くで亡くなったのが暴走族だけとは限らない。曰くはあくまで参考程度にしておいた方がいい。ヒントにはなっても答えには成り得ない」
「おー、夜宵ちゃん理知的~」
「ふんす」
「暴走族は腕だけ、駅やロープウェイの中ではむしろ女の霊の方が主ってコトはよォ~……」
「うん、注意すべき強い霊は女の方だと思う」
「だよな」
「早速行こう。準備はいい?」
「ああ、いつでもいいぜ」
「時貞君!夜宵ちゃんのこと、お願いねー!」
「うっす、任せてください!」
そして時貞と夜宵は寂れたロープウェイの駅へと足を踏み入れていく。
夜の廃駅に明かりはない。各々スマートフォンのライトを使って辺りを見渡す。当然ながら、手入れもされておらず荒れ放題の有り様だ。そこかしこが錆や埃にまみれ、壁は落書きがされている。
「手分けして探そう。私はロープウェイの方を調べる」
「はいよ。じゃあ俺は例の女が映る鏡の方か」
足早にロープウェイ乗り場へ出ていった夜宵を尻目に、ふぅ、やれやれと帽子を深めに被り直した時貞はそのまま駅内の探索を進めていく。
「鏡、鏡……お、コイツか?」
薄汚れた壁にポツンと取り付けられた鏡。時貞は周囲の汚れ具合に比べて、鏡が小綺麗なことに違和感を覚える。
角は汚れているが、きちんと鏡として使えるくらいには綺麗な状態。
「詠子さんが言うには、コイツに女の霊が映るらしいが……」
鏡に近寄って正面に立ち、そのまま覗き込む。そこに映っているのは、時貞と
「ゆる……せない……」
「───ッ!こ、コイツは───!!」
【オラオラオラオラァッ!!】
ぞわり、と悪寒が背筋に走る。咄嗟に振り返り、ネオユニヴァースの拳が放たれる。
しかしそこに女の霊はいなかった。直後、肩をがっちりと捕まれ、ぐいと体が鏡へと引きずり込まれる。
「なにィ───ッ!?」
わずかな目眩にも似た暗転。次の瞬間には時貞はゴンドラの中に立っていた。
「ここは───!ゴンドラの中かッ!」
そして、ぬるりと這い出るように窓ガラスから女の霊が出現すると同時にゴンドラが動き出す。軋む音を立てながらゆっくりと駅から離れ始める。
「そういうことか。さっきの攻撃は避けられたんじゃァ~ねぇ、そもそも狙いが的外れだった───!
最初から
帽子を整え、女の霊を睨み付ける時貞。
「さ~て、どうすッかな……四方が窓で囲まれたゴンドラの中はかなり不利ッてカンジだよなァ~……」
そこでネオユニヴァースの耳が誰かが勢いよく駆けてくる音を聞き取った。
小刻みで軽い音。しかし凄まじい勢いの駆け足は、つまり超人的な身体能力を持つ子供に他ならず。
カンッと金属の柵を足場に踏み切った音で頼もしい助っ人の
「時貞、無事?」
ガシャンと大きな音を立てて、時貞の背後───段々遠くなりつつあったロープウェイ乗り場側の窓を蹴り破った夜宵がゴンドラ内、時貞の隣へと着地する。
衝撃で小さくない揺れを起こすゴンドラがギシギシと軋んで音を立てる
「おっと───いいタイミングだけどよォ、もうちっと大人しく乗ってほしかったぜ、夜宵」
「思ったより劣化が酷いかもしれない。分断される事態は回避したけど、この強度では霊同士の戦闘に耐えられるかどうか……」
眉をしかめてゴンドラの天井を見る夜宵。その手に握られていたウサギの人形を鞄に仕舞い、塩の入った袋とバールを取り出す。
「2体も霊が暴れたらゴンドラが落っこちるだろ~な、多分」
「でも、当初の予定通りとも言える」
「ネオユニヴァースだけでこの局面を切り抜けるッつ~ことだな。極力コンパクトに行くぜ」
ゴンドラの中は当然狭い。精々が縦5m、横2m弱程度だろう。必然的に霊と時貞達の距離も3mと少し。普通なら絶体絶命といったところ。
しかし、ここにいるのは歴戦の夜宵と幽波紋を持つ時貞である。このくらいならばまだ焦ることはない。
「揺れるのはメンド~だけどよォ、
そしてなにより、ネオユニヴァースは正面からの戦闘を得意とする近接パワー型のスタンドである。
「俺達が動かなくてもよ~、ネオユニヴァースの拳はバッチリ届くからよォ~──!!」
瞬間、時貞からネオユニヴァースが飛び出す。勢いのまま1発拳を放った。
【オラァッ!】
O湖ロープウェイの霊の顔面に突き刺さる拳。それはヘルメットの1部を砕きながら霊を吹き飛ばすが、ゴンドラの壁に激突する前に窓の中へと入り込んだ。
「野郎、窓の中に逃げ込みやがった!夜宵、気を付けろよ!奴は写るものに入り込み、近くの別の写るものにワープして襲ってくるッ!」
時貞の言葉を聞いた夜宵が瞬時に動き出す。左右と背後の窓ガラスを叩き割ったのだ。相手の出てくる出口として向かい側の窓を残しつつ、あっという間に割れたガラスがゴンドラの外へ舞っていく。
割れたヘルメットの隙間から、忌々しそうに夜宵を見るO湖ロープウェイの霊が手を伸ばす。
次の瞬間、残った窓から大量の腕が伸びてくる。窓をみっちりと埋めるほど大量の腕が、時貞と夜宵を捕まえるべく狭いゴンドラを埋め尽くしながら殺到する。
「させねーぜ!」
【オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!】
「時貞、足元!」
「なにィッ!?」
ネオユニヴァースが正面から迎え撃っている腕とは別、夜宵が乗り込んだ時に飛び散っていた窓ガラスの欠片から小さく細い腕が伸び、時貞の足を掴んでいた。
先程O湖ロープウェイの霊本体に掴まれたとき程強い力では無いものの、引き込まれている。
夜宵が塩を大量に振り撒く。自身と時貞の足元を目掛けて放たれた塩が、足を捕えていた腕にダメージを与えて引き剥がし、ガラスを覆い隠す。
「助かったぜ夜宵!」
そうして2人の意識が腕に集中していたその時、けたたましいエンジンの音が鳴り響く。
「!───時貞!」
「このエキゾースト音はッ───!?」
ネオユニヴァースが迎え撃っていた腕の大群のその奧から目の眩む光が放たれる。直後、腕ごと蹴散らしながら、バイクに跨がったO湖ロープウェイの霊が飛び出した。
「ゆる、さないィィィッ───!」
「う、うォォォォォォオーーッ───!?」
ToBeContinued──────
てんびん座生まれ 血液型…B
身長…192cm 学歴…高校2年
家族…両親ともに健在である。時貞は上京にあたり一人暮らしをしているので、週末に近況を連絡している。
趣味…料理、Aviciiの曲を聞くこと
好きな色…寒色系
性格…時貞は「星」を見つめている。それは記憶の片隅にある誇り高き血統の姿であり、己の世界を構成する者達でもある。
時貞は星に恥じることのない誇りと生き方をするし、例え道を迷っても、己の世界に浮かぶ星々が正しい道へ導くだろうと信じている。
好きな女の子のタイプ…明るく健気な子が好き